北小町高校、放課後の体育館。
体育館を独占状態のバドミントン部はそれぞれ準備すると、一人の下に集まる。
他の部活が使っているわけではないが、こうも密集するとなんだか息苦しい。
(わざとなのか・・・?)
北小町高校三年生・
「えー、じゃあ、いつもどおり出席確認しまーす」
ボリボリボリと音を立てて飲み込むと、一人ずつ名前を呼んだ。
「なぎさ」
「ん・・・」
同じく三年でバド部主将の荒垣なぎさは、なにかムスッとしながら返事をした。
「悠」
「ふぁいッ!!っと、!!」
二年の
「燐先輩、私にもそれ、下さい!」
悠は人差し指で燐が片手に持っているじゃ○りこを指差した。
「・・・ほい」
燐は持っているじゃ○りこを悠に向けた。
するとパアアッと満面の笑みで悠はそこから何本か取った。
「ありがとうございますっ!」
片手にじゃ○りこを持ちながら悠は90度ピシっと礼をすると、座った。
「妹」
「はぁい・・・」
悠の隣に座っている
燐にはどうしてもその咳がわざとらしく見えた。
「兄」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・なあ、同学年なんだからさあ何か言ってくれよ、頼むよ」
燐はしゃがんで伊勢原空の兄、
しかし声を発さずに頷くと、下を向いて顔を隠した。
(何に対する頷きだ・・・?)
燐はそう思いながら、また立った。
「はぁ・・・テル」
「ちょ、ちょっと!」
ため息混じりに燐が読み上げると、
「燐先輩!ため息ヒドイっすよ、俺何もしてませんよね!?」
必死に迫ってくる行輝だが、燐はそれを全く気にせずに言った。
「ああ、してないしてない。たまたまため息入っただけだから、気にすんな」
燐はそう言うと、別のお菓子を取り出して行輝にあげた。
「ありがとう、ございます・・・」
燐からお菓子を受け取った行輝は、見たことのないパッケージをいろいろな角度から眺めていた。
「で・・・」
燐は体ごと、次の人の方へ向けた。
「理子、と」
「はい!」
ラケットを持ちながら
「じゃ、れんしゅー開始ー」
燐が言うと同時に皆、立ち上がって練習を始めた。
燐は練習風景をお菓子を食べながら見ていた。