百夜茜が理想郷に転生した件   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

茜、アエルスドロ、デリサル、レイは風の砦を目指した。
彼らは西の林で休憩を取り、互いの信仰や価値観について語り合う。
その後、風の砦に到着し、食糧庫や宿舎を探索する。
茜達はグリーンインプやハーフオニクスといった敵と戦いながら、風のエレメントを探した。


第10話 意外なケッカ

 風のエレメントを探すべく、茜達は風の砦の中に入った。

 四人が西に行くと、そこは遊技場だった。

 この部屋の中央には机が置かれ、周囲に椅子が乱雑に並んでいる。

 机の上や床には動物や人型生物のドクロと小石が散らばっている。

 部屋の西と南には扉があるのが分かる。

 

「ヒャーハハハ」

「ヒャーッハッハッハッハ」

 部屋の中では残虐なオニクスが、ここで「ドクロ遊び」と呼ばれる、

 頭蓋骨に石を投げつけるゲームに興じている。

 茜はそれを見て不快な表情になり、すぐさま身構える。

 オニクス達はそんな茜を見るや否や、武器を取って四人に襲い掛かった。

 

「いくぞ、食らえ!」

 デリサルはレイピアを握り、敵のオニクスに向かって走り出した。

 しかし、彼の攻撃はオニクスの戦士の鎧に弾かれてしまった。

「ぐはぁっ!」

 その隙に、オニクスの戦士はグレートソードでデリサルを斬りつけた。

 デリサルは痛みに耐えながら身をかわしたが、かすり傷を負ってしまった。

 アエルスドロはデリサルの後ろからオニクスの戦士に近づき、炎の剣を振る。

 オニクスの戦士はグレートソードでアエルスドロを切り裂こうとしたが、

 運が良くなるツアーの効果で攻撃をかわした。

「cadre sacre!」

「ギャアアアアアアアアア!!」

 茜はアエルスドロの横で呪文を唱えて神聖な力を呼び起こし、

 オニクスの戦士に光り輝く炎を落とした。

 オニクスの戦士は光の炎に包まれて、悲鳴を上げた。

「ド・イグニ・ラ・ナチュ・デ・ポク!」

 レイはテーブルの後ろに隠れ、呪文を唱えてオニクスの戦士に熱光線を3本放った。

 2本はオニクスの戦士に命中したが、1本は外れて壁に当たってしまった。

 オニクスの戦士はレイの攻撃で火傷を負ったが、まだ戦意を失っていなかった。

「「ジャンプ!」」

 二体のオニクスの戦士は飛び上がる魔法で、テーブルの上に飛び乗った。

 彼らは高い位置からレイを狙っていたが、

 レイは彼らの動きに気づいてテーブルの下に潜り込んだ。

 オニクスの戦士達はレイを見失って、焦り始めた。

 

 デリサルは再びオニクスの戦士にレイピアを持って忍び寄ったが、

 オニクスの戦士はグレートソードでデリサルのレイピアを弾いた。

 オニクスの戦士はデリサルにグレートソードで反撃したが、

 デリサルは素早く避け、激しく互いに斬り合った。

「はぁぁっ!」

 アエルスドロはオニクスの戦士に炎の刃を振りかざした。

 今度は運が良くなるツアーの効果で、オニクスの戦士の防御を突破した。

 アエルスドロの炎の刃はオニクスの戦士の肉を切り裂き、血と火が飛び散った。

 オニクスの戦士は苦痛に呻きながらアエルスドロにグレートソードで応戦したが、

 アエルスドロは盾で攻撃を防いだ。

「cadre sacre!」

 茜はオニクスの戦士に光の魔法を放った。

 光を纏った炎はオニクスの戦士の体に炸裂し、オニクスの戦士は倒れた。

「……よし、大丈夫だね。凍れ!」

 レイはテーブルの下から出て、オニクスの戦士に冷たい光線を放った。

 彼女が放った光線はオニクスの戦士に命中し、オニクスの戦士は凍え動きが鈍くなった。

 二体のオニクスの戦士はテーブルの上からレイに飛び降りて攻撃しようとしたが、

 レイは素早く逃げた。

「たぁっ!」

 デリサルとオニクスの戦士は激しく互いに斬り合った。

 アエルスドロはオニクスの戦士にフレイム・タンで襲いかかった。

 今度も運が良くなるツアーの効果で、オニクスの戦士の防御を突破した。

 アエルスドロの炎の刃はオニクスの戦士の体を焼き尽くし、オニクスの戦士は力尽きて倒れた。

「cadre sacre!」

「ギャアアアア!!」

 茜が放った光を纏った炎はオニクスの戦士の体に炸裂し、オニクスの戦士は悲鳴を上げた。

「凍れ!」

 レイが放った冷気光線はオニクスの戦士に命中し、オニクスの戦士は凍えて動きが鈍くなった。

 オニクスの戦士はアエルスドロにグレートソードで斬りかかったが、

 アエルスドロは運が良くなるツアーの効果でオニクスの戦士の攻撃をかわした。

 

「そら!」

 デリサルのレイピアはオニクスの戦士の鎧を貫き、

 急所を突いてオニクスの戦士に大きなダメージを与えた。

 オニクスの戦士は流石にこれには耐え切れず、血を吐いて倒れた。

「これで、とどめだ!」

 そして、アエルスドロの炎の剣がオニクスの戦士を焼き尽くし、戦闘は終わった。

 

「何とか勝てたみたいだね……」

「この辺にはお宝もないし、先に進むか」

「そうですね」

 

 四人が西に進むと、ついに風の砦の大部屋に辿り着いた。

 この部屋は床が緩やかなすり鉢状で、天井が6mある。

 茜が足を踏み入れると、大部屋に佇んでいた岩でできたゴーレムが僅かに動いた。

「これが、風の砦のボスですか?」

「でも、あれを見ろよ。アミュレットがあるぜ」

 岩でできたゴーレム――ロックゴーレムの首にはアミュレットがかかっている。

 ロックゴーレムは茜達の姿を認めると、ゆっくりと歩み寄る。

 どうやら、風の砦の侵入者を排除するようだ。

 主の姿は見当たらないが、主を失ってもなお、命令を遂行しようとしている。

「……分かり合う事は、できないようですね」

 茜は鞭を構え、ロックゴーレムを迎え撃つ。

 アエルスドロ達も武器を構えて、ロックゴーレムを倒そうとした。

 

「要するに、あのアミュレットを壊せばいいんだろ?」

 デリサルはロックゴーレムの首にかかった輝くアミュレットをレイピアで突こうとしたが、

 不運にも攻撃は外れた。

「くそっ!」

「私がやる!」

 アエルスドロは炎の剣を振るい、一撃目でロックゴーレムに深い傷を負わせた。

 そして、運が良くなるツアーの効果で二撃目でアミュレットを正確に打ち砕いた。

「これであいつは弱体化した、ラ・ロタ・ド・イグニ!」

 レイは強力な火炎弾を放ち、ロックゴーレムを焼き払った。

「gardiens spirituels!」

 茜は呪文を唱えて光の精霊を召喚し、神聖な光で敵を包み込んだ。

 ロックゴーレムは反撃を試みたが、デリサルは巧みに避けた。

 デリサルは再び攻撃を仕掛け、レイピアでロックゴーレムの弱い部分を突いた。

 アエルスドロはフレイム・タンで連続攻撃を繰り出し、

 ロックゴーレムは炎と斬撃のダメージに苦しんだ。

「ラ・ロタ・ド・イグニ!」

 レイが放った火炎弾は大爆発し、ロックゴーレムはあっさりと倒された。

 

「これでついに、風のエレメントが手に入りますね!」

「……にしては少し、あっさりしすぎた気はするが」

 アエルスドロが不穏な事を言いながら、風のエレメントが現れるのを待つ。

 しかし、いくら待っても、風のエレメントが現れる事はなかった。

 代わりに現れたのは、光り輝く魔法の真珠だった。

 レイはそれを拾うと、風の砦にエレメントがない事に気づく。

「これはパワーパールみたいだね。どうやらここにはエレメントはないみたいだ」

「えぇっ!? ここまで来たのにそれはないぜっ!!」

 無駄骨になったため、デリサルは悔しくて地団太した。

「ラファエルは風のように気まぐれさ。

 だから、旅立つ時にエレメントも持っていったのかもしれないね」

 四大天使の一人・ラファエルはまさしく風、その姿を見たものは少ない。

 だから、茜達が風の砦に行く前に、ラファエルは消えてしまったのだろう。

「そんな……じゃあ、風のエレメントはどこに……」

 同じく茜も落胆するが、ここに長居するわけにはいかない。

 まずは、この風の砦から転移の魔法陣で出る事にするのだった。

 

「エレメントはなかったけど手掛かりは掴めたね。ラファエルはあちこちを旅しているみたいだ」

「さあ、もう一つのエレメントを探しに行こう」

 残っているエレメントは、海の神殿にある水のエレメント。

 茜達はガブリエルを探し、エレメントを手に入れられるだろうか。

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