椚ヶ丘中学、日本でも指折りの進学校。そこの生徒としている俺。何をする訳でもなく、普通に学び、普通に暮らしていたはず。
···でも、ある時に兄が自殺したことでショックを受けた俺は喧嘩にあけくれてた。いわゆる
そんなことしかしてなかった俺は···E組に落とされることになった。
椚ヶ丘の少し···というかかなりおかしくないか?とは思うクラス分け。いわゆる落ちこぼれ。通称エンドのE組だとか。あんましE組差別とか興味なかったからそんな蔑称付いてることは知らなかったけど。
ただ、そんなことを通達されたあと、当然と言えば当然なんだが、担任に「もうお前の顔を見なくて済む」と言われるのはメンタル的にもキツい。
ただまあ、俺の差別意識とかが少なかったことからも、喧嘩暮らしを口実にしてただE組に落としたかっただけなのかもしれない。
そんなこんなで決まったE組行き。決まってしまったからには行くけど。
そんな覚悟を決めた矢先、俺のもとにある人達が来た。
「防衛省の烏間という者だ。まずはここから先は機密事項としてもらいたい」
そう話す烏間さんは俺に1枚の手配書?みたいなものを見せてきた。てかなんやこいつ。タコ?なのか?
「E組に加入する君にも、この
烏間さんいわく、このタコ?はつい最近月を7割型蒸発させた犯人だそうで来年の3月には地球も破壊するらしい。ただ椚ヶ丘中学の3-Eの担任ならやってもいいとの事でE組に依頼したのだそう。···は?
さらにマッハ20の速度で動けるし、普通の凶器じゃ殺せないそうだ。何そのチート。
「···は?」
こうなるのも無理はない。誰だってこんな話を聞かされたら頭にハテナマーク付くだろうし、は?とでも言いたくなる。事実俺はそうなったし。この話聞いて理解できる方がすごいと思うよ。俺はこのタコはヤベー奴だなって感じは直感的に感じ取ったけど月の破壊だとか次は地球をも爆破するだとか意味のわからないことを言ってきて理解が追いつかない。
「君がそう思うのも無理はない。ただこの暗殺を成功させることは地球を救うことと同義だ。この依頼、受けてもらえるだろうか」
あくまでも直感的ではあるけど、このタコがやべーやつであり、なおかつ地球が危ないってことはすぐにわかった。ここでしかやれないってなら俺はやるだけだと思う。郷に入っては郷に従えってやつ?
「分かりました···やります」
「分かった。では奴に効く弾とナイフを支給する」
そう言って烏間さんはゴムみたいなナイフとBB弾の弾を出した。こんなものが効くのか?
「安心してくれ。その弾とナイフは人間には無害だが奴への効果は保証する」
「はあ···」
まだまだ理解の及ばない俺をよそに烏間さんはガンガン話を進めていく。やると言った俺も俺だけど、ここまでトントン拍子に話が進むものなのか?
「早速だが、明日からE組に来て任務に当たってもらいたい」
「わかりました···」
やると言ったからにはやる。男に二言はないってやつ。だから、必ず殺る。
そんなこんなですぐに来てしまった翌日。いつものように椚ヶ丘の最寄りに降りる。
「うわ···あいつもうE組受け入れてるよ···」
「もうあいつとは関わらないようにしよ···」
これがE組になるってことなのかと言わんばかりの陰口。今すぐにでもぶっ飛ばしたい衝動があるが、無理やりにでも抑える。受け入れなければ今後やっていけないと思うから。この陰口があると考えると合理性を作るために少数を犠牲にする手段はまさに合理的ではあるし理解はできるけど納得はできない。合理性欲しさに人間性が歪んでしまっては意味がないと思う。そんなことを考えつつE組の校舎がある山奥へ向かった。
「君が南雲新くんですね?」
不意に自分の名前を呼ばれた。この声は烏間さんの声じゃないなって思って見上げてみるとなんかデカいタコが居た。
「でっか···ってあんたがこのクラスの先生でありターゲットってやつ?」
見てみると確かにでかい。まさにタコって言うべきタコ。ってか黄色いな。烏間さんが言ってたけどこいつはほんとに地球育ちの存在なのか?顔がかなり親しみやすいとはいえ普通にモンスターの域だと思うんだけど。普通に考えて怖いわ。
「あんたでもないしターゲットとも呼ばないでください!私は殺せんせーと呼ばれています。南雲くんもそうお呼びください」
ころせんせー?どういう意図で付けられた名前なんだ?単純に「殺せない先生」だから殺せんせーなのか?親しみやすいこの顔だからいいけどいくらなんでもそのまんま過ぎないか?いやまあ別にいいんだけど。俺はそのまま従うだけだから。
「ふむ···暴力沙汰を起こしてここに来ることになったと」
あまり触れられたくは無いところではあるけど、事実ではあるからしょうがない。
「そうだけど?」
まあ知られてるなら隠す意味もないしストレートに肯定する。多分この怪物には自分が暴力沙汰を起こすまでに至った意図なんてわかるわけないと思うけど。先生とは言えども怪物と思って接した方がいいと思う。そうした方がいざ居なくなった時に悲しさとかそういうマイナス感情を持たなくて済む···と思ってる。あくまでも個人的な考えでしかないんだけど。
「そうですか···しかし君にはそのような暴力的な面は見られないようにかんじられますが···」
「え?そう?割と暴力沙汰起こしそうな顔って言われるんだけど、そう思われないのは意外だな。でもあんがとね、先生」
お世辞だとしてもこういう面が見られないように感じられるってのはありがたい。でもどことなくバレてるような気もしなくもない。
「って、先生とくっちゃべってたら校舎着いちゃったよ。ってかこっち来たことないから分からんかったけどほんとにボロボロなんだな···」
便宜上とはいえ先生は先生。ちゃんと呼ばせてはもらう。にしてもほんとにボロボロみたいだな。本校舎とは金のかけ方が本当に違うな。ぶっちゃけ設備とか諸々が絶望的に適当な感じがする。ここで1年間学ぶのか。
「さて、俺は1回烏間さん、いや、烏間先生に挨拶してから教室に行くよ。先生は色々雑談とかしといて俺が行くまでの時間作っといてよ。多分俺の知り合いはいないと思うから大丈夫だと思うけど」
多分大丈夫···俺の知り合いなんてかなり少ないからこんな辺鄙な場所で鉢合わせるなんてことないと思うから大丈夫だと思うけど···
「ぬるふふふ、ご安心ください。南雲くんの自己紹介の時間はちゃんとありますので」
「そか、じゃあ良かった。じゃ後で」
そう言って先生は教室に、俺は職員室に行く。まずは烏間さんに挨拶しなきゃな。
「てことでこれからよろしくお願いします。烏間さん、いや、烏間先生」
「ああ、よろしく頼む。俺もこの場所で君を含め手伝わせてもらう」
「あはは、心強いっす」
と言っても防衛省って自衛隊と同義だよな?教えるってことは相当にすごい人なんだと思う。そんな人に教えてもらえるってのは少し誇りに思えることかも。この人なら兄さんのこと知ってるかもしれない。
「んじゃ先生、失礼します」
軽い世間話でもした後、そそくさと職員室を離れ、教室へ。何度も言うけど大丈夫だと思う。友達もそんないなかった俺だし、さすがに大丈夫だと思う。
「南雲くん、入ってきてください」
殺せんせーがニュッって顔を出しながらこっちを向いてきた。さっさと入ってどうぞ、ってことなのかな。
「はーいって、まじか···」
入った瞬間俺の顔はとてつもなく強ばったような感じがした。いや、フラグ回収するの早いって···
「と、桃花、なんでいるのさ···」
俺の素を知ってる人、いました。俺の新しい1年、波乱の幕開けになりそうな予感がします。
時間が取れず不定期になる可能性がかなり高いですが、よろしくお願いします。
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