唐突に始まった烏間先生とのナイフを当てる訓練。俺ナイフとかの類のもの料理以外で使ったことないよ?ゴムっぽいもの製品だけどナイフの振り方とかいまさっき教わったばっかだから分からないよ?そして部隊のエリート中のエリートの烏間先生
「基礎を教える前に君の実力を測る必要があると考えている。どのような手も使って構わない」
え?流石に卑怯にも程がある手は使わないけど、どんな手も使っていいって言われると自分の使える手段は使いたいってのが男子の性···だと個人的には思ってる。
「了解っす。んじゃ、よろしくお願いします!」
そう言って早速突撃。喧嘩とかだと基本受け身の俺だからあまりやらない手段だけど先手必勝は勝つための常套手段。ナイフの先端を掠めるように···って、烏間先生無言で俺のナイフ捌いちゃったよ。一応もう一本ナイフ持ってるけどそれも冷や汗なんてかくことなく捌ききっちゃうんだろうなって嫌な安心感がある。
「さーて、どうすっかな···」
今の練度だと間違いなく無理ゲーだってことは直感的にわかってる。いつもの
まずは斜め左から素直に降ってみる。素直な太刀筋だから当たるわけないだろって思ってる捨て石。当然当たらなかった。
次にさっきの勢いをつけたまま左に垂直に横に振る。これも予測されてたのか当たらなかった。こっちも避けられることも予測できてたからこれも捨て石。逃げ寄りの動きだと絶対当たらないだろうとわかったから次は一気に距離を詰める。その上で斬り上げをしてみる。当たるかどうかは置いておいて距離を詰めて突きをした方が確実だと感じたからこれも捨て石。ここまでやって余裕で避けられるのはやばい軍人だとは思いつつも少し引いてるところもある。
「こんだけ振る方向散らしてるのに全部捌き切るのやばいっすね。さすがは空挺部隊の成績トップの軍人さんだ!」
にしても当たらん。かなり散らしているはずなのに当たる気配がない。多分何をしてるわけでもなく、普通に見切られてるのか?さすがは軍人さんと言うべきなのかなんなのか。
「ということでこれには当たってもらいます!」
最後に突きを試してみる。振り方が若干大振りになっている感じがするけど、この勢いを持った突きなら当てられるのではないかという確信があった。
「南雲くん、まだまだ詰めが甘い!」
「えっ!?ちょっ、掴まれた!?」
喧嘩で掴まれるって速攻でボコられるルート行くから絶対に掴まれないように立ち回ってたはずなんだけど、これ捌かれて地面に叩きつけられるやつだな··あっ、捻られた。
「おあっ!?」
俺の体は割と簡単にこかされた。スポーツそれなりにやってる人間だから結構鍛えてるはずなんだけどな···一回相対してみてわかったことだけど、超人寄りの烏間先生とはいえ、人間の域を超えてない人に当てられないようだとあのタコ···殺せんせーには当てられないだろうという確信がある。
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「南雲くん、筋は悪くない。この時間でその身体能力と併せて技術を高めていって欲しい」
「え?あ、はい!」
『筋がいい』こういうことを言われるのは久しぶりな気がする。ここ最近のやることなすことが自分ができてる事の延長線でしかなかったこともあるだろうけど。でも、正直なところまだまだ自分のやってたことは身体能力によるゴリ押しに近かったとは思っている。まだ俺も基礎がスカスカの空洞だし、烏間先生の訓練の指示は分かりやすかったとは感じるし、この人がどう思ってるかは分からないけど。たまたまめぐりあえた環境だけど、兄さんのことも聞いておきたいな。
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体育も終わったあとは軽いテストもやって放課後。テストは何故か俺にあったレベルのものが用意されてた。俺今日来たばっかだよ?なんで俺のこと知ってるの?このタコこわぁってなった。多分点数自体は問題ない···と思う。
「で、放課後って訳だけど、今日はさっさと帰ろっかな」
「新、一緒に帰らない?」
桃花がそう言ってきたからまあいいか。の精神で了承する。俺と桃花割と家近いし、一時期はそれなりの頻度で帰っていた。最近は···自分が色々あったからほとんどなかった。それにしてもなんか刺々しい視線が俺に突き刺さってた気がしたけど。特に岡島。普通に視線が痛いからやめてくれないかな。
「新ってよく人の事見てるよね?殺せんせーの授業もさっきの訓練の前も烏間先生のことよく見てたし」
「え?当たり前っちゃ当たり前じゃないかな?人の力量を測るのには自分で見ることが一番だと思うし」
自分の体格だとバスケットというスポーツをする人間にしては意外と小柄だったりする。だから自分の目という信頼出来るものを使って相手の力量を測る。スポーツやってだからこそ身についた一特技だと自分は思ってる。ぶっちゃけ良くも悪くも普通の体型なのには感謝してる。自分にとっても
「そっか。そういうところは昔からあまり変わってないね」
「人ってそう簡単に変わらないと思う。と言っても、あの先生がいる異常な環境じゃいくらでも変われそうな気がするけど」
どこまで行ってもあのE組という環境は異常としか言いようがない。国家機密のタコに防衛省の人間、そして差別を受ける成績不振者。普通に考えて意味のわからないこと言ってる気がするけどぐちゃぐちゃした環境を取り持ってるのが殺せんせーというのがまた恐ろしいところだ。
「ところで、なんで最初に私の名前呼んだの?」
「顔怖いて。いや桃花がこっちにいるなんて俺知らなかったから···」
「まあ腐れ縁の男の子にE組に行くことになったって言うのも恥ずかしいから言わなかった私にも非があるけど!あそこで名前呼ばれるの少し恥ずかしかったんだからね?」
「あ、いや、ごめん···普通に驚いたからさ」
あの時俺も普通にやらかしたとしか思ってなかった。あまりにもくだらないミスというか何を考えて最初の一言がああなったのか自分でも分からなかった。要するにただのポンコツミスをしでかしたってことなんですねはい。
「で、私は新になにかして欲しいなーって」
「いやまあ俺が色々やったわけなんで付き合いますよ···」
なんやかんややらかしてる俺。今回に限っては桃花がしたいことを受け入れるつもり。普通に女の子怒らせちゃったら何かで埋め合わせしないと後々怖いことなるからね?いくら悠馬とかが説得しても悪感情は止められそうにもない。そもそも変態とかでちょいマイナスなやつがE組にいるから仮になんかしでかしたら何されるかわかったものじゃない。
「じゃあ私の買い物に付き合ってよ、荷物持ちで!」
「荷物持ちかよ···ついでに俺の服も見たいわ」
「えー?まあいいけどね」
いいのか···桃花は割とファッションセンスいいと思ってるから服に無頓着な俺も割とまともになるのでは?という感じで。俺が桃花のことを贔屓目で見ているからなのかな?
「おっけ、週末でいいでしょ?」
「うん、大丈夫だよ」
なんか話してるうちに俺のやらかしとそれのお詫びみたいなことが即断で決まった。いやまあ別にいいけどさ、あまりにも速攻が過ぎないか?勝手が分からなくなりそうだ···
「あ、もう着いたね。新、それじゃあね」
「おう、また明日な」
そう言って桃花は家に帰った。そういや桃花って弟くんいたよな。大丈夫かな?
「まあいいや。俺も帰ろっと」
俺も帰ろう。暗殺対象に体育という名の訓練、殺せんせーからの結構ガチな授業。初日から感じたことは沢山ある。結構大変そうだ。
「ただいまーって、姉さん、何してんの?」
「あ、新!桃花ちゃんと一緒に帰って何してたの?もしかして色々してた?」
「してないわアホ姉さん!そういうことに結び付けんなバカ!」
俗な姉さんの影響もあって、そっちの意味でも大変になりそうです···
烏間先生筆頭に思うんすけど暗殺教室の大人は良くも悪くもぶっ壊れがすぎると思います。
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