まだまだ夏休み真っ最中。
朝食を食べてるカゲチヨと少年だったが、カゲチヨはある事を思い出した。
「そーいや。お前の名前、どーしようか。流石に名無しだと呼ぶとき困る。」
「じゃあ、お兄ちゃんが考えてよ。」
「えぇ~?」
困ったな~っと腕を組んで唸ってるカゲチヨは、ある人物の名前を少し取って少年に名付けた。
「ロット。」
「ろっと?」
「あぁ、俺の義弟の名前を一部取ったものだ。」
そう、カゲチヨの義弟にあたる孫悟空のサイヤ人名「カカロット」の「ロット」から取ったものだ。
「気に入らないか?」
「ううん。その名前でいい。僕の名前はロット。」
気に入ったようで、笑顔になったロット。カゲチヨはそんなロットを見てクスリと笑い飯を平らげた。
その後、オーナーが居るリサイクルショップに寄った。
「オーナーちょっといいか?」
カゲチヨの声を聞いて、背を向きながらも嫌な顔をして溜息を吐いた。
「またお前か。今度は何だ?」
「あからさまに溜め息吐くのやめてくれませんかね?これでも一応客として来てるんですが?」
「お前に頼まれた解毒剤はまだ出来てないぞ。」
「・・・・・・あぁ、あれか。」
「お前、忘れてただろ。数日前の話だろ。」
彼女にとっては数日前だが、カゲチヨにとっては百年以上前であるため忘れていたのは当然だった。っというより覚えている方がおかしい。
「お、覚えてるって。そ、それより今日は別件で来たんだ。」
誤魔化すかのように、カゲチヨは本題に入ることにした。
「何か重力を操作できる機械とか売ってないか?」
「なんだそれ?あるわけないだろ。」
「じゃあ、100キロある重りとかは?」
「ない。そんなもん買って、漫画みたいに鍛えるつもりか?」
「そのつもりだが?」
「やめておけ、お前がやった所でどうせ無駄に・・・・。」
ここで初めて、オーナーはカゲチヨを見て固まった。
「お前・・・そんなに図体でかかったっけ?」
「気のせいだ」
「いや明らかに私の身長より・・・。」
「気・の・せ・い・だ!」
「そ、そうか。」
カゲチヨの圧で、これ以上追及するのをやめた。
「しかし、特訓道具は売ってないのか・・・困ったなぁ~。」
「・・・・あ。それなら。」
そういって棚に置いてある箱を取り出し、中を開けて液体の入った瓶を取り出した。
「それは?」
「これは服や靴などを一滴垂らすだけで10キロ重くなるトレーニング用グッズだ。」
「そんな道具があるのか。本当に何でもあるんだなここは。ちなみに、注意点とかあるのか?」
「あくまで物とかに垂らす分にはいいが、人体に垂らすなよ。体が重くなって動けなくなるからな。」
「なるほどわかった。じゃあそれ2瓶程買わせてもらうよ。いくらだ?」
「1瓶10000円」
「ぼったくってない?」
渋々と財布を取り出し、2万円を払い商品を購入。商品を受け取ったカゲチヨは思い出したかのようにオーナーに質問した。
「ちなみにだが、記憶を蘇らせる道具ってここには置いてあったりする?」
「なんだ突然。」
疑問顔したオーナーに記憶喪失の少年を拾ったと簡単に説明した。
「なるほど。残念ながらうちにはそんなものないな。」
「そっか・・・。わかった。ありがとう。」
「案外あっさり引いたな。」
「無いなら仕方がないさ。ゆっくりと思い出せればいいしな。」
店から出ていき、自分の家に帰っていったカゲチヨの姿をオーナーはしばらく見ていた。
「・・・あいつ、この数日の間に少しは成長したな。」
残りの夏休み期間。
カゲチヨは株やFXでお金を稼ぎ始め、店で買った重くなる液体を服や靴、リストバンドに10滴ずつ垂らし、誰もいない森の方で基礎トレーニングをし、脳内でフリーザやセル、魔人ブウと戦う。
ロッドの治療しつつ一緒に食事をし、学校に行きアサヲ達と共に補習を受け、終わった帰りにファミレスで地球をバルボアから守ったってことで祝勝会を開き参加した。
数日後、夏休み終わり間近。
カゲチヨ宅にて。
「それじゃあ。今から出るが、大人しく留守番してろよ。」
「わかってるよ。」
そんな軽口を言い、ロッドに留守番を頼んでカゲチヨはカレコレ屋に向かいつつ、飲食店に電話で料理の配達を頼んだ。
シディの電話で今日帰ってくると聞かされ、ヒサメの退院祝いの用意をした。
しばらくカレコレ屋に待機してると、ヒサメとシディの気を感じ外に出た。
そして、カレコレ屋の方へと向かってくる二人が歩いてきた。
カゲチヨはその二人を見て安堵と共に笑顔になる。
「カゲ!ただいま!」
「ただいまだ。カゲチヨ。」
「おう。おかえり。」
長くもあり、短かくもあった3人の再会。特にカゲチヨにとっては長い年月を経ての再会に内心喜んでおり、二人の姿を見て懐かしさを感じた。
だが逆に、ヒサメとシディはカゲチヨの姿に驚きと困惑の表情をしていた。
「カゲチヨ・・・なんか・・・。」
「大きく・・・なってない?」
「・・・色々あったのさ。色々と。そ、そんな事より、退院祝いに飯注文しておいたから食おうぜ。」
話をそらそうと、そう言い放つカゲチヨ。ヒサメはお腹空いたと喜び、部屋に入りシディはヒサメの荷物を持って、カゲチヨと共に入った。
「アヌビスと戦って、大変だったな。」
「ほんと大変だったよ~。死ぬかと思った。」
「だが、そのおかげでまた一段と強くなった。」
「へー。」
「カゲチヨの方は何もなかったか?」
「・・・なかったよ。」
嘘である。ヒサメたちがアヌビスと戦ってる同時期、カゲチヨはバルボアと戦っていた。・・・だが、終わったことだし別にわざわざ話さなくてもいいかっと思い適当に返した。
それに、自分が他の世界に行ったことも黙っていようとも思っていた。
説明したところで、話がぶっ飛んでおり到底信じられないからだ。カゲチヨ本人もそんな話聞いたら絶対に信じなかっただろうし、何より説明が長くなるから面倒くさい。
そもそも説明したとて、厨二を拗らせた痛い奴認定されるのがオチだとも思った。
しかし、そんな思考をしていたカゲチヨにヒサメはジト目で見てきた。
「ホントに~?」
「なんだよその目は。ほんとに何もなかったよ。」
「そんなでかい体してるのに?」
「お前らが居ない間、修行してたらこうなっただけだ。」
「いやいや!数日間の修行でそんな風になるのはおかしいよ!?」
「世の中おかしいことだらけだ。現実を見ろ。」
「か、カゲに現実どうこう言われた・・・。」
数日間会わなかった分を埋め合わせするかのように会話を楽しんだ。
若干、カゲチヨの変化に戸惑っていた二人だったが、またいつものカレコレ屋の日常が戻った。
おまけ
「ん~おいし~!!」
食べ物を頬いっぱいに詰め込んで笑顔で食べるヒサメの顔を見て笑顔になるカゲチヨ。
(入院したと聞いて心配だったが、無事に退院出来て本当に良かった。しかし、改めてみると良く食べるな。まるで悟空や悟飯や悟天を見てる様で懐かしいな。)
そう思い、無意識にヒサメの頭に手を置いて撫でた。もう一度言おう。無意識にだ。
そのカゲチヨの行動に、ヒサメは食べる動きを止め、ビックリした表情でカゲチヨを見た。撫でたカゲチヨ本人は、自分の行動に気付きヤベっという表情をした。
「な、なに?」
「わ、悪い。つい・・・。」
「ついで人の頭撫でないでよね。他の人にやったらキモイだけだよ。」
「す、すまん。気を付ける。」
謝罪を受け食べるのを再開するヒサメだったが内心では・・・
(なななな何なの!?/////急に頭撫でて来て・・・。/////で、でも少し気持ちよかったっていうか・・・いやいや何考えてるの私!?//////)
かなり動揺していた。