KAREKORE Z~Z戦士のカゲチヨ~   作:yakyo

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ロットとシディと友達(後編)

 

ボティスからロットことアヌビスの過去の話を聞いた。

 

2千年前、異宙で暇を持て余したアヌビスはボティスを呼び出し、未来の生き物を呼び出して来いと言い出したそうだ。

 

時間の悪魔のボティスならそれが可能だった。時を超えるにはそれほどの対価が必要なため多くの異宙人の心臓を食らって、人間の子供を召喚したという。

 

地球が異宙に転移する前だったから、人間は物珍しかったそうだ。転移されたその子供はアヌビスに怯えながら「僕の事を知らせないで」っと言ったそうだ。

 

その言葉は俺がアヌビスを見つけ病院に連れて行こうとしたときに聞いたセリフだった。

 

子供が自分の事を誰にも知らさないでほしいと言った理由が「みんな肌の色が違う自分をいじめるから」っとの事だ。所謂人種差別というものだ。

 

子供にとってアヌビスも人間体のボティスも肌の色が黒く子供と似ていたためいい人そうに見えたらしく、2人は大笑い。特にアヌビスはその子供を気に入り、飼って面倒を見ることになったと言う。

 

 

「アヌビスは余程その子供を気に入ったんだな。」

 

「まぁのう。大人になるまでその子供を育てたんじゃ。じゃがその育て方が過保護でな。他の生物に触れさせないで育てたんじゃ。」

 

「独占欲みたいなもんか?」

 

「それもあるし、自分の悪評を知られたくないのじゃろう。」

 

「それはなぜだ?」

 

「あれで自分が気に入った者からの評価を気にするからな。」

 

 

意外にもアヌビスは繊細な持ち主だったわけか。今のアヌビスを見ると何となく想像がつく。

 

 

「アヌビスは彼の真似をしてる・・・?」

 

「意識的にか無意識的にかは分からんがな。」

 

「そうか・・・。」

 

 

意識的にか無意識的にか・・・・。もしかしてアヌビスは・・・・

 

 

「弱い存在になりたかった・・・のかもな。」

 

「なに?」

 

「おそらくじゃがの。わしには分からんが。シディ、貴様には分かるんじゃないか?その孤独が・・・。」

 

 

ボティスの言葉に、シディは困った表情を見せ言葉を詰まらせる。

 

 

「俺は・・・。俺にはカレコレ屋がある。わからないな。」

 

 

嘘だ。本当にそう思って言ってるのかもしれないが、心の奥底ではどこか孤独を感じているのかもしれない。シディは生まれ持っての強い力がある。それも人を簡単に殺せるほどの力を。だからこそ強い力を持ってる奴ほど孤独を感じやすいのかもしれない。

 

悟空達の世界では強敵揃いだったため孤独とは無縁だったからな。

 

まぁ悟空が能天気で孤独すら感じないお気楽な性格だからかもしれないが、シディやアヌビスはそうもいかないのかもしれないな。

 

それより、話を戻すか。

 

 

「ボティス。その子供はどうなったんだ?2千年前だから寿命で死んでると思うが。」

 

「奴はアヌビスの暗殺を謀った。」

 

「暗殺だと?」

 

 

なぜそんな事を・・・。まさか・・・・。

 

 

「アヌビスの力を恐れていたとかか?」

 

「な!?」

 

「あぁ。大きな力を持ったアヌビスはいずれ世界の敵になる。そう口にして、涙ながらにアヌビスに立ち向かっていたそうじゃ。アヌビスしか知らずに育った青年は純粋で純真。故に歪んで負った。無論返り討ちにされて殺されたがの。その子供は肌の色で差別はしなかったが、大きすぎる力を差別したのじゃ。」

 

「それは違う。」

 

 

シディはボティスの言葉に反論をする。

 

 

「ボティスとアヌビスは彼を召喚するのに大勢の命を奪った。呪われて当然だ」

 

 

確かに、シディの言う通りだ。暇だからと言って大勢の命を奪って子供を召喚させて面倒見て裏切られた。アヌビスの自業自得だしフォローするつもりはない。

 

 

「クハ!確かにそれはそうじゃ。じゃが、どちらにせよ力の無き者が力を持つ者を恐れるのは自然界の必然じゃ」

 

「・・・・。」

 

「それはどんなに広い世界でも変わらん。」

 

「・・・差別されたくないから、誰にも知られたくない。」

 

「?」

 

「わからなくもないな。」

 

「・・・・・。」

 

 

どんなに頑張っても人間に感情がある限り差別は消えない。だからこそ、誰かが手を差し伸べなければならない。アヌビスが強さで孤独を感じているのであれば、俺が傍に居るつもりだ。

 

俺も、みんなが亡くなって1人孤独に生きてきた身。ほんの少しだけだが気持ちはわかる。

 

帰って伝えないとな。記憶があろうと無かろうとお前は1人じゃないと。

 

アヌビスの元に帰ろうとする俺に、シディが呼び止めた。

 

 

「カゲチヨ、もう一度アヌビスに合わせてくれないか?」

 

 

どうやら、シディもアヌビスに伝えたい事があるようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シディと共にアヌビスと話をしに、もう一度俺の自宅に戻った。

 

 

「ロット。ただいま。」

 

「あ、おかえ・・・あ・・・。」

 

 

シディを見て少し驚いて固まってしまう。

 

 

「ロット、まずはお前の本当の名前が分かった。」

 

「僕の・・・本当の名前?」

 

「あぁ。お前の名前はアヌビスって言うんだ。」

 

「アヌビス・・・。」

 

 

本当の名前が分かった以上。もうロットという名前は要らないかもな。

 

 

「カゲチヨ。少し、アヌビスと話してもいいか?」

 

「あぁ。」

 

 

俺から許可を得たシディは、アヌビスの前に膝をついて目線を合わせる。

 

 

「な、なんでしょう・・・?」

 

「・・・お前はこれからもカゲチヨと一緒に居たいか?」

 

「え?そ、それは勿論・・・。」

 

 

動揺しながらもそう答えてくれたアヌビスに、つい口元がニヤけてしまう。

 

 

「だったら俺はお前に他の世界を知ってほしい。」

 

「えっ・・・?」

 

「アヌビス。恐れる事はない。この世界は広い。お前をきっと分かってくれる人が居る。だから、心を閉ざすな。」

 

「先ずは俺と友人になってくれ。」

 

 

手を差し伸べ、友人になってくれと言うシディに無言になってしまいしばらく考えていたアヌビスは不安ながらも口を開いた。

 

 

「・・・わ、わかった・・・。」

 

「ウム、よろしくな。」

 

「でも・・・これだけは言わせて。」

 

 

一度深呼吸してシディの顔を真剣に見た。

 

 

「僕の名前はアヌビスじゃなくてロットだから。」

 

「・・・そうか。ならこれからはロットと呼ぼう。」

 

「うん・・・。」

 

 

自分の名前が分かったのに、まだ俺が付けた名前を使ってくれるのか・・・。

 

 

「ロット・・・。俺もお前を一人にしない。家族として一緒に居るつもりだ。」

 

「カゲチヨ兄ちゃん・・・。」

 

「お前がどんな存在だろうと関係ねぇ。寂しいときは隣に居てやる。間違った事をすれば俺が止めてやる。だから、お前は一人じゃないって事は覚えておけ。」

 

「うんっ。」

 

 

シディはアヌビス・・・いやロットを信用する事に決めた様だ。

 

俺も匿う以上、最後まで面倒を見るつもりだ。

 

いつかは悟空達の世界みたいに、力を持つ者でも孤独にならない。

 

そんな世界になってほしいな。

 

 

 

 

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