カゲチヨside
「な、何だこれは・・・。」
あの人造人間を倒した後、ヒビキが居る公園に戻ったら、学生の男達がゾンビと化していた。
「アァアアアアアア・・・。」
あれは、ゾンビ・・・。
・・・いや、俺が知ってるのとは少し違う・・・?
トッププレデターの仕業か。それともあの人造人間と何か関係してるのか?
ヒビキはそれに巻き込まれたのか・・・。
だが気は感じる。
ゾンビ化にはなっていない様だ。
「とりあえず。お前らには悪いが被害を出させない様に消えてもらう。恨むなら俺を恨むがいいさ。」
「アァアアアアア・・・・。」
気功波でゾンビたちを消滅させた。
「へぇーお前手からビーム出せるのか。」
「お前の能力にそんなの無かっただろ。」
俺の背後から話し掛けた2人。
こいつらの気は知っている。
「スズキ。サトウ。何でお前らが?」
「課外授業だったんだよ!」
「この馬鹿がはしゃぐからこの時間までかかったんだ。」
「へいへい。」
「で、さっきのは何だ?」
「知らねぇよ。知り合いの元に戻ったらあんな状態だ。」
っと、こんな悠長な事してる暇なかった。
早くヒビキの元に戻らなければ・・・・。
◇◇◇◇◇
「ヒビキ!無事か!」
「カゲ君・・・。」
無事みたいでよかった・・・。
また・・・繰り返すところだった。
「すぐに駆け付けられなくてすまねぇ。何があった?」
「うん、なんか不良の人に襲われてね・・・。それでバッジを押したの。」
バッジを・・・もしかしたらあの人造人間との戦闘中の時に押したのか。全然気が付かなかった。
「本当に何もなかったのか?」
「舐めないで。噛んで逃げてやった。」
「!!」
噛んだ・・・だと?
じゃあその時、その不良達のゾンビ化は・・・・。
「どうしたのカゲ君?」
「・・・いや・・・。」
確証はない・・・だがそれしか考えられねぇ。
「カゲ君?」
「とりあえず・・・カレコレ屋に戻ろう。」
◇◇◇◇◇
カレコレ屋の戻った俺ら。
ヒビキはシャワーに浴びてる間、俺は2人に今日あった経緯を話した。
「っという事があったんだ。」
「ヒビキさんが噛んだ人がゾンビ化・・・そんな事ありえるの?」
「分からねぇ。だが、今回の依頼はやはり何か裏ある事は確信してる。」
それにあの人造人間の事も気になる。
「カゲチヨ。オーナーに頼んで、ヒビキを調べてみるのはどうだ?」
「・・・そうだな。頼めるか?」
「あぁ。」
シディはオーナーの所に言って頼み込んだ所、機材が無いと調べられないからと言われ、取りに行くとの事だった。
「でもシディが居ないと不安だよね。私達学校とかあるし・・・。2人して常に護衛してるわけにはいかないよね。」
「俺が休学するか・・・。」
「駄目に決まってるでしょ!」
「だよなぁ・・・仕方がねぇ、助っ人を呼ぶか?」
「「助っ人?」」
ヒサとシディは頭に?を浮かべてる横目でスマホを操作し、助っ人を呼び出した。
◇◇◇◇◇
次の日、俺が呼んだ助っ人というのは
「助っ人ってサトウ君とスズキ君!?」
そう、この2人だ。
この2人なら護衛に申し分ないし、不良校をサボった所で屁でもないだろう。
「金は払ってくれるんだろうな?」
「あぁ。」
「あれ?この人達は?」
気になったのかヒビキがこっちにやって来た。
「お前の護衛してくれるスズキとサトウだ。」
「おー!守るのはこの子かー!滅茶苦茶美人じゃねーか!」
「へー見る目ありますねー。」
見た目は同い年だが、中身は一桁代の小学生だがな。
まぁ知らぬが仏というし、そこは黙っていよう。
「今日はカゲ君が私と一緒に護衛する日だよね?」
「あ?あぁ。」
「私行きたいところあるんだけど。付き合ってくれる?」
こいつは・・・昨日も不良に絡まれたのにまだ出かけたいのかよ。
「はぁ・・・どこだよ。」
まぁ何言っても止めはしないだろうな。
こいつの性格上。
「・・・・。」
「?ヒサ、どうした?俺の顔に何か付いてるのか?」
「へ?あ、ううん!何でもないよ!!」
「そうか?」
何か見られた気がしたが気の所為だったか?
◇◇◇◇◇
ヒサメside
「一回来てみたかったんだー。」
まさかヒビキちゃんが行きたかった所って、遊園地だったの!?
「俺はそこで見てるから、楽しんで来いよ。」
「カゲ君が一緒に居なきゃ楽しくないよ。」
「よくそんな恥ずかしげもなく言えるな。」
「へへへー。」
・・・・・・。
何だか、ヒビキちゃん。
カゲと一緒に居れて楽しそう・・・・。
ズキッ
何?この胸の痛み。
何だか、締め付けられる感じで苦しい・・・。
「何やってんだ?」
「うわっ!?」
背後からいきなりスズキ君に話し掛けられてビックリして変な声上げちゃった。
恥ずかしい~!!
「ストーカー趣味があったとはな。」
「違うよ!!これはたまたまって言うか!!・・・あの・・・えっと・・・そうだよね・・・。2人の後をつけてサイテーだよね。」
「・・・いや、安心したよ。」
え?
「もっといい子ちゃんだと思ってたから、人間臭いとこあるんだなって。」
スズキ君・・・。
「1人での遊園地は怪しまれるぜ。付き合ってやるよ。」
「・・・ありがとう。でも大丈夫!」
「?」
「やっぱりこういうの良くないよ。スズキ君のおかげで気付けた。ありがとう!」
「フンッ。結局真面目か。」
私は、カゲとヒビキちゃんを一目見て遊園地を出た。
胸のしこりを残したまま・・・。
◇◇◇◇◇
カゲチヨside
ヒビキに付き合い遊園地で遊びつくした。
遊んでから数時間、日が沈み始めた。
「ふー。遊んだ遊んだー。」
「満足したか?」
「まぁね。やっぱり好きな人と一緒だと時間はあっという間だね。」
「は?」
「冗談だよ♡」
「お前は・・・はぁ・・・。」
「カゲ君は溜息ばっかするね。幸せが逃げるよ。」
「うるさい。余計お世話だ。」
ったく。ヒサとスズキも巻き込めばよかった。
「そうそう、カゲ君に見せたいものがあったんだ。」
見せたいもの?
そう言っておもむろに服を脱ぎだし始めた。
「おまっ!いきなり何脱ぎ始め・・・っ!!」
服の上着を脱ぎ肌をあらわにした。
肩には血管のような赤い痣が浮かび上がっていた。
「これは・・・。」
「どんどん広がってる。広がった所から、身体が動かなくなるんだ。」
なんだと・・・。
「何故言わなかった。」
「今日、急に・・・。」
・・・・・。
「今、シディとオーナーがお前の身体を調べてる。きっと大丈夫だ。」
「・・・うん、ありがとう。」
「明日の朝一番に病院も行くぞ」
「うん。」
行っても意味ないかもしれないが、それでも可能性があるなら行くしかない。
俺は、ヒビキをヒサの部屋まで送って、自分の自宅に帰った。
◇◇◇◇◇
ヒサメside
ヒビキちゃんが遊園地から帰ってきて、今は一緒に布団の中に入っていた。
カゲと・・・何かあったのかな・・・?
私は2人の事が気になって仕方が無かった。
「・・・ヒサメさん。起きてます?」
眠れない私にヒビキちゃんが話しかけてきた。
「・・・起きてるよ。」
「ヒサメさんって好きな人とか居るんですか?」
「え!?」
な、何で急にそんな事言うの!?
「わ、私は・・・。」
「私はいます。」
え・・・。それってやっぱり・・・。
「私、カゲ君が好きです。」
・・・・・。
何となく・・・そんな気がしていた・・・。
私やシディとカゲを見る目が違っていたから・・・。
「そっか。」
ズキッ
また、胸の奥が痛みだした・・・。
この痛みは・・・もうわかってる・・・。
私は、ヒビキちゃんに嫉妬してるんだ・・・。
駄目・・・こんな醜い感情持っちゃ・・・。
「私、遠慮しませんからね。」
・・・・ヒビキちゃんは綺麗だし、行動力があって・・・
老い先短い私といるより、カゲはヒビキちゃんといた方が・・・幸せ・・・だよね・・・。
「・・・うん。わかった・・・。」
私は、了承してしまった。
自分の感情を押し込んで・・・・。
◇◇◇◇◇
カゲチヨとヒサメが学校に行っている間、サトウとスズキを護衛に、ヒビキを病院に連れて行った。
だが3人は病院に行こうとするも道に迷っていた。
「病院病院・・・どっちだ?」
「サトウ、お前地図逆さに持ってるぞ。」
「マジで!?」
「貸せ!俺が案内する!」
「・・・・。」
2人のやり取りに呆れながら見るヒビキだった。
「なんだ。カレコレ屋と一緒じゃなかったのか?」
「!?」
そこに赤毛で鈴の耳飾りを付けている吸血鬼、アザミがヒビキたちの前に現れた。
「吸血鬼!?」
「知り合いか?」
「いえ、知らない人です・・・。」
スズキはヒビキに知り合いかと尋ねるがそれを否定。
「その女を渡せ。」
「それは難しいな。こっちも仕事でな。」
「俺達はカレコレ屋みてーに優しくねーぞ」
アザミの前で警戒心を強める。
「最後の忠告だ。死にたくなかったらその女を渡せ。」
「ハッ!!欲しけりゃ力づくで奪いな!!」
「挑発すんな、馬鹿。」
「ヒビキ、連れて逃げろ。」
サトウの喧嘩っ早い性格に呆れるが、顔を近付き小声で言ってきた。
「お前!?」
「心配すんな。強ぇー奴とは正々堂々一対一でやりてーんだよ。」
サトウの言葉に苦い顔をして、ヒビキを連れて逃げようとした。
「!?」
「なにこれ!?」
だが、3人の足元に血液の紐が絡まっていた。
「誰一人として逃がさない。」
逃げられない以上、スズキは覚悟を決め、サトウの横に立った。
「サトウ、2人でやるぞ。」
「命令すんな。元からぶちのめすつもりだ。」
「ハッ、そりゃいいな。」
「時間が欲しい。・・・来い。」
2人はヒビキを守るためにアザミに向かって飛び掛かった。