プロローグ
2185年 3月9日
地球合同移民計画機関『BLADE』はとある超長距離の惑星に目を付けた。
その惑星の名は『IS28b5c9』と呼ばれる惑星………後に『クローズ』と呼ばれる惑星に移民計画を建てた。
後に『トロイ・ノア計画』と言われたこの計画に5隻の船が出た。
・一号艦恒星間航行データベースプール『ノア』
・二号艦航宙航行艦移民船『マザー・ドートレス』
・三号艦恒星間第二次移民船『武蔵』
・四号艦光速航行ケーブラー船『イスラフェル』
・五号艦静止軌道防衛艦『ラミエル』
2187年 12月9日
第一次遠征開始。一号艦、二号艦が共に出発。三号艦は予定されていた防衛兵器やその他の計画の途中参入により始発は四号艦の建造終了間際になる予定。
2188年 9月9日
第二次遠征開始。三号艦は予定より全長を57m長くなってしまったが問題なく大気圏外へ。流石日本だと思う。到着予定は第一次遠征隊の到着予定と同刻との事だ。途中新技術の開発に成功したとかでエンジンの丸ごと取り替えをしたお陰か?
三号艦には民間企業が多数存在している一つの国家のようなものだ。もし敵対勢力が居ても彼等なら五号艦到着まで持ち堪えるだろう。
なにせ予定されている防衛艦の五号艦と同等の戦力なのだ。そうでなくては困る。
2189年 5月9日
五号艦の建造が一時中断された。そして二号艦との通信が途絶。
最後に確認されたのは敵対的な知的生命体との遭遇という報告。
我々は三号艦へのその事の報告をしようと思ったが、通信技術がまだ発展途中だった。
残念な事にこの報告が辿り着く頃には惑星に降下しているだろう。
せめて……せめて生きていてくれ。五号艦がそこに辿り着くまで……
***
艦内記録D4
惑星近辺へ到着。準備の為に少し離れた所で光速航行を終了。先に出ていたマザー・ドートレスと連絡を取り合おうとした時にそれは起きた。
カメラに映る一筋の閃光。大気圏へ落下している2艦の姿。
何が起きたのかはわからない。だが、あの落下はほぼ助からん。
すぐさま第一戦闘配置で情報の収集が始まった。結果は早くも遅くもなく。俺たちはすくさま宇宙空間での戦闘の矛先となった。
マチルポットの八機によるスーパーリンクで全周を防御しつつ敵の数を減らす。見たこともない機械生命体が無限とも思える数が……データが正しければその数約1843万8512体。黒い渦が俺たちへと襲い掛かる。
1体に1発でも弾切れはする。だが、全部倒せるとは思わず、ただ艦の防衛に専念した。
情報を的確に処理し照準を合わせて撃ち、敵の攻撃はすぐさま回避しつつ前進。目標は墜落した第一次遠征隊の船の付近。
傷付き、破裂し、分裂し、破砕し、爆発し、崩壊し、死につつも前進を続けた。
俺達はアドレナリンを注入され続けたからわからなかったが、あの時点で生き残っていたのは最初の3分の1程度。艦も何故航行出来ているのか不思議なほどだった。
そして、最後に艦は守り切れなかった。地球上の技術の結晶が……
しかし、最重要部は守れた。戦闘用のブロックに守られた全生存用備蓄資源並びに開拓、開発用凝縮拡張ブロック。エデムブロックか。
エデムブロック。それはテラフォーミング装置を兼ね備えた人類の居住ブロック。中には街が一つ丸ごと入っており、その中で俺たちは生活している。
オレの女将もそこに居る。それが守れて、なんとか降下出来たという事実だけでも冥土の土産には丁度良い。
せめて……最後にあのパイン・サラダでも食べれたら……何も悔やむことは無かったんだがな。
3分12秒録画終了。機体損壊度92%超過。大気圏へ突入の後記録のみ回収。遺体は完全焼失。KIA。
「そんな事があったんです。この星に降り立った数少ない人間は直ぐ様惑星を開拓する為に恐怖を押し殺し何もわからない大地に降り立ちました」
「そして、時は流れ約二年。人類の歴史は始まったばかりなのです」
「だが、我々の歴史はまだ始まっていない。そんな時代……異端歴とも言える歴史。鬼神の目が開く」