食事処・十三腕   作:シロネム

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~7食目~ ノースティリス流フルコース

 

砂塵が舞うアビドス砂漠。

爆風によって吹き飛んだ建造物。

 

圧倒的な熱量によって塵となったカイザーPMC理事。

 

乾き切った砂に混じる灰がその悲惨さを表しており、硝煙の香りが漂う惨状に誰一人として声を発せなかった。

 

 

「さて……無事にホシノ君も助けられたみたいですし、帰りますよ2人共」

 

「……ニャ」

 

「ぶ、無事? えっ……?」

 

「……? どうされたのですか? そんな神話生物にでも遭遇したような顔をして」

 

 

先程まで爆心地で優雅にクリームソーダを堪能していた店主は、言葉を失い唖然としている2人とアビドスの面々見て、何かあったのかと怪訝そうな顔を向ける。

 

 

「「……」」

 

「2人共? 一体どうされたと――」

 

 

 

「「どうされたじゃなーーーーい(ニャ)!!!」」

 

「……?」

 

 

 

「ニャんで? ニャんでご主人は原子爆弾を使ったニャ!?」

 

「危うくホシノちゃん達が死んじゃう所だったんですよ!?」

 

「なんでと言われましても……証拠隠滅とストレスの発散ですかね。それに、当たらないよう距離は計りましたし、仮に死んだとしても生き返らせましたよ?」

 

「そういう問題じゃないニャ!!!」

 

「ひぃん……この店長、やっぱり頭おかしいよぉぉぉぉ!」

 

 

心底意味が分からないといった表情を浮かべる店主。

 

原子爆弾の爆発範囲は当然把握しており、十分な距離を取ったから起爆したというのに、一体何が問題なのだろうか? 下手に痕跡を残したくもなかったし、先生の頼みだからこそ態々アビドス砂漠まで来たというのに……。仮に巻き込まれたとしても、復活の魔法を唱える用意もあったのに、なぜ? なぜ? なぜ? なぜ?

 

 

「…………あぁ、なるほど。私だけクリームソーダを頂いたのが気に触ったのですね。ご安心下さい、皆さんの分も用意してありますよ」

 

 

そう言うと店主はバックパックからテーブルを取りだし、人数分のクリームソーダを並べていく。シュワシュワと溢れる炭酸に、芳醇なメロンの香り。キンキンに冷やされたメロンソーダの上に鎮座する、濃厚で美味しそうなバニラアイス。

 

 

「ささ、どうぞ。溶ける前にお召し上がりください。砂漠は暑いですからね。もちろん、お代は結構です。私もストレスの発散が出来て満足ですので」

 

 

ちゃっかり自分の分も用意した店主は、キンキンに冷えたグラスを持ち上げ、ストローを刺し、クリームソーダを飲む。

 

 

「やはり、灼熱の砂漠で飲む冷たい飲み物は格別ですね。……おや? 皆さん飲まれないのですか? せっかくのクリームソーダがぬるくなってしまいますよ?」

 

 

プチの乳から作ったアイスクリームは、やはり美味しいですね。この世界の住人であるユメの乳や卵も気にはなりますが……ブリーダーにはなりたくないみたいなのが残念です。

 

 

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

 

"……うん。色々と言いたいことはあるけど……とりあえず頂こうかな。…………はぁ"

 

 

★★★★★

 

 

――アビドス高校

 

 

校舎へと戻ってきた一行は、店主とクロ、それから元アビドス生徒会長であるユメ先輩を迎え入れ、今までの事について話していた。

 

あの日、何があったのか。どうして砂漠に向かったのか。言いたいこと、聞きたいこと……伝えたい事が山程あった。

 

 

――もう二度と会えないと思っていた先輩が、目の前で笑っている。

 

 

その現実は、ホシノにとってこれ以上無いほどの幸福だった。

 

 

「それでね? 店長の所でいっぱい修行してたんだ~」

 

「修行ですか?」

 

「うん! 3食ハーブを食べ続けて、ドラゴンに食べられたり、巨人に叩き潰されたり……」

 

「はい!?」

 

「ん、言ってる意味が分からない」

 

「えぇ~? 全部本当のことなんだってば~」

 

「ニャ。実際、ここまで強くなるのに少なくとも1000回は死んでるニャ」

 

「うへぇ~、ドラゴンに齧られるのも、巨人に踏み潰されるのも慣れちゃったよぉ」

 

「「「「……」」」」

 

"店主さん……?"

 

「私が育てました。どうです? その気になれば自治区の一つや二つ、単独で落とせると思いますよ」

 

「いやいやいや、落としませんよ~!? 店長は私の事をなんだと思ってるんですか~」

 

 

……

 

 

"生徒を殺さないでって言ったよね……?"

 

「私は殺していませんよ? やったのは終末ですし、これはユメ自身の希望です。私は道具を貸したに過ぎません」

 

「ひぃん……ラグナロクにはお世話になりましたぁ……」

 

 

生き返ってから、今まで何をしていたのか。店長に拾われた後の生活について、洗いざらい話しきったユメ。新しくアビドスに入学してくれた後輩の顔を眺め、満足気に頷いた彼女は、

 

 

 

 

――帰り支度を、始めた

 

 

 

 

「ふむ……。明日の仕込みもありますし、そろそろ帰りましょうか」

 

「はぁい。それじゃぁ、また遊びに来るからね~」

 

「ニャ。そろそろ帰るニャ」

 

「ま、待ってください! ユメ先輩! ――アビドスに、戻ってきてくれないんですか……?」

 

「う~ん、アビドスにはもちろん戻りたいんだけどね。……店長との約束で、お店を手伝うことになってるんだ~」

 

3食終末付きです。復活の対価としては安いのでは?」

 

「ははぁ~、店長にはお世話になっております~! ……そういう訳だから、ごめんね? ホシノちゃん」

 

「そんな……っ」

 

"……"

 

 

実の所……店主としては、ユメに固執する理由はさほど無かった。畑や牧場など各種施設の管理をしてくれるのは有難いが、特別ユメでなければならない訳でもなく……、この世界で魔法が使えるか実験した所、たまたま成功してしまったのが彼女なのだ。

 

 

話し相手としては最高だ。正直、ムーンゲートを見つけたら、ノースティリスに連れ帰ろうと思う程には愛着が湧いている。

 

 

ただ……ユメの意思を無視してまで強行する程の事でもないと思っている。

 

 

 

――何処かのラファエロ(嫁泥棒)とは違うのだ

 

 

 

"ねぇ、店主さん"

 

「はい、どうされました?」

 

"アビドスにユメを通わせてあげられないかな?"

 

「ふむ……?」

 

"生き返ったってなると、死亡届はなかったことになる訳で……そうなると、アビドスの生徒としての籍が元に戻るんだよね"

 

「まぁ、そうなりますね?」

 

「先生?」

 

"あの、凄く言い難いんだけど……このままだと単位不足で一生卒業出来ないと思う"

 

「……」

 

 

――単位不足

 

死亡扱いとして連邦生徒会に処理されていた頃とは違い、アビドスの生徒として扱う以上、彼女の死亡扱いは取り消されることとなり……数年分の不足単位を補う必要が出てきてしまう。

 

 

当然、単位が足りていない以上卒業する事も出来ず……このままでは名義だけ残り続け、一生留年扱いとなるだろう。

 

 

「……そうなのですか?」

 

「え……えっ? は、初耳なんですけど……!? ひぃん……う、嘘ですよね先生~」

 

"……ごめんね?"

 

「そんなぁ~……折角、店長の下で特訓してたのにぃ~」

 

"そういうわけだから、アビドス高校の3年生として留学させてあげたいんだけど……"

 

「構いませんよ」

 

"代わりと言っては…………えっ? 今、なんて……"

 

「ですから、構いませんよ。その学校が終わってから手伝って頂ければ十分ですから」

 

"……いいの?"

 

「はい。それに、今のユメでしたら……D.U地区にある私の店まで、走って数十秒で着くと思いますので」

 

"……はい?"

 

「き、聞き間違いでしょうか……?」

 

「わぁ~☆ 凄く速いですね~☆」

 

「ん、私より速い」

 

「いやいやいや! 常識的に考えて有り得ないでしょ!?」

 

「ゆ、ユメ先輩……今の話って本当ですか……?」

 

「そ、そんなに速くないよ~。全力で走っても1分はかかっちゃうと思うなぁ~」

 

「そうですか? 速度、4桁に届いてますよね?」

 

「それは……うん。店長のくれた飲み物のおかげで届いてますけど~」

 

 

「「「「「……」」」」」

 

 

"いや……うーん。店主さんが規格外なのは分かってたけど……生徒まで規格外になってるとは思わなかったなぁ……"

 

「先生。先程言いかけた代わり……とは?」

 

"あー……えっと、ユメをアビドスに通わせる代わりに、アビドスの生徒達に当番制度を適用しようかと思ったんだけど……"

 

「当番制度?」

 

「……ってなに?」

 

"えっとね、当番制度って言うのは……"

 

 

シャーレと企業提携した恩恵の一つ。各自地区の生徒にお店の営業を手伝って貰う制度。

 

 

"給料は出ないんだけど……それに、強制って訳でもないから、もしみんなが良かったら~って……思ったんだけど"

 

「賄いと、ある程度のお土産は出しますよ」

 

 

……

 

 

「ユメ先輩は……」

 

「ほぇ?」

 

「……なんでもないです」

 

「……そうですね。アビドスの皆さんが来る時は、ユメにも店番をさせましょうか。お手本にもなるでしょうし」

 

「え……いいの!? その間、畑とか工場の管理は……」

 

「それは僕がやるニャ。折角だから、おみゃーは接客に回るニャよ」

 

「~~~~! ありがとう! クロちゃん!」

 

「ニャ~」

 

 

感極まった様子のユメがクロを抱き上げ撫で回す。数ヶ月間一緒に居たこともあってか、3人の仲は魂の友と言っても過言では無い程に深まっていた。

 

 

「……折角ですし、今から私の店に来られますか? 夕食ぐらいは振る舞いますよ」

 

"店主さんの料理! ……でも、今からだと時間が――"

 

「問題ありません。……と言っても、信じられないでしょうから――」

 

 

バックパックから1枚のスクロール(帰還の巻物)を取りだし、読み上げる店主。

 

 

――周囲の大気がざわめきだした

 

 

読み上げてから数秒、虚空から現れた次元の扉を開き、ユメとクロを連れて中へと入っていく店主。目の前で起きた不思議な現象に目を白黒させる対策委員会達だったが……扉を抜けた先に広がる光景に唖然とすることしかできなかった。

 

 

 

 

「いらっしゃいませ。食事処・十三腕へようこそ」

 

 

 

 

「「「「「……」」」」」

 

 

「あれ? 店長、帰還の魔法覚えてないの~?」

 

「勿論、覚えていますよ。今回は、皆さんが分かるように巻物を使っただけです」

 

「なるほど? 確かに、魔法なんて言われても信じられないよね~」

 

「……ニャ~。巻物だとしても、何が起きたか分かってないみたいだニャ~」

 

 

一瞬にしてD.U地区へと移動した。事実として目の前には飲食店の光景が広がっているが、一般キヴォトス人としては理解不能な現象に直面した結果、

 

 

対策委員会の脳内には宇宙が広がっていた(暗記-4)

 

 

「あれ? そういえば、魔法とかスクロールって使っていいの? 気づかれたくないとか言ってたような……」

 

「構いません。あなたの存在をアビドスに見せた時点で今更です。仮にですが、ゲマトリアが干渉してくるようでしたら、私が喜んで殺します」

 

"……ゲマトリアって、黒服の――"

 

「――っ」

 

「うへぇ~、店長過激ですね~」

 

「丁度彼らの固定アーティファクトも欲しかったので。殺す機会を伺ってはいたのですが、あまり巡り合わず……。まぁ、ちゃんと蘇生はしますよ。身包みを全部剝いだ後にですけど」

 

「う~ん、聞いてた通りと言いますか……店長って根っからの犯罪者だよね」

 

 

ノースティリスに居た頃、暇つぶしがてら街を原子爆弾で吹き飛ばしたり、隕石を振らせていた店主。当然、カルマ値は-に振り切っており、街に立ち入ればガードに襲われるような犯罪者である。

 

 

――ガード! ――ガード!

 

――犯罪者め! 生きて帰れると思うな!

 

 

……最も、全ての街のガードを1人残らずサンドバッグに吊るしているため、犯罪者を襲いたくても襲えないのだが――

 

 

「彼らは生徒では無いですし、殺しても良いですよね?」

 

"えっ? ……いや、えっと、生徒じゃないから殺していいと言う訳でも、ないんだけど……"

 

「そうですか……」

 

「ま、まぁまぁ! 心配なくても大丈夫ですよ! 店長!」

 

「別に心配はしてませんよ? ……と言いますか、今のあなたをどうにかできる存在なんて、それこそノースティリスにしか居ないでしょうから」

 

「それもそうですね~……って、私をこんな廃人にしたのは店長じゃないですか~!?」

 

「否定はしません。……っと、思わず話が弾んでしまいましたね。すぐに料理をお持ちしますので、おかげになってお待ちください」

 

 

エプロンを身につけ、厨房へと入っていく店主。13本の腕を巧みに使い分け、順に調理を行っていく。

 

 

「えっと、とりあえず座って座って~! 私も、今のアビドスのお話を聞きたいな~」

 

「……と言われましても、何から話したらいいのか」

 

「ん、色々あった」

 

「あの、ワケわかんない事が起こり過ぎて、情緒が追いつかないんだけど……」

 

"店主さんについては……あまり考えない方がいいかも"

 

「……そうですね~☆ それじゃあ、私が入学した時のお話からしましょうか☆」

 

 

★★★★★

 

 

「……楽しそうですね」

 

「ニャ~。……羨ましいのかニャ?」

 

「……」

 

 

街を出れば盗賊に襲われ、何とか逃げ帰っても強盗に金貨を奪われ、通りすがりに斬り殺され、話しかければ嫌な顔をされる。

 

廃人になるまでの数十年間、地獄のような経験を積まされ続けた結果が今の店主なのだが……

 

 

「……そうですね。向こうでは絶対に見ることの出来ない景色ですので――少し、眩しいです」

 

 

店主にとって、平和に友人と仲睦まじく過ごしている姿は、とても尊いものであった。

 

 

「クロ、地下シェルターにある終末産ドラゴンの肉を取ってきてください」

 

「ニャ~、了解ニャ」

 

 

4次元ポケットから取り出したクジラを、バーベキューセットで活け造りにし、露天で買った野菜を刻み、サラダを仕上げる。

 

オレンジを搾り、プチの乳と混ぜたお手製のラッシーを用意し、13本の腕で抱えた店主は、前菜としてテーブルへと運んでいく。

 

 

「ずっと思っていたのですが、ホシノ先輩とユメ先輩ってそっくりですね☆ 出会った当時はもっと……」

 

「ちょ、ちょっとノノミちゃん!」

 

「ん、確かに似てる」

 

「言われてみれば、普段のホシノ先輩はまるでユメさんのような……」

 

「ていうか、まんまその通りじゃない」

 

"み、みんな、その辺りにしておいた方が……"

 

「うぅ……ぐすっ……私が居ない間に、こんなに可愛くなったんだねぇ、ホシノちゃぁん」

 

「~~~~~っ!」

 

顔を赤くし、ユメへと抱きつくホシノ。数年前とは打って代わり、大人しくて可愛い……まるで小動物のような様子のホシノの頭を撫で、抱き上げた。

 

 

「お待たせしました。こちら前菜です。すぐに主菜を用意しますので、今暫くお待ちください」

 

 

テーブルからはみ出す程巨大な、魚の活け造り。綺麗な赤身肉が1枚1枚丁寧に並べられ、隣のテーブルに置かれた空き皿の上に添えられるクジラの生首。

 

7人どころか、20人で食べても余る程の量の前菜。先程まで楽しそうに話していた面々は、目の前に置かれた異常な量の活け造りに言葉を無くしてしまった。

 

 

「お代わりもありますので、遠慮なくお申し付けください」

 

"……ちょ、ちょっと待ってくれるかな!?"

 

「はい? どうかされましたか、先生」

 

"こ、これ、なんの魚? というか、こんなに食べられないと思うんだけど……"

 

「これですか? これは先日、近隣の川で釣り上げたクジラです。黒服にも好評だったので、味は保証しますよ」

 

「「「「「……」」」」」

 

「わぁ~、クジラのお刺身久しぶりだなぁ~」

 

"いや、えぇ……? 黒服何やってんのとか、ツッコミたい所が山ほどあるんだけど……キヴォトスのクジラって川に生息してるの?"

 

「そ、そんなことないですよ!? 」

 

「い、いや、クジラは海にいると思うけど……」

 

「とても美味しそうですね~☆」

 

「あの、と言いますか、クジラって釣れるものなのでしょうか?」

 

「ん、今度釣り方を教えて欲しい」

 

「シロコちゃん!?」

 

「……そう言えば、黒服も川でクジラが釣れる事に驚いてましたね。向こうではよくある事だったのですが」

 

"よくある事だったの!?"

 

「えぇ、まぁ。もし食べられなければ、残して頂いても構いませんよ。変わりは幾らでもありますので」

 

 

お店から空いてるテーブルを運んできた店主は、サラダと人数分のラッシーと取り皿を並べ、厨房へと戻っていく。各種調味料を置き、飽きないよう工夫がされたクジラの活け造りは、鮮度が良いのか輝いて見える程綺麗な赤色を放っていた。

 

 

「わぁい~! いただきま~す!」

 

「ちょっ、ユメ先輩!?」

 

 

取り皿にクジラ肉を取り、生姜醤油に浸して口に運ぶ。適度な弾力と、クジラの独特な香りが口の中で生姜醤油と混ざり合う。サッパリとしつつも、確かな食べ応えのある赤身肉に舌鼓を打つユメ。

 

 

「ん~~~! やっぱり美味しい~~っ! ホシノちゃんホシノちゃん! 美味しから一緒に食べよ? はい、あ〜ん」

 

「ユ、ユメ先輩!」

 

「ほらほら~、あ~ん」

 

「……(もにゅ)」

 

 

ユメに抱えられ身動きが取れないホシノは、口元に運ばれたクジラ肉を恥ずかしがりながら頬張る。こんな所でクジラを目にして、あまつさえ食べる事になるなんて……っと思っていたホシノだったが、

 

 

――その考えは、口いっぱいに広がるクジラの味に消し飛ばされた

 

 

「お、美味しい……。なにこれ、すっごい美味しい!」

 

「でしょ~? あ、みんなも食べよ~? 私のオススメはね~この生姜醤油に付ける食べ方なんだ~」

 

 

2人の反応から見て、間違いなく美味しいのだろう。 空腹も相まってか、人生初のクジラ肉に手を伸ばす一同。ユメからオススメされた食べ方で口に運び……そのあまりの美味しさに箸が止まらくなっていた。

 

 

「く、クジラってこんなに美味しいんですね!?」

 

「わぁ~、とっても新鮮です~☆」

 

「パクッ……モグモグ……ッ! ……パクッ……」

 

「セ、セリカちゃん?」

 

「ん、美味しい」

 

"これがクジラの味なんだ……"

 

 

食べる。食べる。食べる!

 

目の前に置かれた巨大な活け造りをパクパク食べていく。山葵塩やマヨネーズなど、味を変えつつクジラ肉を楽しんでいく。

 

 

そのように料理を楽しんでる間にも、店主は調理を進めていき――

 

 

「お待たせしました。グリーンドラゴンのステーキに、旬の野菜の天ぷら。プチ風味のキッシュとクロワッサンです。デザートにはレアチーズケーキやフルーツパフェ、アピの実のザッハトルテも用意してありますので、存分にお楽しみください」

 

 

テーブルの隙間を埋め尽くすように並べられていく料理の数々。足りなくなる度にバックパックからテーブルを取りだし、並べていく。

 

 

・巨大なドラゴン?のステーキが7枚

・数十種類の野菜の天ぷら盛り合わせが7皿

・深皿1枚を埋め尽くすサイズのキッシュが7皿

・バスケットに入った大量のクロワッサン

・レアチーズケーキのホールが7つ

・フルーツが大量に盛られた特盛パフェ7個

・アピの実を用いたザッハトルテのホールが7つ

 

 

次から次へと置かれていく料理達。普段であればこのような事はしないのだが、原子爆弾によるストレス発散と、魂の友と呼べるであろうユメが楽しそうに後輩達と話している光景を目の当たりにし……

 

 

 

 

――端的に言って、テンションがぶち上がっていたのだ

 

 

 

 

「「「「「……ちょっと待てぇ!!!」」」」」

 

 

 

 

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