銃器が弱すぎる世界に転生したけど銃知識と現代戦術知識で成り上がる   作:佐々牙嵯峨兎

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19.恋愛調査中編

 俺とヴィンセントはアリスに気付かれないように、物陰に隠れながらついて行く。その中でヴィンセントが小声で静止してくる。

 

「(アレス、お前本当に大丈夫か? なんか変な圧を感じるんだが)」

「(幼馴染みとして確認するだけだ。そう、確認するだけだ)」

「(だけど周りから変な目で見られているから止めろよ!)」

 

 少し周りを見ると村人達がひそひそと俺とヴィンセントの事を話していた。

 

「あれってリーベットさんが営んでいる孤児院の子よね?」

「まさかこんなことをするなんて……」

「(ほら見ろ、これ以上変な目で見られる前に帰るぞ!)」

 

 確かにこれ以上変な目で見られるとリーベット先生に叱れるかもしれない。

 だが俺はヴィンセントの肩を掴んで睨みつける。

 

「じゃあ、もしアリスが襲われたら見て見ぬ振りをするのか?」

「いや、同じ場所で育った奴が襲われたらほおっておくわけないぞ」

「俺も同じことだ。分かったら急いでついて行くぞ」

「……これ自分が悪いのか?」

 

 ヴィンセントは呆れつつも、俺と尾行を続ける。

 しばらく歩いていると、中くらいの店があってアリスはそこに入る。

 ココがアリスのバイト先か。

 昨日聞いた言い寄っている奴はどんな奴なんだ? 膝を床に付きつつ窓から少し見上げると、そこにはアリスと仲良く話している商人の青年がいた。

 容姿は白雪のショートにサファイヤのような碧眼、きめ細かい顔つきに髪の隙間から猫の耳がちらりと見えて獣人系だろう。

 猫商人はアリスと楽しく会話している、確かにハンサムで紳士だろう。

 

(現実は何で不平等なんだよ!)

(そっとしておこう……)

 

 ヴィンセントが可哀そうに見て、俺は窓の縁を強くかじって妬んでいると、猫商人がいきなりアリスの頭をなで始める。

 俺は怒りが込み上がって怒声を上げてしまう。

 

「アァァアアアン!?」

「おい、馬鹿!」

 

 俺が怒声を上げると、ヴィンセントは慌てて口を塞ぎながら路地裏の方に引っ張る。

 俺とヴィンセントが隠れたと同時に、アリスが顔を突き出して辺りを見渡す。

 少し見渡していると猫商人がアリスに近づき聞いてくる。

 

「どうしたのですか? 外を見て……」

「イエ、ちょっとアレスとヴィンセントの声が聞こえたので。それより糸くずを取ってくれてありがとうございます」

「いえいえ。あなたのような可憐な少女に相応しくない様にしたくないので」

 

 ケッ! どうせほかの女の子にも同じことを言っているだろ? 

 今すぐその端整な顔立ちを凸凹にしてやりたい、だがヴィンセントに拘束されて突撃する事は出来ないが、少しだけ隠れながら部屋の中を見ると木箱を渡しているのを見た。

 その箱は何だ? もしかして、大切な何かが入っているのか? 

 

「君に頼まれた者ですよ、あなたのために苦労しました」

「ありがとうございます!」

 

 アリスは猫商人からもらった木箱を大切そうに抱きながら満面の笑みを浮かべる。

 俺の脳裏に最悪な答えを導いてしまった。

 これってもしかして結婚──。

 

「ガハッ!?」

 

 しかし答えを理解する前に脳がショートしてしまい吐血してしまう。

 ヴィンセントが俺の肩を掴んで揺さぶりながら大声で叫ぶ。

 

「おい、しっかりしろ! 気を保て!」

「ヴィンセント見ろよ。翻弄鳥(トリッキーバード)小鬼(ゴブリン)に無双しているぞ」

「それ絶対幻覚だろ!? 頼むから正気に戻ってくれー!」

 

 ヴィンセントは俺に突っ込みを叫んでいるが、空しくもレレイア村に響き出す。

 その時にアリスと猫商人が俺に駆け寄ってくる。

 

「アレス大丈夫なの!?」

「これは一体……そこの君! この子に何が起きたか教えてくれないか?」

 

 猫商人はヴィンセントの方に一体何が起きたか聞こうとする、だがヴィンセントは気まずそうに答える。

 

「えっとこれは……誤解です」

「ハイ?」

 

 猫商人は一体何を言っているか分からず首を傾げる、アリスの方は焦ってどうすれば良いか分からずにしている。

 嗚呼、まさかアリスがもうけがされていた何て……こんなのアァァぁンマリダァァアァ! 

 俺が心の中で叫びながら大粒の涙を流しているとアリスが驚きだす。

 

「ちょっとヴィンセント! アレスに変な事吹き込んでいるでしょ!?」

「それは違う! アレスが誤解しただけだ!」

「今は喧嘩している場合じゃ無いよ、とにかく孤児院に運ぶよ!」

「「ハ、ハイ!」」

 

 猫商人は俺を抱えて孤児院に走って向かう。

 あれ? なぜか少しだけ柔らかいような……? 

 しかしここで意識が途切れてしまった。

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