KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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閑話5

 

 

エピソード10

 

「男女が24時間プール生活したら」

 

 

 

カレコレ屋の三人とヨーメイは水着を着て温水プールへとやって来た。

オーナーの紹介で依頼を引き受ける事になったカレコレ屋。

 

 

「陽の気がぷんぷんします・・・!」

 

「どんな気だよ。」

 

「同じ陰キャとして感じないのですか!」

 

「一緒にするな!」

 

 

隣に居るテンションの低いヨーメイにツッコむカゲチヨ。

 

 

「なんか最近、遊んでばかり言うような気がするな。」

 

「いいじゃないか。」

 

「細かい事は気にしないで楽しもうよ。」

 

「・・・・そーだな。(今日は修行を休むか。)」

 

 

デジカメを持った依頼人がやって、プールの宣伝動画の撮影を手伝ってほしいという内容だった。

 

 

「皆さんにはプールに入って楽しんでいる所を撮影させていただきます。自然体でいてもらえれば助かります!」

 

「普通に遊んで大丈夫なんですか?」

 

「はい!演技っぽいと胡散臭くなっちゃうと思うので。」

 

「あー・・・たまにありますよねぇ。いかにも大根役者って感じの地方の宣伝動画とか。」

 

 

そんなこんなで、カゲチヨ達は各々と楽しんでいた。

 

カゲチヨは椅子に座って本を読んでいた。

 

 

「ここに来てまで本って・・・もっとプールらしく遊ぼうよ。」

 

「おじさんはここで本を読んでる時が一番楽しいんだ。俺に気にせずに若い奴は無邪気に遊べばいいさ。」

 

「おじさんって・・・お前も若者だろーが。依頼なんだからちゃんと遊ぼまうよ!」

 

「こらこら。腕を引っ張るな。わかったわかったから。」

 

 

そんなカゲチヨにヒサメは呆れつつ腕を引っ張った。

プールに浮いてるエアーマットに二人は気持ちよさそうにして寝っ転がっていた。

 

依頼人からの説明で、このプールの水は近くにある温泉から引いてきてるそうだ。

 

 

「屋内だから日差しを気にしなくていい。こりゃプールで寝る人続出しそうだな。」

 

「確かに、なんだか眠たく・・・。」

 

「おーい。まだ次の撮影あんだろ。起きろ。」

 

 

今度はプールの中でボール遊び。

せっかくの依頼だしカゲチヨも参加することになった。

 

 

「行くぞカゲチヨ!」

 

 

楽しそうにシディは剛速球でカゲチヨに向けてボールを投げたが、その剛速球を軽々しく取った。

 

 

「お前、俺にやるのはともかく二人には手加減しろよ。じゃないとヨーメイの顔が飛ぶぞ。」

 

「そうか・・・気を付けよう。」

 

「飛ばない・・・とは言い切れないよね・・・。」

 

「シディさん!?お願いですからこっちにボール飛ばさないでくださいね!?飛ばすならカゲチヨの顔面にお願いします!!」

 

「おい。・・・・ん?」

 

 

ボール遊びしてる最中、自分たち以外に誰かいる気配を感じた。

 

依頼人は別のところに居る。しかも感じた所はこのプールの中だった。

 

 

(・・・悪い気は感じない、こっちに危害を加えるつもりはなさそうだし、しばらく様子見るか。)

 

「カゲ?どーしたの?」

 

「あ、いや。なんでもねーよ。」

 

「??」

 

 

気にせずに水鉄砲で遊んだりプール上に浮かぶマットの上でシディとヨーメイが水上ボクシングすることになったりと、四人は割と満喫していた。

 

 

「皆さんのおかげで良い映像が沢山撮れました!ありがとうございました!」

 

「役に立てたならよかった。」

 

「今日はプールを貸し切りにしてますので、もし時間があるなら遊んでから帰ってください。」

 

「んじゃ、先に俺は帰るとすっか。お前らはそのまま楽しんで・・・。」

 

「何言ってるの?カゲも楽しもうよ!」

 

「うわっと!」

 

 

ドンっとヒサメに背中を押されてプールの中に落ちてしまった。

 

 

「お、お前なぁ~・・・。」

 

「あははは、ごめんごめん。」

 

「せっかく貸し切りにしてくれるんだ、もう少しだけ遊ぼう。」

 

「仕方がないですね~。」

 

「はぁ・・・ったく・・・ん?」

 

 

するとカゲチヨの足に何か違和感を感じた。

誰かに足を掴まれた感覚。

 

これは、カゲチヨが感じた気配の持ち主だった。

 

カゲチヨは潜って目視で今も感じる気配を見たが誰もいなかった。

 

だが、そこには何かがいるのは分かる。

 

 

「カゲ?」

 

「どうやら、こいつは俺らと遊びたいらしい。」

 

 

そう言って足からひっぺ剝がして、「それ」をヒサメ達に見せた。

 

 

「なにこれかわいい!!」

 

「スライムの異宙人か?」

 

「みたいだな。」

 

 

どうやらスライムの異宙人は、楽しんでる四人を見て自分も遊びたいと思って近寄って来たのだ。

 

 

「よし。ならこの子も仲間に入れて遊ぼうか。」

 

 

シディの提案で、四人と一匹で全力で遊ぼことになったとさ。

 

 

 

 

 

そして、翌朝。

 

依頼人が見た光景は、スライムと共に寝ているカゲチヨ以外の三人が眠っていた。

 

 

「えぇ!?カレコレ屋さん達、まだいたの!?」

 

「すみませんね。ちょっと色々とありましてね。」

 

 

カゲチヨは依頼人に謝りながら事情を説明するのであったとさ。

 

 

 

 

 


 

 

 

エピソード11

 

「ドッペルゲンガーを見てしまうと・・・」

 

 

 

 

ヒサメside

 

 

 

「・・・まで。」

 

 

私と同じ容姿と服装の女性にそう言われた。

 

「まで」って何?

 

何で私と同じ顔と服装してるの?

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

なんだか怖くなって、私はヨーメイちゃんの部屋に止めてもらうことになった。

 

 

「ごめんねヨーメイちゃん。急に泊りに来てもらっちゃって。」

 

「突然のパジャマパーティとか、陽キャはこれだから・・・。」

 

「違う違う!なんか変なことがあってさ。」

 

「私が今無理矢理パジャマパーティに呼ばれているよりも変なことが・・・?」

 

 

不機嫌なヨーメイちゃんには申し訳ないと思うけど、どうしても誰かに相談したかった。

 

私はさっき会った自分に似た人の事を話した。

 

 

「ヒサメさんの熱狂的なファンとかでしょうか?そこまでマネするなんて、確かに不気味です。」

 

「ううん・・・そんな感じじゃなくて・・・なんて言うか・・・私がもう一人いる・・・みたいな・・・。」

 

「・・・聞いた事があります。この間、店を冷やかしに来た女子たちが似た話をしてるのを聞きました。」

 

「似た話?」

 

「彼女たちが言うには、ドッペルゲンガーというそうなんですが・・・。」

 

 

ヨーメイちゃんが言うには、ある日突然、自分にそっくりな人が現れるらしく、全て似てるため周りの人も見わけがつかないみたい。

 

言われてみたら確かに私の話と似てる。

 

 

「ドッペルゲンガーは一度見かけた日から一週間に三回現れるそうです。」

 

「それで?」

 

「会うたびに存在を乗っ取られて、三回、自分のドッペルゲンガーに遭遇すると・・・・。」

 

 

 

「絶望して死んでしまう・・・と。」

 

 

い、いやだ!私死んじゃうの!?

 

私の反応にヨーメイちゃんはただの噂って言ってたけどこの日は不安で眠れなかった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

あれから三日後、私のドッペルゲンガーに会うことはなかった。

 

やっぱりたまたまだったのかな?

それとも私の見間違い?

 

それよりも、今は依頼に集中しなきゃ。

 

私は依頼人が探してる人が良く来る店にいるけど、全然来ない・・・。

 

外はもう日が沈み始めちゃった。

 

 

(あれ?カゲとシディ?)

 

 

店の窓を見たら二人が歩いてるのが見えた。

 

頼まれた人、もう見つかったのかな?

 

 

・・・?

 

あれ?よく見たら誰かと話してる・・・?

 

知り合いかな?

もうすぐ依頼人との約束の時間だし、私も出よ。

 

 

「・・・え?」

 

 

店から出た時、誰かとすれ違った。

 

その人は、私同じ容姿で同じ服をしていたドッペルゲンガーだった。

 

 

「・・・するまで。」

 

 

そう呟いて消えて行った。

 

 

「お、いたぞ。」

 

「どこ行くんだよ、ヒサ。探してる人、そっちに居たのか?」

 

「え?私、ずっと店の中に居たよ?」

 

「はぁ?さっきまで外に出てただろ。」

 

「嬉しそうな顔をしていたから、俺たちはヒサメが見つけたのかと訊いたんだが。」

 

「ヒサだって、何回も頷いてただろ。」

 

 

二人の言葉を聞いて驚愕した。

 

私は店から出てない!ずっと中に居た!

 

 

「俺たちは間違いなくヒサメと話したぞ。」

 

 

そんな・・・。

 

もしかして二人があった私は・・・ドッペルゲンガーの私!?

 

 

「・・・・一先ず依頼人の所に戻るぞ。そろそろ時間だ。」

 

「待ってよ!ホントなんだって!」

 

 

シディは私のそっくりさんに会ったんだと言ってたけど、たぶん違う。

 

だって、私とすれ違った時、また「・・・するまで。」って言ってた。

 

私・・・どうなっちゃうの?

 

 

 

 

(・・・・ヒサの影が薄い・・・?それにヒサに似た奴・・・か・・・。気になるな。)

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

あれから更に数日後が経った。

 

 

ドッペルゲンガーから助かる方法を自分なりに探してみたけど、結局何も分からなかった・・・。

 

ミキも他の学校の子に聞いてから電話するって言ってくれたけど・・・。

 

 

「一週間で死ぬ、なんて・・・噂・・・だよね・・・。」

 

 

やだな。怖くなってきちゃった・・・。

 

 

「あ、あれ!?」

 

 

私の目の前にドッペルゲンガーが!

これで三回目・・・。私、死んじゃうって事・・・!?

 

そ、そんな事ない。

身体も何ともないし、やっぱりただの噂!

 

きっと似た人だよね!話しかけてみればわかるかも!

 

 

「あれ・・・こっちって・・・うち!?」

 

 

ドッペルゲンガーは構わずに私の部屋に入ってタンスを開けて物色していた。

 

 

「わ、私の家で何してるの・・・・!」

 

「・・・・。」

 

「うっ!?」

 

 

そんな!?私と同じ電気の力を使った!?

 

 

「わっ!?」

 

 

電撃でベランダまで吹き飛ばれてしまった。

 

腰をぶつけて痛がっていた所を、ドッペルゲンガーは窓を閉めて鍵を掛けられ、ベランダに閉じ込められてしまった。

 

 

「ここから出して!!」

 

 

何度呼び掛けても出す気配はなかった。

 

 

あぁー!!私が楽しみにしていたお菓子を食べられた!!

 

あぁ~もう部屋の中だってめちゃくちゃ!!

 

 

「出して!!家から出てって!!」

 

 

駄目だ・・・。全然こっちに来る気配がない・・・。

 

 

するとミキから来た電話をドッペルゲンガーの私が取った。

 

 

 

「ミキ!!ミキ!!助けて!!」

 

 

何度呼び掛けても、聞こえてないのかそのまま切っちゃった。

 

なんで聞こえないの・・・。

 

存在を乗っ取られるって・・・こういうことなの?

 

 

私がそんなこと思ってるとドッペルゲンガーが私の方を見た。

 

 

「もういいでしょ!!ここから出して!!いつまでこんな事・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

「絶望するまで。」

 

 

 

 

 

 

今、なんて・・・・。

 

 

「おーい。ヒサ居るか?」

 

 

カゲの声?

 

 

「なんだよ。鍵開けっ放しじゃねぇーか。不用心だなぁ。・・・まぁいいか。とりあえず入るぞー。」

 

「カゲ!こっち!!ここだよ!!助けて!!」

 

 

私は近所迷惑なんて考えずに大きな声でカゲを呼んだ。

 

中に入って来たカゲは、私の声を気付かずにドッペルゲンガーの方に来た。

 

 

「お前、この部屋は何だ?ぐちゃぐちゃじゃねぇーか。」

 

「・・・・。」

 

 

違う!!それやったのは私じゃない!!

 

 

「何で今日カレコレ屋に来なかったんだ?なんかあったか?」

 

「・・・・。」

 

「今日の依頼。勝手に受けちまったぞ。」

 

「・・・・。」

 

「だんまり・・・か。」

 

 

「カゲ・・・カゲってば!!」

 

 

駄目だ、全然聞こえてないみたい・・・。

 

 

「・・・・。」

 

 

えぇ!?何でカゲの手を握りしめてるの!?

 

 

「急になんだ?」

 

「・・・・。」

 

「黙ってないでなんか言ったらどうだ?」

 

 

カゲに何するつもり!?

 

 

「・・・・。」

 

「!!・・・お前・・・。」

 

 

って今度は何!?

 

何でカゲに抱き着いてるの!?

 

 

「・・・・。」

 

 

・・・あ、あんまりくっつかないでよ・・・。

 

私の身体で、カゲとそんな・・・・。

 

 

するとドッペルゲンガーがカゲの顔に自分の顔を近づけてキスしようとした。

 

 

・・・やだ・・・。

 

死ぬのも怖いけど・・・。

 

こんなの・・・・なんか・・・すごく・・・いや・・・。

 

 

 

「・・・・お前、ヒサじゃねぇーな。」

 

「!!」

 

 

カゲはドッペルゲンガーを身体から離して掌をドッペルゲンガーの顔に向けた。

 

 

「気は確かにヒサそのものだ。だが俺の心がお前をヒサじゃないと警告してる。お前は・・・貴様は何者だ!」

 

「・・・・・。」

 

 

カゲが拒絶の意思表示をしたら、ドッペルゲンガーは悔しそうな表情で消えた。

 

 

「消えちまった。・・・・ん?」

 

 

するとカゲはこっちに来て窓を開けてくれた。

 

 

「まさかこんな近くに居たなんて。全く気を感じなかった。」

 

「カゲ・・・。」

 

「泣いてるのか?大丈夫か?さっきの奴に何かされて・・・・。」

 

「・・・っ!!」

 

 

私は恥ずかしさなんて忘れて、勢いよくカゲに抱きついた。

 

 

「ヒ、ヒサ?」

 

「う、うぁああああああん!!」

 

 

私は、カゲの胸の中で思いっきり泣いた。

 

死ぬ恐怖と助かった安堵という感情がごちゃごちゃになっていた。

 

そんな私をカゲは戸惑いながらも私の背中をあやすように擦ってくれた。

 

 

あれ以降、私の前にドッペルゲンガーが現れる事はなかった。

 

 

 

 

 

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