それ逝け!ユメ先輩(偽) 作:ポンコツ太郎
よくよく考えたらすでに事故ってるだろうし、3章part3が来るまではまだ舞えるかなって……
あとタイトルも変えてタグを追加し、前話を少し加筆修正しました。ちょっと適当すぎたので……お暇があれば併せて。
……「暑くて干からびそう」ってそう言う?
「はぁ~っ、生き返る!」
「ん」
現在、夜の住宅街。空き家で出会った犬……狼耳の子と一緒に、水をいただいている。お酒じゃないよ。ちなみに、ペットボトルのフタはこの子に開けてもらった。片手では難しかったよ……
ただの水、されど水。冷蔵庫にあった賞味期限ギリギリのそれは、電気が通っていなかったのでぬるめだったが、むっちゃ美味い。生き返った感じがする。これで食べ物があれば完璧だったね。
邂逅を果たした後、威嚇しながらじりじりとにじり寄ってくる狼耳の子に無害なことをさんざんアピールした結果、どうにか警戒を解くことができたのだ。振り返ってみると、大分情けない命乞いみたいな感じだったと思う。「食べてもおいしくないよ!」と言うセリフが口から出た時はさすがにそれは無いだろうと自分でも思った。この子も困ってたし。
その直後両者の腹から轟音が鳴り響き(自分は二度目だ)、不毛な争いをしてる場合じゃないな、となって二人でキッチンを漁り、水を見つけて今に至る、というわけである。
ちなみに、衣服に関してはタンスを漁ったがなかった。すぐ見つかると思っていたのでこれは誤算だ。狼耳の子もこっちを見たとき制服の血を見てかギョッとしていたので、なるはやで手に入れないと次誰かと会ったときに亡霊かなにかかと思われかねない。……まあ多分間違ってはいないけど……
狼耳の子はかれこれ何日もずっと自分のように空き家を漁って生活しているらしい。「その道のプロ」とは彼女の言。そんな道のプロになるんじゃない。
しかし横目で見ていると、ここ周辺の状態も相まってなんだか野生化した生き物みたいだなと思った。いや、実際そうかもしれない。威嚇の仕方が滅茶苦茶犬だったし。
「そういえば、貴方はなんでこんなところに?」
中身を平らげ落ち着いたところで、狼耳の子がそう聞いてくる。ここに来るまで色々あったようななかったようなだが、あまり信じてもらえなさそうな気がしたので部分的に言うことにした。
「んー……確かめたいことがあるから、かな。自分が何者なのか分からないというか」
「へえ。似てるかも」
「似てる?」
「うん。私、気づいたらここにいたの」
「……記憶喪失ってこと?」
「うん、何も分からない。自分の名前も、どうしてここにいるのかも」
なるほど、確かにある意味似てると言えるかもしれない。目覚めたら一人こんなところに……となれば誰でも混乱するだろう。自分だって以下略。
「でも、名前がないのは不便だぁね」
「ん。今まで人とほとんど会わなかったからあんまり気にしてなかったけど……」
やっぱり人がいないらしい。これはもう少し市街地に近づく必要がありそうだ。手っ取り早いのはアビドス高等学校に行くことだけど、場所も分からないんじゃどうしようもない。どこかで地図を手に入れられれば一番いいけど──
「……そうだ。じゃあつけて」
「んえ、何を?」
「名前」
「ええ?おr……わたしぃ?」
いきなりそんなことを言ってくる狼耳の子。名前を付けてくれと言ったのか。なんとまあ、出会ったばかりだというのに随分と思い切ったことを頼んでくるもんだ。こんな得体の知れないのに頼むより、自身でつける方がいいだろうに。……いや、同じようなもんか?
「うん。自分でつけたら変になっちゃいそうだから」
「変……ちなみに、自分ではどんな名前考えたの?」
「……じゅげむとか?」
「なんでやねん」
前言撤回だ。この子に任せると碌な名前にならない。放っておいたら最悪の場合アバンギャルドとか名乗り出しそうだ。なら自分がつけてあげた方がまだマシだろう。多分。
「んーーー……」
しかしいきなりそんなこと言われてもぽっと出てくるわけでもない。うんうん唸りながら考えるが、どうにもしっくりこない。
……そんなに期待した目で見ないでほしい。この子こっちを信用するのが早すぎやしないか?まだ数時間もたっていないような。おかしいな……どちらかと言えば、餌付けをされたのはこっちのはずなんだけど……
ええい。とりあえず、身体的特徴から名付けてみよう。いやなら名乗らなければいい。狼(?)の耳に青い瞳、灰色の髪……いや待て、これペットの名付け方じゃないか?
「ハイネとか」
「……いや」
「じゃあアオイ」
(ふるふる)
「……ポ、ポチ……」
「むー!」
「いたたたた!ごめん!ごめんって!」
ポカポカ叩かれた。いやそりゃそうだ。自分も人のネーミングセンスのことを笑えまい。しかし人の名付けなんてやったことがないからどうつければいいのか分からない。そう思いつつもう一度、彼女の顔をまじまじと見つめて唸って──
「……シロコ」
「!」
「シロコっていうのはどうかな。苗字は……砂漠の狼で砂狼、とか」
ふと、自然とそう口にしていた。苗字までサービスである。あまり白っぽくないこの子にそう名付けるのは変だろうと思いつつも、これが不思議としっくりくる。どうやら、この子も気に入った様子。名前というのは、意外と運命とかで決まっているのかも、なんて。
「……ん!」
そう、シロコは力強く頷いた。何度も名前を呟いては、口をニマニマ動かしている。そんなにか。……でも、そんなに嬉しそうにしてくれるなら甲斐があるってものだ。自分の口角が上がっていくのを感じる。
「貴方は?」
「へ?」
「貴方は、なんて呼べばいい?」
しばらくそうした後、急に思いついたとばかりにずいとこちらに寄ってくるシロコ。そういえば、自分の名前をどうしようかは決めてなかったな。
「む。今のところは……じゃあ、シロコが決めていいよ。」
「じゃあ、アホ毛」
「アホ毛」
アホ毛……
「……んむ。寒……」
隙間風が頬を撫でる感触で目が覚める。いつの間にか寝てしまっていたようだ。既に外は明るくなっていて、鳥のさえずりが聞こえる。
正直、寝て起きたら何もかも元通りになるんじゃないかと思っていたけど……シロコが自分にひっついて寝ているので、どうやら本当に夢ではないらしい。ぬくい。
さて、これからどうするか……とりあえず、最初の予定通り市街地の方に行きたいところだが……腹がうるさいので食べ物が欲しい。それに、この子を一人にさせておくのはよくないだろう。なんとなくほっとけないというのもあるけど。とりあえず、起こして聞いてみるか。
「おーい、朝だよ」
引っ付いて寝ているシロコのほっぺをつつく。もちもちしていて柔らかい。しばらくムニムニしていると、瞼がかすかに動いて、頭の上に輪っかが浮かぶ。……結局なんなんだろう、コレ。自分以外にもついているということは、別に死んだから出ているというわけではないということだろうか。
「んー……ん」
シロコが薄く目を開け、目をこすりながら体を起こす。ぽけーっとした姿は、幼い子どものように見える。
「おはよう」
「ん!」
「体調は大丈夫?」
「うん。ぐっすり眠ってバッ『グゥ~』……」
バッチリ、と言おうとしたところを腹の虫が邪魔をする。二人して腹ペコなようだ。実際割と深刻な状況で、自分は減りすぎで視界の端がちょっぴりぼやけている。
「……やっぱり食べ物が欲しいね」
「でも、ここらへんの空き家は大体漁った。もう食べ物はあまり……」
一番手っ取り早いのは空き家漁りだが、どうやらそれも望み薄なようだ。やっぱり遠出する必要があるだろうか。
「じゃあ市街地まで行ってみる?そっちまで行けば何か見つかるかも」
「うーん。でも、結構遠いし……あ」
「?」
ふと、シロコが何か思い出したのか、ぽんと手を叩く。続いて外の方を指さして。
「そういえば、少しあっちに行った先に学校がある。人が出入りしてるのも見たし、食料もいっぱいあるかも」
「……学校」
「確か名前は……あどびす?」
学校。あどびす。それを聞いて確信する。そうか、この近くに……
「……アビドス高等学校」
「ん、それ」
勝手に町の方にあると思ってたけど、意外と近かったらしい。なら、今行ってみる価値は十分にある。思っていたよりも早くこの身体のことを知れそうな機会が来て、心の準備がちょっぴりできてないけど。でも、行かなければならない。
「いいね。行ってみようか」
「分かった。じゃあコレ」
そう言って、黒い布を渡してくるシロコ。分厚めで伸縮自在。腹巻によさそう……じゃなくて。
「ナニコレ?」
「覆面」
「……なんで持ってるの?」
「この家にあった」
「ええ……?」
そういえば、タンスにあったような気がする。被ってもなあ……ということでそこら辺に放っておいたけど、よくよく考えたらいったい何者だったんだよここの元住人……
「いや今はそこじゃない!これで何するの?」
グッとサムズアップするシロコ。目はキラキラ輝いている。……何故だろう、猛烈に嫌な予感がする!
「ま、まさか……」
「ん。学校を襲う」
「嘘でしょぉ?」
なぜ襲うんだい?もっとこう、平和的にこう……ね?
展開が早すぎる気がするし三点リーダーが多い気がするし思い付きで書いてるから話に一貫性がない気がする。許して……
どっちがお好き?
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