スクールアイドルの花咲く物語   作:カイロス様

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花咲きたい! 第四節

「学校の周りをぐるっと回ってみたけど、ほんとになんにもないとこだねー・・・。名産は緑。特色は山。名物は坂道で、名所は高台・・・って感じ・・・。」

 

「確かに外はなにもないね、嫌いじゃないけどね。校内に何かあったりするのかな?」

 

「一応、校内に購買部があって、必要なものはそこで揃うみたいですけど・・・。あの、本当になんにも知らず、蓮ノ空に来たんですか?」

 

「・・・あたしね、小さい頃は体が弱かったの。だからお母さんたちをすごく心配させちゃって。あ、小学校行く頃はもう大丈夫だったんだよ!でもお母さんたちの心配はそのままで。学校には送り迎え。門限も厳しくて、あんまり友達とも遊べなくて。だからね、そんな毎日がず~~~っと続くのは、どうしてもいやだったの!」

 

「花帆さん、お嬢様だったんですか?」

 

「そういうわけじゃないけど!だからね、お父さんとお母さんと、粘り強~く交渉して・・・!ようやく手にしたのが蓮ノ空への切符!不合格だったらきっぱり諦めるつもりだった。言うこと聞いて、迷惑かけないいい子になろう、って。けど、あたし、合格したんだよ!それなのに、それなのにぃ~~~!あたしね、ずっと花咲きたかった。」

 

「それ、先ほども・・・。」

 

「うん。お花って、道をあるいても目に留まるでしょ。羨ましかったの。好きなことをしている友達とかが、とてもきれいに見えて。あたしだって、自由に自分らしく生きられたら、きっと花咲けるんだって思ってた。」

 

「だから環境を変えるために、この学校に?」

 

「だからあんなにいきいきとしていたのか。」

 

「うん。家を離れて、好きなことを、楽しく過ごしたかったのに・・・。・・・ここには、学校しかない。学校以外、なんにもない・・・。また勉強だけの毎日なんて、やだよ・・・。」

 

「花帆さん・・・」

 

「oh・・・。」

 

「わたしも、その、花帆さん風に言うなら、いろいろあって、この学校にやってきました。だからやりたいことを思うようにできない、花帆さんの気持ち、少し、わかります。」

 

「あたしもその気持ちわかるよ。好きなことをできないってのはつらいからね。」

 

「ほんと・・・?さやかちゃんと静ちゃんも、一緒なの・・・?」

 

「はい。わたしも、自分を変えるために、蓮ノ空にやってきたんです。花帆さんも、楽しいことを見つけられたらいいですね。」

 

「あたしは自分を変えたいとかそんなんじゃないけど何か見つけられたなと思いながらきたんだよね。きっと花帆ちゃんなら見つけられる。」

 

「さやかちゃん、静ちゃん・・・うん、ありがとう。そうだよね、待っているだけじゃだめだよね。」

 

「「花帆さん(ちゃん)?」」

 

「うん、なんかあたし、わかったかも!環境を変えるためには、まずじぶんが動かないと!そういうことだよね!?」

 

「え、ええ。たぶん。」

 

「Yes・・・なのか?」

 

「よーし、あたしすごいことやっちゃうんだから!ありがとうね、さやかちゃん、静ちゃん。もしかしたら短い付き合いになるかもだけれど、これからもよろしくね!」

 

「あ、花帆さん!」

 

「行っちゃった・・・さやかちゃんの次のセリフは[もう、行ってしまいました。オンとオフしかない蛍光灯みたいな人ですね]だ!!」

 

「もう、行ってしまいました。オンとオフしかない蛍光灯みたいな人ですね・・・。はっ!いきなりなんですか!?わたしが言うとしたこと読み取って!」

 

「フッ!イカサマが特技だからねこれくらい当然!それで花帆ちゃんのあのセリフなんかやらかしそうな気がするから様子を見に行くからじゃあね!あばよ!」

 

「・・・静さんは嵐のような人ですね・・・。うん?あれは・・・スクールアイドルクラブ?」

 

 

 

少し時を巻き戻り・・・

 

誰もいない校舎裏で常見は何者かに監視されているのに気付いた。

 

「・・・数ヶ月前からあんたらみたいなオカルト連中から監視されたり殺そうとしたりしてくるけど、わたしがあんたらに喧嘩売った覚えはないけど。」

 

「お前があの男の娘なら生かしてはおけないと上から言われているからな。」

 

「そ、わたしの実の父がなにをしたのか知らないけど、溜まったもんじゃないし帰ってもらうからそして二度と来ないで。」

 

そう言った瞬間自身のスタンド能力ロータスブロッサムでナイフを数本生成してそれを相手の魔術師に投げた。

 

「主の名において貴様には消えてもらう!」

 

そう言い放ち氷の魔術を常見に打ち込んだ。魔術師に3本のナイフが右肩と左腕と右脚に刺さり常見は右手に攻撃が当たった。

 

「イッテェーヨ!イッテェーヨ!やりやがったな貴様ァァァ!」

 

「右腕が少し凍っただけね。にしてもこの程度で怒り狂うのか・・・相手するだけ無駄だったみたいね。」

 

「主と上司なんざ関係ネェェェェー!氷漬けにしてぶっこ・・・「無駄ァ!」ごふぅ!」

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

「ゴハァァァ!」

 

「もう一発やられたくなかったら今すぐここから離れなさい。あとアンタの上司に二度と近寄るなと伝えなさい。」

 

「は・・・はひ・・・わかりました・・・。」

 

脅しに屈したあと顔が腫れ上がってるうえに血だらけの状態で這いずりながら離れていった。

 

「今ので右腕がしもやけになったわね。とりあえず包帯を作ってそれを巻いておくとするか。あとフェンスも直しとかないと。」

 

常見は包帯を巻いたあとすぐに校舎の方に戻っていった。

 

花帆と静がさやかから別れてすぐに戻る。

 

「そうだよ、お行儀よく待ってなくたっていいんだ。あたしにはあたしの道が、無限の未来が待っているんだから。そのためには、まずは学校を・・・脱走だ!あたしは自由になるんだ!いくぞー!」

 

「おっとと。危ないわね。」

 

「ごめんなさ~い!」

 

「・・・なんで自由になるって叫んで山の方に走っていったのあの新入生?」

 

と常見は花帆の行動に疑問に思っていると。

 

「花帆ちゃんどこいったー。校内に戻ったのか?」

 

「あなたが探している人かはわからないけど今、あたしは自由になるんだ!って言いながら山の方に走っていったけど。」

 

「そうですか、ありが・・・」

 

(って、花城常見じゃねーか!こんなときエンカウントするなんてとりあえず適当に流すか。)

 

「どうしたの?」

 

「い、いや~大丈夫です。多分あたしが探している人なので・・・。」

 

静がすぐに常見から離れようとすると。

 

「興味があるならいいんだけど、五時ぐらいに体育館でイベントがあるんだけどよかったら行ってみて。」

 

「わ、わかりました・・・。ありがとうございま~す!」

 

「・・・変なやつ。」

 

静は走って花帆と同じ山の方に向かっていった。

 

 

 

「あら、今の声は・・・?」

 

「うわあああん!」

 

「逃げるんだよォ!」

 

「あら。」

 

「た、助けてくださいー!恐ろしい怪物に追いかけ回されて!」

 

「肉食動物に追われてるかもしれない!」

 

「それって、あれのことかしら?」

 

「え!?あ!なにあれ、カワウソ・・・!?なんでこんなところに!?」

 

「大丈夫だよね?知性が他の動物と比べてかなり高くてあたしたちを食糧にしようとしてないよね!?」

 

「カワウソがそんなことするわけないでしょ、静ちゃん!」

 

「過去にドブねずみ二匹が本来することのない行動をしたり、人の体をドロドロの肉の塊にして冷蔵庫に閉じ込めたりしたっていうのを親戚から聞いたからね、ちょっと警戒しちゃう。」

 

「ひぇ・・・なにそれ怖い!」

 

「まあ、このカワウソはそれはないっぽいけど・・・なぜこんな山奥にいるの?」

 

「この学校で飼っているカワウソね。よく生徒会が餌をあげているのよ。」

 

「あ、あはは・・・。すみません、お騒がせしちゃって。」

 

「ちょっと予想をしてなかったことが起きて頭の情報を整理できてなくて・・・すみませんでした。」

 

「いいのよ。元気なかわいい新入生さん。」

 

「か、かわいいとか、そんな。」

 

「かわいい?花帆ちゃんはともかくわたしが?まあいいや。」

 

「って、安心したら、足に力がはいらな・・・。」

 

「まあ。保健室に連れて行ってあげるから、少しだけ、辛抱してくれる?」

 

すると梢は花帆をいきなりお姫様抱っこしたのだ。

 

「わ、わー!だ、大丈夫ですから!すぐ、すぐ立ちますから!下ろしてくださいー!」

 

「肩を貸すんじゃあなくて、なんでお姫様抱っこをしているのこの人は!?」

 

そうツッコむと花帆が降ろされた。

 

「そう?どこかひねったりしてない?少しでも気になるところがあるなら、ムリしちゃだめよ。」

 

「は、はい・・・ありがとうございます・・・。上級生の方って、ちからもちなんですね・・・びっくりしました。」

 

「ふふっ、私は鍛えていますから。ところで、あなたたちは山でなにをしていたの?

 

「えーっと!その、脱走・・・じゃなくて!ちょっと道に迷っちゃって!」

 

「やっぱりなんかやらかすと思ったら脱そ・・・」

 

(静ちゃんここは話合わせて!)

 

(・・・あ~もう!考えるのはやめだやめ!花帆ちゃんに話合わせるから!)

 

「そうなんです一緒に道に迷ってしまって、アハハ・・・。」

 

「そう、迷っちゃったの。大変だったわねえ。」

 

「そうなんですよ!道がまだぜんぜんわからなくって!あははー!」

 

「山に入るためには、正門をくぐって敷地外に出るか、あるいは高いフェンスを乗り越えなきゃいけないのだけれど、ずいぶんと方向オンチさんなのねえ。」

 

「え”っ!?」

 

「花帆ちゃんこれゼッテーバレてるよこれ!」

 

「でもあなたたち、本当に運がよかった。実は毎年、遭難する新入生が百人もいて、大半行方不明になっちゃうの。私のクラスメイトも、ずいぶんと戻ってはこなかったわ・・・。」

 

「えええええっ!?行方不明!?!?」

 

「まあ、行方不明者は冗談としてね。」

 

「冗談じゃないとしても、百人も行方不明になったらそれはもう事件だからねそれは!」

 

「これに懲りたらもう山に入っちゃだめよ。この辺りにはこわい動物も出るんだからね?」

 

「えっ、あっ。は、はい・・・すみませんでした・・・。」

 

「すませんでした・・・。」

 

梢は花帆と静についていた葉っぱをはらい落とした。

 

「よし、きれいになったわ。せっかくの下ろしたての制服、あなたたちによく似合っているんだから、大切に着てあげてね。」

 

「「あ、ありがとうございます・・・!」」

 

「あああ、あの!手伝います!ほら静ちゃんも!」

 

「え?」

 

「あら、心配しなくても、あなたたちが脱走しようとしていたこと、誰かに告げ口なんて、しないわ。」

 

「わわわ!そ、そういう口止め的なやつじゃなくて!」

 

「わたしは脱走なんてしようとしてないです!」

 

「ふふっ。からかってごめんなさい。じゃあありがたくご厚意を受け取ろうかしら。」

 

(短時間でいろいろありすぎてしんどくなってきた。)

 

To Be Continued

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