すべすべもちもちぷにぷにさわさわ
「……」
さらさらふわふわすりすりつるつる
「…………」
よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし
「いつまで触ってるんですかっ!!」
あいてっ、あうぅ…はたかれた……
「シリアスな空気は苦手なんだよぉ…あとホシノのほっぺが触り心地良すぎるのが悪い」
「私のせいですか!?」
ホシノのせいだよ。
なんで近くで見ても毛穴一つ存在してないんだよ。産毛すら見えなかったんですけどここ半分砂漠みたいな場所だぞ過酷な土地だぞブルアカで過酷はちょっとアウトだななんで肌がもっちもちなの二年前からお肌のケアとかあんまりして無かっただろ知ってるんだぞあれか神秘のせいかキヴォトス最高の神秘はお肌にも影響するんですかコノヤロー!
はぁ…
「何で急に項垂れてるんですか…?」
「いや…ちょっと同じ女としての矜持がね……」
すっごい変なもの見る目を向けられた…酷い…
「ホシノには今度良いスキンケア商品あげる…」
「ど、どうも…?」
そしたら何送ろう。ホシノの肌は肌荒れとは無縁だし、わざわざ刺激のある物使う必要もないか。だったら優しめの洗顔と、化粧水も最低限の保湿で充分。乳液…人気のやつなら外れないだろ
本当完璧な肌だな、羨ましい…私の顔も妹ちゃんと瓜二つだから整ってる自信はあるけど、ケアをせずにホシノレベルの綺麗さを維持できる確証はない…
……あ
「そうだ伝えておくことあったんだ」
「えぇ…なんです?」
「大したことじゃ無いんだが、明々後日?…もう明後日?にちょっと連邦生徒会の方で会議があってな、少し抜ける」
というかそろそろ帰んないとリンにキレられるのもある
「あとついでに連邦生徒会にあるアビドスの地図を更新したい」
「……あー初めに死に体だったのは地図が昔のままだったんですか」
私はともかく先生はマジで危なかった
「とりあえず分かりました」
「それだけだ。じゃ、話も終わったことだし私もパトロールに付き合うー」
「寝なくていいんですか?」
「ホシノが言う?」
なんださっきの意趣返しか?
「…話してたら目が覚めてねぇ。戻って寝ようにも後輩を置いてぐっすりというの気が引ける」
「じゃあ一緒にしますか」
やったーデートだー
……いった!肘打ちやめて!無言で攻撃やめて!怖い!冗談じゃん!!ねぇ!!
10分後
──今いる場所は大半が砂漠となったアビドス。
砂漠はえてして昼夜の寒暖差が激しい。
そして今は春、日中はともかく夜は冷え込む。
更に、リッカは寝起きであり寝苦しく無いよう薄着である。その結果───
「──くしゅん」
……寒いっ!!!!!
凍えるのは自明の理であった
「アホなんですか?」
酷い!
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翌々日、アビドス対策委員会部室
「……それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます」
丸一日の休息を挟み、心身ともに万全の調子に整えた対策委員会は、机を囲み定例会議を開いていた。
これまでは少しづつ減る弾薬の補給やヘルメット団の対処等々、その場凌ぎについて話していたものの、先生が来たことにより2つの問題が大きく改善。今回の会議ではようやく進展があるかと期待されているようだ
司会であるアヤネは会議に新しく増えた2人へ視線をやる
「本日は御二方にもお越し頂いたので、いつもより真面目な議論が出来ると思います!」
「は~い☆」
「期待する」
「何よ、いつもは不真面目みたいじゃない……」
「うへ、よろしくねー」
“うん、宜しく”
「よろしく」
先生も一日中生徒たちとリフレッシュしたおかげか、薄くこびりつくように残っていた血色の悪さや隈もすっかり取れている
「早速議題に入ります。本日は、私達にとって非常に重要な問題……『学校の負債をどう返済するか』について、具体的な方法を議論します」
この数ヶ月、下手すれば数年単位で着手出来なかった問題に対処できると実感し、アビドスの面々に緊張が走る
はい! はい!」
「はい、1年の黒見さん。お願いします」
「……あのさ、まず名字で呼ぶの、やめない? ぎこちないんだけど」
「セ、セリカちゃん……でも折角の会議だし……」
「いいじゃーん、おカタ〜い感じで。それに今日は珍しく、先生もいるんだし」
「珍しくというより、初めて」
「ですよね! なんだか委員会っぽくてイイと思いま〜す☆」
「はぁ……まあ、先輩達がそう言うなら……」
セリカは、今までとは違う呼び名を使う違和感に戸惑いつつも友人たちの言葉に丸め込まれ納得する。ちょっっっっろ
そういえばこの学校にとって私はどんな立場になるんだ?OB?なんでもいいけど
「とにかく! 対策委員会の会計担当としては、現在我が校の財政状況は破産寸前としか言いようがないわッ! このままじゃ廃校だよ! 皆、分かってるわよね?」
「うん、まあね〜。毎月の返済額は、利息だけで788万円! 私達も頑張って稼いではいるけど、正直利息の返済も追いつかない」
「これまで通り指名手配犯を捕まえたり、苦情を解決したり、ボランティアをするだけじゃ限度があるわ」
これまでのやり方を再確認。ではどうするか、セリカには何か策があるのか自信ありげに話を続ける
「このままじゃ埒が明かないって事! 何かこう、でっかく一発狙わないと!」
実際、先生が来ないままの状態が続いていたらチンピラと災害にすり潰されて廃校になっていたのは想像に難くない
何か逆転の一手を求めるのは当然か
「これこれ! 街で配ってたチラシ!」
「これは……!?」
チラシが掲げられると同時にセリカ以外の全員に困惑と不安と心配が浮かぶ。
シナリオで知ってたけどこんな胡散臭いチラシとか存在したのか。それに騙される人間も存在したのか
何というか、将来が心配になる子である
「『ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金』……ねぇ……?」
「そうっ! これでガッポガッポ稼ごうよ!」
そう語るセリカの表情はとても明るい。人をすぐに信用できるのは美点だが、普段からこうなら友人は気が気じゃ無いことがすぐに分かってしまう
「この間、街で声をかけられて説明会に連れて行ってもらったの。運気を上げるゲルマニウムブレスレットってのを売ってるんだって! それに、身につけるだけで運気が上がるんだって!」
近年稀に見る胡散臭さである。そもそも、ゲルマニウムは一部が健康商品に使われているものの、触れるだけで効能が出るものでは無い。それに海水や土壌、なんなら飲料水にも少量のゲルマニウムは含まれており触れるだけで幸運になるなら世界は平和になっている
「で、これを周りの3人に売れば……」
言い逃れ用の無いほどのねずみ講、もちろんキヴォトスでもバッチリアウトだ
「皆、どうしたの?」
「はーい、却下〜」
「えーっ!? 何で!? どうして!?」
「セリカちゃん……それ、マルチ商法だから……」
「儲かるわけがない」
「チラシはくれ。ヴァルキューレに通報する」
怪しすぎて逆に、ここまできたら大丈夫なんじゃ無いかと思わせるほど怪しすぎる商法に見事に引っ掛かり、微塵も疑っていなかったセリカは周りのみんなの反応に目を瞬かせる
「へっ?」
「そもそも、ゲルマニウムと運気アップって関係あるのかな……こんな怪しいところで、まともなビジネスを提案してくれるはずなんてないよ……」
「そっ、そうなの? 私、2個も買っちゃったんだけど!?」
「セリカちゃん、騙されちゃいましたね。可愛いです☆」
バックから取り出したブレスレットにはゴテゴテと妙な装飾が付いている。端から端まで救いようの無い胡散臭さである。何故これで儲けられると思ったんだ
「……!」
「全く、セリカちゃんは世間知らずだね〜。気を付けないと悪い大人に騙されて、人生取り返しのつかないことになっちゃうかもよー?」
「そ、そんなぁ……そんな風には見えなかったのに……折角お昼抜いて貯めたお金で買ったのに……」
「……ヴァルキューレが犯人を捕らえたら、巻き上げられた分のお金ぐらいは戻ってこないか相談してみよう」
「大丈夫ですよセリカちゃん、御昼、一緒に食べましょう? 私が御馳走しますから」
「ぐずッ……ノノミぜんぱぁい……!」
セリカの耳がペタンと頭にくっつき、見事に意気消沈している。ノノミが、その歳に見合わない母性の暴力と包容力であやしているものの復活には時間がかかりそうである
初っ端から不穏な会議が始まった