3→2R 紅き牙獅子は転送事故に啼く   作:斬風

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【NEW】
・懐かしいね。コン○ラ・スピリッツ。
・まあ、斬風はエ○リアンvsプ○デターも好きですが。


20話 おれたち、こん○らすぴりっつ

 

「これは……何というか、ねえ?」

「ぶっちゃけグロいです……ああ、だからグロウィンなのか?」

「そう言われると命名した奴の顔を見てみたい気もするわね」

 

 

 グダグダと駄弁りながらも、只管に続く探索行。見つけた転送装置の処遇は後回しとして更に奥へと進んでいった俺達が発見したのは、まるでリドリー・スコットが描く宇宙生物の(ねぐら)か、スプラッターなオカルト作品あたりで出てくるような肉質のナニカで構成されたグロ・ワールド。

 洞窟の岩壁や砂利に融合するかのように広がる原形質のピンクと、生体そのものかと思わせるかのような微弱な脈動を伝えてくる通路には、何と言うか……そういったモノに対する耐性のない者には刺激が強すぎると言わざるを得ない。

 

 いや、本当に一瞬ビビったよ……何せ、自然の面影を残す岩窟の中に、ド行き成りエイリアンの巣窟か、魂○羅(コ○トラ)最終ステージかと言わんばかりの生々しい空間。

 警戒しつつ近づいてみれば、足元の肉床から巨大な目が睨んでくるんだぜ? 思わず総毛だってしまっても仕方が無いし、そんな異質極まるものを見てしまったレナが少女らしい悲鳴を上げて後ずさってしまったのも仕方が無いと思うんだ。

 まあ、結局は大破壊後世代のハートの強さか……既に慣れた様子のレナと共に肉質の迷宮へと足を踏み入れつつ探索を継続しているのだが、むう……やはりこの巨大な生命体っぽいナニカがグロウィンなのだろうか?

 

 

「ジン! どうやら連中が歓迎してくれるみたいよ?」

 

 

 レナの注意勧告(セリフ)に、周辺の観察を止めて近づいてきているであろうモンスターへと視線を向ける。

 洞窟に潜む蝙蝠が一斉に騒ぎ立てるかのような羽音を立てながら一直線にこちらへと接近するのは、地上でも見かけた青い一つ目(グロウィンズアイ)。そして基本的には同じような姿形をしているものの、体色は緋色に染まり、眼のかわりに身体の半分をも占めようかという口と鋭い牙を備えた空飛ぶ大口(グロウィントゥース)

 更に、そいつらに触発でもされたか、注視しているとSAN値が削られそうな粘膜に包まれた肉床からニョロリと伸びてくる、鮮血のような体色の巨大ミミズ(グロウィンズワーム)

 何ともまあ盛大なご歓迎だが、口元からボタボタと酸性の涎をたらす卑猥な腹ペコミミズ……テメーはダメだ!

 

 

「チッ……無闇矢鱈と沸いてきやがって。どうやら此処がミスター・グロウィンの御自宅のようだな!」

 

 

 ザッと正体不明のバイオモンスターどもを見据えて吐き捨てる。相手は生物系……特に妙なフォースフィールドを纏っているわけでもなければ、装甲染みた表皮がある訳でもない。となると、高熱・低温・ガスといった辺りが効果的か?

 いや、相手は結局の所、純然たる生物というよりは正体不明としか言いようのないナマモノ……ならば、極低温で凍結処理か汚物消毒の火炎といった所が有効だろう。

 飛行している目玉と大口には、どちらかと言えば音波振動兵器のほうが効率的だと思うが、ここは生物が根源的に怖れる炎の洗礼を与えるべきであろう。

 一瞬で、そこまで判断すると、俺はレナへと声をかける。レナは若干の火炎恐怖症だ。あらかじめ警告した上で覚悟を持ってもらわないと動きが止まる可能性があるからな……

 

 

「レナ、今から火炎放射器を使う! 少し離れていろ!」

「り、了解ッ!」

 

 

 レナが素早く俺の背後へと退避していくのを横目で確認してから、高火力・広域攻撃に定評のある軍用火炎放射器──ワイルドファイアを容赦無用の全力解放で放射する。

 上乗せされた<力>と、元々の高火力により鉄すらも溶かしかねないエネルギーを保有するに至った猛炎が、劫と周囲の空気を焼き尽くしつつ敵の一団へと襲い掛かる。

 

 

『ギギャァ!』

『キシャーーーッ!?』

 

 

 放射熱による影響か、唐突に巻き起こる熱風の流れに耐えつつ、二度、三度と火炎の洗礼を浴びせると、バックステップで飛び退って酸素を補給(一息つく)

 変身中なら兎も角、メタモーフ細胞の活性値が低い人間状態では常人よりも少なくて済むとは言え、やはり酸素は絶対に必要だ。そして、酸素の供給行為たる呼吸を熱風の中で行い自分の肺を火傷するとか、流石の俺も勘弁願いたい。

 

 

「……とどめッ!」

 

 

 俺の下がったタイミングに合わせて今度はレナが動き出す。折角、敵が火に捲かれているのを鎮火するのもどうかと考えたのか、手にするはブリザードガンではなく、貸し与えたもうひとつの属性武器──音波衝撃銃(マッハガン)

 割と多くのモンスター……特にバイオモンスターに有効で、何よりも広い範囲に音速で伝播する振動衝撃波を用いた武装であるため、有効範囲内に居る存在は基本的に回避不能。もちろん空間を対象としてブチかます武器なだけに嫌味なほどに機動性(回避率)が高い飛行モンスターもイチコロという素敵武器だ。

 

 

『イィギィィィ!?』

 

 

 炎の洗礼を生き延びた数匹の飛行型モンスターと卑猥ミミズが、共鳴振動と衝撃波により体組織をグズグズに崩壊させられながら力尽きていく。

 だが、流石は触手モンスター(グロウィンズワーム)とでも言うべきか。凄まじいまでの生命力で、死に際の一発とばかりに口元(?)から汚穢(おわい)なる消化液の塊を吹き付けてきた。こう、ドピュッとした感じで。

 

 

「ぬおぅッ!」

「キャッ……熱ッ!?」

 

 

 足掻きを終えて本当に力尽きたのか、グッタリと縮み単なる肉塊と化したグロウィンズワームを尻目に、急いでレナへと駆け寄る。

 最後のアレは、間違いなく酸による攻撃だった。酸や毒による影響は、意外と侮れない。ゲームでは酸に侵されながらも平然と歩き回れたが、現実ではそうはいかない。弱毒や水で流せば終わる程度の酸ならば、実際にゲームよろしく放置して対処を後回しにしても問題は無いが、武器に使用されたりするような強酸や濃縮メチルのようなレベルのものになると、一刻も早い対処をしなくては命に関わる。

 

 

「痛ぅ……あ、ああああの触手(チ○コ)モンスターッ! よ、よくも私にぃッ!」

「落ち着け。まず傷を見せろ!」

 

 

 憤慨の余りに、口から放送禁止にされそうな単語を口走るレナを、やんわりと押さえながら装備と皮膚を焼く酸性の粘液を、アルカリスプレーで無毒化しつつ付属の凝固剤でこびり付いた粘性のソレを除去する。

 幸いにも、常人なら危険だが、一端のレベルを持った存在にとっては命に関わるような強度の酸では無かったらしく、肉が解け落ちて骨が……などといった事態にはなっていなかった。

 咄嗟にコートで自身を庇ったのも良かったようで、露出していた左腕部分が酷い火傷のようになっていたものの、回復剤で傷跡すらなく治癒している。

 弱くとも、この手の酸や毒液、炎などが直接に目を灼くと軽くて失明……ヘタすると眼球の遺失といった危険性もあったが故に本当に安心した。

 

 

「ふう……よかった。大した被害は無かったようだな」

「あ、ありがと! 楽になったわっ!」

 

 

 ちょっと距離が近すぎでもしたか、頬を染めるレナから離れつつ、使用した道具を片付ける。

 酸や毒を吹き付けてくる敵への対策として、予防用アルカリクリームかバリアSでも準備しておいたほうがいいかな……しかし、何にしてもレナが無事で良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……処理次第では食えるかな?」

「アレの肉は絶対に食べたくないけどね!」

「安心しろ。対象にしてるのは鳥っぽい謎肉のほうだけだ。俺も餓死寸前とかでもなければアレの肉を食いたいとは思わん」

「……うん、正直安心したわ。アンタの感性が普通だと確信できて」

「幾らケダモノになれると言っても元が人間だしな……おっ、この翼膜と皮は加工すれば何かに使えそうだな……」

「器用なものねぇ……」

 

 

 一通り、襲撃を退けたので恒例のお宝剥ぎ取りタイム。

 こんがりと焼けたものは、食肉ぐらいにしかなりそうに無かったが、レナが音波武器で仕留めたものは、劣化しているとはいえ十分な素材となりそうなものがあった。

 ……レナが嫌悪するワームのほうも何かと使えそうだが、調べようとするとレナが冷たい視線を向けてくるので、仕方なく鳥?系の残骸にのみ集中していたりする。

 

 

「しかし、こいつら……明らかに通常の生命サイクルを否定している形状だよな」

 

 

 呟きながら、ダマスカス包丁なる最強の料理人(コック)が装備していそうな刃物で、比較的形状を維持している目玉鳥(グロウィンズアイ)大口鳥(グロウィントゥース)を解体。

 見た目的には生物らしいが、捕喰によるエネルギー補給の仕組みが見当たらないあたりが異質さをいや増している。

 共通するのは、ともに生殖器官や内蔵的なものが無いこと。脳と言える器官は無く、ニューロチップ的な生体パーツがあることぐらいか。

 目玉のほうは、本当に偵察に特化されているようで、膨大な神経系がニューロチップに収束しているタイプで、更に眼窩下部に超音波を放つであろう器官をもっており、それで攻撃したり通信ができる……かも知れない。

 大口のほうは、どうやら白血球的な意図で作られているのか、実に攻撃的な機能を持っており、鋭く頑強な牙で獲物を噛み殺し、体内に何故か存在する毒ガス缶を使って獲物を弱らせたりするようだ。

 ミミズのほうだが……うん、ただでさえ「医者でも無いのによーやるわ」といった視線を向けているレナが怖いので、レナの前では調べられそうに無い。

 

 

「……さて。こいつらの事はある程度理解できてきたが、問題はこれか」

 

 

 ニューロチップを保護するかのように満たされている薄青く発光する液体……この輝きといい、液体のくせに微細すぎる砂の集合体といった質感を見せる存在感といい……凄く記憶に残っているんですが。

 

 

「なにそれ?」

 

 

 取り出した注射器(シリンジ)で慎重に液体を抽出する様子に興味でも惹かれたか、近づいてくるレナ。

 そんな彼女に口元だけを歪めて笑みを作ると、抽出したそれを試験管ならぬメスシリンダーへと移してから、俺は口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……こいつはレベルメタフィンさ」

 

 

 レベルメタフィン。メタモーフ細胞を初めとする生体改造技術の副産物としてこの世に生まれてしまった人間の限界(かせ)を外す薬。

 それが生み出されたのは悪魔の悪戯だったのか、それとも艱難辛苦の時代へと投げ込まれる人類に対する神からの最後の奇跡だったのか。

 

 ともあれ、事故で辿り着いた魔物棲む孤島で、俺は大変なものを見つけてしまったのだった……

 

 




・ちなみに、メタフィンがどんな形なのかは全く以って不明なので捏造w
・ふう。それにしても力尽きたぜ……作者が(汗

(2012/07/24)
・本日の更新はここまでッス。またも力尽きたッス。
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