誰も居ない荒野にて、お互い変身した状態のカゲチヨと悟飯が数時間休まずに激しい修行をしていた。カゲチヨは超吸血鬼を継続的に維持の特訓をしてるためまだまだ余裕があったが、悟飯は超サイヤ人のコントロールが未だに出来てないため長時間の維持が出来なく、疲れ果ててしまい変身状態が解けてしまった。
「はぁ・・・はぁ・・・。」
「今日はここまでだな。」
「す、すみません。また変身が解けてしまいました。」
「最初なんてそんなものさ。俺も悟空も、そして過去のお前も相当苦労したからな。」
一週間ちょっとで出来るわけがなかった。精神と時の部屋があってこそ出来た事なのだ。もしその部屋が無かったら、セルどころか人造人間にすら勝てなかっただろう。
だが、この世界に神殿がないため自分達が出来る範囲でやるしかないのだ。
「気長に行こう。なぁに、過去のお前も出来たんだ。同じ存在のお前が出来ない訳が無い筈だ。」
「そうですか?」
「そうさ。お前には子供の頃から隠された潜在能力があるんだ。」
「・・・わかりました。頑張ってみます。」
『カゲ、悟飯君。お昼の準備出来たから戻ってきてー。』
ムツミが通信が入り、ご飯の支度が出来た事で悟飯はお腹減ったと言って別荘に戻り、大量の料理の前で豪快に食べ、量を減らしていった。
最初は、ご飯の食べっぷりに驚きを隠せなかったムツミだったが慣れた感じで空になった食器を持ち洗っていった。
「相変わらず凄い食べっぷりだね。」
「お前の元もそう変わらないぞ。」
「人間ってこんなに食べる生き物なの?」
「いや、あいつらが異常なだけさ。」
ヒサメはどうか知らないが、悟飯含めサイヤ人はかなりの大食いだ。
何度チチに食費について泣きつかれた事か・・・。そう思い、苦笑いするカゲチヨにムツミは頭に?を浮かべながら首を傾げた。
一緒に食べてるロッドも、ご飯の食べっぷりに苦笑いしつつ、もう慣れたって感じで黙って食べていた。
ブーッ!ブーッ!
噂をしたらなんとやら、カゲチヨのスマホからヒサメからの通話が来た。
水を飲みながらスマホを取り、通話に出た。
「おう、どうし・・・・。」
『かかかかか、カゲー!!』
出た途端に急な大声に耳からスマホを離した。
危うく椅子から転び落ちそうになったがなんとか耐え、阻止した。
「な、何だよ急に大声出して・・・。耳がイカれるところだったぜ。」
『ここ、子供が!!』
「子供?」
『私とカゲの子供がカレコレ屋に!!』
「・・・・は?」
◇◇◇◇◇
カゲチヨside
「あー。」
「・・・・・。」
ヒサから変な電話が来たと思ってすぐにカレコレ屋に駆け付けたと思ったら、ヒサとシディとヨーメイ、そして俺とヒサに似た赤ん坊がヒサの膝に座ってる。
「・・・どー言う事か説明してくれ。」
「どーもこーもないでしょ!いつ子供を作ったんですか!?」
「だからさっきも言ったけど作ってないよ!?」
「そもそも、この子生まれてきてから一年か二年じゃないか?その時期はまだヒサどころかシディとすら会ってねぇよ。」
「だから自分の子供じゃないって言いたいんですか!?この頭についてるかりんとうに陰湿な目!明らかに2人の子に間違いないじゃないですか!!」
「間違いだよ。」
動揺しすぎだろこいつ。
しかし、本当に似てるな。
俺はヒサの膝に乗ってる赤子を抱き上げる。
「ほ~れ!たか~い、たか~い!」
「きゃっきゃっきゃ!」
お、笑った笑った。
「・・・なんかカゲ、慣れてない?」
「そ、そうか?」
孫一家どころか、トランクスにパン、ブラにマーロン。悟空Jrの世話をしてきたからなぁ~。おかげで18号には「ベビーシッタ代が浮いて助かるね」って言われる始末だ。こちとら暇じゃないっつーに。
「それで、この子はどこに居たんだ?」
「カレコレ屋の前にこのベビーカーが放置されていたんだ。それをお使いに行ってたヨーメイが発見したらしんだ。」
そう説明してくれたシディは、一枚の紙を渡してきた。
内容は「しばらく預かってください」としか書かれていなかった。
「勝手な親だなぁ~。」
「きっと黙って放置しちゃう程の事情があったんだよ。」
「ていうか見れば見るほど、カゲチヨさんとヒサメさんに似てますね・・・。本当に2人の子供じゃないんですか?」
「ヒサを抱いた覚えはない。」
「わ、私も抱かれた覚えないよ!?/////」
ったく。
どんだけ疑り深いんだこいつは。
そのせいで赤子がぐずっちまったじゃねぇーか。
あーよしよし。
まだこの赤子の方が大人しくて楽だな。
悟飯爺さんが拾った時の悟空なんて大泣きしてあやしてたら蹴るわ髪を引っ張るわで苦労したもんだ。
「もしかしたら、未来のカゲチヨとヒサメが2人の子供を預けに来たのかもしれないな。」
「はぁ?なんだよ急に。」
「あ~・・・。多分、撮影現場の手伝いの依頼に行ったときに映画の内容が「未来の自分がやってきて子供を預けられる」って感じだったんだ。多分、それを思い出して言ったんじゃないかな?」
「何だそれ。んなことあり得るわけ・・・・。」
・・・・ないとは言い切れないな。
状況は違うが、俺も悟飯も転移したり、トランクスが未来に来たりもしてたし。
まさか本当に俺とヒサの子なのか?
もしそれが本当なら・・・・。
「お前の母親は可哀想だな。」
「う?」
「ちょっと、それどういう意味?」
さて、どういう意味だろうな。
「とりあえず、放っておくのも後味悪いし、しばらくは面倒見るか。」
「その方が良いな。ヒサメとカゲチヨは赤ちゃん用品の買い出しを頼む。俺はヨーメイとこの子の親探しをしてみる。」
「えっ私も!?・・・ま、まぁシディさんがどうしてもって言うなら協力しますけど!」
相変わらずチョロいなこいつは。
探すのはいいけどその前にオーナーに一言言って置けよ。
◇◇◇◇◇
俺とヒサは赤子を連れてスーパーに寄って行った。
・・・というか。
「何で俺なんだ。普通どー考えてもシディが適任だと思うんだが?」
「まぁまぁ愚痴らない愚痴らない。」
はぁ・・・まさか200歳超えてから父親の真似事するとは思いもしなかったぜ。
「子供のおむつはどうする?テープタイプとパンツタイプあるし・・・。この子多分一歳ぐらいだと思うからつかまり立ちが出来たらパンツタイプの方が良いのかな?」
「とりあえず二種類買っていくか。どーせ消耗品だし。」
「そーだね。(な、なんだかこのやり取り本当の夫婦の会話みたい・・・傍から見たら私達家族に・・・見えるのかな?////)」
他の買い物もちゃっちゃと終わらせて会計を済ませた。会計の際に店員のおばちゃんに完全に夫婦だと間違われた。
俺は否定も肯定もせずに笑って誤魔化した。
変に返答したら勘違いしかねないからな。
店に出ると外は日が沈みだしていた。
そのせいか赤子がぐずり出した。
「黄昏泣きって奴かなぁ?夕方になると泣き出す赤ちゃん多いらしいよ。」
「うぅ~あぁぁ!!」
「おっと!ほらほら見て!」
泣き出した赤子をあやす様にヒサは氷の能力で可愛いクマの小さな雪だるまを作って泣き止ませた。
こういう時に便利だなぁ。
「もうすぐお家だからもうちょっと頑張って!ね?」
「だぁ~!!」
クマの雪だるまが気に入ったのか笑顔になって喜び出した。
「凄いな。ヒサはいい母親になりそうだな。」
「え!?そそそ・・・それって・・・その・・・・カゲの・・・奥さんに・・・。////」
「ん?」
なんか後半がぶつぶつ言ってて聞こえないんだが。
その後、無事に帰宅し飯を食った後ヒサは赤子と風呂に入っていった。
ムツミに今日はカレコレに泊まる事を報告した。
風呂から上がったヒサが、赤子の背中に変な模様があったそうだ。
ますます謎が深まったな・・・。
「とりあえず寝るか。」
「あー。」
「じゃあ私と・・・。」
「お前は寝相が悪すぎるから駄目。」
「う・・・。」
お前と寝たら大人でも怪我すんのに赤子と一緒になったら大怪我すんだろうが。
◇◇◇◇◇
次の日の朝。
今日も今日とて赤子を連れて散歩。
「そっか、まだ進展はないか。」
寝てる赤子はヒサに任せ、少し離れた所でシディと通話し現状報告を聞いた。
『外見的な特徴も少ないし、手掛かりが少なすぎてな・・・。カゲチヨは気とやらで母親の位置とか分からないのか?』
「残念ながら、流石に気で母親特定は無理だ。・・・そういえばヒサが赤子の肩に模様があったそうだ。」
『模様?』
「ヒサが写真撮ってあるらしいから送る様に言って置く。」
『そうしてくれると助かる。』
とりあえず、報告はこの辺でいいだろう。
「うわっ!」
俺が通話を切った途端、ヒサの驚き声が聞こえた。
なんだと思ったら、俺の目の前に男が通り過ぎた。
「赤子は返してもらうぞ!!」
「おい!早く乗れ!!」
男は車に乗って走り去っていった。
なんだったんだあいつら?
「カゲどいて!!」
「待てよ。」
ヒサが男達に電撃を放とうとしてたから止めた。
「あっ・・・何で邪魔するの!?カゲはあの子が誘拐されても・・・・・・・・え?」
「すー・・・むにゃむにゃ・・・・すー。」
「あ、あれ?赤ちゃんはさっきあの男が・・・あれ?」
ヒサは俺が抱いてる赤子を見て困惑していた。
「あぁ、何か目の前に通り過ぎた男がこの赤子を抱いてたから奪い返した。」
「え・・・えぇ・・・。」
「お、おい大丈夫か?」
なんか安堵したのかへたり込んでしまった。
「てめぇ!!その子供をよこせ!!」
さっきの車が帰ってきて来た。
しかも公園であるにも関わらずに突っ込んで来た。
「もういい!このままあの餓鬼どもごと引き殺せ!!」
猛スピードで俺達の方へと突っ込んでる来る車に俺は片足で車を止めた。
「お、おいどーなってるんだ!!アクセルもっと踏めよ!!」
「目一杯踏んでるぜ!!」
ずっとアクセル踏んでるみたいだが、タイヤは回ってるが一向に前進せずに微動だに動かなかった。
車ごときで後退りするかよ。
「誰だか知らないけど、この子に手を出したら容赦しない。」
ヒサが能力を解放して男達を脅した。
母は強しって奴かな。
「諦めたらどうだ?このお姉さんはぶち切れたら怖いぞぉ。」
「くそ!くそぉぉ!!」
◇◇◇◇◇
「私がこの子の母親です。カレコレ屋さんには本当にご迷惑をおかけして・・・。」
男たちが、赤子の身元を教えてもらい、スムーズに母親が見つかった。
赤子も母親に会えて喜んでる様だ。
「私達の種族は
つまり、男どもは赤子を含めた親族を殺そうとするためにわざわざ探して来たって訳だ。
「緊急時事態だったのできちんとした説明する暇もなく・・・申し訳ありません。」
「だがどうしてウチだったんだ?」
「それは・・・この子がカゲチヨさんとヒサメさんDNAを受け継いでるからです。」
・・・?
どー言う事だ?
「覚えてないと思いますけど、私は以前、お二人に会った事があるんですよ。」
ん~?
何処かであったっけか?
彼女によれば単為生殖、つまり一人で子供を産む事が出来る彼女は、種族の繁栄のために様々な生物のDNAを取り込み次世代の進化を促す役割があり、ある事件で出会った俺達の身体の一部も取り入れた結果、偶然にも俺とヒサの外見が色濃く反映された子供が誕生したって訳だ。
正直な話、とある事件って言っても昔過ぎて何の事件だったか全然覚えてない。
数百年も生きてりゃ細かい事なんか一々覚えてねぇーよ。
まぁ何はともあれ母親も見つかった事だし、これで事件は解決・・・・
「あぁああああああ!!」
「こ、こら!手を離しなさい!」
・・・っと思ったんだがなぁ~。
赤子が俺の服を掴んで全く離そうとしない。
「気に入られちゃったね。」
「反応に困る。」
赤子が泣き止むまでしばらくこの状態が続くことになった。