カゲチヨside
「突然押し入って何だが、おつかいだ。」
「本当に突然だな。」
カレコレ屋にオーナーとヨーメイが来るや否や唐突におつかいを頼まれた。
「今からあの荷物を届けてほしい。」
そう言ってドア前に置いてある二つの大きめの箱に指をさして頼まれた。
「いいけどよぉ。タダでやんなきゃダメか?一応何でも屋なんだが?」
「部屋を貸してやってんだ。これくらいやってもらわないと困る。」
「それもそうか。」
「文句言ってないでとっとと行ってくださいよ。その筋肉は何のためにあるんですか。」
「お前も行くんだよヨーメイ。」
「えぇ!?私もですか!?」
「お前が配達先間違えたからだろ。」
オーナーの睨みつけにギクッと肩を揺らし始めたヨーメイ。
俺はこいつの尻拭いって訳かよ。
「いい。俺一人で行く。こいつ連れてたら日が暮れちまうよ。」
「なんですとぉー!!」
「すまないな。今度なんか奢ってやる。」
「へっ。悟飯連れて財布を空っぽにしてやるよ。」
「その時はヨーメイの給料から払ってやる。」
「そ、そんなぁ〰〰!!」
届け先が書かれた紙を貰って二箱を抱え、飛んで向かった。
とっとと届けて終わらせるか。
本当は依頼があったが、シディとヒサが居れば大丈夫だろ。
それに早く戻れば問題ないしな。
◇◇◇◇◇
届け先に着いた俺は、荷物をドアの前に置いて帰ろうとするが、周囲の人が居ない。
無人だ。微弱な気は感じるが人っ子一人歩いていない。
それに・・・。
「何だ?この変なにおいは・・・っ!?。」
な、なんだこれは・・・。
角を曲がったら、そこには人が複数人倒れていた。
「おいしっかりしろ!大丈夫か!」
まだ気は感じる。死んではいない。
しかしいったい誰が・・・。
近付いて倒れた人を確認した。
目立った外傷はないが変なあざが浮き出ている。
まるでウイルスに感染したような感じだ。
「ムイ・・・。」
「!?」
「ザムイザムイザムイゾォ!!」
倒れていた人が起き上がり、俺の方に襲い掛かって来た。
「ちっ。」
襲い掛かった奴を軽く避けた時に、他の人も起き上がって来た。
気付けば街全体が感染者だらけで、俺を囲んでいた。
流石に生きてる奴を攻撃するのは忍びないな。
「コゴエル・・・ッ!」
「ゴイズ、アッダガゾウ!!」
仕方がねぇ。
俺は舞空術で回避して難を逃れた。
流石に空は飛べねぇーだろう。
「しかし、いったいどーいうこった。誰がこんなことを・・・。」
「ザムイ・・・ダズゲデ・・・。」
「ゴオリゾウダ。ヅメダイ。バダガイダイ・・・!」
寒気や痛覚がありみたいだ。
・・・これを目にして放っておけるほど俺はそこまで腐ってるつもりはない。
こうなった原因を調べなければ・・・。
ったく。とんだ厄介ごとに巻き込まれたもんだぜ。
期待はしてなかったがやっぱり、オーナーに通話を試みたが電波が届いてないのか電話が繋がらない。
「確か近くに医療機関があったはずだ。そこから血液採集出来るようなものを借りるか。」
◇◇◇◇◇
俺は近くの医療機関から医療道具を勝手に借りた。
まさか、病院内も感染者だらけでしばし苦労はしたが、何とか取る事が出来た。
念のため、感染者何人かの血液を採集しておいた。
これを持って別の医療機関の所に持っていけば、何とかなるかもしれん。
さて、この街をいったん出るか。
「チュゥウウウウウウ!!」
俺が街を出るために空で移動したところ、背後から巨大なネズミが住宅の屋根に乗って追いかけて来た。
「で、でっけぇネズミだなぁ。」
「チュ!チュ!チュゥウウウウウウウ!!」
「もしかして原因はこいつか?」
ネズミは多くの病原菌を持ってるからな~。
それなら住民の感染症にも納得だが・・・なんでこんなにデカくなってんだ?
もともとこの大きさの異宙の生物なのか。それとも馬鹿な科学者どもが実験を失敗させてこうなったのか。
だがこれは好都合だ。
こいつの細胞や血液も採取しよう。こいつの方が手っ取り早く感染症を治せるかもしれない。
「っという事で、しばらく気絶してもらうぞ。」
「チャァアアアアアアア!!」
気功波で巨大ネズミを攻撃し、直撃した巨大ネズミは黒焦げになって倒れた。
手加減したし、死んで無いだろ。
「お前も後で元のサイズに戻してやるからな。」
ま、無駄な殺生はするつもりはないからな。
それに変に殺して後始末するのも面倒くさいしな。
◇◇◇◇◇
数日後
リサイクルショップにて
『先週、この街で発生したパンデミックですが、救助隊が搬送した治療薬で感染を沈静化しました。この伝染病は異宙由来の物で感染すると身体が異常冷却を起こし、自我を奪う大変な物でした。』
俺が行った街がニュースで取り上げられ、どうやら無事解決したみたいだ。
「よくやったな。」
「俺は血を採取して医療機関に持って行っただけだ。」
店で茶を啜りながら俺とテレビを見ていたオーナーは珍しく褒めてくれた。
褒められるような事じゃないんだがな。
「もしヨーメイが行ってたら、危なかった。」
「だろうな。俺と違って空飛べるわけじゃねぇし、感染者が多く電波が届かなかったから、逃げれず伝染していたかもな。」
「もし私が行っても逃げ切れる自信ないな。」
「どうだか。アンタはなんだかんだタフだから逃げ切れそうだ。」
「褒めてんのか?」
「褒めてる褒めてる。」
・・・それはそれとしてだ。
「配達ミスしたヨーメイは今どこ行ったんだ?」
「買い物行ったきり帰って来ないな。そこまで遠くないハズなんだが・・・。」
「またどっかでサボってんじゃねぇか?」
「そんな事ないとはいいがたいな。」
あいつ、また給料下がっても知らねぇぞ。
(なんかカゲとオーナー、前より仲良くなってる?)
ヒサから視線感じるが、顔になんかついてんのかなぁ?