KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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初恋の人と似た女

 

『その人は私の大切な人なんです。いじめるのはやめてもらってもいいですか?』

 

『カゲは優しいのがいい所なんだから、ねぇ。』

 

『ほら、カゲ大丈夫?』

 

『チューしてあげよっか。』

 

『私達がビビりのカゲを守ってあげるから。』

 

『さっき、ゾンビから逃げる時・・・嚙まれちゃったぽいんだよね。』

 

『生きてね・・・カゲ。』

 

 

 

『カゲ・・・好きだよ。』

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

カゲチヨside

 

 

 

「・・・・・。」

 

 

懐かしい夢・・・だったな。

 

まさか今になってヒビキの夢を見るとは思わなかった。

今までは無かったのに。

 

こんな夢を見るって事は、なんだかんだ割り切っていないんだろうな。

 

 

好き・・・か・・・・。

 

 

ふっ、まだヒビキが生きてたら、昔だったら泣いて喜んでただろうな。

 

だが、今の俺には誰かを好きになる資格はねぇーな。

 

 

ガチャリ

 

 

「!!」

 

 

カレコレ屋のドアが開き、目をやった瞬間、俺は驚愕してしまった。

 

何故なら。

 

 

「ヒビ・・・キ・・・?」

 

 

小学生くらいの姿をしたヒビキが俺の目の前に居たからだ。

 

どーいう・・・事だ?

なぜヒビキが子供姿で・・・・。

 

 

「え?カゲ知り合い?」

 

「い、いや。昔の知り合いに似ていたからつい・・・な。他人の空似だった。」

 

「そっか・・・。」

 

ヒビキは俺と同い年だ。

こんな子供じゃない。だがなぜこんなに似ている。

 

同じ顔の人が3人いるらしいが・・・。

 

夢といい、こんな偶然あるのか?

 

 

「どこから来たんだ?お父さんとお母さんは?」

 

「ママがここに行けって。」

 

「なに?」

 

「一ヶ月後に迎えに来るんだってさ。」

 

 

マセた子供だ。

 

普通の子供はもっと泣き叫ぶもんだが、まぁ騒がれるよりはましか。

 

 

「ちょっと無責任じゃない?そのお母さん。」

 

「なにか事情があるのかもしれない・・・。」

 

「カレコレ屋なんでしょ。依頼するから引き受けてよ。」

 

 

はぁ~・・・うちは託児所じゃねぇーんだぞ・・・。

 

 

「金はあんのかよ。」

 

「こんな子供にお金せびるとかクズ。」

 

「クズで悪かったな。ボランティアじゃねーんだよ。」

 

「ママが後で払ってくれるって。」

 

 

本当だろうなぁ~?

 

 

「でも警察とかに・・・・。」

 

「・・・わかった。一ヶ月間預かる。」

 

「カゲ?子供苦手じゃなかった?それに子供が1人で来たんだよ?」

 

「今はそこまで苦手じゃねーよ。」

 

「でも、もっと相談すべき場所があるんじゃ・・・。」

 

「お願い!!私ここに居たいの!!」

 

 

ヒサの考えもわかるが・・・どうもこの案件は怪しく感じる。

 

この子が何者なのか、なぜヒビキに似てるか調べる必要がある。

 

 

「そー言う事だ。これも依頼だ。」

 

「そうだな。一ヶ月経っても迎えに来なければ、しかるべき場所に相談しよう。」

 

「・・・うん。」

 

 

シディの提案でヒサも何とか納得してくれたようだ。

 

 

「それで?名前は何て言うんだ?」

 

「ヒビキ。よろしく。」

 

 

・・・偶然にしては出来過ぎてるな。

 

 

「俺はシディだ。」

 

「シディさん。」

 

「私はヒサメ。よろしくね。」

 

「ヒサメさん。」

 

「・・・カゲチヨだ。」

 

 

俺が名乗るとヒビキと名乗る少女はしばらく黙り込んだ。

 

 

「カゲ。」

 

「は?」

 

「カゲ君でいいや。」

 

 

ヒビキがいつも呼ぶ俺の名。

やっぱりこれは偶然なんかじゃねぇ。

 

この女には何かある。

 

 

「・・・・初対面でいきなり馴れ馴れしいぞ。」

 

「いいじゃん呼びやすくて。」

 

「このガキは・・・・。まぁいいや。とりあえずお前、今日から一ヶ月間これ持ってろ。」

 

 

俺はヒビキにひし形の赤いアクセサリーを渡した。

 

もしも攫われた時用の発信機だ。

 

っと言っても俺は気で探し出せるから特に必要はないが、俺が動けない状態の時にヒサとシディに動いてもらわないと困るからな。

 

 

「なにこれ?」

 

「発信機だ。」

 

「ストーカー?」

 

「違う。防犯ブザー変わりだ。なんかあったら真ん中を押せ。シディかヒサが助けに来てくれる。」

 

「カゲ君じゃないの?」

 

「俺が動ける状態ならな。」

 

 

はぁ~ったく、なんか疲れるぜ。

まだ生意気なトランクスと悟天と絡んでた方がマシに思えてきたぜ。

 

 

「・・・クスッ。優しいんだね、カゲ君。」ボソッ

 

「なんか言ったか?」

 

「別に~」

 

 

なんなんだいったい・・・・。

 

 

(なんだろう・・・この感じ・・・。カゲいつもと違う・・・?)

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

一ヶ月間、ヒビキを預かる事にしたカレコレ屋たち。

 

ある日は、シディの三輪車に乗って楽しんでいた。

 

 

「凄い!!凄い!!もっとスピード出して!!」

 

「ウム!!行くぞ!!」

 

「ヒャー!!気持ちいー!!」

 

「キモの座ったガキじゃのう。」

 

 

高速とも呼べるスピードにヒビキは喜び、そんなヒビキをボティスは呆れた表情で見る。

 

 

 

またある日は。

 

 

「ヒサメさんさー。もっとお肌に気使った方がいいんじゃない?」

 

「え!?」

 

「せめて化粧水くらい塗りなよ。」

 

「で、でも化粧水とかお金かかるし・・・。」

 

「どーせ食費に消えてんでしょ?」

 

「うっ・・・。す、すみません・・・。」

 

 

ヒサメの女子力について説教しつつガールズトークに花を咲かせていた。

 

 

 

そして、またある日は。

 

 

「カゲ君ーおんぶー。」

 

「はいはい。」

 

「「はい」は一回だよ。」

 

「お前は俺の母親か何かか?」

 

 

やたらとカゲチヨに対してスキンシップをし出すヒビキに、溜息を吐きつつ構ってあげてるカゲチヨ。

 

 

そんな平和な日常を送っていた4人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2週間。

 

 

ヒビキの身長が普通の人間ではありえないくらい急成長し、高校生ぐらいになっていた。

 

そんなヒビキの成長に3人は驚きを隠せなかった。

 

 

「嘘だろ・・・。」

 

「2週間で私達と同じくらいに・・・。」

 

「これが成長期という奴か。」

 

「違うから。」

 

「テヘッ。大きくなっちゃった♡」

 

 

大人になってますますヒビキに似ているとカゲチヨは内心思う。

 

 

(こんな成長スピードは異常だ。まさかこいつ人間じゃないのか?)

 

「ど、どうする?病院とか・・・。」

 

「病院行って分かるなら苦労はしねぇ。」

 

「大丈夫ですよ。」

 

「ヒビキちゃん。」

 

「私には痛い所とかありませんから!それにママが来たら何か分かるかる筈です!!」

 

 

そのママとやらの存在。一度会ってみなくちゃならない様だ。すべてのカギはそのママとやらが握っているとカゲチヨは考え、一旦様子を見る事に決めた。

 

2人もカゲチヨの提案に、それしかないと同意した。

 

 

「何か少しでも痛みが出たら言えよ。」

 

「はーい。」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

ヒサメとシディは他の用事で忙しいため、カゲチヨがヒビキと共に外出し公園に来ていた。

 

 

「公園?もっとデートっぽいとこ来たかったー。」

 

「デートじゃねぇーよ。お前に運動させた方がいいって、ヒサとシディが言うから散歩に来ただけだ。」

 

「ちぇ。カゲ君とデートしたかったのにー。」

 

「まったく。このマセガキは・・・。」

 

「もうガキじゃないもーん。」

 

「俺的にはお前はガキだよ。実年齢的にも。」

 

「へぇー。じゃあカゲ君は今いくつ?」

 

「百歳は超えてるな。(もしかしたら二百歳超えてるかも。)」

 

「噓でしょ。」

 

「残念本当だ。」

 

「むー。じゃあガキじゃない所・・・見せてあげようか?」

 

 

そういってつま先立ちでカゲチヨの顔に近付いた。

 

 

「チューしてあげようか。」

 

「!!」

 

 

それは昔、ヒビキがゾンビに噛まれて、まだ意識があった時の最後に言った言葉。

 

 

 

 

『カゲ、好きだよ。』

 

『え?』

 

『私はカゲチヨを愛してます。』

 

『は・・・?意味分かんねぇ事言うなよ・・・。んな事言うなよ・・・。そんな・・・最後みたいな事・・・。』

 

『次好きになる人にはすぐに告白しなよ。』

 

『んな奴出来ねぇーよ!!』

 

『フフっ。またまたぁ。』

 

 

『カゲ、チューしようか。』

 

 

『こ、こんな時に・・・。』

 

『・・・なんてね。感染しちゃうよ。・・・・生きてね・・・カゲ。』

 

 

 

 

 

昔の事をフラッシュバックしたカゲチヨは、一度冷静さを取り戻し、ヒビキの額にデコピンをした。

 

 

「いった~!!」

 

「大人をからかうな。」

 

「デコピンでこんな激痛食らうなんて思わなかった。」

 

「はぁ・・・少しは反省しろ。俺は近くの自販機でジュース買って来るから待ってろ。」

 

 

そう言って、カゲチヨはヒビキから少しの間離れた。

 

 

公園のベンチで額をさすってるヒビキの前に、不良達が公園にやって来た。

 

 

「いやー課外授業とかタルいなーっと思っていたけど、こんな可愛い子がいるなんてなー。」

 

「何ですか?」

 

 

不良達に嫌な顔をするヒビキに対し、ニヤついた表情を崩さなかった。

 

 

「おーおーこわっ!!」

 

「おねーさんさ。俺達の保管体育の授業に付き合ってくれよ。」

 

「・・・。」

 

 

無視して去ろうとしたら、腕を掴まれた。

 

 

「何無視してんだよっ!」

 

「痛いっ!!」

 

「へへへっ。ほら、あっちの茂みの方に行こうぜ。」

 

「いやっ!」

 

「いやっ、だってよ!!そそるなぁ!!おいっ!!」

 

 

ヒビキの反応にいやらしい笑みを浮かび、ゲラゲラ笑う不良達。

 

 

(カゲ君・・・助けて・・・!!)

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

一方、カゲチヨは自販機でジュースを買っていた。

 

 

(まったく・・・。今日はよくヒビキの事を思い浮かべるな。)

 

 

容姿といい、自分の呼び名といい、言動といい、行動といい。

まったくもってヒビキそのものだった。

 

 

(ん?ヒビキのほかに二つの気を感じる。)

 

 

ヒビキが誰かに絡まれている事に気が付いたカゲチヨは急いでヒビキの所へ戻ろうとした。

 

 

その時    

 

 

 

「!!」

 

 

ボガァン!!

 

 

何者かに襲撃を受けたカゲチヨは、その場から回避した。

 

 

「何だ!気は感じなかったぞ!」

 

 

誰が自分に攻撃を仕掛けたのか、辺りを見渡す。

 

するとさらに、追撃の気功波がカゲチヨを襲う。

 

カゲチヨはその気功波を腕で弾き返して防ぎ、上空に居る人物に目をやる。

 

そいつは黒髪の三つ編みをしており、肌が白い図体のでかい筋肉質な男だった

 

 

「お前、いったい何者だ!」

 

「・・・・・。」

 

 

質問を投げかけるも、そいつは一切答えようとしなかった。

 

そして、カゲチヨはある事に気が付く。

 

 

(こいつ・・・まったく気を感じねぇ。)

 

 

生きてる人間なら必ず小さくても気がある。

 

それを一切感じない。

カゲチヨは、まさかあり得ないと思いながらも一つの過程を推測した。

 

 

「まさかお前・・・「人造人間」じゃないだろうな。」

 

 

その男は、カゲチヨの言葉にニヤリと頬を吊り上げ襲い掛かる。

 

男の猛攻に対抗し、激しい戦闘が繰り広げていた。

 

 

「お前は一体誰に作られた!!なぜ俺を狙う!!」

 

「・・・・。」

 

 

だんまりを決め込む男に、カゲチヨは致し方が無く、動きを封じてから事情を聞き出すことにした。

 

2人の激しい戦いを繰り広げ、男はカゲチヨを蹴り飛ばした。

追撃で気功波を放つが、跳ね返しながら近づき、男の腹を殴った。

 

 

「人造人間なら、多少強くしても問題ないよな。」

 

「!!」

 

「ふんっ!!」

 

 

バキン!!

 

 

男の腕を手刀でちぎりった。

 

ちぎられた腕からは血など流れず、配線なのだ組み込まれていた。

この男はやはり人間ではなかった。

 

 

「教えてもらうぞ。お前はいったい誰に作られた。・・・まさかDr.ゲロか。それともDr.ウイローか。」

 

「・・・・・っ!!」

 

 

悔しながらも一言もしゃべらず、カゲチヨに再度襲い掛かるが、難なく捌いた。

 

 

「喋る気はねぇーか・・・なら仕方がねぇ!」

 

 

カゲチヨは男の腹を今度は思いっきり殴り、殴られた腹はカゲチヨの拳によって貫かれた。

 

腕を抜き、至近距離の気功波で男を消滅させた。

 

 

「・・・・結局、誰がこいつを作り出したのか、分からず仕舞いだったな。」

 

 

謎は残ってしまったが、今はヒビキの元へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ふっ。あれが腐血のカゲチヨか。まさか14号を倒すとはな・・・。」

 

 

ヒビキの元へと行った所で、謎の男はバラバラになった男の動力炉とデーターチップを拾い、飛び去った。

 

 

 

 

 

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