・ジンさん、エ○ディシ化。
・絡まれやすい体質。イベント的な意味で。
・ハーレム男涙目。
バイク禁止令に、文字通りの半身を引き裂かれたかのような悲しみで軽く鬱に浸りつつ、Cユニットのイモビライザー機能をONにし、始動キーを抜く。
共に荒野を駆け抜けるはずであった相棒が、こうしてガレージの地下駐車場に空しく放置されるのを見ていると、俺の気分もどこと無く空虚さを増したような気がしてならない。
「一週間……一週間も
「……なに馬鹿やってんのよ! 恥ずかしいからやめなさいッ!」
あまりの悲しみに、思わずエ○ディシごっこを始めてしまった俺に、相変わらずの鋭さで、スパァーーンと快音爽やかな突っ込みが入る。って、何時の間にかハリセンまで常備化されてやがる!
「いや、あまりの悲劇につい」
「人間の相棒よりクルマを優先するような馬鹿には良い薬よ!」
むふんと胸を張りながら言い放つレナに、少しだけバツの悪さが蘇る。
まあ、
たとえ、大破壊後の荒野では当然の行動だったとしてもだ。
「……それに関しては反省してるよ。だから素直に禁止令には従ってる」
少しだけ苦々しさを浮かべつつ肩を竦める俺に、「あんたの
まだまだ歳若い小娘のくせに、そういうところは様になっていやがる。これも
ごちゃごちゃと収まりの悪い赤毛を片手で撫で付けつつ、俺は一週間の付き合いになるであろう
──
「で、こうなる……と」
「……てへッ☆」
そんな反省の欠片も無い
因みに、周りに散らばっているのは、死体、死体、惨殺体、挽肉、謎肉、遺骸、残骸、鉄屑といった代物で、まあ当然の如くそれらは先程まで動いていたものだったりする。
端的に言っても、凄くヤらかした後です。本当に有難う御座いました! ってな環境です。
まあ、こうなったのにも理由がある訳で、それは
ハンターオフィスにて、自分の手配書を見て大騒ぎしている
何か騒がしいとは思ってたが、ビルの入口から唐突に俺とレナの前に吹っ飛ばされてくる
そして、俺達の困惑など知った事かとばかりに目の前で繰り広げられるドラマ染みた展開と暴力。
展望台に住んでるらしい、メンドーザとかいう有力者に奪われた妻を
普段、どこから見ても太陽のような美少女としか言いようのないレナが、このときばかりは男気に溢れまくったオーラを発散していた。
当然だが、済し崩しにグラップラー二人と戦う破目になったので、俺とレナでボコボコにして追い払った後、如何にも何かを匂わせる発言の割に、事が済むまで物陰に隠れていた筋肉男が接触してきたり、どこかの酒場のバーテンにしか見えない自称レジスタンスのリーダーに勧誘されたりと、世界意志によるイベントか何かかとしか思えない怒涛の展開に巻き込まれたのだが、それもまあいい。
問題は、自称レジスタンスの勧誘を断って、転送装置の置いてあった地下への入口が覆われているテントから出たあとだ。
騒ぎでも聞きつけていたか、それとも直に見ていたか、薄青い髪の美女が俺とレナを見かけるや否や「お願い! アクセルを……弟を助けてやって!」と取り乱しながら、先の騒ぎの男の如く縋りついてきたのだ。
見るからに肉感的な美女の縋りつきにも、内心は兎も角、外面だけは紳士的に振舞う俺に、何故か険の篭った視線を向けつつも、元々からして面倒見が良いのであろう。レナがやんわりと美女を引き剥がしながら事情を聞きだすと、俺にとっては頭痛のしそうな理由が転がり出てきた。
要するに、
そんな俺の考えとは裏腹に、グラップラーに恨みを持つからか、面倒見というレベルを通り越して本質がお人好しなのか、それとも実は百合な性癖の持ち主だからかは不明だが、レナはホイホイと牢破りの手段を考える事にしたようだった。
……まあ、一応できる限りの範囲でと付け加えていた辺りに、それなりに周りは見えているんだろうかと思っていたが、どっこい──
「ジン。あんたなら、この錠前……どうにかできるんじゃないの?」
──キラーパスを放ってきたのだった。
何か原作では牢破りの名人とかを連れてきたような記憶があるが、まさか俺が牢破りする破目になるとは……と、もはや悟り切った目をしながら
たぶん、俺は怒涛のイベント尽くしに、脳が疲れていたのだろう。
普段なら気付いていたであろう問題をすっかりと無視してしまっていたのだから。
つまり……
「おい、こいつらだ。やろう、俺達グラップラー舐めや……」
「あ……」
「えっ……」
「げッ……」
「「牢破りだァァァーーーッ!」」
うん。町中にグラップラーがウロウロしている上に、その拠点前であれだけ騒ぎを起こしといて、放置される訳がないんだ。常識的に考えて。
しかも、実にナイスなタイミングで牢破りの瞬間を目撃される始末……イベントを管理しているであろう存在がいるなら、俺は相当に忌み嫌われているか偏愛されているかのどちらかに違いない。
そういった訳で、今更に
「……まあ、冷静に考えると俺にも責任の一端があったか」
「こ、これは不慮の事故よね!」
「事故を通り越して喜劇にすら思えるがな」
「……あ、あはは~」
レナの境遇を考えれば、グラップラーの齎す不条理にキレるのも無理は無いとはいえ、正直こんなカオス極まる戦いを引き起こすような事は今後、勘弁してもらいたいものだ。
既にボロボロになっていた所に、さながら戦場跡といったアクセントが加えられてしまったエルニニョの町並みを眺めながら、俺は心底から願うのだった。
因みに、この騒ぎでエルニニョのグラップラー勢力がほぼ壊滅し、機に乗じて立ち上がったヒヌケ団なる
なんともまあ、抜け目のない事だが、俺としては
レジスタンスを謳ってグラップラーと対抗しているんだから、後の面倒事は彼らでアレコレやっていただきたい。
もう色々と限界を超えてしまいそうな俺達は、
今はただ、イリットの笑顔と手料理に癒されたいと思いながら……
「レナ……マドに戻ったら、とりあえず……
「……なにそれこわい」
もはやメインストーリーが何処へ旅立ったのか判らない。
でも、メタル世界のようなフリーダムワールドではそれが普通に思えてくる罠。
(2012/07/21 24:30)
・本日の更新はこのぐらいで。寝るであります。