それ逝け!ユメ先輩(偽)   作:ポンコツ太郎

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原作にある話を書いたら当たり前ですが滅茶苦茶楽ですね。やべえ。
でも原作の大幅なコピーにならないか心配。そんなお年頃です。ちみちみ改変せねば。




アビドスに雷が落ちた日(1)

 

 

「……」

 

 対策会議の一幕。

 

 怒っていた。

 

 見るからに怒っていた。

 

 温厚そうなアヤネちゃんが、とうとう怒っていたのだ。怖い。机の上、盆に乗ったせんべいを取ろうと伸ばしていた手を引っ込め、背筋を伸ばして手は膝に。反省アピールである。

 

「……えっと。『残ってる資金を宝くじに全ツッパ、人生は一発勝負だよね~作戦』を提出された方?」

 

「おじさんの出したやつ!」

 

 そう言ってホシノがウキウキで手を挙げる。やめれ逆なでするんじゃない。というかそれ多分全負けするでしょ。もし勝っても数万にしかなるまい。

 

「……『もういっそのこと貸主の会社を潰して借金なんてなかったことにしよう作戦』を提出された方?」

 

「はい、私です、すいません……」

 

 確か空腹でイラついているときに書いた案である。なんでそんなもん提出してしまったのだろう。アヤネちゃんのにっこりフェイスを見て、私は後悔していた。

 

「……『作戦:生徒を人質として大量に捕獲して、強制的に転校させる20の方法』を提出された方?」

 

「私。もちろん、実現性は検討済み。隣の学校の朝礼の時間を狙って、講堂を襲撃すれば……アヤネ?」

 

 シロコはいつも通り。物騒な作戦を、それも緻密に練っているようだった。捕獲ってなんだよ捕獲って。畜生扱いか。

 

「……『旅行計画表:今週末みんなで紀州山にピクニックに行きましょう☆』を提出された方?」

 

「は~い、私です!」

 

 ノノミちゃん。ノノミちゃん?それは今出すべき案じゃないと思うんだノノミちゃん。楽しそうではあるけど、コレは廃校対策会議なんだノノミちゃん…

 

「…………」

 

「あれ、嫌でしたか……?」

 

「ん~、ちょっと危ない雰囲気かも~」

 

 ちょっとどころではないと思うんだ。見てくれ、もう爆発寸前の顔をしている。手をわなわな震わせているんだから。お怒りの総統閣下みたいだから。

 

 これまでも数回会議はあった。そのたびにみんなしてふざけた案を出していたが、アヤネちゃんは律儀にツッコんでくれていたわけだ。しかしそれももう限界ですといった感じである。こめかみに怒りマークが見えるもん。

 

「先輩たちはもっとまじめに考えて!これからの委員会の活動方針を持ってきてって言われたのに、何で宝くじとか犯罪計画とか旅行の話なのよ!アヤネちゃんの眉間が大変なことになってるでしょ!」

 

 セリカちゃんに叱られてしまった。どう考えても当然だが。しかし、アヤネちゃんはどうやらセリカちゃんにも不満があるようで。

 

「……黒見セリカさん、まだもう一つありますから……」

 

「え、アヤネちゃん……?なんで敬語……?」

 

「最後に、『再生可能石油農場への事業投資説明書』を持ってきた方?」

 

「わ、私……です……」

 

 胡散臭すぎる。セリカちゃんはセリカちゃんであまりにもあからさまに怪しい話を持って来ていたのだった。……それにしても純粋な瞳をしている。もしかしなくても、騙されていることに気づいていないみたい。うそん。

 

「で、でもアヤネちゃん!これはちゃんとした事業だし、説明会でもらったパンフレットでも確実な利益がって!」

 

「セリカちゃん、石油は農場でできるものじゃなくて、地面を掘って出てくるものだから……」

 

「そ、それは私も知ってるけど!でも最近見つかったポンジー石油っていう──」

 

 あ、やばい。アヤネちゃんが無表情になった。手の震えもぴたりと止まり、深呼吸をしている様子。逆にヤバイ。私は巻き込まれまいと、とっさに椅子を引いて退避した。

 

「いい加減にしてくださいっ!!」

 

 瞬間、長机が吹っ飛んだ。せんべいがっ!

 

 

 

 

 

 翌日。こってり絞られた私たちは、たまにはしっかりせえやボケと言わんばかりのアヤネちゃんにアルバイトを任せられ、砂漠付近の廃線路沿いを歩いていた。……まあ、今絶賛迷子中な訳だけど……

 ちなみに、任せた本人はストレスで熱が出たため休みである。今のうちに土下座の練習をしておこう。地面熱っ。

 

「いやあ、怖かったねアヤネちゃん」

 

「ちゃんとシミュレーションまでしてあったのに……」

 

「私は、みんなに心の余裕を持ってもらおうと……」

 

「そう言う事じゃないと思うよ……」

 

「そうよ!真面目な話をする場でそうやってふざけてるからこうなったんでしょ!」

 

 なんだかずれたことを考えているところにセリカちゃんのツッコミが沁みる。貴重な逸材だ。漫才で復興とかできんじゃないかな。

 

「うへぇ。でもでもセリカちゃん。セリカちゃんがトリガーだったんじゃない?『信じてたのに、セリカちゃんまで……』みたいな顔してたし~」

 

「わ、私!?」

 

「アヤネちゃんはね~、セリカちゃんにベタベタだからね~。ショックが大きかったかも~?」

 

「うぐ……」

 

 ホシノが若干苦しい言い訳をするが、実際それもなくはないだろう。いったいどこから見つけてきたんだ。なんなんだ石油農場って。マイクラのMODでありそう。

 

「ほれほれ、あんまりいぢめない」

 

「君も変な案出してたじゃーん!仕返しとかされたらどうするのさ~!」

 

「ぐう……」

 

「ぐうの音は出たね」

 

「ぐうの音はそんな意味じゃない……」

 

 私にも飛び火した。いやもうほんと、おっしゃる通りです。でも思いついたときは良い案だって思ったんだ。空腹って怖いね。ちなみに今のぐうは腹の音じゃないよ。

 

 そんなことを言っていると、シロコが顎に手を当てて何か考え始めた。きっと私の案が実現可能かシミュレーションしているのだろう。「こらシロコ、考え出すんじゃない」という目で見れば「言い出しっぺは先輩だ」とばかりにジト目で見つめ返されてしまった。はい……

 

「それにしてもアヤネちゃん、『皆さん……もう少しちゃんとしてください……』って、まるで仕事もしないで家でダラダラしてる子供に対する親みたいな雰囲気だったね~」

 

「それでその『ちゃんと』の具体例が、この掃除のアルバイト……」

 

「明日の学芸祭のために、体育館に溜まってるゴミを掃除……というお話でしたよね?」

 

「こんなアルバイト、いつの間に探してたんだろうねぇ。いやあ、アヤネちゃんは計画的で良い子だよ」

 

「いつも一人で頑張ってくれてますが、時々無理してそうで心配ですね……」

 

「だーからその結果今日みたいにアヤネちゃんがストレスで寝込んじゃったんでしょうが!予定通りアヤネちゃんも一緒に来てたら、こうして迷うことも無かったのに!」

 

「そうだねぇ……もう何キロも歩いてるし……」

 

 セリカちゃんの体力が突出して削られていく中、*1やっぱり目的地は見えない。というかそもそも、話だとアビドスから30分もすれば着くところだと聞いたのに、もう1時間はさまよっているわけで。もう方角からして違うんじゃないかと思い始めているころである。

 

「まあ、大丈夫大丈夫。せっかくだしアヤネちゃんには家でゆっくり休んでもらって~。それに、逆に考えればアヤネちゃんに『やればできるじゃないですか!』って言ってもらえるチャンスかもよ?」

 

「『やればできるのにいつもはああなのか』って思われたりしない?」

 

「……モーマンタイ!」

 

「ほんとぉ~?」

 

 ホシノもこうだし、なんだか嫌な予感がする。具体的にはもう一回正座をしなければいけなくなりそうな予感だ。……いや、諦めるにはまだ早い。せめて目的地に着かねば。

 

「とにかーく!せっかくなんだから、たまには私たちだけでもちゃんとできるってところを見せてあげないと!」

 

「おお」

 

「……でも疲れた~。遠いよ流石に、だれかおんぶして~」

 

「おお……」

 

 やっぱダメかもしれない。

 

「まったく、疲れてるのはホシノ先輩だけじゃないんだからね。もう何時間歩いている事やら……」

 

「あ、あれ見てください!」

 

「ん」

 

 と、気の滅入りもひどくなるかといったところで、ノノミちゃんが何かを見つけてようだ。そちらの方へ歩いて行ってみれば、比較的新しい建物があった。他はおんぼろ廃墟なので、間違えまい。ようやく到着したということ……

 

「……あれかな?」

 

「これが目的地の体育館…………体育館……?」

 

 ……なんかおかしいな。体育館というよりかは、軍事基地というか……とにかく、普通の体育館ではなかった。本当にここかと疑うくらいには、イメージと違っていた。

 

「と、とりあえず」

 

「なんだお前ら!どっから来たんだ!」

 

「えっ」

 

 入ってみよう、と言おうとしたところで、建物の中から人が何人か出てきた。遅いことを叱られる、という雰囲気でもない。スケバンの格好してるし。

 

「なんだお前ら、もしかしてこの体育館の持ち主か?」

 

「いや、そういうわけでは」

 

「残念だったな、ここは俺たちが占拠済みだ!ひどい目にあいたくなけりゃこの体育館のことはあきらめな!」

 

「こんなところに俺っ娘が……」

 

 やんややんやとスケバン達がしゃべりだす。どうやら体育館はこの人たちが使っている様子。いやあの、諦めるもなにも私たちゴミ掃除のバイトに来たんすよ。もしかして依頼主から伝えられてなかったりするんだろうか。報連相は大事と存じます。いやホントに。

 

「というか、みんな体育館って認識できてるんだ……」

 

「やかましい!相手が誰だろうが容赦はしないぜ!げへへへっ!」

 

「ずいぶんなけんか腰ね……」

 

 セリカちゃんの言う通り、ずいぶんオラオラだ。なんだか不自然なほどに。……「偽りの依頼、失礼しました」とかじゃないよね?

 

「……なるほど、そういうことか~。」

 

「えっ?」

 

「ん、私も理解した」

 

「し、シロコ先輩も?というか、何で爆弾を取り出したの!?」

 

「あは☆私もわかりました!」

 

「ノノミ先輩まで!?」

 

 すると、今まで黙っていたセリカちゃん以外の3人は分かったとばかりに銃を構えだす。なんで?やっぱり偽りの依頼?騙して悪いがなの?

 

「アヤネちゃんが持ってきたのは、体育館のゴミ掃除のアルバイト。そう、ゴミ掃除。ゴミ掃除……」

 

「……え、ゴミ掃除ってそういう?」

 

「ええ!?」

 

 いやそれはないだろう……と言いたいが、アヤネちゃんはヘルメット団には容赦がないので実際そういうことなのかもしれない。それにしたってゴミ掃除。言い方。それほど怒っているということか。終わったらもう一回土下座の練習をしよう。

 

「いやあ、アヤネちゃんも言うねえ。確かに私たちにとっては簡単なお仕事だけどさ~」

 

「ちょ、ちょっと待って、ちょっ、先輩!?」

 

「迅速に行こう。ゴミ掃除(悪党退治)

 

「お仕置きの時間です!」

 

「ちゃちゃっとやっちゃおうか~」

 

 あっちもあっちだが、こっちもこっちで戦闘準備は万端という感じだ。目いっぱい暴れてやろうという気概さえ感じる。セリカちゃんが若干涙目でこちらを見てきた。

 

「う、ウツホ先輩……」

 

「まあ……殴ってから考えよっか」

 

「ウツホ先輩!?」

 

 困ったら殴り合え、ここはそういう世界である。私はもうめんどくさいので、そのルールに従うことにした。対話は殴り合ってからでも遅くないのである。多分。

 

 

 

 

 

 

「スゴイ数じゃない!」

 

「拠点防衛みたい」*2

 

「なんそれ」

 

 入り口の奴らを倒して中に入ってみれば、とんでもない数のスケバンたちがいた。想像の三倍いるじゃん。庭の石をひっくり返したときに似た気分だ。

 

 状況が分かっていないらしい彼女らに、先手必勝とシロコがグレネードを投げれば、面白いくらいに吹っ飛んでいく。それが戦闘開始の合図となった。あとは、このワラワラワラワラ次から次へと出てくる敵を1人残らずボコボコにするだけである。それが一番難しいんだけどね。

 

「うわあ危なっ!グレネード!」

 

 体育館という字面には似合わなさそうなゴツい備品を遮蔽にして撃ち合う。この壁がないと絶対蜂の巣にされているだろうと確信できるくらいには銃弾が飛び交っていた。転がってきたグレネードをすんでのところで蹴り返す。

 

「ちょっと多すぎるねえ……あれ、もしかしてなにか間違えてたりする?」

 

「今更そんなこと言っても遅いわよーっ!!」

 

 ホシノは今更ながら、やっぱりなんか違う気がするとまごついていた。後ろからセリカちゃんの悲鳴が聞こえる。

 

「う、うーん。とりあえずアヤネちゃんに連絡してみるよ。少しの間よろしくぅ」

 

「えちょっ」

 

 ここまで来て依頼と違いました~は洒落にならない。ならないが今タンクがいなくなるのは良くないんじゃないでしょうか。ちょい。なんだその目は。無理だよ?私に任されても無理だよ?

 

「ひええ……ハンドガンじゃつらいよぉ!」

 

「どんどん出てきます、ものすごい数です!」

 

「問題ない、ドローンで制圧する」

 

 最近気づいたことなのだが、敵の数が多いとロケットパンチは使いにくい。文字通り手数が足りなくなるからだ。まさに今の状況。私の場合はリボルバーとオートマチックの二丁拳銃なので、なおさらそう感じる。多数にはグレネードだな。今度エンジニア部で探してみよう。

 

 ミサイルでおびき出し、ミニガンで薙ぎ払い、残った敵を狙い撃つ。ひーこら言いながらどうにか4人でこの場を抑えていれば、しばらくしてホシノが戻ってきた。連絡がついたようだが、なんだか微妙な顔をしている。

 

「アヤネちゃんからの返事は!?ホントにこれでいいの!?」

 

「うーーーんとね、じゃあそのまま読むね?おほん。『先輩、それぐらいは自分で頑張ってください。アルバイトというのは元々大変なものです。同行できずすみませんが、最後までよろしくお願いします。』……って。これなんか怖くない?怒ってないこれ?」

 

 意外と声真似が似ていたがそんなことはともかく。一体なんと言って連絡したのかは知らないが、確かにアヤネちゃんは怒っているらしい。やっぱり、ちゃんとやれやボケということなんだろう。

 

「ここで諦めたらアヤネちゃんをがっかりさせてしまいます。逃げるわけにはいきません!」

 

「……うーん……そうね!ならもう迷わないわよ、突撃!」

 

「おお、いいねえ。これが友情、青春の輝き……」

 

「言っとる場合か!」

 

「おじさんみたいなこと言ってないで先輩も手伝って!!」

 

 どちらにせよ、もう止まれないだろう。どちらかが全滅するまでやるしかない。賽は投げられたというやつである。私は銃を構え直した。

 

「ミサイル発射!」

 

 ドカァーン!!

 

「あっ一瞬で柱が折れたッ」

 

 が、シロコのドローンから放たれたミサイルによって体育館の支柱が折れ、振動と共に建物が崩れ始めた。銃撃戦によって至る所に傷がつき、ミサイルがトドメになったようだ。……ところでこの建物、壊してはいけないのでは??

 

「うわーっなんてことを!!」

 

「あ、あれ。ここまでやるつもりは……」

 

「伏せろー!!」

 

 誰かがそう言った瞬間、そのまま天井が落ちてきた。悲鳴が聞こえる中咄嗟に頭をガードして伏せれば、次には轟音が聞こえた。まさにドンガラガッシャンという感じだ。思わず目を瞑る。

 

 

 

「…………生きてる?」

 

「死んでる」

 

「生きてるじゃないの!」

 

 しばらくして目を開ければ、体育館はそれはもう素晴らしい惨状となっていた。見上げれば、キレイな青空が見える。日差しが眩しいぜ。言っとる場合か。

 

「いやぁ〜、下敷きになるかと思った」

 

「みなさん、大丈夫ですか?」

 

「うん。なんとか……大丈夫……」

 

 歯切れの悪いシロコの方を見れば、ノノミちゃんが瓦礫の一部を軽々と持ち上げていた。どう考えても重そうなんですけど、なんでそんな顔していられるんです?

 

 と、みんなの無事を確認しあっていると、モゾモゾとスケバンたちも起き上がってきた。

 

「いってて……うわ、ひでぇ……」

 

「何もこんなしなくてもいいだろ!」

 

「いやまあ、うん。確かにそうだけど……でも、体育館を不法占拠してたそっちもそっちでしょ!」

 

「いや、不法じゃねーよ!ちゃんと許可とったわ!」

 

「ん?」

 

「え?」

 

 スケバンたちからの衝撃発言である。なんと、ちゃんと合法的に使っていたらしい。マジでぇ?え、あの言い方で許可取ってたの?じゃあ私たちの方が不法者ってこと?

 

「許可とったの?」

 

「とったよ!!今日一日は俺たち『夜明けのラジオ体操推奨会』がここを使う予定だったんだよ!」

 

「はい?なんの会?」

 

「『夜明けのラジオ体操推奨会』!!」

 

「なんじゃそりゃぁ」

 

 ずいぶんとヘンテコな名前をしている。今日も夜明けにラジオ体操をした後だったのだろうか。というかそんな変な集団の割には数多くない?

 

「委員長。これやっぱり手違いがあるんじゃないですかね委員長」

 

「……」

 

「ちょっと、私を盾にしないでよ」

 

 本当にちゃんとしっかり確認したのか聞くと、ホシノは気まずそうにセリカちゃんの後ろに隠れた。そしてそれをノノミちゃんが捕獲し、脇を持って持ち上げる。伸びたネコみたい。

 

 観念したのか、ホシノは自分のスマホを取り出した。アヤネちゃんのモモトークが開かれている。それを覗いてみれば。

 

『アヤネちゃん体調大丈夫〜?こっちはさっきバイト先に到着したよ。でもちょぉ〜っと問題があってね?

 体育館の状態が想像以上に酷いんだけど、本当にここで合ってるのかなーって。入口らへんは綺麗に片付けたんだけど、中の方までいっぱいでびっくりだよ〜。

 おじさんがやるにはあまりにも重労働っていうか…これ、ホントに全部仕事の範疇なの〜?てきとーなところで切り上げちゃダメ?』

 

 という文章が送られていた。

 

「……私も人のこと言えないけどさ。これじゃただめんどくさくなってサボりたがってるように見えない?」

 

「うへ」

 

 鳴き声を発したホシノは、珍しく顔がひきつっていた。自覚はしてるみたい。

 

 

 

 

 

 

「到着っ!」

 

 そして。「アヤネにバレたら本当にまずいんじゃ」とシロコが言ったのを皮切りに、それはもう急いでアビドスに戻った私たちは、息も絶え絶えで対策委員会の教室へ向かう。きっと体育館を壊したお咎めの電話が来るだろうが、せめてその前に着いて自分らの言葉で伝えようという訳である。あと言い訳をさせて欲しいという狡い考えもある。

 

「ま、待って!そんな急には…まだ心の準備が!」

 

「セリカちゃん、『案ずるより産むが易し』ってやつだよ。いや~、アヤネちゃんただいま~。今日はいっぱい働い…たよ……」

 

 頼む、まだバレないでくれと思いながら扉を開ければ、アヤネちゃんが1人たたずんでいた。電話の前に。あっ。

 

 とりあえずホシノがすっとぼけてみたが、アヤネちゃんは俯いて動かない。ただ、口元には微笑を浮かべている。昨日も見たねこれ。

 

「い、いやあ、まさか別の体育館だったなんてねえ。人生生きてればいろいろあるもんだよ~」

 

「……」

 

「えっと。その……もう電話きた?いやあ、まいっちゃったね。直接話せればまだ言い訳できると思ってたんだけど……」

 

「……」

 

 机の方を見れば、スーパーで買ったのか、お菓子やら飲み物やらが置いてあった。きっと労おうと思って買って来てくれたんだろう。腹切った方がいい気がしてきた。

 

「もしかして、夜明けの何某という方々と対峙していたよりもピンチだったり……?」

 

「アヤネ、その……ミサイルの爆薬の量を間違えて、柱が壊れて……」

 

「……やっぱりほら、土下座した方が良いと思うんだ」

 

 言い訳をするよりかはいいと思います。イメージはできているので、後はそれをそのまま現実でやるだけである。

 

「だーもう先輩たちは黙ってて!あ、アヤネちゃんごめん!怒るのは分かる……というか当然だけど!ちゃんと理由があって……いや、ちゃんとしてないかも……とにかくごめん!でもとりあえず話を──」

 

 ガタッ

 

 アヤネちゃんが動き、足に引っかかった椅子がセリカちゃんの話を遮るように音を出す。いつもならなんてことない音も、今この瞬間にはめちゃくちゃ怖かった。

 

「ひええ……」

 

「……今から。呼ばれた人だけ、教室に残ってください。……それ以外は外に」

 

 死刑宣告の時はすぐそこに迫っていた。もしくは判決。全員が息をのむ。

 

「……セリカちゃん──」

 

「私ぃ!?」

 

「──以外の皆さん、全員です」

 

 デデーンという音が聞こえた気がした。

 

 

 

 その後セリカちゃんを除いた私たち4人はこってりと……それはもうこってりと絞られ、アヤネちゃんを怒らせると怖いということを身をもって知ることになるのだった。みんなも確認はしっかりとしようね。()

 

 

 

 

*1
おめーらのせいじゃ

*2
スネイルスイーパーがいっぱい出てくるやつ




先生のセリフに“”を付けるか付けないか、それが問題だ。
付けたほうが見やすそうなので付ける方向で行きたいとは考えております。

先生の性別

  • 男性
  • 女性
  • ムキムキマッチョマン
  • TS幼女
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