「「皆様、大変申し訳ございません!!」」
そこは中庭のお茶会。その席にはナギサ、ミカだけではなく。複数人の姿があった。
「…………(ニコッ)」
微笑み一つで周囲を恐怖に陥れる、悪魔の聖職者。
歌住サクラコ。
「…………(ニチャァ)」
人を殺すかのような笑顔を浮かべているトリニティの警備中枢を担う、正義実現委員会の猛者。
剣先ツルギ。
「…………謝罪は受け取りました。顔を上げてください。
それよりも私は説明を求めます」
そして、それらを華麗に受け流し話を進める救護。もとい、救護騎士団の蒼森ミネ。
錚々たるメンバーの中心には、土下座するミカとナギサの姿があった。
お茶会と言う名の魔女裁判が、今ここに始まろうとしていた。
少女説明中…
「つまり。何かの陰謀に巻き込まれたわけではなく、日常的なじゃれ合いの中でうっかりセイアさんを気絶させてしまった……と、そう言った話でよかったですか?」
「うん……わ、私のせいで……セイアちゃんが」
「ストップです」
暴走気味のミカをなだめるようにナギサが割って入る。
「落ち着いてください、ミカ。セイアさんが死んだわけではありません。
気絶して夢を見ているのではないか、と私は考えています」
死んでない。その解釈についてミネが補足する。
「はい。救護騎士団で見る限り命に別条はありません。ただ……」
そう濁して、ナギサにミネは突っかかる。
「夢を見ている、とはかなり独特な解釈のように思えますが。一体何を根拠にこのようなことを?」
夢をみている、と言われても。はいそうですか、とは言えない。その姿は救護騎士団の顔でもあった。
それに対してナギサは、ため息をこぼして返す
「独特な解釈……はぁ、蒼森さんからしたらそう見えるのも仕方ありません。しかし、ティーパーティーとしてはさほど不思議なことではないのです」
「というと……?」
困惑するミネ。その姿を見てナギサはさらに大きなため息をついて話す
「彼女は、未来予知の能力を持っています。その予知は予知夢……つまり夢の形で発現するのです」
「なるほど、そうだったのですか……だから夢と」
納得をするミネ。しかし、ナギサは止まらない。
「そのお陰で、たびたび重要な案件や期日を就寝ですっぽかされるんです。そんなことをされては予定が定まりません。変わりにミカさんに任せると後でやらかすことが目に見えてるので私が対応せねばならず。。。この前も」
「「「………」」」
自然とナギサの愚痴に移るも止まらない。彼女の抱えてるものはあまりに大きく、機会があれば延々と愚痴が止まらなくなってしまう。そのため、普段を知るミカやセイアはできるだけ機会を作らないように立ち回っていたりする。
あまりの剣幕に、自身のやってしまったことで暴走していたミカが正気を取り戻し(あ、これいつものヤツだ)となるのも道理であり、この止め方をミカは知っている。
「ナーギちゃん☆」
「本当にセイアちゃんは自分をなんだと……わっぷ、ミカさん?」
ミカはクッキーを軽く紅茶につけ、手に持つとナギサに(手加減して)後ろから抱きつく。
「このクッキー、とっても美味しいじゃんね☆ほらほら」
同じ轍は踏まないとばかりに口元にクッキーを差し出す。紅茶をつけたそのクッキーは香り高いナギサ好みの香りをしている。迷わずナギサはクッキーを口にする。
「はむ……はい、とっても美味しいですね。……んむ、そうでした。何を話してましたっけ」
「セイアちゃんが予知夢を見ているって話!」
「そうです。ええと……おそらくこのことを予知夢で知っていたのではないかと」
ミカはナギサに見えないよう振り返り、口元に人差し指をあてミネ、ツルギ、サクラコに向けてウィンクを一つ。3人は頷く。だいたい察した。『ナギサに愚痴を話させてはいけない』。心は一つだ。
「……もし、このことを知っていたのなら参加しなければよかっただろう」
ツルギは話題をそらすためにと別の疑問を口にする。
それに対してナギサは首を横にふる。
「セイアさんは予知に抗うことを嫌っている様子でした。自身の身に起こることですらも」
「それで言い出せずに今回のようになってしまった、か」
「ええ」
一通りの問答で納得したのか、ツルギは元の席に座ると入れ替わるようにミネが立ち上がる。
「ですが、未だ彼女は起きません。一体何が起こったのでしょう」
救護騎士団の彼女らしい、患者に寄り添う質問。
その質問にナギサは首を振る。
「おそらく予知を見ていると踏んでいますが……夢の世界は私たちには未知の領域です。なにか、事が起こっている可能性もあります」
「私たちには何もできない、と」
「すみません。他人の見ている夢に入り込む方法は、私は存じ上げません」
何度か問答をして、悔しそうに席に座り直した。何も知らないとしか返せないのだ。
ナギサはミネに続ける
「すみませんが、ミネさん。目覚めが良いものとなるようにお願いします」
「そうですね……そうするしかなさそうです。忠言、ありがとうございます」
しかし、その顔は晴れることはない。
普段から救護を生業にしている彼女は、解決に動けないことが心配なのだろう。そう判断したナギサはミネに声を掛ける。
「もちろん、こうなってしまった原因に関してこちらからも探りたいと考えています。もしその時は救護騎士団……いえ、ミネさんの力をお借りしたいと考えています」
「! はい、セイアさんを……患者を助けるために力を貸しましょう」
蒼森ミネの暗かった表情が明るくなる。
「キヒヒッ……無論、手を貸そう」
「えぇ……私も。セイア様を助けるために……手を貸しましょう」
「皆さん……!」
ツルギ、サクラコも続く。
「さすが、ナギちゃん……!」
「喜ぶのは早いです。みなさん、一旦セイアさんが倒れていることは病気ということにしておきましょう」
「それについて、ですが」
申し訳なさそうですにミネが手を挙げる。
どうぞ、とナギサはミネの発言を促すととんでもない事実が出る。
「セイアさんの希望もあり、セイアさんは死んだことになっています」
「なんで????」
うーん、つい素が出ちゃいました。
あまりにもあまり過ぎてハテナマークを浮かべてしまっていた。なんでも、自分の命を狙う輩がいるかもと裏でメモを回しミネに極秘で伝えたみたいですね。
しかし、何で突然倍速止まったかな……とりあえず選択肢を選びましょう。
「なんで????」
「自身を狙う者がいる、というお話でしたが……」
「セイアちゃんを?でも、セイアちゃんを狙ってどうするの?夢を見ることができるだけだよ?」
「トリニティの転覆……派閥争い……いや、理由は多すぎますね」
「私達が下手人だし、疑われても仕方ない……」
うーん、ナギサ様含めてみんな混乱してる。
まぁ、ここでアリウス周り話すかどうかですね……いや、関わるとしても先生巻き込んでいきたいんですよね。補習授業部作らないとなので()
「狙うものがいるなら、そのままでいい……もっともそう見えないが」
「本人の希望だしそうしておくけど……ミカが大丈夫かな?」
そう、このまんまだとミカがやったことになってしまいます。
「わかりました。噂については……お任せください」
「サクラコ、お願いするね」
ふむ……これならミカも魔女にはならずに済むかな?下手に本人が動揺しなければ大丈夫、なはず。
「セイア救護隊、とでも名付けよう。今後も不明な点があれば逐一報告を。それと、ミカは抱え込みすぎないこと。派閥が違っても友達だからね」
「わかりました」
「キエエエエ!……セイア様を助けよう」
「はい……共に、力を合わせましょう(デビルスマイル)」
「ナギちゃん……!」
おお、ティーパーティーに集まった面々が団結しました!しかし、セイアが起きなくなったのは……?
うーん、色々悩みはありつつ、目下の問題を解決しましょう。
なぜか倍速スキップできません(RTA致命傷)
▼『セイア救護隊結成』の実績が解放されました