「そっかぁ。フルトと会ったのか。」
「はい。カゲ叔父さんも一度会ったんですよね。ムツミさんから聞きました。」
「確かあいつはヒサの記憶を持ってるんだったな。」
観光船から帰ってきたカゲチヨは、悟飯からフルトと会った事の経緯を話した。
「俺も久々に会いたかったなぁ。多分、前よりも強くなってんだろうな。」
「通常の時の俺と互角でした。それに超サイヤ人になった時も対応はしてました。俺がここに来た時だったら勝敗は分からなかったかもしれません。」
「それだけ聞くと、相当強くなってるみたいだな。」
カゲチヨは自分もフルトと戦ってみたいと思っていた。やはり人間とは言えサイヤ人の血液が流れてるため本能的に闘争を求めているのかもしれない。
◇◇◇◇◇
あれから数日が経ち、いつものように学校へ行き、いつものように勉強し、いつものように帰宅して夕食を食べて居たカゲチヨ達。
「ん~!おいしぃ~!」
「よく食べるね。」
「これで10人前だよ。」
悟飯にとってはこんなのまだまだ序の口である。普通だったら家計は火の車だろうがカゲチヨはそれなりに稼いでるため金銭的には問題なかったが、流石に家にあるものは無くなりそうだった。
「今度はもっと多めに買っておくか。」
「冷蔵庫に入らない気がする・・・。」
食費とは別の悩みをするムツミにカゲチヨは笑いながらお代わりの準備をする。
「どんな胃袋してるんだか・・・。」
「普通だよ普通。」
「普通じゃないよ!!」
悟飯の言葉にツッコむロット。
サイヤ人は身体を動かす分、体力を消耗するため食欲も凄いのだ。
こればっかりは慣れるしかないのだ。
「ん?」
すると、カゲチヨのスマホから着信が来た。
「もしもし?ミキ?」
珍しいくミキがカゲチヨに連絡してきたのだ。
『カゲチヨ~!悟飯君つれて早くヒーちゃんの部屋にきてぇ~!』
「はぁ?」
どういうことか問い詰めようとした時、切られてしまった。
「な、何なんだ?」
◇◇◇◇◇
「ミキの奴、こんな夜中に一体何なんだ。」
「きっと何かあったんですよ。」
「電話越しだとそうとは思えないがな。」
飛んでヒサメの部屋についた二人。
中にはヒサメはもちろんの事だが、ミキとノリコ、そしてシディまでもが部屋の奥に居る事を気で察知した。
「ミキとノリコはともかく、なんでシディまで居んだ?」
「さ、さぁ?とにかく入ってみましょうよ。」
「だな。おいミキ。来てや・・・・・。」
ドアを開け部屋に入ったら、シディが三人に抱き着いてる場面を目にした。
「・・・・邪魔した。」
「カゲチヨに悟飯か!」
「二人も一緒に飲もうよ~!」
「飲もうってお前・・・。」
「カゲチヨさん、あれ・・・。」
悟飯が指さしたのはテーブルの上に置いてある「もろ酔い」という飲み物だった。
「お前・・・それもろ酔いじゃねぇーか。」
「もろ酔い?なんですかそれ?」
「酔っぱらった気分だけ味わえる異宙の飲み物だ。最近中高生やYouTubeとかで流行ってるものだ。」
「それって大丈夫なんですか?」
「あくまで酔っぱらう気分だけでアルコール成分は入ってないハズだ。」
面倒な所に遭遇してしまったと来て後悔したカゲチヨと苦笑いする悟飯。
「なんだ?カゲチヨ達も飲みたいのか?」
「むぐぅ!?」
そう言ってコップに入ったもろ酔いを悟飯に飲ませた。
「飲酒強要するな!!」
「まぁまぁカゲチヨも一杯。」
「飲まん!!」
飲まされた悟飯はフラフラになりながら座り込んだ。
生きてきてこの方、お酒なんて飲んだことなど一度もなかったのだ。
体制がないのは仕方がなかった。
「とりあえず水飲ますか・・・。」
「カゲのバカ~。」
「すり寄って来たと思ったらなんか罵倒されたんだが・・・・。」
「も~何で教えてくれないの~?」
「あ”?何がだよ。」
「ヒーちゃん、カゲチヨが誰かとお酒飲みに行った時の話聞きたがってたよ。」
「あー・・・別に好きであいつと酒飲みに行ってるわけじゃねぇーよ。」
「あいつって誰~?もしかして女の人~?」
頬を膨らませながら質問してくるヒサメに溜息吐きながら答えた。
「ゲデだよゲデ。あいつやたらと俺に絡んでくんだよ。」
ゲデとあってから、やたらと絡まれたり集られたりされてる。
時にはキャバクラで飲もうと誘ってくる始末。
カゲチヨにとってはいい迷惑であった。
「ゲデとは仲いいんだな。」
「よくない!」
「次は俺も連れて行ってくれ。俺はカゲチヨと遊びたい。」
「お前に酒飲ましたら変なことが起きるだろうが。」
「私も連れてってよ~!」
「お前は未成年だから駄目に決まってるだろ!」
カゲチヨを挟んで二人があーだこーだと絡んでるのを見てノリコは呆れ、ミキは笑っていた。
「あははは!おもしろ~!じゃあ私たちは悟飯君に色々質問しちゃお~!」
「そういえば、悟飯の事あまり知らないしいい機会かもな。」
「じゃあ悟飯君!質問良いかなぁ~?」
「何ですか~?」
ぽわぽわとした状態でミキの言葉に反応する悟飯。
普段は絶対に見せない姿である。
「ん~そーだなぁ~。じゃあ悟飯君の初恋相手は~?」
「ハツコイですか~?ハツコイは4歳の誕生日にお父さんがとって来たのが最初ですかねぇ~。あれは美味しかったなぁ~。」
「いやそっちの鯉じゃないぞ。」
(そもそもあれは鯉じゃなくてただの巨大人食い魚だ。)
「もう初めての恋!恋愛だよ!」
「なったことないですよ~。」
そう、悟飯はずっとパオズ山に居たため恋愛なんてものは疎かった。だから初恋なんて生きてからずっとしてこなかったのだ。
「じゃあ好きな人は居ないの~?」
(初恋自体がまだなんだから居るわけ無いだろ。)
「好きな人ですか~。」
どうしても人の恋愛を聞きたがる現代に生きる女子高生は諦めずに悟飯に質問を投げかける。
「んー。ミキさん好きですよ~。」
「え・・・。」
悟飯が自分の名前を出してミキは酔いが冷めた。
今、目の前の男性は自分を好きといったのかと。聞き間違いじゃないのかと思った。
ミキ以外にもカゲチヨも悟飯の返答に驚き固まった。
まさか自分の姪っ子がミキに恋愛感情があったとは。
「もちろんカゲチヨさんも好きですし、ヒサメさんやノリコさん、シディさんやアサヲ君たちも好きですよ~。」
っと思ったのは束の間、続きがあったと思わず、カゲチヨはずっこけてしまった。
ミキは一瞬ポカーンとしたが思考を回復させた。
「え、あ、そ、そー言う事か~!いや~びっくりしたな~あははは~!」
(やっぱどの時代でも悟飯は悟飯だった・・・。)
その後、シディと悟飯が寝てしまいお開きとなった。
カゲチヨはヒサメをベッドに寝かしつけて、ムツミを向かいに来させて悟飯を運んでもらい、シディはカゲチヨが背負って部屋まで運んだ。
そいてミキとノリコは二人で夜道の中帰った。
「流石にちょっとやりすぎたな。」
「ま、まぁ~ヒーちゃんの悩み聞いた事だし、よかったんじゃない?」
「・・・ミキ?」
「何ノリピー。」
「なんか顔赤くないか?」
「え?」
酔いが冷めていると思っていた自分の顔が真っ赤に染まっていたことに指摘されたミキ。
「え!?嘘!?もしかしてまだ酔っちゃってるかも!」
「水買ってこようか?」
「だ、大丈夫!大丈夫!」
『んー。ミキさん好きですよ~。』
(あれ?何で?何でこんなにドキドキしてるの?)
「?」
シディに好きと言われて嬉しかった。だけど悟飯に好きと言われて同じくらい嬉しいけど、何でこんなに胸の鼓動が早くなってるのか分からなかった。
これはもろ酔いのせいなのか、それとも・・・・。