「ほんとはね、部室まで運ぶのに、少し気が滅入っていたところなの。話し相手になってくれただけでも、とても助かったわ。」
「あ、そうだったんですか。えへへ、お喋りは大好きなのでお役に立ててよかったです!」
「お役に立て光栄です。」
「手伝ってくれてありがとうね。そういえばまだお名前も聞いていなかったわね。」
「花帆です。日野下花帆っていいます。」
「静、静・ジョースターです。」
「私は乙宗梢、二年生よ。ところで貴方いまジョースターっていったわね。」
「な、なんですか?」
「教科書でジョセフ・ジョースターの話を学んだのを思い出してね。親族かなにかと思ってね。」
「まあ、親族ですよ(ジョースターの血統ではないけど)。」
「さ、よかったら座って。手伝ってくれたお礼に、お茶をご馳走させてもらえる?」
「わーい!ありがとうございます!」
「遠慮なくご馳走させてもらいます。」
梢にお茶を入れてもらいゆっくりと話しをすることになった。
「それで、どうして脱走なんてしようとしたの?」
「えっ!?その話、終わったんじゃなかったんですか!?」
「原因を聞いておかないとね。また同じことをされたら、私も責任を感じちゃうもの。」
「そりゃあさ、自分が言える立場じゃないけど、普通人がいない山の方から出てきたら聞くでしょ。」
「うう、実はですねえ。」
花帆は脱走しようとした理由、静は脱走とは関係ないのに山にいた理由を話した。
「・・・なるほどねえ。つまり自由がほしくて脱走をした、静さんはそれを阻止しようとした、と。」
「はい、梢センパイ・・・。でも、自由には手が届かなかったです・・・。青空はどこまでも広がってるけど、遠いんです・・・。」
「すっかり夕暮れ空だけれど・・・。」
(その例えわからないのか梢パイセンは・・・。)
「あの、センパイはどうですか?ここで一年過ごして・・・窮屈だったりしませんでしたか?」
「・・・自由って目に見えるものだけじゃないから。」
「センパイ?」
「・・・」
「ねえ、日野下さん。今すぐにあなたの悩みを解決することはできないけど、せっかく暇しているんだったら、もうひとつジョースターさんと一緒にお願いを聞いてもらってもいいかしら?」
「い、いいですけど。それは・・・?」
「できることなら聞きかせてもらいます。」
「ええ。あなたたちの知らない世界を見せてあげる。」
「知らない世界・・・?あのここってそういえば、なに部なんですか?」
「確かに何も考えずここにいたから忘れていたけどなに部なんだ?」
「それはねーーー」
「スクールアイドルクラブ・・・?」
「スクールアイドル、ね・・・」
「あれ、花帆さんと静さんもライブ見に来たんですか?」
「あ、さやかちゃん。あたしは、その、センパイに誘われて。」
「わたしは花帆ちゃん探しているときに別のパイセンにイベントがあるって誘われて、その後に花帆ちゃんと一緒に誘われて来たね。」
「そうですか。わたしも、部活巡りをしている最中、ある先輩に声をかけていただいて・・・。」
「そう、なんだ。」
「あ、ステージが始まるみたいですよ!
「・・・。すごい・・・」
「きれいですね、花帆さん、静さん!」
「そうだね・・・」
「うん・・・梢センパイ、きらきらに、花咲いている・・・。」
「こんな世界、知らなかった・・・。」
「みんな、きょうは来てくれてありがとうね。次は、もうひとりのスクールアイドル、夕霧綴理のステージよ最後まで楽しんでいって。」
「ああ、やっぱりすごいです、この人は・・・!これが、スクールアイドル・・・!」
「どうだったかしら。」
「あ、梢センパイ・・・。えと、あの、なんだか、すごくて・・・。」
「楽しんでもらえたら、よかったよ。」
「あっ、えと。」
「ボクは夕霧綴理。こずと同じ、スクールアイドルクラブの二年生だ。ちなみに好きな教科は数学だよ。答えが決まっているっていいね。」
「あっ、はい、えっ?」
「ごめんなさい、この子ちょっと距離感が独特でしょう。でもステージ上のパフォーマンスはとてもすばらしいのよ。」
「あっ、はい、それはもうーーー。」
「あの・・・!」
「わっ。」
「お誘いいただいて、ありがとうございました!夕霧先輩の舞台、本当にきれいで・・・!」
「ありがとう。褒められてうれしい。うん。ここまでとは思わなかったけど。・・・じゃあ例の件は、考えてくれた?」
「はい、わたし・・・。夕霧先輩にご指導お願いしたいです。どうか、スクールアイドルクラブに入れてください!!」
「えっーー。ええええええっ!?そうなの!?さやかちゃん!」
「わたしたちがいない間に何があったんだ!?」
「はい、花帆さん、静さん。わたし、決めたんです。せっかく、自分を変えるためにこの蓮ノ空にやってきたんですから、この学校で、新しいことを始めてみよう、って。」
「それが、スクールアイドルクラブ・・・?」
「ほ、ほう・・・。」
「はい!」
「というわけで。」
「きゃっ。」
「きょうからよろしくね、さや。ボクと一緒に、スクールアイドルになれるよう、がんばろう。は、はい!よろしくお願いいたします!」
「ふふ、よかったわ、綴理。あなたの後輩ができて。これで少しは上級生としての自覚が芽生えるかしら。」
「そうだといいね。」
「あなたのことでしょうあなたの。もう。というわけでね、日野下さん、ジョースターさん。今は私とこの子のふたりで、スクールアイドルクラブ活動をしているの。」
「きょうから三人、うれしいなぁ。よしよしよし。」
「ちょ、ちょっと、夕霧先輩・・・。は、恥ずかしいです・・・。」
「えっと、わたしを誘った
「金髪で身長が高い人、花城常見のことね、あの子は部員ではあるけどまだ活動を始めていなくて一応マネージャーの枠ではあるわね。近い内に会えると思うわ。」
「はい、そうですか。」
「ねえ、日野下さん、ジョースターさん。あなたたちがよかったらなんだけれど。」
「えっ、あっ、あの、はい。」
「なんですか?」
「・・・。また来週にもライブがあるの。だけど見ての通り、ぜんぜん手が足りてなくてよければ、手伝ってもらえないかしら。」
「あ・・・はい。それぐらいなら、あたしでよかったら。」
「別にいいですよ。こういう手伝いはしょっちゅうやってるんで。」
「そう、嬉しいわ。」
「あの!」
「?」
「ら、ライブ・・・素敵、でした。それだけは、言いたくて!それじゃあ、さようならー!」
「・・・えーと、他のスクールアイドルの動画を見たことはあったのですが生で見たすごいと思いました。」
「ふふ、ありがとう、ジョースターさん!」
「・・・”アイツ”が憧れた理由がわかったよ。」
「ジョースターさん、大丈夫?」
「いや、大丈夫です。今日は疲れたので帰ります。さよなら!」
「ううん、あたしだってぜったい、あたしの花を咲かせて見せるんだ。だから、そのために・・・!」
花帆はなにか独り言をつぶやきながら資料を見ていた。一方その頃、静は・・・
「もしもし美琴さん、常見の件なんだけど・・・」
「どうしたの?なにかあったの?」
「い、いや・・・彼女の人間関係の話なんだけどある部活の人に話を聞いて、その部活の部員で近い内に会えるらしいから入部してみようと思っているんだけど・・・」
「・・・その様子だと嫌な思い出を思い出したようね。死んだあなたの元相棒に関することでね。」
「はい、その通りっすはい・・・。その部活がアイツが好きだったスクールアイドル関するものだったからね。」
「無理は言わない、別の手段でもいいし何なら私自身が向かってもいいけど。」
「大丈夫!私が彼女に会うって言ったんだからさ、そ~んなこと考えていたらなにも進まないからね。それに彼女のことをよく知ってそうな人いるしさ。」
「そうか・・・じゃあしばらくお願いできる?」
「任せて!じゃ今日はもう疲れたし寝る!おやすみ!good night!!」
「今は、静のことを信じるとしようかしら・・・ね。」
To Be Continued