ゲーセンで遊ぶ所から、時は少し遡る__
ナギサ様の命を受け、私は連邦生徒会に治安悪化への対処について連邦生徒会に伺いにいきました。
そして、受付に向かうと__
「いいですか! 連邦生徒会長不在になった、そうですか。それで、この治安の悪さの責任は誰が取るんです!?」
派手な格好をする角付きの女性が受付に向かって怒鳴り散らしていたのです。ナギサ様が予想していたゲヘナからのメッセンジャーでしょう。それにしても……ついつい、立派なところに目がいってしまう。
あ、あはは……はみでてる……
ふと、自然と下を向いてしまったのは、うん。この差は一体なんなのでしょうか。
「そんな事言われても、そんなの知らないとしか。えー次の方ー」
「無視しないでください!」
「あ、あはは……えーと、ですね」
そんな余計なことを考えてる場合ではなかった。
慌てて呼び出された場所に向かつつ、考える。そう、ナギサ様の聞きたい話は連邦生徒会の対抗策なのだから……うん。
実のところさっきの青いゲヘナの方声が大きすぎて、目的の大半は達成してしまった。ナギサ様の使いでしかない私が言ったところで同じ返答にしかならないのは目に見えている。であれば、私が聞くべきは__
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ふと、かなり前の記憶がよぎる。
ある日、ブラックマーケットに潜り込んだ時のこと。
『あれ? それ、ペロロ様?』
『そうですよ! あなたもモモフレンズをご存知なのですね!』
不良達から逃げ回っていた時、金髪の狐の少女に助けられた。その後に、少し話しかけられ……ペロロ様に気がついたように話す。
同好の人を見つけたと気付いた私は、ついテンションを上げてはなしてしまう。でも、急に狐さんは顔を真っ赤にしてしまった。
『そ、そうよ! 何か悪い!』
『わ、悪いことなんてありません! 私も大好きなんです! よければ一緒に行きませんか? 近くに売ってるお店があって』
『え、そうなの? えっと……ごめんね、ちょっと待って__』
携帯がなり、少し離れた後。再度戻ってきた彼女はなんともぎこちない様子。
『おまたせ。その、そうね。どうしてもって言うなら行ってあげなくもないわ』
『それじゃ行きましょう!!』ガシッ
『えっちょっまっ早っ』
私はその方の手を取り駆け出した。あとから、名前を聞いて、所属を聞いて。そして学園関係なく愛されるモモフレンズについてひとしきり話し__彼女の周りにはそこまで話せる人がいないこともあり、大いに盛り上がったのだった。
その後連絡先も交換し、時折愚痴や相談を受けつつモモフレンズの事を話し合っていたのだが……彼女は最近だいぶ悩んで落ち込んでいる様子であり、音沙汰もない。
そんな彼女の所属は__
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「凄まじい治安悪化に対してSRTはどうしているのですか? この状況こそ、連邦生徒会所属のSRTの動き時だと思うんですけど、SRTの友達が最近反応なくて困ってて」
SRT。連邦生徒会長直属の戦闘部隊。いわゆる公安のプロフェッショナル。そんな彼女もモモフレンズが好きで、特にMr.ニコライさんが好きなのだとか。
「それです! 腐れ頭のトリニティにしてはとても良い着眼点です! かの連邦生徒会長直属の部隊が動いてくれれば治安もちょっとマシになるじゃないですか!」
「あー……それ、気づいちゃう? 私もそう思う」
そんな事を話していると。青い服のゲヘナの女性が便乗。受付の人すら同意してきた。このゲヘナの人から見てトリニティってそこまで悪いところなんでしょうか? あうあう……
「でも残念。生徒会長直属部隊だから、生徒会長が失踪した今身動き取れないんだよねー」
ですが、非情に残酷な指令がくだっていた。
そうだ、直属だからこそ生徒会長がいなければ動けない。
「な、なら連邦生徒会が引き継いで出勤命令でも出せば……!」
「今、連邦生徒会では宙ぶらりんになった戦闘部隊は危険とのことで解散及び廃校に向けて動いてるね」
「そんな!? もしかして、それでクルミちゃんは……!」
「自ら人員を捨てると……!? そんな事したら生徒ですらなくなってしまいます! トリニティより酷いじゃないですか!」
何なら更に酷かった。
私達がこうして日常を過ごす中、廃校の知らせ。
彼女に呑気に話しかけてた私は、どううつっていたのだろう。
その衝撃に、口がふさがらなくなり。その会話を聞いていたのか、応えたのは私でも青いゲヘナの方でも、受付でもなかった。
「にはは! 簡単な答えじゃないですか。
連邦生徒会長の認可が足りないんでしょ? いないなら印鑑もらって認可出しちゃえばいいんですよ!」
私は振り返る。連邦生徒会の受付の自動ドアが開いて来訪者が、にははと笑いながら入って来る。その来訪者は、ピンクの特徴的な髪型。ミレニアムの制服を身にまといながら、さらっと連邦生徒会の受付の目の前で盗む発言をしてきたのである。
(にははと笑う、ピンクの髪__ナギサ様のおっしゃっていた方!?)
初っ端からそんな選択肢を出してくるあたり、なんとなく彼女が危険とナギサ様が言っていた理由がわかった気がする。
「あ、あのー、自分の眼の前で堂々と盗む発言しないでもらえます?」
「いやぁ、こんな所でグダグダはなしてても埒あかないじゃないですか。とりあえず連邦生徒会から認可が降りればその部隊が動いてくれるとわかればそれでいいじゃないですか。にはは。んじゃ、私はお先にいきますねー」
「ま、待って下さい!」
「ちょ、ちょっと!?」
さらっと受付を無視して進む、その子のことを追いかける。目を離すわけには参りません。私が先に進むと、青いゲヘナの方も続いてきました。
_受付の方は、追っては来ないですね。
その先には、重く閉ざされた扉。追って来なかった理由も分かりました。これでは、中にはいることはままならないでしょう。多分、受付もそれを知ってて無理に追わなかったんです。
「にははっ、じゃあそのお友達のために印鑑もらいに行きましょう! 部隊が動けば、治安もきっとよくなりますよ」
「えっ、いいんですか?」
「よくはないですが……一理あることは確かです」
「にははっ、発電所が復旧できるように文句言いに行くの頼まれただけでして。つまらないかなーって思ってましたが。楽しそうですし!」
SRTを動かし治安をよくするため。はたまた友人の復学、SRTの廃校阻止のため。はたまた、楽しそうだから。理由はそれぞれあれど、別々の学校から集った3人は、連邦生徒会長の印鑑を盗みにいく。この方向性で奇跡的に一致した。
「ですが、さすが連邦生徒会。セキュリティはしっかりしてます。これを開けて忍び込むのは_」
「え? こんなの鍵かかってないに等しいですよ? にははっ」
「一瞬で!?」
そして、さらっと扉を開けた3人はそのまま連邦生徒会へ忍び込むと真っ直ぐ連邦生徒会の部屋に向かい__
「貴女方は……? こんなところで何を?」
「げっ」
「あ、あはは……」
「にははっ」
キヴォトスでは珍しい大人の男性。それとそんな人物を連れ歩く、連邦生徒会の首席行政官__七神リンに出くわすのであった。