それ逝け!ユメ先輩(偽)   作:ポンコツ太郎

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エピソードアイギス終わったので書き上げました、遅刻常習犯です。お待たせして本当に申し訳ない……
私の執筆速度はたったの5です。ゴミ!!

今回は平和な回ということで……



どーこねらってんだよぉ!(エコー)

 

「拾った!」

 

 今日も今日とてアビドス。そろそろ砂がやばいんじゃないか?ということで校庭の掃除をしていると、趣味のサイクリングから帰ってきたシロコがアビドスへ着くやいなや私に駆け寄ってきてそう言った。手にはマフラーにくるまれた何かを抱いている。

 

「……返してきなさい」

 

「やだ、飼う」

 

 元の場所へ返せと言えば、首をぶんぶん振って抗議してくる。うちの後輩は何かと強情なのだ。この間とかノノミちゃんに言いくるめられて教室のエアコンを換えることになったし。いや、快適になったはなったんだけどね。

 

「ちゃんとお世話するから!」

 

「うち、貧乏なんだから無理よ。それに貴方じゃお世話できないでしょ。元居たところに戻してきなさい」

 

「お願い先輩!ちゃんとエサもあげるから!」

 

「駄目なものは駄目よ!」

 

 しかしご存じの通りうちの経済状況はまっことよろしくないのだ。それをかうなんてとんでもない!

 それでも食い下がってくるシロコ。確かにその気持ちは分かるけれども、生半可な覚悟でしてはいけないのよ。

 

 と、やんややんやと口論をしていると、別の場所を掃除していた二人がやってきた。

 

「あら、どうしたんですか?」

 

「もしかして野良猫とか~?」

 

「「いや、ドローン」」

 

「……???」

 

 ホシノに何言ってんだコイツらという顔をされた。まあうん。エサってなんだよってなるよね。電池とかだろうか。

 

 そう、シロコが拾ってきたのはネコでも犬でもなくドローンである。生き物ちゃうやんけ。マフラーで巻いていたのは、部品が零れ落ちないようにするためだったんだそうな。紛らわしっ。

 

「まあ、冗談はともかく。これ、本当に拾い物?盗んだとかじゃなくて?」

 

「ひどいよ先輩。私がそんななんでもかんでも盗むように見える?」

 

「うん」

 

「ん!!!!」

 

「あいててててて」

 

 だって君そういうの盗んでくるタイプじゃん。欲しいものは奪うって感じの子じゃん。実際何度か窃盗しかけたしね。倫理観を育てていなかったら今頃強盗強盗大強盗だったろう。拾って良かった……

 

 まあ、この子は嘘はあんまり言わないし、もし盗みをしても堂々と報告するタイプだろう。とりあえず拾ったというのは信じるとしてだ。

 

 マフラーからひっぺがしてみれば、ひしゃげて内部機構が見え、プロペラのかけたドローンがあらわになる。大分派手に壊れてるな?

 

「これ、直せるの?随分ボロボロだけど……」

 

「……無理。だからお願い」

 

「あー……」

 

 上目遣い、キラキラした目でこちらを見つめてくるシロコ。そんなのどこで学んだんだ……

 しかしなるほど、ホシノじゃなく私に言った理由がわかった。つまりそういうことだろう。

 

「しょうがない。じゃあ行こっか。支度してくるから待ってて」

 

「ん!」

 

 まあ、どちらにせよ近々行く予定だったしいいか。そう思い私は、シロコを連れてミレニアムに向かうことにした。

 

 

 

 

 

「おや、ウツホ。点検かい?」

 

「どーも。それもあるけど、ちょっとね」

 

 電車を乗り継ぎミレニアムへ。ホシノと買いに行った後も何回か来たので道はバッチリである。点検しかり、単に遊びに行ったり。バイト先からも近いしね。だって見ているだけでもすごいのだ。ロマン兵器がポンポン作られてるし、寄りたくもなるだろう。まあこないだは爆発してたけど……

 

 エンジニア部の部室まで行けば、ウタハがレンチで椅子……椅子?をいじっているのが見えた。しばらく見ているとこちらに気づいたようで、レンチを持った方の手を振ってくる。あぶないぞ。

 

「ん」

 

「む。お連れがいるのかい」

 

「そう。うちの後輩なんだけど、壊れたドローンを拾ってきてさ。義手の点検と合わせて修理を頼みたいんだよ」

 

「なるほどね。どれ、見せてほしいな」

 

「これ。お願い」

 

「ほう……うん、この程度のひしゃげなら何とかなるね。後はプロペラとモーターを取り換えれば動くかな?」

 

 渡されたドローンを向きを変えながら一通り見つめるウタハ。まあ余裕だろうという雰囲気だ。マジで?ちょっと見ただけでどこを直せばいいか分かるんだからすごいもんである。そう感心しているうちに、ウタハはそそくさと作りかけの椅子をどかして作業の準備に入っていた。

 

「ああ、一緒に君の義手の点検もやってしまうから渡してくれ。なに、そんなに時間はかからないさ」

 

「はいよー」

 

 言われた私は左手の付け根に手をあて、ロックを解除して義手を外す。億劫だからって袖の方から引っこ抜いちゃだめだぞ。一回やったら悲惨なことになったから。ドローンの置いてある作業台にポンと置けば、工具箱を漁っているウタハが口を開いた。

 

「所で……ロケットパンチは付けないのかい?」

 

「お金がまだ足りないんでねぇ」

 

「え~」

 

 内容はロケットパンチのすゝめ。ちなみに、来るたびに毎度言ってくる。もはやお約束。私だってつけたいんだよぉ!でもお金がないよぉ!

 確かに最初に比べたら所持金は増えた。バイトしたり、借金返済の分の余りをたまにもらったりしているが*1、それでも6桁である。義手の改造には少し心許ない。

 

 ロケットパンチ?とピンと来ていないシロコに軽く説明すれば、キラキラした目をしている。そうか、分かってくれるか。お前だけだよ理解を示してくれるのは。ノノミちゃんはいまいちピンと来てなかったし、ホシノに至ってはバカじゃねえのと言いたげな顔をされたし。そうだよ、バカだよ。なんか悪いかよ。

 

「……まぁ、しょうがないね。うん、本当にしょうがない。なるべく早く終わらせるから、売り物でも何でも見ていてくれ」

 

「ん!」

 

「なんか嫌な予感が……」

 

 ニッコニコの顔でそう言うウタハ。すんごい不安だが、とりあえず言われた通りに売り場にある機械類を見ることにした。と言っても売り場という感じではなく、乱雑に置かれたそれらに値札が付いているという感じだ。

 

 シロコも目を輝かせながら機械を見ている。携帯できそうな武器を一通り見た後、小さめのミサイルポッドを見つめてはうんうん頷く子になってしまった。……お財布の中身を確認しておこう……

 あ、こないだの6連チェンソーが売りに出てる。欲しいかもしれない。使える気はしないが。

 

 

「今なら3個で60%offセール中でお買い得だよ」

 

「あ、そうなんですかうわビックリした!」

 

 まじまじと機構を見ていると、エンジニア部の部長がぬっと出てきた。とてもニコニコ顔で。怖いよ。心臓に悪いよ。どうやらセール中らしく、よく見ればそういうシールが貼ってあった。スーパー……?

 

「ちなみに年末には10円セールもやってるんだ、良ければよろしく」

 

「10円」

 

 ちょっと安すぎる。そんなたたき売りして大丈夫なのだろうかと思ったが、ほとんど在庫処分なので大丈夫らしい。ちなみに、年始に福袋も出るとか。今度は家電量販店みたい。

 

「9話ぶりの出番だからね、セールスでも何でもやっちゃうよぉ!」

 

「はぁ、よく分かりませんけど、お金がちょっと……」

 

「買わない理由が値段なら買うべきって偉い人も言ってた!」

 

「それは十分なお金があるっていう前提があるんでは……?」

 

「借金してでも買うんだ!」

 

「嫌です!!」

 

 恐ろしいこと言うなこの人。学校の借金で私は一杯だよ。つーかこれ以上お金の話なんてしたくないよ。そう思った私は、誤魔化すようにおすすめのラインナップを聞くことにした。

 

「まあそうだね、冗談はこれくらいにして。うーん……これとかどう?ダブルトマホーク」

 

「お、おお……?いったい何に使うんですか……」

 

「孫の手として使っても良し、食材を切るでも良し。ついでにブーメランとしても使えるよ」

 

 と言いながら部長が実際にぶん投げれば、ちゃんと回って帰ってきた。あっ頭に当たった。痛そう。

 

 というか孫の手ってなんだよ。切り傷出来るでしょ。使いづらそうだし。……いや、トマホークな時点で戦闘用だよね?前半二つは使い方を間違っているような……

 

 

「じゃあコレ、ミサイル弾頭を撃ちだせるバズーカ」

 

「エンジニア部って戦争屋だったりします?」

 

「違うよ!売れ残ったのが兵器ばっかりだっただけだよ!」

 

 良かった、別に物騒な集団というわけではないらしい。……ほんとにそうかな?

 

 説明を聞いてもいまいち凄さが分からないでいると、部長が実際に撃つところを見せてくれた。あっ反動で吹っ飛んだ。痛そう。体張ってるな……

 

 しかし的はバッチリ跡形もなくなっている。威力はお墨付きなようだ。反動も凄かったけれども。

 

 

「あとは七輪」

 

「急に庶民的になったな……」

 

「ほら、最近はコレの季節じゃない?お安くしとくからさ」

 

 今は9月、言われてみればそうである。そろそろ、サンマやらキノコやらが店に並ぶころだろう。……考えてたら食べたくなってきたな……

 

「……なんだかんだこれが一番食いつき良いね、主婦なの?」

 

「え゛。いや、そういうわけでは……」

 

 言われてみれば、一番欲しいと思っているのはコレかもしれない。おっかしいな、買うならトンチキ兵器だと思っていたのに……

 

「ちなみに鋼鉄製だよ。鋼鉄の七輪

 

「……もしかしてそれが言いたかっただけですか?」

 

「バレたか……」

 

 実際にサンマを焼きながらそう言う部長。煙をこっちに流すのはやめていただきたい。もはやテロじゃん。遠くで腹の鳴る音がした。ウタハだった。いつの間にかその隣で作業を見ていたらしいシロコもよだれを垂らしている。

 とりあえず焼いたさんまはみんなで食べることにした。

 

 

 

 

 

「これでよし、と。終わったよ」

 

「ホント?」

 

 その後も色々と見せられたが、結局七輪以上のものはなかった。飛行ユニットを三個くらい勧められたけど、そんなに私を飛ばしたかったのだろうか。腰につけたり上に乗ったり背中に着けたりしていた部長だが、さすがに今までのダメージが堪えたのか実演はしなかった。そらそうよ。

 

 疲れたのでベンチに座ってしばらく待っていると、ウタハの作業が終わったらしいので、とりあえずそちらの方へ向かうことにした。ちなみにシロコはずっと作業を見ていたそう。

 

「ああ。まずはドローンだ。一通り見て必要な所を修理しておいたよ。バッテリーは新品さ」

 

「ん、ありがとう」

 

 ピカピカのドローンを渡されたシロコはとてもホクホクしている。その気持ち分かるぞ。うん。分かるんだけどさ。

 

「……で、何コレ」

 

「ミサイルポッドだね」

 

 修理されたドローンには、物騒なものが左右につけられていた。どうやらミサイルポッドらしく、コレのせいで圧が五割り増しくらいになっている。というかシロコがさっき持っていたのと同じ形状だ。

 

「私が頼んだの。付けてほしいって」

 

「聞いてない……」

 

「言ってないからね」

 

 案の定二人の共謀らしい。両者ノリノリだったそう。まあ、素敵な改造だとは思うけど。思うけどそのミサイルポッド、売り物だったよね。つまりそういうことよね。

 

「……」

 

「……」

 

「言うこと聞きます、皿洗いします、お風呂掃除もします」

 

「なんだと?」

 

 シロコにしては珍しいことを言っている。最近は確かに大人しくなってきたが*2、それでもまだ強さ準拠で行動していると思っていた。しっかり成長してるようだ。最近背も伸びてるし。

 

 でもそれ親におねだりする子供のセリフだと思うんだけど、いいんだろうか。まるで私が親みたいになってしまうのだがいいんだろうか。

 

「……はぁ。しょうがない、というかもうやっちゃったんだから仕方ないね」

 

「ん、ちょろい」

 

「なんか言ったか~?」

 

「ごめんなひゃい」

 

 とりあえず頬を目いっぱい引っ張っておくことにした。今は左手がないのでやりにくい。

 

「そしてこれが義手だ。特に交換する部品はなかったけど、油をさしておいたから関節周りはよくなってるよ」

 

「ありがとう、自分でやるとちょっとぎこちなくってさ。助かる」

 

 義手を受け取り、左肩に取り付ける。うん、やっぱりしっくりくるね。これなしで動いてた日が懐かしいもんである。手を閉じたり開いたりして動作確認をし、シャツのボタンを留めた。これでよし。

 

「あ、あとロケットパンチ機能付けておいたよ」

 

「まてぇい!」

 

 よくなかった。ウタハから衝撃の言葉が飛んできたんだが。ええ?今何と?付けたの?マジで?余計な機能を付けることで有名なエンジニア部だが、まさかホントに付けるとは思わなんだ。……いや、自爆機能の一件があったわ……

 

「えっと……言いたいことは……分かるよね?」

 

「ああ、分かっているとも!ちゃんとBluetooth機能も付けてある!」

 

「全くわかってないねぇ!?」

 

 払えないよと暗に伝えるが、まったくわかっていない様子だ。いや、Bluetooth機能ってなんだよ。いる?いやでも腕を飛ばすわけだからいるのか?

 

「あのね?私、そんなに持ってないの、お金」

 

「もちろん知っているとも」

 

「じゃあなんで改造しちゃったの?」

 

「すまない。ついうっかり」

 

「うっかりでなるわけあるか~い!」

 

「はんへいはしている、後悔はしていにゃい」

 

 もう一回頬を目いっぱい引っ張っておくことにした。今度は左手もあるんだぞこのやろう。君が整備したんだから痛いに決まっておろう。

 

「まあ、冗談はともかく。じれったくなった私が勝手にやったことさ、その分の代金はいらないよ」

 

「ウタハはノリで生きてるからね」

 

「部長には言われたくないな」

 

「んええ?」

 

 なんと代金はいらないと言われてしまった。いや、申し訳ないよ。そして軽いノリなのが怖いよ。とにかく、払える限りは払わせてもらおう。残り分については「靴でも舐めましょうか!?」と言ったが却下された。まあそうか……

 

 食い下がった結果、とりあえず何か新しいものが出来たらテスターとして働かせてもらう、という話で一旦は落ち着いた。いいんすか、私にとってはご褒美みたいなもんなんすけど。本当にいいんすか?

 

「一応、ここで使ってみてくれ。不備があったらいけないからね。シロコも、ドローンの動作確認を頼むよ」

 

「分かった!」

 

 よしきたとシロコが手に持ったボタンを押せば、ポッドからミサイルが飛び出す。煙を吐きながら進むそれは、轟音と共に的を吹き飛ばした。威力高くない?

 これなら金庫とか壊せるかもしれないと興奮するシロコ。やめなさい、金庫を基準に考えるんじゃない。やっぱりこやつまだ強盗を諦めてなかったな。

 

「ロケットパーンチ!」

 

 続いて私の番。出ろと念じながら叫んだらちゃんと発射された。スゴイ。飛び出た拳は一直線に的へと飛んで、そして貫通した後ちゃんと戻ってきた。……貫通しちゃったよ、やべえよ。うっひょう。

 それなら金庫壊せる?と聞いてくるシロコ。たぶん行ける。私はそう信じている。気合で壊して見せる。今度実際に壊しに行こうと言われた。任せんしゃい。……ん?

 

 

 

 というわけで、修理整備代、ちゃっかり買った七輪とミサイルポッド代、ロケットパンチ代をできる限り払って私たちはエンジニア部を後にした。ミレニアムには足を向けて寝れない。崇め奉るべきだろう。

 

 シロコはドローンを飛ばしながら、私はロケットパンチを撃ちながら、二人でホクホクしながら帰った。やはりメカは良いもんである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 木に引っ掛かった。ひぃん……

 

 

*1
許可はとっているので着服ではない……はず。

*2
狡猾になって来たともいう




ロケットパンチ付けちゃった。扱いに困りそう()
エンジニア部部長(現時点)の出番はもうないと思います。オリキャラを増やしすぎるのもよくない。多分。

先生の性別

  • 男性
  • 女性
  • ムキムキマッチョマン
  • TS幼女
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