貴方の事が好きすぎるスタレ女子だなんてそんな。   作:究極進化さむらい(2歳)

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貴方の前世を覗いたブラックスワンがヤンデレ化しちゃうけど、黄泉が助けてくれる話。

 

 

目が覚めたら、知らない場所にいた。

いつもの様に、夢の国ピノコニーへと向かおうと眠りについたのだが、貴方が今いる場所は見知らぬ一室だった。

紫身掛かった壁や床、天井には何処かいやらしい雰囲気を感じる。

 

恐らく、ここはピノコニーの何処にも存在しない空間であろう。

幾度もピノコニーに訪れたが、こんな場所は見たことも聞いたこともない。

貴方は、知らない場所に一人でいると言う寂しさと恐怖に襲われる。

 

しかし、それ以上にどうにも居心地が悪かった。

その理由はこの部屋に置いてある家具の存在である。

 

木造の一人用テーブル、ふかふかとしているベッド、衣服を入れるタンス、座り心地の悪い椅子。

 

他にも、テーブルの上にはノートやシャーペンが置いてある。

横には物を入れるための大きいバッグが掛けてあり、制服も畳まれている。

本来であれば"この世界には存在しない"筈の、日用品が存在していた。

 

どうしてこんな部屋に居るのだろう、早く帰りたい、ここにいたくないと言う得体の知れない不安に襲われてしまう。

体がガタガタと震え、体の節々が痛むような感覚に陥ってくる。

 

震えは強くなり、吐き気も現れ痛みは更に強く増してくる。

何故自分がこんな状況に陥っているのかが不思議でならない。

貴方は涙が出るのを必死に堪え、痛む体を必死に動かしベッドから落下する。

 

虫のように這いずりながら扉に手をかけようとした……瞬間。

 

 

「駄目…♡」

 

 

貴方が伸ばした手の上から覆い被せるように、誰かが背後から腕を伸ばしてくる。

 

 

「ここから出るのは駄目よ、〇〇……と言っても、出れないけれど…♡」

 

 

背後の人物は、甘い声を掛けると共に優しく、こそばゆい手つきで貴方の手をなぞってくる。

最初こそ誰なのか少し恐怖していたが、声の主から発せられる甘い声に聞き覚えがあった。

それ貴方にとって印象深い人物であると共に、少し苦手な人物である。

 

ブラックスワンだった。

 

 

「今まで、ずっと貴方の記憶が閲覧出来なかった……でも漸く見ることが出来た。」

 

 

ブラックスワンが話している内容は、きっとメモキーパー関連の何かなのだろう。

彼女がメモキーパーだと言うことは知っていたが、貴方はメモキーパーの詳しい内容など知らない。

今の貴方からすると、ブラックスワンが自分を邪魔している、と言う認識であった。

 

早く離れてほしい、この得体の知れない気持ち悪さと、この部屋から抜け出させてほしい。

貴方の、思いとは裏腹にブラックスワンは体を密着させてくる。

体の自由が利かないため、貴方はドアの前で崩れてしまった。

 

 

「貴方の記憶は何よりも価値のある物。この世界で誰も知り得ない情報を貴方は持っているの」

 

 

得体の知れぬ倦怠感、不快感、痛み、何故こんな感覚に襲われているのか理解する事が出来た。

貴方の前世を、今まで歩んで来た地獄の様な人生を思い出したくなかったのだ。

家庭内での虐待、学校内での虐め、信じれる人の死、思い出したく無かった記憶がドンドンと蘇る。

 

 

「地獄の様に辛い経験も、この世界では貴方が唯一の経験者なの。」

 

 

何をさせたいのだろうか。

何をしてほしいのだろうか。

ブラックスワンは何故自分をこんなにも追い詰めて来るのだろうか。

貴方は不安と恐怖に襲われ、必死に、無理矢理体を動かし足掻く。

 

 

「ごめんなさい…貴方を傷つけたいわけじゃないの。ただ、ずっと私と一緒にいてほしいだけだから…」

 

 

ブラックスワンに悪気があるか否かなど関係無い。

兎に角解放されたかった。

早くここから出してくれと、只々願う事しか出来なかった。

彼女は貴方の事が好きで、ずっとここにいて欲しいと願い、貴方は早く出たいと願う。

 

涙を流しながら、ブラックスワンの手から逃れようとするが………

 

 

「メモキーパー、〇〇………ここで何をしている」

 

 

救いの手?は貴方に伸ばされるのであった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

気がつけばあの地獄の様な夢境は崩壊し、見知った場所へと変わっていた。

ブラックスワンは、貴方から少し離れた場所に座っており珍しく焦りの表情を浮かべていた。

 

そして、貴方の側には先程自身を助けてくれた黄泉が佇んでおり、ブラックスワンを睨んでいる。

体の以上から解放され、荒んだ呼吸を正しゆっくりと息を整えた。

 

 

「メモキーパー、今〇〇に何をしていた。」

 

「………ッ」

 

「返答次第によっては、この刀を抜く事になってしまう」

 

 

この二人、普段であれば決して中は悪くないのだが、今は状況が状況である為険悪な雰囲気が流れている。

少しだけ落ち着いた貴方は、慌てて二人の状況を確認する。

 

 

「………」

 

 

隣に立っている黄泉は、一言も発さず、瞬きすらせずに怒りの表情を浮かべている。

 

 

「〇〇……」

 

 

対するブラックスワンは、貴方に向けて愛おしい様な、悲しそうな、玩具を失った子供の様な喪失感を露わにしている。

 

少し気怠さが残る体を起こし、黄泉に対し落ち着く様諭すが……

 

 

「〇〇、少し離れていてくれ。今からメモキーパーに詳しい話を聞く」

 

 

そう言って、黄泉はスワンから貴方を守るように立ち、彼女へと距離を詰めていった。

 

 

「〇〇……〇〇………私の愛しい〇〇…………」

 

「メモキーパー。話に応じてはくれないだろうか」

 

「ごめんなさい………私………」

 

「………」

 

 

意気消沈しているスワンに対し黄泉は対話を試みるが、ボソボソと謝罪の言葉を口にしているだけ。

今のスワンと話したとしても、禄に会話にならない事を察した黄泉はスワンの下から遠ざかる。

 

貴方は座り込んでいるスワンに話しかけようとするが………

 

 

「今の彼女に近寄るべきではない。また場を改めよう」

 

 

黄泉は貴方を制し、スワンとはまた改めて話し合う事を提案した

貴方はそれに応じ、夢の中から覚めるのであった。

 

 

 

 




ちょこっと設定。

〇〇
前世でクソみてぇな経験をしてきたが、生まれ変わってスタレ世界に転生。
一応転生者と言う自覚はある。
ヤベェぐらいトラウマで、思い出そうとしても体が拒否していた。
でも思い出してしまう、

ブラスワさん
〇〇の記憶見ようとしたら見れんくて興味が湧く。
二年ぐらい経って漸く見れるようになったと思えば、自分の知らない事だらけであった為ヤンデレ化。
しかし〇〇がそこまでトラウマになっていたとは知らず、対応を間違ってしまう。

黄泉さん
たまたま通りがかったらヤバイことなってるやん……


リクエスト作品です。
何かこれじゃないかん満載です。
続きます。

因みに、ブラスワさんのキャラ崩壊が凄まじいですが僕はブラスワさん大好きです。
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