暗殺教室に希望を見た少年   作:緑風少年

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新くんの軸的なお話になると思います。
書くきっかけになったキャラが一応もうすぐ出るのでそれ繋がりのオリキャラネタ投下になります。
多分ほぼ律と新くんの会話になると思います。


余暇の時間

 ある時の週末午前6時。いくら進学校として名の知れている椚ケ丘とはいえ、昨今の中学校と同じく土日は普通に休みということになっている。勉強に邁進しろと言われているようなものではあるが、それは今は置いておいていいものであると思う。今日は何せやることがある。

 

「墓参り……いくか」

 墓参り。よくある小学生の時にあったような誰かもわからないけどとりあえず先祖様だから挨拶しておくみたいな墓参りではなく、俺にとってはつい先日まで顔を合わせていたような仲の身内の墓参りに行く、と言っている。誰の墓かというと自分にとっての愛情を渡してくれていた兄の墓である。

 

「ちょいと遠出になるけど……まあいいか。サクッといって帰ってこよう」

 

 俺の苗字も本来なら『南雲』でもない。父親が女作って離婚したという経緯がある。3人兄弟、本来ならば兄弟不分離の原則などがあるはずだが、俺らの父親があまりにもごねたため、兄さん1人だけ父親の方に行った。なんだかんだ交流は続いてたけど父親との対面は何年振りかも覚えていない。

 

『新さん、おはようございます!』

 ん?なんかどこかからか律の声が聞こえてきた気がするんだが。

 

『お邪魔してます!情報共有を円滑にするために新さん以外の皆さんにも私をインストールしておきました!モバイル律とお呼びください!』

 なんでもありだな……と感じる今日この頃である。

 

『ところで、今日はお休みですが、朝早くからどちらへ行くんですか?』

「うーん、墓参りと父親にちょっとね。これ、他の誰にも言わんといてね」

 ぶっちゃけ今は誰にもまだ身内のしがらみに囚われ続けていることは知られたくない。どのような面においても父親に似てしまうかもしれない、という恐怖が勝ってしまう。そんなふうに感じるようになったのはいつからだろう。物心ついて間もない時期からかもしれないしそうじゃないかもしれない。もはや自分にもわからなくなってきている。

 

『ところでお墓はどなたのお墓なんでしょうか?』

「……兄さん。これも誰にも言わないでね」

 承知しました、とでも言いたげな律の仕草。今の彼女にこれをいうのは憚られるが、思ったよりもズカズカきて人の心がない寄りでは?と感じてしまう時がある。

 

『場所を教えていただければ最短で行けるルートを案内しますが……』

「いやいいよ。今日はゆっくり行く予定だから」

 ちなみに言うと場所は静岡の方であり、新幹線使って行く距離ではあるがまあ当日の自由席で問題ないだろう。

 

 

 

 

 

 ____

 東京の新幹線の駅といえば東京駅か品川駅になるが、俺の最寄りは東京駅。どっちしてももみくちゃにされるわけだが、それを抜け出した7時半ごろ、あっさりと新幹線に乗ることができ、尚且つ自由席であるにも関わらず座ることができたと言う大盤振る舞い状態である。なおしっかりともみくちゃにされたため、わりかしグロッキー状態である。

 

『座れてよかったですね、新さん』

「1時間ちょいで行けちゃうから別に座れなくてもいいんだけどね。ほら、俺暗殺なかった時からそれ相応には鍛えてたし」

 生来、親が親としては終わっていた時期から外ではちゃめちゃに遊ぶ子供だった。そのせいかは知らないけどずっとスポーツやらは楽しめる人間だった。たまたまバスケットというスポーツを選んだだけであって割となんでもできる。

 

『それもそうですね!昨年は『椚ヶ丘のトリックスター』だとかつけられる程度には有名みたいですね』

「その二つ名恥ずかしいからやめてくれないかな……」

 トリックスター。正攻法だと良くも悪くも不安定では?としてやり始めたトリックプレイが広がりに広がっていつの間にか付けられていた二つ名。あり得ないだろ。

 

 私はかっこよくて素敵だと思います、とでもいう律を横目に、なんだかんだもう静岡。1人だとアレだけど誰でもいいから話し相手がいるというのは気が楽だ。

 

 

 

 _____

「ついたね、一応昼ごろにあっち行こうと思うけど……」

 俺の本来の地元。桃花にも言ってない。にしても……10年近く来てないのにあんま変わんねえな。まあ一応静岡も新幹線通ってるからには都会寄りという事実から目を背けてはならないが。なおしっかりと乗り物酔いしているため、甘いものはあまり受け付けたくはない。

『新さん、乗り物酔いとかいつもどうしてたんですか?』

「姉さんか桃花になんとかしてもらってた……」

 あっ、はい、とでも言いたげな顔をしている。いつも身の回りの女性に助けてもらっているのは若干恥ずべき行為なのかもしれないが。

 

「俺のことはまあいいや。どっか見てみたいところとかある?」

『はい、私はこの甘味処とか見てみたいです!』

「調べてたね……でもまあいいよ。行こうか」

 

 なぜ甘味処?俺としては別にいいが、他になんかないのか?とも思わなくもない。にしても、時計を見てみるともうすでに9時。朝からやっている甘味処とはなんぞ?ってなるところではあるが、この時間ならまあやっているところはやっているか。

 

「甘い。あんみつって俺あまり食べないんだけど、美味しいな」

 物心ついてない頃も別にこのような店に行っていないということもあるが、静岡にこのような店があること自体調べもしなかった。どうやら律はネットの海に潜って探し出したようだけど。

 

『はいっ!地元の方にも観光客にも人気のお店をピックアップしました!』

「用意周到だなほんと……」

 このほんと一、二週間だが、律の多機能性は少しおかしなところはあると思う。性能はともかくやれること自体は殺せんせーとタメはるくらいなのではないだろうか。

 

 

 _____

 軽く糖分を摂取した後、時間もちょうど10時半ごろを指していたので兄さんの墓に向かうことに。一応予定のないぶらり旅でもなんでもない目的のある日帰り弾丸遠出である。

 

 

「一応墓参りしてる時は出ないでくれよな?準国家機密のようなものなんだから」

 承知しましたと言って一旦俺のスマホからまるで元からいなかったかのように消える律。助かるなあと思いつつも誰かに出くわすという怖さもある。

 

 墓参り。父親が来るかもしれないという怖さが1番にあった。父親としてお世辞にもカスを極めてるので俺としても会いたくない。

 

「誰かと思えば新じゃねえか」

「……何しに来たんだよ」

 フラグ建築してしまったといえば聞こえはいいけど、普通に最悪だ。俺の母さん以外にも女作って出て行った男。今目の前にいる奴は普通に女と一緒に来ている。『ねーこの男の子誰ー?』っていってる。醜い。

 

「一応俺の息子なんでな。テメーこそわざわざ東京からご苦労なこった」

「……」

 まるで睨みつけるかのような目つきになっていたと思う。もうわけがわからなくなっている。

 

「俺はお前みたいにならないから。お前にもこれ以上会うことなんてないからな」

「……そうかい」

 あっさりと認めた。拍子抜けといえば拍子抜けだが、それもまたいいだろう。父親らしくない人間である。

 

「……どこ行くんだ?」

「……帰る」

 そう言って撤収。どことなくやる気も削がれてしまった。さっさと帰るとするか……

 

『新さん、怖い顔してますよ?』

「まあ、当然だろうな……」

 兄さんが自殺するきっかけになった自衛隊のどこかの教官とあのクソ親父はどこか似ている。どこか軽薄そうなのに父親だからとか言って恐怖で制圧する、舐め腐ってるとしか思えない。

 

「とりあえずお土産買って帰るか……」

 とにかく忘れるための行動を起こしてみた。ひたすらに疲れているからもうさっさと帰りたい気持ちになった。

 

 

 後日、お土産で買ってみた饅頭を殺せんせーとE組のみんなに渡しておいた。喜ばれた。よかった。




こう言う時はモバイル律の設定助かりますね…
元々苗字は違うはプロットの時点から考えてたものだったりします。
E組キャラの元ネタらしき人物にこんな苗字ないですからね。
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