それ逝け!ユメ先輩(偽)   作:ポンコツ太郎

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前回は概ね好評だったみたいで……ありがたい限りでございます

名前の件でお騒がせしてしまったのはすみませんでした。軽率でした
コメントは参考程度にして結局自分で決めてしまった点も申し訳ない
今夜腹を切る()

ここから数話はグダグダ進む感じだと思います。許して……



義手っておいくらするんです?

 前回までのあらすじ!いつの間にやら全く知らん女の子の身体(おそらく死体)に入ってしまった自分。手がかりを頼りにこの身体の知り合いがいるであろう学校まで行くと、そこにはとても親しかったであろう子が一人(二人)待ち構えていた!実質悪霊の自分はその子に糾弾され、乗り移ってしまった原因を突き止めることに!これから一体どうなってしまうのか!?

 

 

 ……のか、じゃねえよ阿呆。

 

 というわけで、ピンク髪の子──名前を小鳥遊ホシノと言う──と約束した翌日。謎のドンパチ音で目を覚ました自分は、いったい何事かと保健室から出るなりヤムチャ状態になっているシロコに出くわした。マジで何事。

 

 話を聞けばシロコはホシノに喧嘩を吹っ掛けたらしい。「昨日のは調子が悪かっただけ。だからもう一回勝負」とのこと。く、クソガキ……

 

 負けた方が何でも言うことを聞くという条件で始まったそれは見ての通りホシノの圧勝。というか傷が見当たらないので完封したのだろう。怖。そういうわけでシロコのアビドス高校入学が決まったらしい。こちらとしても、この子を野生に返すわけにはいかないのでありがたい。

 

「ん、じゃあアホ毛も入ろう」

 

「私はもう入るって決まってるよ、あとアホ毛はやめて」

 

「私は自分より強い人の言葉しか聞かない」

 

「……」

 

 とりあえずシロコの頬を引っ張った。名前、考えないとな……

 

 

 

 

 

「ということで、おじさんはこの子とミレニアムまで行くから、2人はお留守番よろしく~」

 

 皆が学園祭事務室に集まったあと、早速言われたことがこれだ。おじ……?いやそんなことより待ってほしい。みれにあむとは?というか何にも聞いてないんだけど?そんな目でホシノを見れば「今考えたんだ~」と言われた。ええ?

 

「それは分かりましたけど……シロコちゃんはともかく、結局そちらの方は一体……?」

 

「んえ」

 

 ……ま、まずい。もっともな疑問だ。ホシノはともかく、2人にはどういう設定で通せばいいのか全然考えてなかった。頭が働いてないなコレ。まだ寝ぼけているんだろうか。そういえば寝癖がしつこかったな、なんてどうでもいいことが頭をよぎった。

 

 

「ああ。…………知り合いの、妹さんなんだ。あまりにも似てたから、昨日はびっくりしちゃって。いやぁごめんね」

 

「あ、ああうん。しょうがないよ、怪しさ満点だったし……」

 

 ホシノが助け舟を出してくれたけど…………まあ、それが一番丸いか……

 

「……どうして強盗を?」

 

「いや、それはシロコが言い出したことで……」

 

「ん」

 

「んじゃないわ」

 

 こらそこ、誇らしげにサムズアップするんじゃない。なんで犯罪をしてそんな顔をしているんだ。記憶がないとか言ってたけどこの子、まさかロスサントスから来たとかじゃあるまいな。

 

 しかしここまでくれば名乗らないといけない。名前……名前か……当たり前だけど適当はよろしくないだろう。ユメ、の対義語とかか……?うーーーん。

 

 

「ウツ……ホ。梔子ウツホ。よろしくね」

 

「……はい、十六夜ノノミです!よろしくお願いしますね!」

 

 梔子ウツホ。まあ、上出来な名前だろう。夢と希望いっぱいだな。ベージュの子ことノノミちゃんも納得してくれたみたい。……多分?

 

 聞けばノノミちゃんはまだ中学生らしい。この子も自分──私ら同様春に入学する子だということだろうか。それなら昨日の生徒数は一人理論も納得することができる。だってまだここの生徒になっていないわけだし。……屁理屈な気もするけど……

 

 

「それで、そのみれにあむってところには何をしに行くの?」

 

「腕を買いに行こうと思ってね」

 

「腕ぇ?」

 

「そう。だって、片腕じゃ不便でしょ?」

 

「…んまあ、そうだね」

 

 それは全くその通り。これじゃお茶碗も持てないわと嘆いていたところだ。というか違和感が凄すぎて全然慣れない。脳はあると思っているが、実際にはないというやつだ。これが幻肢か〜なんて不謹慎にも感心していたのも束の間、勝手に動きだして現在暴れているのが自分の左腕(幻肢)である。どーしよ。

 

「ミレニアムは機械に強いからね。きっと義手もあると思うんだよ」

 

「ああ、なるほど……?」

 

「結構遠出ですね……バスと電車を使っても、時間がかかります」

 

「んー、お昼過ぎちゃうだろうね。ごめんね、でもお土産は買ってくるからさ」

 

「ん、耳穴の開いた覆面が欲しい」

 

「他のを頼みなさい……」

 

 こやつ、まだ諦めておらんぞ。隙を見てまた暴れ出しかねない。ノノミちゃん1人に任せておくのは辛いかもしれないし、なるべく早く帰らねば。

 

 というか、てっきり他の所もアビドスとまでは行かずとも荒廃していると思っていたが、別にそう言うわけではないらしい。良かった、終末世界とかじゃなくて。

 

 しかし義手か。ハリボテでなくちゃんと動くならとてもありがたいもんである。あとかっちょいい。今のところぐにょんぐにょんしている左腕(幻肢)もそれさえあればなんとかなりそう……

 と、そこまで考えてふと、ある考えがよぎる。終末世界じゃないんなら、多分経済は回っているわけで。地球では義手って確かそれなりなお値段がしたわけで。

 

「……ところで、お金は足りるの?」

 

「…………うへ」

 

 そう言うと、ホシノは目を逸らした。お、お金はぁ……?

 

 

 

 

 

 バスに揺られて市街地へ、そこから電車に乗る。着くまでの時間で、アビドスの売店で買ってもらったパンを頬張る。美味い。美味すぎる。いよいよ空腹で腹が捻じれるところだったので助かった。

 

 実はアビドスの売店は外にあったのだ。それを聞いた私はじゃああの時校舎に入る必要なかったじゃないですかと無駄にげんなりしたのだが、それをみたホシノに渡されたのがこのコロッケサンド。曰く「3倍返しね」とのこと。あの、私お金持ってないんです……

 

「あと、これも渡しておくよ。」

 

「む。……ハンドガン?」

 

 ちょうど食べ終わったところ、そういって渡されたのはハンドガン。詳しくないので名称とかはさっぱりだが、持った質感と重みから本物だということは分かる。いやでも、渡されたところでという感じだ。

 

「……私、銃使ったことないんだけど……」

 

「え。今までどうやって生きてきたの……?」

 

「……のうのうと?」

 

「……」

 

 ジト目で返された。ひぃん……しょうがないじゃん、日の丸出身なんだよこちとら。触れる機会はもちろん、見る機会すら少ないし。

 

「キヴォトスじゃ銃を持ってない人は全裸の人より少ないっていうのに……」

 

「え何それ、怖ぁ…そんなに銃社会なの?」

 

「……何も知らないの?」

 

「まあ、うん」

 

「…………」

 

 ジト目が強くなった気がする。いやだってぇ……ここのことなんも分かんないし……

 

 

 右も左も分からないんじゃこの先アレということで、とりあえずこの世界についてのことをざっと教えてもらった。

 ここは学園都市キヴォトスっていって、その名の通りいろんな学校からできた都市だとのこと。これから行くミレニアムというとこもその一つらしい。各学園が自治区を所有しているらしく、学生が管理しているんだとか。そんなもん子供がやるな大人は何やっとんねんと聞けば、一応いるにはいるらしい。ホシノの言い方がとげとげしかったので、碌なもんではなさそうだけど。どうやら、思ってた以上に歪な世界なようだ。 

 で、なんで銃を持ってない人は全裸の人より少ないのか。それは頭の上の輪っかことヘイローが悪さ(?)をしていて、そのせいで生徒たちがすこぶる頑丈だからなんだそうな。これ、よく分かんなかったけどそういう役割を担ってたんだ……だから死ななかったのね。でもそのせいか倫理観は薄めで、チンピラじゃなくとも気軽にドンパチやりあうらしい。なので銃を持ってないと舐められるんだとか。銃声が鳴らない日なんてないとも言っていた。怖すぎる。殴り合いじゃダメなの?

 

「……というかじゃあ、この腕は一体?」

 

「私もそれが分からない。少なくとも、相当なことがないと腕が取れるなんてことはないと言っていい。弱ったところを電車に轢かれるとかね」

 

 じゃあこの左腕は何だと疑問を口にしてみれば、ホシノにも分からないとのこと。それだけの耐久力を持つ生徒の腕が吹っ飛ぶほどの威力となると、相当なパワーがいるということだろう。一体何にやられればこうなるんだか。やっぱり、ただ事では無さそうだ。砂漠で目覚めたわけだし、そこにいる何かにやられたというのが一番可能性があるだろうけど──

 

「……砂漠にデスワームでもいるのかな」

 

「まあ、いないことはないけど」

 

「え゛」

 

「たまに見れるよ、でっかい蛇が」

 

「ええ?」

 

 急にファンタジーになるじゃん。どういう世界だよ。

 

 

 


 

 

「で、でかあ!」

 

「うへ、壮観だね」

 

 最寄り駅で電車を降りて徒歩数分。私たちはミレニアム学園の前に立っている。

 とんでもなく広いそれは、まさに近未来都市って感じだ。ガラス張りのビル群、周囲に配置されたロボット、学園内を走るモノレール……いやどうなってるんだ規模。聞けば、昔のアビドスはこれより大きかったんだそうな。うっそだぁ。

 

 ともかく、用があるのはエンジニア部。名前の通り機械を作っている部活らしいのだが、なんでもイカれた奴の溜まり場らしく、毎日のように謎機械が産声をあげているそうな。そんなようなことが学園紹介パンフレットに書いてあったんだけど……いやパンフレットにディスられるって一体どんな部活なんだよ。

 

 ただ、キヴォトス一の技術を持っているとも書かれていた。なんとも自信ありげだけど、そんなところなら義手の一つや二つポンと作ってくれるかもしれない。……お金だけが心配だ。

 

 広い敷地を行ったり来たり。途中迷って変な所に来てしまったが、ちょうどいた浮いてるルンバみたいな機械が道を教えてくれたのもありなんとかエンジニア部の部室前に到達。ちらと見れば、作りかけと思われる機械がずらっと並んでいる。

 

「すみませーん」

 

「はーい……む、他校の生徒だ。何か御用で?」

 

 人を呼べば、しばらくして一人が顔を出した。白髪のポニーテールにゴーグルをつけたその人は、私達が他校の生徒と分かると姿勢を正して聞いてくる。

 

「実は作ってもらいたものがあって。この子の義手なんだけども」

 

「おお〜。珍しいね、四肢欠損なんて。なんでそうなったかは……ま、聞かない方が良いか、ゴメンネ。私は先約があるから……ウタハ~!おねが~い!」

 

「む。私かい、部長?」

 

 白髪の人が人を呼べば、奥の方からひょいと顔を出す子が。スパナを持ったその子は、紫っぽい髪をしている。

 

「そ。今暇でしょ?私はあの子を作るので忙しいし、多分ウタハが次の部長だろうから、今から商売に慣れておけってことで!」

 

「少し早くないかい?」

 

「早いに越したことはない!」

 

「うーん……分かったよ」

 

「よろしい!じゃ、よろしく~」

 

 そう言うやいなや、部長と呼ばれた人は自分の作業に戻っていった。何作ってるんだろう。やっぱりメカとかなんだろうかとちらっと見ると、バズーカみたいなのが置いてあるのが見えた。

 

「と言っても、納期はまだ先のはずだけど……まあ、あの人らしいか。さて、部長と代わった私は白石ウタハだ。よろしく、二人とも。」

 

「よろしくお願いします」

 

 白石ウタハと名乗ったその人は、まじまじとこちらの左腕部分を見ながら考えるしぐさをする。*1てきぱきと器具を工具箱から出すさまからはプロの気質を感じた。

 

「ああ、ごめん。それで、義手が欲しいと聞いたけど……」

 

「うん。出来れば、今日中に欲しいんだ」

 

「そうなのかい?それだと、既製品を調節して渡すことになるけど……」

 

 採寸をしてもらいながらそんな話を聞く。正直、それでも数日はかかるだろうと思っていたので驚いた。今日中に手に入るのはうれしい誤算だ。

 

「それでいいよ」

 

「ふむ……分かった。オーダーメイドじゃないのが少し残念だが……不便は敵だからね。ああ、何か要望とかはあるかい?できるだけ応えるけど……ロケットパンチ機構とか搭載できるよ」

 

「欲しいです」

 

「いらないよ」

 

「欲しいです!!」

 

「いらないよ」

 

「欲し「いらないよ」ひぃん……」

 

 なんでだ、いるだろうどう考えても。ロケットパンチは人の夢、人の望み、人の業だぞ。ほれ見ろウタハさんがすごくがっかりした顔をしてるじゃないか。そう目で訴えたらチョップを返された。解せない。

 

 仕方ないのでと、ホシノが防塵加工だけ頼む。「10分で出来るから待っていてくれ」とのことだ。……早くない?よく知らないが、10分で出来るようなものじゃないと思うんだけど。

 

 

 周りの部員が作っている機械群を見ながら暇をつぶす。よく分からない目玉みたいな球体が浮いてたり、チェンソーが六個もついた武器とか、ギザギザの刃がびっしりついた車輪みたいなのがあったり。かっこいいけど……とにかく物騒だ。戦争でもおっぱじめる気なのだろうか。これがミレニアム驚異のメカニズムか。ホシノもそれらを見るなり困惑していた。

 

 

「待たせたね。出来たよ、二人とも」

 

 ともかくそうして時間をつぶしていれば、そういいながら義手を持ってくるウタハさん。ついでに着けてくれるというので、おとなしく座ってじっとする。白色をベースとしたそれは、ちょっとピリッとした感覚とともに左腕部分に装着された。

 

「うん、これでよし。どうだい?動かせそうかい?」

 

「お、おおおお……?」

 

 とりあえず肩肘を動かして、次に手首を回す。そして手のひらを開いたり閉じたり。指を一本ずつ折り曲げ、今度は逆に開いていく。……すごい。ちゃんと思った通りに動くし、何なら右手よか反応が早いような気もする。

 

「想像の三倍くらい滑らかに動く!」

 

「気に入ってくれたようで良かったよ」

 

 その後もちょっとした動作確認を繰り返す。銃を持ったり、素早く動かしたり。特に問題もなく完了し、着けて帰るか聞かれたのでそうすることにした。

 

「これが説明書。メンテナンスの方法が載ってるから、なるべくこまめにやってほしい。普通に使っていればそうそう壊れないだろうけど……まあ、困ったらまた来てくれ。改造と修理と改造と改造なら喜んで引き受けるよ」

 

(改造したいんだな……)

 

 ホシノが支払いをしている間、色々と説明を聞き、予備部品を渡される。大分改造欲があふれていたけれど、まあ私もそうだし。いつかロケットパンチができるようになるといいな。

 

「それじゃあ、毎度あり……と言えばいいのかな?」

 

「ありがとね~」

 

「ありがとうございました!絶対また来ます!」

 

「そう言ってくれると嬉しいな。じゃあ、また」

 

 左腕が復活してホクホクの私とホシノは、見送られながら部室を後にした。

 

 

 

「ところで、結局コレおいくらしたの?」

 

「……ノーコメント」

 

「ええ?高かったと……?」

 

「まあ、一か月あれば払えるよ」

 

「……その言い方だと、やっぱり高そうなんだけど……」

 

「壊さないようにね」

 

「怖いってぇ……」

 

 

 

 

*1
(胸が少し邪魔だな……)




うおっすんごいグダグダ……


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