艦娘になった少年〜呉鎮守府の転生者〜 作:照明担当
「もしもし」
夜の呉鎮守府
艦娘達が寝静まったころに、呉鎮守府の提督である多賀正広大佐はとある人物と電話していた
「久しぶりじゃの、多賀くん」
電話から聞こえてくる声は老いを感じるが、それも合わせて貫禄があるものだった
「こちらこそ久しぶりです。佐藤元帥」
だが、貫禄があるのは当然だ
なぜなら電話の相手は海軍副司令長官、つまり海軍のNo.2だからだ
「さて、何故電話をしたか…単刀直入に言おう。鬼桜大将が動き始めた」
「っ!それは本当ですか!」
鬼桜大将
それは艦娘道具派の重鎮の一人である人物
彼は階級こそ高いが、あまり動くことが無い
そのため艦娘人権派の者達にとって、彼が動くことは恐るべきことだった
「ああ、本当じゃ。まだどんな動きをするかは分からんが、わしの予想的には次の大規模作戦を狙っていると考えておる」
「次の大規模作戦は私達のような小規模なところも参加するので、そこで一気に潰す…といったところでしょうか」
「そうじゃろうな。残念ながら今回の作戦はわしはあまり手を出せん。鍵口中将も動きにくいじゃろう。すまぬがお主の身はお主で守っておくれ」
「分かりました」
_____________________________
「ふわぁ…」
「霞ちゃん!おはよう」
「おはよう…吹雪」
あぁ眠い
転生しても朝弱いのは変わらないかぁ
「司令官もおはようございます」
「吹雪も霞もおはよう」
「うぅん…おはよう」
「え?」
「ん?」
「あ」
やべっ、眠すぎて意識していなかった
言ってしまった…
「おぉ!霞!ついに言ってくれたか!」
「バカッ!違うわよ!」
くそっ朝弱いせいで
一生イジられてしまう
んー?あれ?司令官…なんか様子がおかしいな
なんかいつもより、イジり具合が弱い
…イジり具合ってなんだ?
「ねぇ司「提督さん!おはようございます!」あ、あの「おおう!元気だな由良おはよう」クズ司令官!」
「んお?なんだ霞?」
やっと聞こえたか
つくづくタイミングが悪い
「なんかいつもと様子違くない?いつもより無駄な威勢がない気がするんだけど」
「え?そ、そうか?そんなことないぞぉ」
隠し事下手すぎじゃない?
流石にバレるよ
ほら吹雪と由良も
「そうかな?」
「いつもと同じ気がしますけど」
…あれ?
何故気づかない!
鈍感すぎるでしょ
いや…まぁいいか
後で問い詰めれば
「ま、まあとりあえずご飯を食べよう!」
「それじゃあ今日は自由行動だ!訓練とか部屋でゲームとかしといてくれ」
「分かりました司令官」
さて、司令官を問い詰めるとするか
「クズ司令官」
「な、なんだ?」
なんと白々しい
要件は分かってるだろうに
「なんで様子が変なの?なんかあったてことでしょ?」
「いや…そんなこと…」
まだ認めないか
じゃあこの手を使うか
「じゃあなんで、昨日誰かと電話してたの?」
「っ!?」
実は聞いていたんだよ
昨日誰かと電話していたところを
内容は聞き取れなかったけど、確実にだれかと話していた
かろうじて聞き取れたのは『鬼桜大将』という言葉だけだった
誰かは知らないけど
「聞いて…いたんだな」
「たまたまよ。電話の内容は聞けてないから安心して」
「ああ…分かったよ。これはお前にだけ言うことだ。他の2人には絶対言うなよ」
「分かってるわ」
司令官がこんな事を言うとはかなり珍しい
「艦娘道具派の事は知ってるだろ?そこの重鎮が近々来る大規模作戦で動こうとしているんだ。何をしてくるかは分からんが…。それは俺達も参加する大規模作戦だからな。お前達を心配して…な?」
艦娘道具派…そしてその重鎮が動く?
確かにそれは拙いし、心配性の司令官ならそんな事考えるわよね
…でも重鎮ってだれだろう?鬼桜大将のこと?
でも鬼桜大将は電話の相手かもしれないし、聞いても教えてもらえないわよね
そこは自分で考えるしかないか
「難しい顔をしてるが…理解してくれたか?」
「まぁ気になる事はあるけど、一応は納得してあげる」
「ありがとよ」
とりあえず部屋に戻って調べ物でもしようかな
「はぁ…霞にバレるとは…納得してくれて良かったよ…本当に」