それ逝け!ユメ先輩(偽)   作:ポンコツ太郎

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内容がないよう()
でも次は少しストーリー進められると思い……

……え、アビドス編更新?



家がいえーいって感じ

 長らく住んでいた保健室から追い出されてしまった。絶望。一応とばかりに設置されたシャワー、室内に広がっている薬品の匂い、ふかふか……ってほどでもないけどベッド。私にとってはそれなりに優良物件だったのだ。それを追い出されてしまった。もちろんシロコも同様にである。悲しい。

 

 最初は私たちもいやだいやだと駄々をこねて抗議したのだが、新しい家のとか言って鍵を渡されてしまっては何も言えなかった。札束で殴られるのと似ていると思ったり。

 シロコは最後まで抵抗していたが、「強い人には従うんでしょ?」と言われるとしょんぼりうなだれて黙っていた。インガオホー!自分に返ってきたのがそんなに嫌だったのかシロコは耳が垂れていた。私は撫でた。復活した。早。

 

 とにかく要するに、私たちのためにホシノが家を借りてきてくれたらしい。いきなり鍵をくれても困惑するので、事前に言ってほしいなと言えば「サプライズってやつだよ」と言われた。本当だろうか。単純に忘れていただけなんじゃなかろうか。ジト目で見つめればホシノも返してきた。なぜかシロコも参戦し三つ巴の戦が始まる。睨みあうだけだけど。後から来たノノミちゃんもほほえましいものを見るようなにっこり顔である。あの、止めてくださいませんか……

 

「で、どこにあるの?」

 

「ふっふっふ……見たらびっくりするよ」

 

「すごいの?」

 

「いや、普通」

 

 普通なんかい。じゃあ何にびっくりするんだよ。とりあえず、ついて来いと促すホシノのあとに続く。後ろをついていく二人を見て、まるでカモの親子が引っ越ししてるみたいだな、とか思ったり。いや実際に引っ越しなんだけどね。

 

 

 四人で寂れた住宅街を歩く。どこも閑散としていて、誰も住んでるようには見えない。中には最近までまだ人が住んでいるところもあったらしいが、それも軒並み廃墟になってしまっているようだ。暑いし、砂嵐は来るし、暑いし、店は遠いし、暑いし……確かに、わざわざここに住む必要性は薄いだろう。相当な郷土愛でもない限り、居続けるのは難しい。

 住宅街をしばらく歩けば、開けたところに出る。そこにはだだっ広い砂漠が広がっていた。私が目覚めたビルもあの中にあるのだろうか。まばらに立った建造物が、砂漠の砂に埋もれている。ここら辺もいずれそうなってしまうのだろうか。そう思うと、少し寂しい気分になる。

 

 

 そうして20分ほど歩き続けていると、ホシノが4階建てのマンション……マンション?の前で止まった。どうやらここが、私たちの新居らしい。あ、二人で住むというわけではなく、上下階一部屋づつ借りてきたんだそうな。角から一つ離れた部屋で、3階と4階なんだそう。

 

「私は上の階がいい」

 

「そんな二段ベッドの取り合いみたいな……」

 

 着くや否やウキウキシロコがそうせがんで来る。ガキか君は。ガキだったわ。私としては正直どっちでもいいので、シロコが4階、私が3階の部屋を使うことになった。ホシノがシロコを連れて上の階へ行くのを見届ける。親子みたいだねと言えば、君に言われてもと返ってきた。そうかな……そうかも……

 とりあえず、自分もノノミちゃんと共に部屋の中に入ってみることにする。シロコほどじゃないにせよ、私も浮ついているのだ。

 

 鍵を回して扉を開ける。玄関は普通、廊下の左にトイレ、右に洗面所と風呂があるようだ。キッチン冷蔵庫も廊下に、そして一番奥に一部屋。要するに、よくあるワンルームのレイアウトだ。部屋には引き出しにベッド、ついでにガンラックが置いてある。大きな建物がないため日当たりもよさそう。洗濯物がすぐ乾くだろう。……アビドスじゃどこでもそうか……

 ベランダから振り返って見てみれば、意外と広い部屋だなと感じる。家具が少ないというのもあるだろうけど。

 

「本当はもっと高いものを買おうとしたんですけど、ホシノ先輩に止められちゃったんです……」

 

「え?この家具、ノノミちゃんが買ってくれたの?」

 

「はい!あ、この冷蔵庫もなんですよ。スネイルみたいでカワイイデザインですよね!」

 

「スネ……?じゃなくてえっと、おいくらぐらいしたの?」

 

「それは秘密です!」

 

「ええ……」

 

 怖すぎる。ホシノもそうだが、どうして金額を教えてくれないのだろうか。もしかして私の想像よりも高くて、多分返せないとか思われているのか。いつか返すねと言ったらいえ大丈夫ですと拒否されたし。なぜかどや顔で。なんでだよ。返させてくれよ。気が気じゃないよ。

 

 

 次に、私たちは日用品の調達をしに行った。近場だとコンビニしかないので、そこで済ませる。石鹸歯ブラシタオルにティッシュ、エトセトラ。今時だとコンビニでも結構なものが揃うもんだなと思った。ちなみに、流石にこの分は返すと言ったがやっぱり拒否された。もちろんどや顔。だからなんでだよ。後光がまぶしいよ。

 シロコの分も買ったので大分かさばることになったが、ノノミちゃんは難なく積み重ねていた。なんてすばらしい体幹。本人曰くショッピングが趣味とのこと。なんともそれらしい。……だとしても、そんな蕎麦屋の出前じみた積み方出来るだろうか……?

 

 

 

 そして水道ガスがちゃんと通ってるか調べ、その他不備がないことを確認し終わったのは夕方。途中上からドタドタと音がした。「うへぇ~!」という声付きで。何があったんだろう。大体察しはつくけど……

 

 ノノミちゃんはホシノと一緒に帰って行き、部屋には私一人になってしまった。時刻はすでに夜。風呂に入り、そして夕食を食べた後、やることもなく特に暇をつぶすものも持っていない私はとりあえずベッドに倒れこんでみた。布団を触ってみれば、保健室のよりふかふかだ。素晴らしい。

 

 しかし、やはり一人だとこの部屋は広い。ノノミちゃんがいなくなったせいか、余計にそう感じた。やはりシロコがいないからだろうか。保健室の時は一緒だったので、いないというのはどうにも落ち着かないけど……しょうがないだろう。天井を見つめながら、そんなことを思った。

 

 

「まあ、ちょっと寂しくなるか────な」

 

 と、ふと目をそらすと、部屋の天井の角にゾルディック家の三男みたいに張り付いているシロコの姿が目に入った。…………!?

 

「ぬぁーーーーッ!!?」

 

 推定綺麗な二度見をした後、素っ頓狂な叫び声が響いた。もちろん私の。こらこら大きな声はお隣に迷惑だぞ、私。いやこんなの叫ぶわアホか。足音がしなかったし、そもそもどうして天井に張り付いていたのか分からんし。一瞬クソデカいGかと思った。*1

 

「来ちゃった」

 

「き、きちゃっ、ええ?なん、どこから?」

 

「ベランダから」

 

「なんでだよ玄関から来いよ!ビックリしたわ!!」

 

 どうやらシロコは開けていた窓からベランダを経由して侵入していたようだ。普通に玄関から来てほしい。というか落ちたら危ないでしょうが。そう言うと「慣れてるから大丈夫」と返された。空き巣のプロ発言の信ぴょう性が上がったな。いや上がるんじゃないよそんなもん。

 

「で、どうして天井の角に?」

 

「驚かせたくて」

 

「まあうん、驚いたよ……」

 

 どうやら私を驚かせたくて張り付いていたらしい。ちなみに聞くところによると10分弱そうしていたとか。全然気づかなんだ。というか一体何が君をそこまで駆り立てたんだ……

 

「……」

 

「……」

 

 しかしどうやら、部屋に来た理由はそれだけじゃなさそうだ。じっとこちらを見てくるシロコに一体何事かと思考を巡らせ……そしてなんとなく分かった。なんともかわいい奴である。

 

「……ふふ。分かったよ。ほれ」

 

「ん!」

 

 ベッドに来るように催促すれば、シロコが飛び込んでくる。ぐえっ。もう少し勢いを殺してほしかった。

 

 しかし人肌が恋しくなるのはどうやら同じだったらしい。引っ付くシロコはご満悦の様子だ。二部屋借りてもらった意味はあるのだろうかと疑問に思いつつも、まあいいかとそのまま就寝することにした。

 

 

 

 

 

 

 「…………あ、あっつい…………」

 

 その夜は寝苦しかった。なまじ布団の質が良くなったので、もはや暑いのだ。夏はさすがに引きはがそう。でないと死ぬ。私はそう思った。

 

 

 

*1
ん、失礼




アバーーーーッ!!!!!!!!!
というわけでアビドス3章の更新でプロットの節々が死にました。
今まで……ありがとうございました……


はい。半分は冗談です。でも更新が滞るかもしれへん。もしかして日常回を書いている場合ではない……?
エーブリエタったらすみません。許して……


あ、アンケートの回答もできればよろしくお願いします。

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