KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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痛みを感じなくなった

 

いつもの天気のいい朝、カゲチヨとヒサメは学校に歩いて登校していた。

 

普段は悟飯一緒に居るはずだが、今日は日直のため久々の二人っきりである。

 

 

「ヒサ、その手はどうした?」

 

 

ふとヒサメの右手に絆創膏が貼ってあることに気付き雑談がてら質問した。

 

 

「あぁ~、昨日リサイクルショップで怪我しちゃって。」

 

「オーナーが留守の時にヨーメイがヘルプ出したやつか。」

 

「そうそう。それでトラブルがあって・・・。」

 

 

ヒサメが語るに休憩中にヨーメイが金庫に入っていた「ガチャ運が高まるメダル」を使ってアプリゲームのガチャをしようとしてたため、真面目なヒサメはそういうのはいけないと思い取り上げた所、引っ張り合いになった時にメダルの装飾に切ったとの事だった。

 

 

「なるほどな・・・その左手の傷もそれ関係でついたのか?」

 

「え?」

 

 

指摘されて反対側の左手を確認したら、確かに怪我をしていた事に今になって気付いた。

 

 

「何これ!?全然気づかなかった!!」

 

「痛くねぇのか?」

 

「全然。でも気付いてよかった~。」

 

 

あっけらかんとするヒサメに気を付けるように注意するカゲチヨにハイハイと軽く答えた。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

あれから数日が経ち、学校にてヒサメ達女子は体育でバレーをしていた。

 

 

「行くよ!!それ!!」

 

 

ボールを強くスマッシュで打ち相手コートに入れた。

 

スマッシュを打つ時、隣の女子生徒にぶつかりそうになる。

 

 

「なんかヒーちゃん最近激しくない?」

 

「ラフプレーが多いな。」

 

 

すると、ヒサメがネットの支柱に向かって頭を思いっきりぶつけてしまった。

 

 

「ヒーちゃん!?」

 

 

完全にやばい音をしていたため、心配して駆け寄るミキとノリコ。ヒサメの顔を確認すると血が流れている。

 

 

「ヒサ、大丈夫か?」

 

「あはは、平気平気。」

 

「笑ってる場合じゃないよ!!保健室行こ!!」

 

「大丈夫だって。全然痛くないから。」

 

 

平気だと言うが、明らかに平気ではないほど血が流れてるため、強制的に保健室に連れて行かれる事になった。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

更に数日後

 

 

ヨーメイがヒサメが住むアパートにやって来た。

 

 

「こんにちは~。あの~ヒサメさん。何か食べ物恵んでくれませんか?ガチャやりすぎて最近金欠で・・・・ってええええ!!」

 

 

無断でヒサメの部屋に上がり込んだヨーメイだったが、そこで目にしたのは台所付近でヒサメが顔色悪くしていた状態で膝をついていた。

 

しかも、ところどころに血が付いていた事に驚きつい大声で叫んでしまった。

 

 

「あ・・・ヨーメイちゃん。」

 

「一体何がっ!?」

 

「大丈夫。ただの貧血。手を切ったの気付かなくて血が結構出ちゃった。」

 

「きゅ、救急車!!」

 

「落ち着いて。痛くないから止血すれば平気だよ。」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

また更に数日後。

 

 

今日はシディと共にペット探しの依頼を受け、現在依頼人の猫を追いかけている最中だった。

 

 

「いた!依頼人の猫だよ!!」

 

 

道路に飛び出し、そのまま追いかけたヒサメだったが、横から車が突っ込んできた。

 

 

「ヒサメ危ない!!車が来てるぞ!!」

 

 

慌てて呼び止めるシディ。ヒサメは突っ込んできた車をギリギリ飛んで避け、飛んだ勢いで猫を捕まえた。

 

所々擦り傷が出来て服がぼろぼろの状態なヒサメを心配して駆け寄るシディ。

 

 

「ヒサメ怪我は!?」

 

「大丈夫!ほら猫も無事・・・。」

 

「大丈夫なわけないだろ!もう少しで死ぬところだったんだぞ・・・!ヒサメ指が・・・っ。」

 

 

ヒサメの人差し指が青紫色に変色していた事に気付く。

猫を助けた拍子で地面に転がった時に折れてしまったんだろう。

 

 

「大丈夫。こうやって戻せば・・・。」

 

 

そう言って骨折した指を掴もうとした時、誰かに腕を掴まれて阻止された。

 

 

「大丈夫なわけないだろ馬鹿。」

 

 

掴んだ相手はカゲチヨだった。

 

自分の農家作業を終わらせ、二人と合流するために飛んでやって来たら、ヒサメが車に引かれそうな場面に遭遇。慌てて駆け寄ったと思えば、折れた指を曲げて戻そうとしたヒサメがあまりにも異変過ぎたため、腕を掴んで止めに入ったのだった。

 

 

「お前は俺じゃねぇーんだ。痛みがないからって、再生しねぇーんだぞ。」

 

「・・・く、無いの・・・。」

 

「なに?」

 

「本当に・・・痛く無いの・・・。」

 

「どういうことだ?」

 

「最近痛みを全く感じない。怪我も気付かないの。」

 

「いつから痛みを感じなくなった。」

 

「分からない・・・。カゲに左手の傷の事を指摘した時から痛みを感じなくて・・・。」

 

「最後に痛みを感じたのは何時か分かるか?」

 

「確か・・・ヨーメイちゃんの手伝いの時にメダルの装飾に傷ついた時・・・かな?」

 

 

カゲチヨはそれを聞いて、まだ確信はないが答えはそのメダルにあるんじゃないかと予測した。

 

するとヒサメがカゲチヨの腕を強く掴んで来た。

 

 

「カゲ!カゲの力で私を傷つけて!!シディでもいい!!」

 

「落ち着けヒサメ!」

 

「ほら私に痛い事してもいいんだよ!そういうの興味なぁい?」

 

 

明らかに普段のヒサメと違い、目の焦点が定まっておらず口元が歪んでいた。

 

 

「お前、自分が何言ってんのかわかってるのか。」

 

「え・・・今、私何を・・・・。」

 

 

ヒサメの異変にカゲチヨは家に帰って休むように諭した。

 

その提案にヒサメは素直に従い家に戻った。

 

だがこの時、カゲチヨは少しだけヒサメから別の気が一瞬出た事に疑問を持ったが、一度様子を見るために手を出さなかった。

 

一先ずメダルの事について調べるために、シディと共にリサイクルショップへと向かった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「びぇええええええん!!もうじまぜん!!ゆるぢでぐだざい!!」

 

 

リサイクルショップにつくと否や、ヨーメイがテーブルの上で泣き叫んでいる光景が見えた。

 

その隣で呆れた表情で見てるオーナーとその反対に困惑してる眼鏡をかけた20代くらいの牧師服を着た男性が立っていた。

 

 

「どーいう状況だ。」

 

「オーナー。その男性は?」

 

「あぁカゲチヨとシディか。この人はエクソシストだ。」

 

「エクソシスト!?・・・って何だ?」

 

 

カゲチヨとオーナーとエクソシストの男性はシディの天然発言にずっこけそうになる。

 

 

「エクソシストって言うのは、簡単に言えば悪魔に取り憑かれた人から悪魔を追い出してくれる聖職者だ。彼はそのプロだ。私達の業界には欠かせない存在でな。時々依頼して来てもらっている。」

 

「そんなプロが何でここに?」

 

「ヨーメイだよ。ヨーメイが幸運のメダルを使ってな。」

 

「そのメダルに何かあるのか!」

 

「お、おい!」

 

 

幸運のメダルと聞いてずいっとオーナーの顔を近づけた。

 

鼻がくっつきそうなくらい顔が近かかったため、若干驚き少しだけ顔を赤らめた。

 

 

「あ、あのメダルは悪魔付きらしくてな。だから彼が来て引き渡そうとしたらヨーメイが金庫を開けていて現行犯逮捕したわけだ。・・・近いから離れろ・・・。」

 

「あ、悪ぃ。」

 

 

すっと離れた後、オーナーの言葉を聞いたカゲチヨはとある予測をした。

 

 

「その悪魔ってーのは、もしかしたらヒサが取り憑いたのかもしれねぇ。」

 

「本当かカゲチヨ!!」

 

「あぁ。確かヒサはその幸運のメダルの装飾で怪我した後、痛覚が無くなっているらしいんだ。それに一瞬ながらヒサから別の気配を感じた。もしそれが悪魔なら合点は行く。」

 

「それは悪魔付きの初期症状だ!」

 

「しかしなぜヒサメが・・・ヨ~メ~イ。まさか私の留守中にヒサメを手伝わせたな~。」

 

「ヒィ!!」

 

 

オーナーに叱られ泣きながら嗚咽するヨーメイを放っておいて、カゲチヨとシディはエクソシストの男性と共にヒサメが住むアパートへと向かった。

 

 

「確かに悪魔がついてるね。」

 

「分かるのか?」

 

「大したことはないさ。それより友達は災難だったね。必ず助けるよ。」

 

 

この状況に慣れているのか、アパートの階段を淡々と上がっていった。

 

 

「頼もしい人だな。」

 

「だな。」

 

 

いくらパワーがすごい二人でも、人に取り憑ついた悪霊を追い払う事は出来なかった。

 

今回は自分たちの出番はないなとカゲチヨは思った。

 

 

「きゃぁああ!!」

 

「あはははは!!」

 

 

アパートの住居人の悲鳴と、階段を這いつくばっていたヒサメ。

だがいつものヒサメとは違い、頭の片方の角が大きく鋭くなっており、右目の結膜が黒く染まり気味の悪い笑い声を出した。

 

 

「ヒサメ!!」

 

「完全に乗っ取られたか!」

 

「あぁ?何かクセぇな。カビた教会の匂いがする。」

 

「悪魔め!!その子から離れろ!!」

 

「チィ!エクソシストか!」

 

 

天敵であるエクソシストが居る事を知り、素早く逃げヒサメの部屋へと入っていた。

 

 

「追うぞ!!」

 

「待て二人共!!」

 

 

ヒサメを追いかけようとするシディとカゲチヨを止めるエクソシストの男性。

 

 

「これは罠だ。君たち二人を怪我させて、どちらかに乗り移る気だ。」

 

「俺達は自分の身は自分で守れる。問題ない。」

 

「なら、注意して進むよ。」

 

 

慎重に部屋のドアを開けるが、前は霧で見えない。

恐らく、ヒサメの氷の能力で作った霧だろう。

 

 

「油断しないで。悪魔はすぐそこにいる。」

 

「俺の能力で明かりをつけよう。」

 

 

そうした瞬間、氷のギロチンが飛んできて、カゲチヨ達を襲った。

三人はそれぞれ回避したため無傷で済んだ。

 

 

「どうやら、ヒサの能力を使えるようだな。」

 

「悪魔め、何て事を!」

 

「キャハハハ!」

 

 

奥の天井の角に張り付いたヒサメが爽快に笑い出した。

 

 

「惜しかったなぁ~。」

 

「チッ。その顔で気色悪い笑い方すんじゃねーよ。」

 

「そう言うなよ。愛しのヒサメちゃんだぞぉ。」

 

「何が「愛しのヒサメちゃん」だ。おい、アンタさっき「怪我させて乗り移る」って言ってたな。それしたら悪魔はヒサの身体から出ていくのか?」

 

「そ、そうだが・・・まさか君はっ!き、危険だ!!」

 

 

カゲチヨの質問に対して、驚いた表情で無茶なことしようとするカゲチヨを止めようとするも、カゲチヨの決意は固かった。

 

カゲチヨは自分の腕を手刀で浅く斬り、血を流した。

 

 

「詳しく教えろ。悪魔を出す方法。」

 

「・・・・っ。」

 

 

一度目を瞑り、カゲチヨの覚悟を受け取り教える事に決めた。

 

 

「悪魔は基本ルールに従う。あいつは血を浴びせた方へと乗り移る。」

 

「それで、ヒサから出るのか?」

 

「あぁ。だが標的が君になる。」

 

 

追い出す方法を聞いたカゲチヨはニヤリと降格を上げる。

 

 

「なぁ~んだ。そんな簡単な方法でいいのか。」

 

 

そう言って、一瞬にしてヒサメの前に移動して流した血を浴びせた。

 

 

「ギャハハハ!!馬鹿だねぇ~!!小娘のために自分を犠牲にするか!!いいぜぇ!!!なら移った後によぉ!!」

 

 

そこからヒサメの身体から出てきた悪魔は、カゲチヨの腕に入り込む。

 

 

「お前の体使ってヒサメちゃんを優しく壊してやるよ!!」

 

「そうか。出来たらいいな。出来ればな。」

 

 

悪魔が腕に入った瞬間、手刀で今度は腕ごと斬り落とした。

 

 

「ハァ!?イカれてんのかテメェ!?」

 

「悪魔にイカれてるとは言われたくねぇな。」

 

 

斬り落とされた腕の中に閉じ込められた悪魔は身動き一つできなかった。

 

悪魔は取り憑いても、乗っ取るのには時間がかかる。

だからカゲチヨは腕に悪魔が入った瞬間に斬り落としたのだ。

 

 

「こ、小娘助けるのに腕一本犠牲にすんのかよ!?」

 

「犠牲?何の事だ?」

 

 

素っ惚けた表情で、斬り落としたハズの腕が生えており、手を握ったり開いたりして見せた。

 

カゲチヨは吸血鬼とゾンビの能力を持つ不死身の体。

怪我しても瞬時に回復したり再生したりと出来るのだ。

 

今まで戦いで色んな部位を捥がれたり斬り落とされたりされてきた。

だから腕一本斬り落とした程度で動揺はしない。

 

予想外の事にショックを受けた悪魔はエクソシストの男性によって封印されようとしていた。

 

 

「ままま、待て!!お、おいそこのお前、助けてくれ!!幸運を授けてやるから!!ガチャでレア引き放題だぞ!?」

 

「すまんな。俺はスマホゲームはやってないんだ。」

 

「そんじゃ、後は頼みますね。」

 

「わかった。後は私が引き継ごう。厳重に封印してやるさ。」

 

「た、助けてくれぇ!!」

 

 

悪魔の叫びも空しくエクソシストの男性によって封印され、ヒサメをベッドの上で寝かしつけた。

 

 

「しかし、お前は無茶するな。」

 

「こんなの無茶の内に入らないさ。それより、俺が腕斬り落とした事はヒサには内緒な?」

 

「わかった。俺は先に帰るから、カゲチヨはヒサメの隣に居てやってくれ。」

 

「?おう・・・。」

 

 

シディが何でカゲチヨにヒサメの傍に居るように言ったのかは分からないが、ちゃんと元に戻ったのか確認するために言われた通りにヒサメの部屋に残った。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

悪魔が封印されてから数時間。

 

太陽が昇り、朝になった。

 

 

「あれ?何で家?」

 

 

ベッドで眠っていたヒサメは目を覚ましたが、何で自分の家に居るのか困惑していた。

 

どうやら、猫を助けた後から記憶があいまいで何時家に戻ったのかわからなかった。

 

 

「お、目が覚めたか。」

 

「ふぇ!?何でカゲが!?」

 

「ちょっと失礼。」

 

 

そう言ってヒサメの頬を軽くつねる。

 

だがカゲチヨの軽くの力は常人にとっては強い力でつねられるのと一緒。

 

つまりは・・・・。

 

 

「いだだだだだ!!痛いよ!!何するのさ!!」

 

 

こうなるのであった

 

 

「お、痛覚は戻ってるようだな。」

 

「いいから離してよ!!痛いって!!」

 

「おっと悪かった。痛覚が戻ったか確認したかったんだ。」

 

「ならもっと力弱めてよ!!」

 

 

悪い悪いと軽く謝罪してるカゲチヨに対して頬を擦りながら睨みつける。

 

 

「ま、無事みたいだし良かったよ。」

 

「むぅー・・・。」

 

「そームクれるなって。それよりしばらくは身体休めとけよ。全身、痛いだろ?」

 

「あ、確かに。なんだか身体全体が痛い・・・。」

 

 

今まで痛くなかった身体が痛く感じるようになって、動かすだけで少し辛かった。

 

 

「一応処置はしたとはいえ、指の方はまだ治るのに時間かかりそうだから無理に動かすなよ。」

 

「うん。ありがとう。でも何で急に戻ったんだろう。」

 

「さーな。」

 

「・・・カゲ、何か知ってるでしょ?」

 

「はて?何の事かな?」

 

「まさかまた私に隠し事を・・・いたたたっ!」

 

 

体を動かそうとすると、痛みが走り動けなくなって軽く痙攣する。

 

 

「無理すんな。治ったって事はそんなに大した事じゃなかったんだろ。んじゃ、俺は帰るぜ。」

 

「う、うん・・・・。(何が起きたのか分からないけど・・・きっとカゲが何とかしてくれたんだよね。・・・ありがとう。)」

 

 

 

出て行くカゲチヨの背中を見ながら感謝を述べたヒサメだった。

 

 

 

 

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