カゲチヨside
俺は現在、有名な男子不良校に依頼で潜入していた。
「あ~?おめぇー見ねぇ奴だな~?」
入って早々、数人の不良異宙人生徒に絡まれてしまった。
「今日からこの学校に転入してきた・・・・。」
「こいつ、ムカつかね?」
「図体でかいからって調子に乗るなよ?」
はぁ~・・・何でこう、変な奴らに絡まれるのか・・・。
男子教師が通りかかるが無視して素通り。
もとより頼る気はなかったが、教師としてどうなんだとも思うぞ。
「喧嘩を売る相手はちゃんと選んだ方がいいぞ。」
「はぁ?舐めた口を言うじゃねぇーか。」
「はい、死刑決定~。」
はぁ・・・・。
まったく疲れる学校だな。
「やめなさい。」
「あ?・・・って先生!おはよーっす!」
俺達の前に女性の教師三人がやってきて注意してきた。
一人はショートで黒のパーカーを着た女性。もう一人はストレートできっちりしたレディーススーツを着た眼鏡かけた教師。もう一人はサイドテールでタレ目で白衣を着た女性だった。
「この子は私のクラスに転校してきたカゲチヨ君よ。」
「今いじめようとしてたでしょ。」
「だってこいつは・・・。」
「いけないんだ~。いじめは駄目よ~。」
「でも・・・。」
「私がお願いしてるのに聞けないっていうの?」
眼光鋭く言うと、不良たちは怯えるのではなく赤面して目をハートにした。
「聞けます!いじめしないっす!」
「物分かりが良くて嬉しいわ。」
さっきまでとは違って急に態度変わったな。
「何なんだいったい。」
「変だろ。」
俺のつぶやきに誰かが返事を返して来た。
この気はスズキとサトウか。
二人は俺にこの学校の異変を調査してほしいという依頼をしてきた張本人たちだ。
「少し前に赴任してきて以来、今やこの学校の男共は全員あの女教師の言いなり・・・。」
「この妙な状況を何とかしてほしくてカレコレ屋に頼んだんだよ。」
「男全員、女教師の言いなりね。いいんじゃねぇかー?そのままにして喧嘩っ早い性格を更生してもらえよ。」
「よくねぇーよ!!あぁーもう!!何でお前なんだよ!!本当はシディとかに頼みたかったのによ!!そしたら学校も楽しくなるのによー!!」
「俺で悪かったな。あいつは今帰省中だ。」
「マジかよ・・・・・あ、そういえばお前、前回戦闘力の機械壊すほど強いみたいじゃん!いっちょー相手してくれよ!!」
「するか。学校は遊び場でも喧嘩のリングでもねぇーんだぞ。勉強しろ勉強。」
「この学校でそんな理屈通用するかよ。」
・・・それもそうか。
学校一の不良校だもんな。
勉強しろって言ったって机はぐちゃぐちゃ、黒板は落書きだらけ、窓ガラスは割れて窓の役目を果たしてない。
「面倒な依頼を受けたもんだ。」
◇◇◇◇◇
まぁ依頼を受けた以上、最後まではやるとしてだ。
十中八九、赴任してきた女教師が怪しいのは目に見えてるな。
二人が言うにあの女教師たちは男子生徒を言いなり、つまり支配してるって解釈になるな。
って事は、もしかしたら俺にも何かしら接触があるかもしれないな。
そう思ったらさっきのサイドテールでタレ目の教師がやってきて自販機で買ったであろう飲み物を渡してきた。
「はい。転校祝い。転校早々大変だったけど明日も学校来てね。」
「・・・どうも。」
普通、転校生に祝いでジュースを奢るか?
「これは普通の生徒には内緒。カゲチヨ君だけ特別。」
「そう言って、他の生徒にそう言ってるんじゃないですか?」
「そんな事ないよ~。本当にカゲチヨ君だけ。」
「そー言う事にしておきますよ。」
こうやって男を手玉にしようとしてるのか。
女って怖いな。
◇◇◇◇◇
現在、今は授業中。
不良校のくせに真面目に授業を受ける男子たちを見渡した。
真面目になるのはあの眼鏡かけたストレートの女性が目的ってわかけ。
「こ~ら!よそ見しない!」
「・・・・すみません。」
「罰として職員室に来てもらいます!」
は?
よそ見しただけで職員室に呼び出されるのは理不尽過ぎないか?
俺は他の生徒の殺気を無視しながら職員室に入って女教師の前に立った。
「あなた授業に集中できてないんじゃないかしら?」
「そんな事は・・・。」
「言い訳はいいわ。罰として反省文10枚。」
おいおい。
流石に厳しすぎないか?
「っと言いたい所だけど、転校初日だし特別に見逃してあげる。次回からはしっかりと私を見るのよ?」
・・・いったい俺は何のために職員室に来たんだ?
時間の無駄だろ・・・。
胸を強調しながら上目遣いにしてる女教師に呆れながらそう思った。
◇◇◇◇◇
「カゲチヨ君にクラス委員をやってほしいの。」
廊下を歩いてるときにショートヘヤーの女教師に呼び止められそう言われた。
「転校したばっかなんだが?」
「うちは不良ばかりで任される人が居なくて・・・。でも、君なら安心かなって。」
確かに一理はある。
「いいだろう。」
何かあるかもしれないが、乗ってやるとするか。
「よかった!じゃあお願いね。」
委員長になった事で荷物運びを手伝わされることになった。
まぁこんなの屁でもないがな。
「逞しいわー。流石男の子。」
「・・・どーも。」
「図書館までお願いね。」
「はいはい。」
図書館に資料を運んだ後、職員室に呼ばれクラスに進路希望調査出すように言ってくれと言い渡された。
人使いが荒いな。
こういうとされたから、男子生徒たちはマインドコントロールされたんだろうな。
まぁ、綺麗な女性にいいとこ見せたい男の性もあるだろうけどな。
その性も利用してるんだろう。
だが、それも限界に近いな。
なぜなら、すぐ近くに俺に絡んだ不良生徒たちがこちらを睨み着けているからだ。
こりゃまた面倒なことになりそうだ。
◇◇◇◇◇
「お前、あの女教師にいいように使われてるな。」
教室に出た時にスズキとサトウとばったり会ってそう言われた。
「遠くからじゃ何もわからんからな。使われる覚悟で懐に入った方が調べやすい。」
「はぁ~よくんなこと出来んな。俺じゃあ反抗しちまうわ。」
「プライド高そうだもんな。お前ら。」
「どういう意味だこら!」
二人を無視して集めた進路希望調査を持って職員室に向かおうとした。
「ん。」
そこに女教師が朝、俺に絡んだ不良生徒たちに絡まれていた。
「そこをどきなさい!」
「俺よりあいつがいいのかよ!」
「俺らの方が役に立つだろ!」
「話があるって言うから来てみれば・・・そんな話ならもう行くから。」
「待てよ!」
肩を掴まれ軽く悲鳴を上げた。
こりゃあヤバいな。
「先生。頼まれたやつ持ってきましたよ。」
「カゲチヨ君!」
「んだよてめぇ!!邪魔するなよ!!」
不良生徒が俺の顔面に殴り掛かった。
もちろん俺は避けずにそのまま喰らってやった。
「俺の拳を食らったら最後、頭蓋骨が・・・・っ!!」
奴の手首をつかんで軽く捻ってやった。
「ぐああああああ!!」
「そんなへなちょこパンチ。蚊も潰せねぇーぞ。」
痛がってる不良生徒の腕を話してやった。
「失せろ。」
「ひっ!!」
「や、やべーよあいつ!!」
「に、逃げるぞ!!」
情けなく逃げて行った不良生徒たちを追わずに見逃してやった。
俺がベジータみたいな性格じゃなくてよかったな。
あいつだったら普通に学外にぶっ飛ばされてるぞ。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」
怖かったのか息が荒く地面にへたり込んでいた女教師。
これは・・・異常だな。
「大丈夫ですか?」
「・・・ごめんなさい。私、暴力的な男って大っ嫌いなの。カゲチヨ君・・・二度と私にあんな事しないよう、あいつ等なんとかしてくれない?」
「それは無理な相談ですね。」
「え?」
返答が意外だったのか驚いた表情になって俺を見た。
「わ、私の言うことが聞けないの!?」
「この状況になったのはあんたの自業自得だ。」
「自業自得って・・・。」
「希少性の原理。」
「!?」
「返報性の原理にコミットメントと一貫性・・・。あんた達が俺や他の生徒たちにやったのは全部マインドコントロールの方法。違うか?」
「・・・お見通しだったってわけ・・・。」
「何の目的でそれをしようと思ったのかは知らんが、あんたらの思い通りになるほど人間は単純じゃねぇ。だからあーいう風になった。」
「・・・・。」
「今回はまだマシだが、いつかはもっとヤバい事になるかもしれねぇぞ。」
そう言うと、あきらめた表情になったって力を抜けたように地面にへたり込んだ。
「ふっ・・・やっぱり私に復讐なんて無理だったのね・・・。」
「復讐?」
「実は私には前世の記憶があってね・・・。」
前世とは、突拍子のない言葉が出たな。
「平凡な容姿、取り立てて特技も興味もないつまらない女だった。親に言われるままお見合いして結婚したわ。でも、相手は何か気に食わない事があるたびに私を殴って暴力で支配sる・・・そんな最低な奴だったのよ!」
「・・・・。」
「そして、私は転生してこの美貌を手に入れた!道を歩いてるだけで男共が振り返る・・・。私を暴力で支配した憎き男が!その時、私は思ったのよ。この美貌を使って男共を支配してやろうって!」
そのために教師になったって事か。
彼女の境遇を聞けば可哀そうだ・・・だけど。
「アンタはその暴力してきた男と同じ事をしようとしたって訳か。」
「違う!私は・・・!」
「同じだよ。」
「っ!!」
「アンタが旦那さんにやられた事は同情してやる。だがアンタがしようとしてる事はこの世界の男達には関係ない事だ。」
「それは・・・。」
「復讐をする事は別に止めるつもりはねぇ。俺にだって復讐したい相手くらいいる。」
「あなたにも?」
「あぁ。だけどアンタは復讐相手を男全体に無差別に向けてる。そんなんじゃいつまで経っても復讐なんて終わんねぇし疲れるだけだ。」
「じゃあ・・・私はどうすればいいの?」
「知らん。教師なら、いい大人ならそれくらい考えろ。」
俺は女教師に背を向けて去ろうとしたが一度止まって頭をかいた。
「・・・・このまま教師続けるなら。」
「・・・!」
「生徒に暴力で支配させないように教え込むんだな。復讐どうこうはともかくアンタは教師の才能はあるぜ。」
「・・・ありがとう・・・。」
今度こそ、俺は女教師の前から去った。
もうあの女教師は大丈夫だろう。
前世のつらい記憶なんて忘れて、今を楽しんで生きてほしいもんだ。
「見つけたぞテメェ!!」
「ア”ァ”?」
校舎に出て帰ろうとしたら、さっきの不老生徒と俺より一回りデカい番長風の生徒が目の前に現れた。
「兄貴!あいつです!!」
「テメェか?俺の可愛い後輩をいじめたってやつは?」
「人違いだ。そこをどいてもらおうか。」
「ふざけるな!!テメェはこれから兄貴にやられるんだよ!!」
「やっちゃってください兄貴!!」
「そういうこった。俺様の後輩をいじめたケジメをつけてもらおうか?」
はぁ・・・なんでこう、喧嘩っ早い奴が多いんだ。
「そいつらの兄貴分なら、もう少し素行の悪さを調教してもらいたいもんだな。」
「余裕ぶっこいてんじゃねぇーぞ!!」
番長風の生徒がメリケンサックをはめて俺に殴り掛かった。
はぁ・・・俺は弱い者いじめする趣味無いんだけどなぁ~。
◇◇◇◇◇
「いや~喧嘩してたら時間過ぎちまったぜ!」
「これでバイト間に合わなかったらお前のせいだからな。」
学校内で喧嘩をしていたサトウとスズキは、鞄を持って帰るために校舎に向かった。
「・・・は?」
「・・・何だあれは?」
校舎を出た瞬間、目に映ったの先に犬神家の様に上半身が地面に埋まった不良たちと番長風の生徒だった。
「なんでこいつら地面に突き刺さってんだ?」
「知らねーよ。」
数十分前にカゲチヨが軽く叩きのめした出来事を二人は知る事はなかったとさ。