KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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ロットとシディと友達(前編)

3人が再会して数時間、シディはヒサメの荷物を持ち、カゲチヨはタッパーの中に残りの料理を入れて持ちヒサメの自宅まで送っていた。

 

 

「なんか久々な感じだね。」

 

「ウム。やっと家に帰れたな。」

 

「帰れる家があるっていいよね。」

 

「あーなんかその気持ちわかるわ。」

 

 

カゲチヨにとって2人よりも長い期間留守にしていたため気持ちが痛いほどわかる。

 

 

「ム?カゲチヨは毎日帰ってるのではないのか?」

 

「・・・・あー、分かった気持ちだけだよ。気持ちだけ。」

 

「え~?話に参加するために適当な事言ってない?」

 

「言ってない言ってない。」

 

「・・・なんか、さっきから変だよ?」

 

 

ジト目でカゲチヨを見るヒサメに対し目線をそらす。

 

 

「いつもこんな感じだ。離れてたから実感ないだけで俺は何も変わってない。」

 

「いや、離れてたのほんの数週間だし・・・。それにその図体で言われても説得力無いから。」

 

「うるさい。いちいち人の粗を探すな!」

 

 

そんな軽口を言い合う二人を見てシディは帰ってきたんだなぁと改めて実感する。

 

 

「ところでヒサメ、身体は大丈夫か?」

 

 

心配そうな表情をしてヒサメを見る。心配かけないように笑顔で元気だと答え、シディはそうかと安堵する。

 

 

「荷物置いて一休みしたらカレコレ屋行こうよ。」

 

「カレコレ屋には俺がやっとくから、お前は自宅で休んでおけ。」

 

「え、大丈夫だよ。」

 

「退院したばかりなんだからゆっくり休んどけ。」

 

「カゲチヨはヒサメを心配してるんだな。」

 

「へぇ~そーなんだ~?心配してくれてるんだ~。」

 

 

からかうようにカゲチヨを見てニヤつく表情をする。

 

 

「悪いか?仲間を心配するのは当たり前だろ?」

 

「え・・・あ、いや・・・////」

 

 

普段だったら顔を赤くして捻くれた事言うはずなのに、真顔で予想外の返答してきたため、動揺してどもってしまった。

 

 

「や、やっぱりカゲ変。」

 

「ウム。何か変なもの食べてしまったのか?」

 

「お前らなぁ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒサメを自宅に送ったカゲチヨとシディ。カゲチヨは一度帰って同居人であるロットの様子を見に行くことにした。

 

シディは、カゲチヨがわざわざゴブリンの山に行ったことで心配かけたお詫びとして手料理を振舞おうと考えついて行く事にした。

 

 

「別に手料理なんていいのに。お前だって疲れてるんだろ?」

 

「俺は大丈夫だ。カゲチヨは俺達の事心配してわざわざ遠いゴブリンの山に出向いてきてくれたんだ。朝食の手料理くらい作らせてくれ。」

 

 

断っても無駄そうだな。っと軽くため息を吐くカゲチヨ。

 

 

「しかし、いつの間に引っ越したんだ?」

 

「数週間前さ。実は、ゴブリンの山で記憶喪失の男の子を拾ってな。そいつと同居するにあたって、もう少し広い賃貸に引っ越すことになったってだけさ。」

 

「そーなのか・・・。カゲチヨも色々とあったんだな。」

 

「・・・・お前らほどじゃないさ。」

 

 

しばらく歩いていたら、カゲチヨが住むマンションに辿り着いた。

 

 

「ここが、今カゲチヨが住んでる所か。」

 

「まぁな。」

 

 

カゲチヨの後ろについて行くシディだったが、どこか険しい顔になる。そんなシディの雰囲気に疑問を浮かべる。

 

 

「どうした?」

 

「いや・・・何だかどこかで嗅いだことある匂いがして・・・。」

 

「そうなのか?」

 

「もしかしたら、配達のバイトで通ったのかもしれない。」

 

 

自宅のドアの前まで来た2人。鍵を開け、部屋の中に入った途端シディは更に険しい顔になる。

 

 

「!!やはりこの匂いっ!!」

 

 

そう言って、勢いよく部屋の奥に入った。

 

そこには、ロットが座ってテレビを見ていた。シディはロットの姿を見たとたん驚きの表情を見せる。

 

 

「アヌビス!!どういうつもりだ!!」

 

「う、うわぁあああああああ!!」

 

 

カゲチヨを庇う様に前に立ちロット、基アヌビスを睨みつける。

 

シディの怒気に怯える始めるロット。

 

 

「今度はカゲチヨを狙っていたのかアヌビス!?」

 

「シディ、落ち着け。」

 

「しかしカゲチヨ!こいつは・・・!!」

 

「俺の話を聞け。」

 

「!?」

 

 

少しだけ気を高めたカゲチヨにシディは本能的に感じ取ったのか、少しだけ冷静さを取り戻した。ロットも、カゲチヨが自分の傍に来たことで怯えが収まった。

 

 

「まず、こいつは記憶喪失の同居人のロットだ。」

 

 

ロットの肩に手を置き、シディに紹介する。

 

 

「き、記憶喪失?それにロット・・・?」

 

「俺が名付けた。そしてロット、こいつはシディって言って、いい奴だから怯える必要はない。」

 

「本当に?」

 

 

こまった表情でカゲチヨを見る。

 

 

「大丈夫だ。俺を信じろ。」

 

「わかった・・・。」

 

 

ロットの頭を撫でて安心させる。渋々ながらもカゲチヨを信用して了承する。

 

だが、まだ身体が震えてるようだった。

 

 

「・・・あー悪いが、またちょっと出掛けてくるから、朝食は冷蔵庫の中にある物を食ってくれ。」

 

「う、うん・・・。」

 

 

気を利かせるようにして、ロットを部屋に残し、カゲチヨとシディは外に出た。

 

 

「まさか、あいつがアヌビスだったとはな。」

 

 

まさかこんな早くにロットの事を知ってる人物、しかも身近にいたとは思わなかった。更に言えば、数週間前にヒサメとシディと戦った人物だったとは思わなかった。

 

 

「どうしてカゲチヨとアヌビスが?」

 

「ゴブリンの山に行ってお前らの様子を見に行こうと思ったら、傷だらけで倒れていたロット・・・アヌビスを見つけてな。多分お前らが戦って負けた事で記憶を失ったみたいだ。」

 

「・・・そうなの・・・か。しかし、嘘と言う可能性も・・・。」

 

「あんな怯えた姿を見て、嘘だと言えるか?」

 

「・・・・。」

 

「話を戻すが、アヌビスを病院に連れて行こうと思ったら自分の事誰にも知らせないでくれって言ってきたから、俺の自宅で匿うことにしたんだ。」

 

「この前電話で訳あって見舞いに行けないと言ってたが。」

 

「まぁ、あいつの治療やらなんやらしてたからだ。」

 

「なるほど。とりあえず一度カレコレ屋に行こう。」

 

「そーだな。アヌビスの事で知らなきゃいけない事あるしな。」

 

「ウム。ボティスに聞きに行くのだな。」

 

「そーいうこと。」

 

 

カゲチヨ達が知ってる中で、一番アヌビスの事を知ってるだろうボティスに色々と話しをしに行くことを決め、マンションから出て、カレコレ屋に向かう。

 

その道中、シディはずっと険しい表情をして考え事をしていた。

 

 

(本当に記憶喪失なのか?もし嘘をついているのなら、カゲチヨを遠ざけなければ・・・。最悪、また戦う事も・・・。)

 

「シディ」

 

 

アヌビスの事で思いつめた表情で考えていたシディに気付きカゲチヨは声をかける。

 

 

「お前がアヌビスの事で心配してるかもしれないが大丈夫だ。」

 

「・・・なぜそう言い切れるんだ?」

 

「今のあいつに敵意はない。それに、記憶が戻って俺を襲い掛かっても対処は出来るから大丈夫だ。」

 

「しかし、カゲチヨは俺やヒサメより・・・。」

 

 

そう言いかけたシディの背中をポンっと軽く叩いた。

 

 

「大丈夫だ。」

 

 

その一言に、何も言えなくなった。今のカゲチヨは、どこか何とかしてくれるという安心感をシディ感じ取った。

 

 

「・・・わかった。カゲチヨの言葉を信じよう。」

 

「あぁ。助かる。」

 

「とにかく今はハッキリとさせなければな。」

 

「そーだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カレコレ屋に着いた2人は中に入り、ボティスを探す。

 

 

「ボティス。いるかー?ボティス!!」

 

「なんじゃ大きな声で。」

 

 

寝てる所を起こされたのか壺の中から怒り顔でボティスが出てきた。

 

ボティスの姿を久しぶりに見てシディは笑顔になる。

 

 

「ボティス!久しぶりだな!」

 

「別に数週間程度だろ。」

 

「そうか?俺はボティスと会えずに寂しかったぞ。」

 

「ウグッ。そ、そ・・・いう調子の狂うことを言うな。」

 

(相変わらずのたらしだな。こいつは。)

 

 

シディの天然たらしっぷりに軽く呆れながら溜息を吐くカゲチヨは気を取り直すように咳払いしてボティスにアヌビスの事を質問する。

 

 

「ボティス、お前に質問だが地球に来る前にアヌビスと住んでたのか?」

 

「なんじゃ突然。ワシがカゲ男なんかの質問に答えると思うか?」

 

「そーいえばお前はそんな奴だったな。」

 

「ボティスとアヌビスは家族だろう!」

 

「違うわ!!」

 

 

シディの天然発言にツッコミを入れるボティス。

 

 

「ワシの壺をアヌビスが持っていただけじゃ。別に仲良くもないわ。たまに呼び出されて使われてただけじゃ。」

 

「ボティスはアヌビスが嫌いか?」

 

「好きでも嫌いでもないわ。何故そんなにアヌビスの事を聞く?」

 

「今、記憶失った状態で俺と同居生活してるからだ。」

 

 

カゲチヨの言葉にポカーンとした表情をするボティス。

 

 

「は、はぁ!?アヌビスと同居じゃと!?正気か貴様は!!」

 

「いや、傷だらけでしかも記憶失ってるっていうから・・・。」

 

「だからってそんな簡単に連れてくる奴があるか!ペットじゃないんじゃぞ!!」

 

「お前は俺の母親か何かか。・・・それにあいつ。病院に連れて行こうとしたとき「誰にも知らせないで」って言ってきたんだ。自宅に連れていくしかないだろ。」

 

 

ボティスははぁーっと溜息を吐き呆れ顔でカゲチヨの顔を見た。そんなボティスのことなど気にせずにシディはアヌビスの事で質問した。

 

「ボティスはアヌビスが記憶を失くしてると思うか?」

 

「わからん。」

 

 

その質問に対しボティスは即答で返す。

 

 

「そうか・・・。」

 

「他に何か思い当たることは無いのか?」

 

「知らん。」

 

「ボティス、何でもいい。知ってることがあったら教えてくれ。もしアヌビスが前と同じように危険な存在なら・・・。」

 

「シディ。俺は大丈夫だって言っただろ。」

 

「う、ウム、そうだったな・・・すまん。」

 

 

実際に戦った事のあるシディにとってはアヌビスは自分より強いことがよくわかっていたため、焦る気持ちが先行してしまった。いくらカゲチヨが大丈夫と言った事で安心しても、やはり心配は心配だった。

 

だがシディは知らなかった。バルボアと互角以上に戦った人物が横に居た事を。

 

ボティスはしばらく無言になり、少ししたら口を開いた。

 

 

「・・・「誰にも知らせないで」この言葉には心当たりがある。」

 

「何!?教えてくれ!!」

 

「いつだったか忘れたが・・・・。千年・・・いや2千年前じゃったかな・・・。」

 

 

ボティスは自分が知ってる範囲でアヌビスの事をカゲチヨとシディに語り出した。

 

 

 

アヌビスと異宙に召喚された地球の人間の話を・・・・。

 

 

 

 

 

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