暗殺教室に希望を見た少年   作:緑風少年

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旅行の時間

 日付変わって修学旅行2日目。この日からは班行動(強制付き添い)をすることになってるみたい。自分あの殺せんせーのしおり(鈍器)読んでないからあまり把握はしてなかったけど。正直学級委員の悠馬と片岡さんいるし任せちゃってもいいかなってところではある。そういう人の管理であったり、統率に関しては自分は無理だと実感する。ということで一班は早速暗殺に向かうとのことなので自分もついていくことにした。

 

「えっ、あっ。多分大丈夫……多分」

「心配しないの!だいぶゆっくりだから新でも大丈夫だよ?」

「そうです!開放感があるので私も新くんも大丈夫だと思いますよ」

 どこからともなくヌフフフフ、殺せんせーの登場。相変わらず人間的じゃないから気持ち悪さが若干勝つのがこの人?のあまりよろしくないところ。どう足掻いても笑えるところになる。

 

「2人とも置いてくよー?」

「「あっ、すぐ行きます」」

 

 嵯峨野トロッコ列車自体初めて乗るから実際楽しみなところはある。電車酔いが正直怖いところではあるけど。そこは隣に同じく三半規管クソザコの殺せんせーがいるから大丈夫だと思う。

 

 

「ひぇ……窓がないから迫力が良くてよかった……こんだけ開放的なら酔わないから安心できる……」

「そうですねぇ。この開放感ならまず酔わないので安心して乗ることができますねぇ。しかし時速25kmとは速いですねぇ」

「三半規管クソザコの男2人がなんか言ってら」

「殺せんせーはマッハ20のくせして何言ってるの……」

 

 おおよそ25分で片道7.3km。殺せんせーはその間500往復はできるとか言ってるけど、なんでそれ言うのさ案件ではある。正直なところ、よかった、これで安心ですね。と言わんばかりの開放感。普段乗り物酔いしがちな俺でも乗りやすいものを選んでくれたみんなには感謝せざるを得ないところがある。

 

「新、もうすぐだからな。気をつけとけよ」

「あー、おけおけ。それくらいわかってるって」

「返事緩いよなお前さ」

 

 暗殺者さんを配置したところとして選んだのは保津川橋梁。調べて初めて知ったことではあるけど、川下りとカチ合うらしい。そのタイミングで撃ち抜いてもらう……らしい。その点に関しては政府が雇ったお抱えのスナイパーさんに任せるところではある。

 

「見てよ殺せんせー!川下りしてるよ!」

「おお!絶景ですね!」

 殺せんせーが身を乗り出した。凄腕のスナイパーさんならまず外さないだろうけど……

 

「ん……?殺せんせー?何それは?」

 殺せんせーの手?触手にあるのは生八ツ橋がなんか挟んでるやつ。何を挟んでるこのタコは?

 

「おっと、八ツ橋に小骨が。危ないこともあるもんですねぇ」

「何を言ってる……?」

 何を言ってるこのタコは?詳しくはないけどライフル弾ってめちゃくちゃ速いスピードで回ってるって聞いたことあるけどそれを八ツ橋で止めるとか意味わからないんですけど?

 

 

 

「おい新、知らんふりしとけって」

「う、うん……」

 

 一応言われるがままに知らんふり。暗殺ではあるから一応やっておくべきなんだろうか。

 

 

 

 で、7km弱しかないからあっという間に時間は経って下車することに。結局殺さなかったのは残念無念ではある。ため息を吐くことでもないけど、なんか一応やることやった感はあるのに成功しないと言うのは萎えるものではある感じがある。

 

「では先生、2班のところに向かいますので!それでは!」

 そう言って先生があっさりと飛んでいった。2班って確か映画村だっけ。今度一人旅かなんかでもいいから行ってみたいところだな。そう物思いに耽るところで女子メンツというか桃花と倉橋さんがお土産見に行きたいと言ったから買い食いついでにお土産を見に行くことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで二寧坂に到着。昼前だから混んでる感じはあるけど、なんだかんだ買い物できるところは多そう。買い食いをするにしても、京都は甘いものも多くて太りそうという建前は置いときつつも食べることは好きだし何か食べようかな?

 女性陣は甘いものを結構どんどん行ってるようで、悠馬や陽斗、正義も結構行ってる様子。俺は……どうしようかな。

 

「新ー、お前抹茶のソフト食べるかー?俺注文するからついでに頼んでやるけど」

「え?じゃあそれで。それいくらするんだよ……」

 現金自体は多めに持ってきてるから大丈夫だとは思うけど、支払いはお任せしちゃう。こいつらのイケメンなところってこういう行動に現れてるなって常々感じるところだ。

 

「新って抹茶好きなのか?殺せんせーにしおりもらったときになんか抹茶とか聞こえたから」

「うん。結構好きだよ。あまり進んで食べるものでもないけど、抹茶って書いてあったらとりあえず手に取ってみるくらいには。だかr『少しもーらい!』あっちょ……」

 突然割り込みしてきた桃花。え?もう食べたの?あれっ、女子メンツで先に勝ってたような……俺の抹茶ソフト……

「で、お前それ食べるわけ?まあお前がいいならいいけど……」

「え?……はっ!いやちょ、はっ!?」

 多分顔がまた赤くなってると思われるこの状況。あっ、若干ニヤニヤしてるよ。この教室に来て思った事の1つにこの連中やたら人のなんだに敏感でゲスイ連中感があるという事。こえーよ。

「きゅう……」

「新ってウブというより色々恥ずかしさとか限界突破してダウンしてる事の方が多くないか?」

「多分そう。起こさないとね……」

 

 

 

 閑話休題(数分後)

 若干無理矢理気味に叩き起こされた。まあ急にダウンする俺も悪いところはあるけど、起こし方はなんとかならないものなのだろうか。あ、間接キスみたいにはなるだろうけど、食べることにします。

「甘っ。いやでも好きかも。姉さんに買って帰ろうかな?」

「お前ちょっとダウンしたのに食べるってなったらあっさり行くのなんなんだよ……」

「悪いかよ正義。俺食べること好きだからなんだかんだ躊躇わないし」

「新くんって甘いもの好きなの?部活とかのガチ勢だったし甘いものあまり食べないタイプだと思ってたけど」

「んー?岡野さんとか片岡さんって俺のこと完全に堅物みたいな感じで見てたタイプ?俺甘いものは結構好きだよ?まあでも部活やってた時は基本制限してたよ?そういう意味でも落ちるってなったのは少しありがたい面もあったかな?って感じるんだよね」

 

『へー、意外だな』って感じをする班員のメンツ。するしないは置いて置いて、一応部活やってて結構いい成績残し続ける身として、やって置いた方がいいことは最低限やっておこう、と一応答えておく。まだ中学生ではあるから栄養管理とかガチガチのことはあまりしない方針ではあったけど。

 

 

「ところで新お前今姉さんって言ったよな?見せてくれ!」

「お前女性ならなんでも食いつくのかよ。減るもんじゃないから見せるけどさ」

 そうやって携帯を開く。つい最近姉さんと出かけた写真。毎度思うけど俺を荷物持ちとして使うのやめてくれないかな?

 

「「綺麗だな……お前の家族ってビジュいいんだな」」

「うっせ。親も死んじゃってて歳も一回り離れてるから姉さんが親代わりみたいなもんだけど、色々助けてもらってるしま、褒め言葉として受け取っとくよ」

 現在俺の姉26歳。普通に働いてるし、なんだかんだ生活できるくらいにはお金を稼いでるとても優秀な姉さんです。

 

「ってお前!突然重い話もぶち込んでくるのはやめろって!お前の話はもう後で聞くからさ!」

「ええ……お前らが聞いてきたんじゃんか」

「新くん、楽しい話のほうがいいかな……」

「まあ確かにね。ごめんね、みんな」

 重っ苦しい話ではあるんだけど、自分の中で身内の死はすぐに心の整理ができているものなのかと言われたらそれは問答無用でNOと即答できるものだとも思ってる。はっきりと無理と伝えられるもの。身内を貶したりしでもしたらたとえこいつらでも……

 

「新くんー?怖い顔してるよ?笑顔笑顔」

「えっ?そんな怖い顔してた?」

 全員からうんうん、と同意されるかのような表情をされる。良くも悪くも顔に出やすいのだろうか。こればっかりはわからないところではある。

 

「ま、いいわ。ソフトも食べられたし、お土産探しに行こうぜ。なんか八ツ橋食べたい気分だし」

「新って色々フリーダムなところあるよね……」

 暗殺失敗してなんか買い食い始めたタイミングあたりで身内の話してからあまり記憶が残ってはいない……けどなんとなく楽しい感覚だけは残ってる。ある意味兄さんを殺したようなやつに対しての心も安らぐことができたのかな……。

 

「おーい、新?宿に戻るよ?」

「えっ?あっ、うん。すぐ行く」

「お前乗り物酔いの耐性ほんとないんだな」

「うるさいなー。仕方なくないかな」

 

 なんとなくとはいえ、楽しいって感覚はあった。こんな日が続けばいいなって思える1日に感じた。




良くも悪くも身内に何かあったら容赦はしないタイプになると思います。
多分桃花ちゃんもその枠組みに入ってそう。
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