KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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サイヤ人は師匠の面影を見る

 

 

とある異宙の草原でフルトは一人で目を瞑り、立って瞑想をしていた。

 

Dr.ウイローに操られた自分の未熟さを見詰め直すために、カゲチヨ達と分かれてから村に帰らずに一人で旅をしていた。

 

 

「・・・誰だ。」

 

「あら。邪魔してしまったみたいね。」

 

 

フルトは振り返らず、背後にやって来た二人の気配を察知した。

振り返らないフルトを気にせずに自己紹介をした。

 

 

「僕はギバー。人類皆殺しを掲げる組織『有情解放戦線』の一員よ。」

 

 

そう、フルトのもとにやって来たのは、『有情解放戦線』のギバーと侍の格好をし刀を持った吸血鬼、響丸がやって来たのだ。

 

 

「俺に何の用だ。」

 

「あなた、人間を憎くいと思ってないかしら?」

 

「なに?」

 

「あなたの村は人間の科学者によって脅されて兵器として操られた。違うかしら?」

 

「・・・・。」

 

「僕はそんな人間をすべて殺したいの。これ以上あなた達のような被害を出したくないから。」

 

 

ギバーはフルトの事を調べ、自分の組織に勧誘をしだしたのだ。

 

異宙の中でもトップクラスに入るガッキ族の戦士。

勧誘しない訳ないのだ。

 

 

「あなたが居れば、きっと救われる命があるの。だから僕たちと一緒に・・・。」

 

「くだらん。」

 

 

ギバーの説得の言葉を被せる様にそう一括した。

 

 

「貴様らが何をしようがどうでもいい。人間を殺したいのであれば勝手にしろ。俺には関係ない事だ。それに・・・。」

 

「それに?」

 

「貴様ら雑魚共となれ合う気はない。とっとと失せろ。」

 

「随分と舐めた事言うでGOZARUな。」

 

「事実を言ったまでだ。」

 

 

その瞬間、響丸は刀を抜いてフルトに襲い掛かるが・・・・。

 

 

「なっ!?」

 

 

振り向かず、刀を指だけで摘んだ。

 

驚いた響丸は、力強く引くがまったく微動だにしなかった。

 

そしてフルトが少し力を入れると、刀が折れてしまった。

 

刀が折れた事で動揺するが、一瞬で距離を置いて警戒するがギバーによって手で制止させた。

 

 

「わかったわ。今回はあなたの勧誘を諦める。」

 

「ぎ、ギバー様。よいのでGOZARUか?」

 

「これ以上何を言ったって彼は聞く気がないわ。それに実力行使した時点で僕たちの負け。時間はまだあるもの。じっくりと行きましょ。」

 

「・・・わかったでGOZARU。」

 

「それじゃ、ガッキ族の戦士さん。また会いましょ。」

 

 

そう言って、ギバーと響丸はフルトの前から消えて行った。

 

二つの気配が離れて行った事で、閉じていた瞳を開け不機嫌な顔をしたフルトは「ふんっ。」っと鼻を鳴らしたのであった。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「へぇ~。すごい広い草原ですね~。」

 

 

フルトがギバーたちと遭遇してから数分後。

 

別の場所で悟飯とムツミが異宙の草原へとやって来た。

 

 

「ここなら悟飯君も思いっきり特訓しやすいんじゃないかな?周りには誰もいないみたいだし、練習したい技っていうの試せるんじゃない?」

 

「はい!ありがとうございますムツミさん!」

 

「本当だったらカゲも一緒と思ったんだけど、ヨーメイちゃんが当てた観光船で留守になっちゃったもんね。」

 

「はは。四名だけって言ってましたし、仕方がありませんよ。それにいつもカゲチヨさんには世話になってますから、たまには息抜きしてくれると嬉しいです。」

 

「ふふ。悟飯君は優しいね。」

 

「そ、そうですかね?」

 

 

そんな他愛のない話をしていたら、遠くから叫び声が聞こえた。

 

 

「誰か助けてくれぇ~!!」

 

「ひえぇえええ!!」

 

 

二人の男女が走って何かに逃げていた。

 

その後ろには骸骨のようなロボット複数体が二人を追いながら、手の銃弾で狙い撃ちをしていた。

 

 

「あ、あの人たちが危ない!」

 

「助けなきゃだね!」

 

 

悟飯とムツミは逃げてる二人を助けるために、ロボットたちの前に出た。

 

 

「こいつらは俺たちが相手します!」

 

「だから二人は安全な所に隠れてください!」

 

「「は、はい!!」」

 

 

そう言って二人が岩陰に隠れたのを確認して戦闘態勢に入った。

 

骸骨ロボットと睨み合ってる中、一人のいかにも半グレの異宙の男性が現れた。

 

 

「テメェら、どーいうつもりで俺の邪魔をしてやがんだ?あぁ?」

 

「あなたが、そのロボットの持ち主?」

 

「だから何だ。そこをどけ!テメェら二人共始末されてぇか!?」

 

「あの人達に危害を加えるなら俺が相手になってやる!来るなら来い!」

 

「あぁそうかよ!なら後悔するなよ!!」

 

 

男の合図で骸骨ロボットが一斉に悟飯達に襲い掛かった。

 

だが、骸骨ロボットの攻撃を躱した悟飯は、拳で反撃をしたらロボットの胴体が簡単に貫き抜けた。引っこ抜いて離れた数秒後に爆発して破損した。

 

ムツミも電撃を骸骨ロボットに浴びせショートさせて起動停止に追いやった。

 

次々と、自分のロボットが生身の人間の手によって破壊されてる場面を見て、目ん玉が飛び出るくらいに驚いた半グレの男。

 

そして全ての骸骨ロボットを壊した所で悟飯が半グレの男の前に立った。

 

 

「これでロボットはすべて壊した。降参して大人しく帰るんだ。」

 

「ぐっ・・・くそぉ・・・。」

 

 

悔しがる半グレ。これで一件落着だと思ったが、ショートしたはずの一体の骸骨ロボットが起動し、腕の銃で悟飯に照準を合わせた。

 

 

「悟飯君!!後ろ!!」

 

 

いち早く気付いたムツミは悟飯に避ける様に叫ぶ。悟飯が背後を見た途端、骸骨ロボットの銃がこちらを打とうと瞬間、別の方向から気のエネルギーが骸骨ロボットに当たり消滅していった。

 

 

「まさか、この付近に強い気を持つものが要るとはな。」

 

 

上空から男性の声が聞こえた。

 

気は違うけど、どこか聞き覚えのある懐かしい声。

 

悟飯は上空を見るとそこには・・・・。

 

 

「ピ・・・コロ・・・さん?」

 

 

自分の師匠であり、悟空やカゲチヨに次ぐ父親代わりの大好きな人だった。

 

 

「誰と間違えてるかは知らんが人違いだ。」

 

 

ストンっと地上に降りたフルトは悟飯を見定める様に目線を向けた。

 

 

「確か・・・オリジナルの記憶だと彼はフルトっていう異宙でトップクラスのガッキ族の戦士だったはず。」

 

「ガッキ族・・・ナメック星人じゃないのか・・・・。」

 

「違うな。そんな異宙人聞いたことがない。」

 

 

異宙人っていうより宇宙人なんだけど・・・っと思った悟飯を他所に骸骨ロボットの所有者の男が苦虫を噛んで叫びだした。

 

 

「ふざけるなよテメェら!!どういうつもりで俺の邪魔しやがるんだよ!!」

 

「それはあなたがロボットを使って、あの人達を追いかけまわしたからでしょ。」

 

「それはあいつらが俺の家から貴重品を盗み出したからだ!!」

 

 

「「・・・・へ?」」

 

 

男が男女二人を追いかけた理由を聞いて、悟飯とムツミは思わず間抜けな声が漏れた。

 

 

「え?じゃあ?あの二人は・・・・空き巣・・・。」

 

「って事に・・・なりますね・・・。」

 

 

しばらくお互いの顔を見て数秒、男性に向き直って・・・・。

 

 

「「すみませんでした。」」

 

 

頭を下げて謝罪した。

 

これは明らかに話を聞かずに出しゃばった自分たちの落ち度だとわかって申し訳なさが出てしまった。

 

まぁ、そもそも殺傷力の高いロボットを使って追い駆け回していたら勘違いするのは無理もないと思うだろう。

 

 

「あ、じゃああの二人は!」

 

 

そう言って岩陰を確認したら二人の姿が見当たらなかった。

 

 

「に、逃げたんだ!」

 

「わわ!すぐに追いかけなきゃ!!」

 

「おい・・・・。」

 

 

慌てる二人に呆れるフルト。

 

数分後、気を探って見つけた二人をとっ捕まえて、男性の前に連れて行き貴重品を返品させた。

 

 

「あ、あの・・・盗んだ物も返しましたし・・・これで許して・・・。」

 

「許すわけないでしょ。警察に連れて行くから。」

 

「「ひ、ひぃ~!」」

 

「っという事だから、私はこの二人を警察署に連行するから。」

 

「あ、俺も・・・。」

 

「悟飯君はここに居なよ。それに、話してみたいんでしょ?そこのフルトさんと。」

 

 

悟飯がフルトの事を気になっている事に気付いて、自分は男女二人を縄で縛り上げ連行していった。

 

ムツミの気遣いに感謝しつつ、フルトの方に向きかえった。

 

 

「やっと貴様とまともに話せるな。」

 

「すみません。それと、先ほどはありがとうございました。」

 

「ふん。どうやら貴様はパワーはあるが、詰めが甘い所があるな。それではいつか命を落とすぞ。」

 

「・・・そう・・・ですね。」

 

 

詰めが甘いと厳しめの言葉を言われた悟飯は、落ち込むわけでも怒るわけでもなく笑っていた。

 

 

「何を笑っている。」

 

「いえ、俺の師匠にも似たような事言われて、少し懐かしさを感じてしまったので。」

 

「ふん。調子の狂う奴だな。まぁいい。」

 

 

フルトは付けていたマントとターバンを外し、投げ捨てた。

 

 

「貴様の様な強い奴は滅多に居ないからな。出会って早々悪いが、手合わせ願おうか。」

 

 

戦闘態勢に入ったフルトに驚くが、瞬時に真剣な顔つきになり悟飯も構えた。

 

 

「お願いします!」

 

 

風が吹き、草が揺れる中、しばらく構えたままお互い動きもせずに出方を伺った。

 

 

「はぁ!!」

 

「ちゃあ!!」

 

 

同時にお互いの拳と拳をぶつけ合う事で、大きな振動が起きた。

 

お互い攻防戦を繰り広げ、広い場所とはいえ砂埃が舞い、地面が割れ、目にも止まらぬ早さで戦闘を繰り広げていた。

 

 

(やっぱり。この人は僕が知ってるピッコロさんと同じ・・・いやそれ以上の強さだ!)

 

 

自分の師匠以上の強さを持つ目の前の人物と交戦しつつそんな思考をした悟飯。

 

激しい戦いの中、両者の拳が重なった後、同時に距離を置いた。

 

 

「貴様・・・舐めてるのか?」

 

「え?」

 

 

フルトの怒りの言葉に驚く悟飯。

 

自分は相手を舐めた覚えがなく本気で戦っていた。

 

だがそれは通常のままの場合だ。

 

 

「まだ貴様は自分の力を隠してるだろ。」

 

「!!」

 

 

フルトは悟飯が隠し持ってるサイヤ人の力がある事を戦いの中で感じ取った。

 

 

「見せてみろ。貴様の本当の力を!」

 

「・・・・わかりました。」

 

 

フルトの真剣な眼差しに、悟飯は了承し拳を強く握りしめ気を高めた。

 

 

「はぁああああああああ!!」

 

 

気合と共に悟飯の髪が黄金に輝き、気のオーラが溢れ出した。

 

悟飯は超サイヤ人になったのだ。

 

 

「なんて気だ。」

 

 

先程とは違い気が上昇していくのを感じたフルトは超サイヤ人の姿の悟飯に驚いた。

 

 

「行きます!」

 

「っ!来い!」

 

 

猛スピードで突進してきた悟飯はフルトに殴りつけるが腕をクロスされてガードされる。しかし、あまりにも強い攻撃に耐えきれず後方へと下がってしまう。

 

追撃しようとした悟飯に気弾を放つも弾かれ、一瞬悟飯が消えたかと思えば背後に現れ蹴りを入れられようとしたが何とか避け反撃するも手で受け止められ投げ飛ばされた。

 

 

(な、なんて強さだ!あのカゲチヨとか言う奴と同じだ!世界にはこれほどまでの化け物級の強い奴がいるというのか・・・。)

 

「でぇぃやぁああああ!!」

 

「ぐはっ!!」

 

 

いつの間にか目の前に現れた悟飯攻撃を食らい、地面に叩き落された。上空から自分を見る悟飯を見て口角を上げつつも、戦闘態勢を解いた。

 

それが分かったのか、悟飯は超サイヤ人を解き、地面へと降りてフルトの方へと向かう。

 

 

「降参だ。どうやら、今の俺には貴様を倒せるほどではないようだ。」

 

「そ、そんな事は・・・。」

 

「同情などいらん。まだまだ修行が足りん事が分かっただけでも収穫はあった。」

 

 

そう言って投げ捨てたマントとターバンを拾い着けた。

 

 

「邪魔したな。」

 

「あ、あの・・・!」

 

「なんだ?」

 

「俺は・・・悟飯。孫悟飯です!」

 

「・・・悟飯か・・・。俺はフルトだ。」

 

「また・・・会えますか?」

 

「ふっ、さぁな。」

 

 

鼻を鳴らし悟飯に背を向けたフルトは飛んで去ろうとしたが、しばらくジッとした後、口を開いた。

 

 

「俺がもっと強くなったら、また貴様に挑みに来るだろう。その時までに精々貴様も修行を怠るなよ。」

 

 

そう言い残し今度こそ飛び去って行った。

 

悟飯はフルトが飛び去って行く姿を笑顔で見送った。

 

 

「はい。俺も負けないように強くなります。また会いましょう。」

 

 

これが悟飯とフルトとの初対面の出来事であったのだった。

 

 

 

 

 

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