KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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大切な親友と命を賭けたバトルになったら

 

シディside

 

 

俺たちは依頼でペットを高値で売ろうとしている闇プローカーという奴らを捕まえた。

 

倉庫の中には数十匹の異宙の生物が檻の中に閉じ込められていた。

 

異宙の生物たちは無事ではあるが、酷い事する・・・。

 

 

すると俺の腕に猫のような異宙の生物たちがすり寄って来た。

困ったな・・・。

 

 

「とりあえず警察を呼ぶか。シディ、そっちはどうだ?」

 

「ウム、檻を開けたんだが・・・。」

 

「二足歩行の猫?」

 

「ケット・シーってやつだな。確か人語を話す異宙の動物だ。」

 

 

カゲチヨは何でも知っているな。

 

しかし、懐かれるのは嬉しいが、身動きが取れない。

 

 

「王様。助けてくれた貴方は王様。」

 

「俺は王様ではないが・・・。」

 

 

ケット・シーは俺に腕話くらいの大きさの王冠を差し向けた。

 

 

「これは受け取れないぞ。」

 

「受け取ってあげたら?感謝のしるしって事だと思うしさ。」

 

 

ヒサメからそう言われた。

 

確かに、せっかくの好意だ。無碍にするのは忍びない。

俺はその王冠を貰い、腕につけた。

 

そして、捕らわれた異宙の動物たちは保健所に連れていった。

 

 

「最近多いね。異宙の生物を勝手に売る人。」

 

「まったく。困ったもんだぜ。」

 

「カゲチヨ。」

 

「なんだ?」

 

「あの子達はこの後どうなる?」

 

「一先ずは保護だ。そこで危険性がなければ、元の場所に戻すだろうな。」

 

「・・・危険性があった場合どうなる?」

 

「最悪の場合、処分だな。」

 

 

処分・・・その言葉を聞いた瞬間、なぜか俺の中に何とも言えない怒りが込み上げてきた。

 

 

「それはつまり殺すという事か!?」

 

 

俺は少し大きな声を発して、カゲチヨの腕を掴んだ。

 

 

「何の罪も無いあの子達をか!?」

 

「落ち着け。あくまで最悪な場合だ。」

 

「し、シディ?」

 

「あ・・・すまない・・・。」

 

 

なぜ俺はこんな怒りを・・・。

 

確かに人間の勝手で処分されるのは良くないが、仕方がないとは思っている。

なのに、なぜ今日に限って・・・・。

 

カゲチヨの掴んだ腕を離して謝った。

 

気にするなとカゲチヨは言うが・・・何だ、このもやもやは・・・。

それに頭が痛い・・・。

 

力を使い過ぎたか・・・?

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

あれから数日後。

 

俺はリサイクルショップに居るヨーメイに保健所に引き取られた動物たちがどうなるか調べてもらった。

 

するとスマホで調べたヨーメイが苦い顔をした。

 

 

「どうした?」

 

「SNSの投稿とかにヒットしたんです。内容がその・・・酷くて。」

 

 

ヨーメイがその投稿を読み上げるに「異宙の動物を処分しろ。」「危険動物を保護するな。」「保護は建前で処分してる。」などの投稿があったそうだ。

 

 

やはり、保健所に運ばれた動物たちは処分される!

 

そう思ったら居ても立ってもいられず、体が勝手に保健所へと向かった。

 

 

「昨日保護したケット・シーがいるだろう。あの子達は本当に処分されるのか?」

 

「保護した異宙の動物は行政に則ってしかるべき処置があるってホームページにも書いてあるでしょう?」

 

「然るべき処置とは何だ。処分するという事ではないのか?」

 

「あー・・・めんどくせぇなぁアンタ。」

 

「何だと!?」

 

「なぁ本音と建前って知ってるか?ああいうのは犬猫と違ってどこにも出せねぇんだよ。人間を恨んでるからな。」

 

「だから処分するのか。」

 

「内緒で引き取るかい?俺に金払えば都合つけてやるよ。」

 

 

こいつっ!金で解決するつもりか・・・!

 

動物を・・・生き物を何だと思ってるんだ!!

 

 

「そんなのは闇ブローカーと同じだ!!」

 

「命には代えられないんだろ?あの獣の命は助かるんだから問題ねぇじゃねぇか。」

 

「貴様!!」

 

 

こんな奴のために動物たちを好きにさせてたまるか!!

 

俺は自分の能力でこの男を燃やそうとした。

 

 

「シディ。そこまでだ。」

 

 

しかしそれは、カゲチヨによって止められた。

 

 

「こんな所で能力を使おうとするな。この男がどうなろうが知った事ではないが、他の無関係な人間まで傷つける事になるぞ。」

 

「お、俺がどうなろうとはどういう意味だ餓鬼!」

 

「客に賄賂しようとした野郎は傷付こうがどうでもいい質なんでね。」

 

「テメェ!」

 

「帰るぞ。これ以上、お前の心が汚される前にな。」

 

「・・・・。」

 

 

俺はカゲチヨに連れられ保健所から出た。

 

 

「なぜココに?」

 

「ヨーメイが心配しながら教えてくれたぞ。」

 

「・・・そうか。カゲチヨ・・・俺は間違っていると思うか?」

 

「いいや。お前は正しいよ。ただ、正しさだけでどうにかなる問題じゃないことがある。もし、人間社会に下手に解き放った異宙の獣が関係ない人達や子供達を襲った場合、処分しなくちゃいけなくなる。」

 

 

・・・カゲチヨの言う通りだ。

 

あの中に居る動物達が人間を恨んでいたら・・・。

それこそ人々に危害を加えていたら・・・。

 

だが、それでも・・・。

 

 

「すまない。先に家に帰る。」

 

 

カゲチヨに背を向けたまま俺は家に戻ろうとした・・・。

 

 

「うっ!」

 

 

まただ・・・また頭が・・・。

 

 

「あなた。辛そうね。」

 

 

俺の前に一人の女性が話しかけられた。

 

普通の人間と肌の色が違う・・・もしや彼女は異宙人なのか?

 

 

「あなたは悩んでるのね。自然と人間。どちらを選ぶか。」

 

「!!」

 

 

な、なぜそれを・・・。

 

 

「悩む事はないわ。心に素直になればいいのよ。」

 

「・・・し、しかし・・・俺は・・・。」

 

 

仮にあの施設を破壊して皆を逃がしたとしても、そのせいで子供たちが怪我をしたら・・・。

 

 

「そのまま悩んでいたら手遅れになるわよ。・・・いいのかしら?このまま、保護した生物達は人間によって処分されるわ。」

 

「・・・・。」

 

「大丈夫よ。あなたの力なら救いたいもの全て救えるわ。」

 

「全て・・・。」

 

 

それを聞いて、俺は施設に戻った。

 

俺は・・・俺の力で彼らを救う!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ。さぁこの世界の人間がどこまでやれるか見ものね。」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

一人カレコレ屋に戻って、スマホをいじっていたカゲチヨ。

 

そんなカゲチヨを心配な表情しながらプリンを食べながら見ていたヒサメとヨーメイ。

 

 

「カゲチヨどうしたんです?」

 

「シディと喧嘩でもした?」

 

「そんなんじゃねぇーよ。」

 

 

そう答えながらもスマホから目を離さなかった。

 

 

「なんじゃカゲ男。いつにも増して腐った表情してるのぉ。」

 

「どんな表情だ。」

 

「ん?お主、ケット・シーを調べておるのか?」

 

 

あざ笑いながらも頭に乗っかるボティスは、カゲチヨのスマホを覗き込み質問してきた。

 

 

「あぁ。シディがおかしくなったのはあのケット・シーと会話してからだ。」

 

「シディに何かあったのか?」

 

「保護した生物が処分されるって聞いて飛び出て行ってましたもんね。」

 

「危うく能力で人ごと施設を破壊しようしていた。普段のあいつならそこまでしようとは思わないはずだ。」

 

「ふん。シディも感情を持つ人間じゃ。生物の命を粗末にする身勝手な人間を殺したいと思っているかもしれんぞ。」

 

 

ケラケラと笑うボティス。

カゲチヨはスマホから視線を外しボティスを見た。

 

 

「本当にそう思ってるか?」

 

「・・・・。」

 

「・・・・。」

 

「・・・・チッ。」

 

 

お互いの目と目を合わせしばらくの沈黙の後、舌打ちにしてカゲチヨから視線を離して壺に入った。

 

 

「ま、まぁシディさんが無事なら私的にはいいですけどね~。」

 

「楽観しすぎだ。シディは普段しない事をしようとしたんだぞ?それで無事とは言えるのか?お前もあんなに慌ててたじゃねぇーか。」

 

「それは・・・そうですけど・・・。」

 

 

『ここで臨時ニュースです。先ほど保健所で爆発事故が発生しました。』

 

「!!」

 

『主に大型の異宙生物が格納されている設備に被害が及び、辺りは騒然としています。』

 

 

テレビの画面に映された。映像には大型異宙生物が車を逆さにしていて、シディに賄賂しようとした役員が逃げている場面が流れた。

 

 

「これってまさか・・・。」

 

「シディだな。」

 

「でも、何で大型の檻!?」

 

「おそらく陽動だろうな。」

 

「ほぉ。シディのやつ、中々考えるのぉ~。」

 

「感心してる場合か。誰の入れ知恵か知らねぇが、厄介なことになったぜ。」

 

 

カゲチヨは、シディが策を思いつかないと考えていた。

ということは、きっと誰かの入れ知恵されたんだろうと推測した。

 

 

一先ず、シディを探すためにカゲチヨ達は外に出た。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

夜中の森にて、木の上でシディが座っていた。

その隣には、施設から逃がした複数のケント・シーが居た。

 

 

「見つけたぞシディ。」

 

 

シディの気を追って来たカゲチヨ達。

 

そんなカゲチヨ達のを見ても表情一つ変えずに上から見下ろした。

 

 

「何をしに来た。」

 

「分かってんだろ。連れ戻しに来たに決まってるだろ。帰るぞ。」

 

「断る。」

 

「ア”ァ?」

 

「俺はこれから捕まってる彼らを逃がして回る。俺はずっと疑問だったんだ。都合が悪いと檻に入れる。危険だから処分する。それはトッププレデターと同じやり方じゃないのか?」

 

「はっ。そこでトッププレデターを持ち出すか。それで自分は正しい事してますってか。自惚れもいい所だな。」

 

「何だと?」

 

「確かに。一括りにしたらトッププレデターと同じなのかもしれねぇな。だけど実際に生物が人を殺す例もあるのは事実だ。これ以上被害を増やさないために・・・だから処分しなくちゃなんねぇ。」

 

「そんなのは人間の身勝手なエゴだ!」

 

「だがお前のしてる事もエゴだ。」

 

 

その言葉にシディは言葉を詰まらせた。

 

 

「お前が施設を破壊した事は責めるつもりはねぇ。それ程までにお前は生き物たちを大切にしてる事は分かっている。頼まれれば俺だって手伝っていたさ。」

 

「なら・・・。」

 

「だがお前は間違えた・・・いや、詰めが甘かった。」

 

「何だと?」

 

「施設を破壊して生物達を逃がす。そこまではいい。・・・その後は?」

 

「だから別の所で捕らわれている彼らを・・・。」

 

 

 

「そんなこと聞いてんじゃねぇ!!」

 

「!!」

 

 

カゲチヨの怒号でシディはびくっと震え固まった。

 

 

「お前は逃がした生物を人の目に届かないような場所まで逃がしてやらなきゃいけなかった。それを怠ったせいで無関係な人間が大怪我するかもしれねぇんだぞ!」

 

「・・・まれ!」

 

「それだけじゃねぇ。そのせいで関係のない生物まで処分対象にされたらどう責任取るんだ!お前は人間と生物、両方を傷つける事になるんだぞ!」

 

「黙れ!!」

 

 

その瞬間、シディから黒いオーラが放出された。

 

 

「な、何だっ!このドス黒い気は!」

 

「し、シディ!?」

 

「シディさん!?」

 

 

黒いオーラを纏い、真っ赤な目でカゲチヨ達を見下ろした。

 

 

(この気、ターレスの時と同じだ。シディの気が数倍上がりやがった。)

 

「何と言われても俺の邪魔はさせないぞ。」

 

 

戦闘態勢に入ったシディが仲間であるカゲチヨに容赦なく攻撃を仕掛けた。

 

 

「くっ!」

 

 

繰り出された攻撃を腕で防ぐが、今までのシディのパワーとは大幅に上がったせいで腕が若干しびれてしまった。

 

そこから反対の手でカゲチヨに追撃しようとするがバク転で回避して距離を置いた。

 

 

「はっ。力で押し通そうとする所はお前もトッププレデターと同じなんじゃねぇーか?」

 

「がぁ!!」

 

(ちっ!完全に聞く耳持たねぇか!)

 

 

説得を試みようとするも、まったく聞く気もなくそのままカゲチヨに向かって攻撃を仕掛けてきた。

 

シディの拳を受け止め、膝で腕についてるケット・シーから貰った王冠を破壊した。

本来ならこれで洗脳が解ける。

 

 

「はぁあああああ!!」

 

「ぐっ!!」

 

 

・・・はずだった。

 

王冠が壊れてもシディの暴走は止まらず、カゲチヨの顔面に一撃をくらわし殴り飛ばした。

 

殴られたカゲチヨは飛ばされながらも王冠を破壊した程度じゃ元には戻らないと薄々感じてた。

 

 

「シディやめて!!」

 

「!!」

 

 

ヒサメがシディに電撃を浴びせようとするも簡単に避けられる。

 

 

「これ以上暴れるなら私も手加減しない!!全力で止めてみせる!!」

 

「お前も邪魔するなら・・・!」

 

 

夜にもかかわらず昼状態のようなパワーの特大な火炎をヒサメと近くに居るヨーメイに向けて容赦なく放った。

 

 

「バカヤロー!!」

 

 

ヒサメの前に高速で立ったカゲチヨは両腕で火炎を跳ね返した。

 

 

「カゲっ!」

 

「ヒサ、お前はヨーメイ連れて非難してろ。」

 

「でも!」

 

「今のあいつは俺達を完全に敵と認識してやがる。お前らを守りながら戦うのはちぃっとばかし厳しい。」

 

「・・・・。」

 

「安心しろ。俺は死なねぇし、シディも死なせねぇ。まぁ正気戻すには多少痛い目に合わせてしまうけどな。」

 

 

カゲチヨの背中を見ながらしばし黙ったヒサメは、その言葉を信じてヨーメイを連れて出来るだけ離れた。

 

 

「来いよシディ。お前の全力、俺に見せてみろ。」

 

「はぁあああああああ!!」

 

 

シディを一人の敵として、通常状態ではあるものの本気で相手したカゲチヨ。黒いオーラで強化しているとはいえ、今のカゲチヨと互角にやり合えていた。

 

更に驚く事に、空を飛び、手からエネルギー波を放った。カゲチヨは若干驚きつつ、同じエネルギー波で応戦。

 

二つのエネルギー波がぶつかり弾け飛んだと同時にお互い一瞬で相手に近付き交戦を繰り広げていた。

 

 

(まさか、黒いオーラでここまで強くなってるとは・・・こりゃ仲間だから本気出せねぇなんて言ってらんねぇーな。)

 

「がぁ!!」

 

 

大振りで殴ろうとした所をカゲチヨは避け蹴りで顔面に一撃をくらわせた。

 

 

「はぁあああ!!」

 

 

それでも止まらないシディの攻撃をカゲチヨは捌き、肘で腹に一撃を浴びせた。

 

 

「ぐぉ・・・・。」

 

「シディさん!!」

 

「シディ!!」

 

 

苦しんでるシディを心配するヨーメイとヒサメはシディを呼びかけるが、二人に反応せずに上空に飛んで、特大の火炎を最大限に出した。

 

 

「消えろぉおおおおおおお!!」

 

 

自然の被害、ヒサメやヨーメイが居る事などお構いなしに容赦なくカゲチヨに向かって放った。

 

 

「シ、シディさん・・・。」

 

「そんな・・・あんなの放たれたらこの周辺が酷い事になるよ!」

 

「俺を倒すために後先考えないか・・・・。」

 

 

通常状態で気を最大限に出し、かめはめ波の体制に入った。

 

 

「か~め~は~め~・・・・。」

 

 

手と手の間が輝き、気をためた。

この最大のかめはめ波を放ったらシディが危ないかもしれないと葛藤はするが、それでも大切な仲間を戻すために一か八か掛ける事に決めた。

 

 

「波ぁああああああああ!!」

 

 

思いと共にかめはめ波を放った。

 

巨大な火炎とぶつかり、押し合いになった。

 

 

「ぐっ・・・うぅ・・・!」

 

「・・・・だぁあああああああああ!!」

 

 

更に気を上げて、火炎を打ち破りシディはカゲチヨのかめはめ波によって飲まれた。

 

 

「・・・。」

 

 

かめはめ波が消え、一瞬の静寂の中、上空からシディが落下して倒れた。

 

 

「シディ!!」

 

「シディ!!」

 

「シディさん!!」

 

「う・・・・。」

 

 

カゲチヨ達は地面に倒れたシディの元へと近づいた。

 

どうやら、かめはめ波で大ダメージを喰らってしまったが、まだ生きている事に安堵した一同。それにさっきまで駄々洩れていた黒いオーラも消えていた。

 

カゲチヨは倒れてるシディを抱き起した。

 

 

「カゲ・・・チヨ・・・。」

 

「大丈夫か。シディ。」

 

「俺は・・・いったい・・・何でこんなに体がボロ・・・ボロ・・・なんだ?」

 

「お、覚えてないの!?」

 

「ケット・・・シー・・・達を・・・助けて・・・カゲチヨ達と・・・遭遇した・・・あたりから・・・記憶が・・・無くなって・・・・。」

 

 

どうやら自分がカゲチヨ達を襲った事を覚えていなかったようだった。

 

 

「すまねぇな。お前を止めるために多少痛めつけてしまった。」

 

「多少!?あれで多少ですか!?馬鹿なんですか!?一歩間違ったらシディさんが死んでたんですよ!?」

 

「悪かったって・・・でも本気出さなきゃやられてたんだぜ?」

 

 

ボカボカとカゲチヨの背中を殴るヨーメイに呆れながらも謝罪した。

 

そんな中、木の上に居るケット・シー達はカゲチヨ達を見下ろしていた。

 

 

「王様が負けた。弱い奴は王様じゃない。次の王様を探そう。」

 

 

そう言って瞬時に消えて行った。

 

 

「あ!ケット・シーが逃げた!!」

 

「う・・・なぜ・・・。」

 

「お前はケット・シーに上手く踊らされていたのさ。」

 

「どういうことですか?」

 

「奴らがシディに渡した王冠。あれを付けた者は、王様としてあいつら臣民を命がけで守る催眠を掛ける。そして王様が負けたら次の王様を探すんだ。」

 

「だからケット・シーの事調べてたんだ。」

 

「そん・・・な・・・俺は守ると・・・。」

 

「気にするな。生きるためなら何でもする。それが自然ってやつさ。」

 

「ある意味、人間より残酷なんだね・・・。」

 

 

信じていた者に裏切られ、ショックを受けたシディだったが。カゲチヨは優しくフォローする。

 

しかし真面目なシディは、それでも自分がやって来た事の愚かさを拭い切れなかった。

 

 

「俺は・・・何て事を・・・。」

 

「そう悲観するな。お前は誰も傷つけちゃいねぇ。」

 

「だが催眠を掛けられたとはいえ。カゲチヨ達を襲ったみたいじゃないか。」

 

「それがどうした。お前が暴走しようが、俺はいつでも止める。仲間だろ?」

 

「・・・っ。」

 

「それに、お前が逃がした生物たちの方も心配するな。そっちは悟飯とムツミで何とかしてもらってる。」

 

「・・・すまない・・・。」

 

「・・・・ヒサ、ヨーメイ。すまないがシディを頼んでいいか?」

 

「い、いいけど、どうしたの?」

 

「俺も悟飯とムツミの手伝いをしてくる。流石に二人だけじゃ大変そうだしな。」

 

「そっか。わかった。シディは私達に任せてよ。」

 

「あぁ。頼んだ。」

 

 

シディの両隣に立ち、肩を貸して移動した二人を見送ったカゲチヨは一息ついた後、近くに隠れてる存在に声をかけた。

 

 

「そこに居んだろボティス。出て来いよ。」

 

「ふん。気付いておったか。」

 

 

居る事がバレた事で、素直に出てくるボティス。

 

 

「お前の事だ。俺達の仲間割れを拝みに来たんだろ。」

 

「よく分かってるではないか。だが一方的な戦いで正直つまらんかった。わしはもっとドロドロで血が流れるの仲間割れを見たかったわ。」

 

「ったく、いい性格してるよお前。」

 

 

ボティスの性格の悪さを知ってながらも呆れるカゲチヨだった。

 

しばしの沈黙の後、真剣な顔でカゲチヨはボティスに質問を投げた。

 

 

「お前はあの「黒いオーラ」について何か知ってるのか?」

 

「・・・・・知らん。」

 

 

カゲチヨの質問にしばし黙ったボティスは珍しく真面目に答えた。

 

 

「長年生きてきた中で、あのような「危険なモノ」は初めてじゃ。」

 

「そうか・・・・。」

 

 

結局、分からないまま謎を残して今回の騒動は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二つの影が気配を隠し、上空でカゲチヨ達を見下ろした。

 

 

「奴が孫悟空の義理の兄か。」

 

「みたいね。」

 

「奴は俺達の脅威になるか?」

 

「さぁ?まだ力を隠してるようだし、これからもちょっかいを掛けてみるわ。もし私達の邪魔をするようなら・・・。」

 

「殺せばいいのだな。」

 

 

カゲチヨを評価した後、そのままスッと消えて行った謎の二人。

 

 

この先、異宙に何が起きるか、まだ誰も知る由もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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