・改めて見直すと約2500文字とか1話にしちゃ短く感じる……
・ケダモノさんが図らずもレナをパワーレベリングしてしまったようです。
洞窟の調査をし始めてから小一時間ほどが経過した。
あれからも散発的に襲撃をかけてくるモンスターの群れを撃退、殲滅しつつ洞窟の地上部を歩き尽くした俺達は、最奥に微妙に色合いが異なる偽装床を発見。偽装を排除して地下へと続くスロープをくだり、更に調査範囲を広げている。
「はぁ……どんだけ巣くってんのよ」
「台所の天敵並みの繁殖力……と言いたいが、こいつは何処かにモンスター用の抜け道でもありそうだなぁ」
うんざりとした気分で、行く手を遮るモンスターへ1マガジン分の掃射を加えると、iゴーグルのショートカット機能で給弾用格納領域と連結したバンダナ下から新しい弾倉を取り出して素早くリロード。
俺のバンダナが、こんな面倒な手順を踏まなくても済むような、蛇さん愛用の無限バンダナだったら良かったのにと益体もつかない事を考えながら、再びの掃射で残敵を一掃する。
レナも俺に負けず劣らずのペースで、天井や水溜りから這い出てくる粘体モンスターやムカデの化物を氷漬けにしているが、やはりその表情は陰鬱そのものといった感じで曇っているようだ。
連戦に続く連戦といった探索行だが、人が余り立ち寄らない場所のモンスター遭遇頻度など、正にこのようなものだったりする。
<ノア>は余程に人類という存在が憎かったのだろうか……地球環境の回復という至上命題があるにも拘らず、繁殖力の高い凶悪なバイオモンスターを地上で放し飼いにし、今も何処かのプラントで生産され続けている殺人機械は破壊しても破壊してもキリが無いほどだ。
<大破壊>直後の人類軍との戦争では、散々に核兵器や気象兵器……だけならまだしも、衛星軌道あたりでは宇宙兵器すら飛び交ったというから、本当にどこのSFかと。
まあ、そんな兵器が世界の
四文字さんの聖典よろしく<方舟>とかに、人間以外の遺伝情報が保管されてて、地球の何処かに隠されてたり月の裏側とか宇宙空間とかに秘かに大規模施設があったりとかしてたのだろうか……いや、まさかな。
「あ、また亀が……」
「ほいほい。んじゃ、さっさと首狩ってくるから、後ろは宜しくな~」
益体もない事柄に思索を向けている間に、レナがスローウォーカーを発見したようなので、思考を切り替えて亀の首を取ってくるために 斬車刀を片手に敵の死角へと音も無く駆け込む。
この島を出る頃には、レナが
「これって……転送装置ッ!?」
「間違いないな。生憎と電池切れのようだが……」
何でこんな所にと首を傾げながら制御端末のパネルを調べる。
さて、地階に潜むモンスターを狩り倒しながら進むこと暫し……分岐路をダンジョン探索における右手の法則とばかりに右折して進んでいく事で見つけたこの場所。
地上部の植生といい、天然窟に見えていながら明らかに人の手が入ったここといい、やはりこの島は元々は何らかの施設だった可能性が上がってきたようだ。
か細いとは言え、
装置本体の共鳴電送部が悪いのか、単純に端末部の電源が落ちているだけなのか……こういう時にこそ熟練
だが、俺もかつては“孤高の何でも屋”とまで称された身……戦闘、調達、修理に料理、しまいにゃ多少なりとは言え<大破壊>前の科学技術にハッキング能力まで。
不本意ながら怨敵グラトノスの手により、元々は促成クローンや天才染みた
本職メカニックのディープかつコアでマニアックなテクニックには劣るものの、転送装置の不調の原因を探るなど訳もないのだ!
……誰だ、今「孤高=ぼっちの代名詞だろう」とか思った奴は! 俺にだってなぁ! 仲の良い自称美しきアーチストとか、ナースのくせに副業で情報屋なんてやってる奴とか、ホホアナで知り合った飲み友とか……あれ? よく考えれば、俺の考えてる交友関係って……い、いや、気のせいだ。これ以上は考えないぞ!
「どしたの? 手が止まってるけど」
「……な、何でも無いぞ。さて、ちょっと整備パネルを開くから周辺の警戒を頼むな?」
「はいはい……ま、これで脱出できれば良いんだけどね」
暫時、ろくでも無い事で考え込んでしまった空白を取り戻すかのように、俺は原因究明へと集中する事にしたのだった。
まあ結局は、本当に制御端末の電池切れだったのだが……どうやら適合する規格が出力最優先のテスラセル系ではなく、長期間に渡り一定レベルの電力維持が可能な<原子力電池>だったので、残念ながら手持ちのテスラセルではどうしようもなく、島内のどこかに原子力電池の予備が無いか(神にでも祈りつつ)探さなければならないという事が判明しただけだった。
(むう、もしかすると本当に島で暮らすか、ブレード・トゥースの膂力にモノを言わせて遠泳をする破目になるやもしれんな……)
この後の展開を考えると頭痛しかしてこないが、今の所は本当にどうしようもないために、俺とレナは再び調査を再開する事にしたのであった。
・このままグロウィンか、それとも島内探索に戻るのか……それが問題だw