脇役な僕と先生と予測不能な彼女と姫君達   作:ぽけぽっぽ共和国

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うおおお何とか間に合った。コメントや評価、ブックマークいつもありがとうございます。なんか日刊とかにちょいちょい載ってると聞いて嬉しい限り……。

引き続きコメント返しもやっていきますので、良かったら感想いただけると嬉しいです。モチベに繋がるのだ……。


Stories of the Past・Abydos.Ⅲ

 

「結論から言うと、殆ど何も分からなかった。折角頼ってくれたというのに、すまないね」

 

「いえ、そんな」

 

 

 申し訳なさそうにする白石さんに、思わず首を振る。元々無理を言っていたのは此方側だ、感謝こそすれ責めるような真似ができるものか。

 

 場所をミレニアム実習センター、エンジニア部部室。目の前にいるのは淡い紫の髪と瞳が特徴的な、このエンジニア部の部長である白石ウタハさん。このミレニアムに於いて「マイスター」と呼ばれるほどの工学の腕前を持つ人だ。僕も彼女の作った発明品をいくつも眼にさせてもらったが、凄かった。色んな意味で。

 

 何故ミレニアムに来たのか、白石さんと居るのかというと覚えているだろうか。僕が砂漠に倒れていた時に持っていたあの本の件について調べてもらう為だ。

 たびたびミレニアムのデータセンターに世話になっているのだが、偶然このミレニアムのセミナー――ミレニアムの生徒会のようなもの――の会長である調月リオさんと話す機会があったのだ。ほんの数回話しただけなのに、何を思ったのか公開されていない一部の資料を見せてもらえたりモノレールの使用パスを発行してもらえたり……もし僕の自惚れでないのなら、何故か気に入られている。単純に調月さんが良い人というのもあるのだろうが。

 

 そこで彼女に本について相談してみたところ、エンジニア部に協力を仰いでもらえたのだが、とうとう預けていた本の解析が終わったいうメールを頂いたので取りに来た……これが僕がミレニアムに訪れた理由だ。

 

 調月さんは「持って行かせるわ」と言っていたが流石にそんなことまではさせられない。慌ててその言葉を遮って、此方から受け取りに行くと申し出た。……なんだか不満そうな声をされていたが、ただでさえ好待遇をしてもらっているのだから当たり前だ。

 

 そんなわけで白石さんから本を受け取ったのだが、あまり良い結果ではなかったらしい。まあ、得体の知れない本が尚更得体が知れなくなったと言うだけの話だから大差はないだろう。

 ちなみにエンジニア部にはまだ二人の部員が居るのだが、その二人は以前やらかした爆発事故の後始末に駆り出されているらしい。学内で爆発事故を起こすんじゃない。

 

 

「しかし何もかも分からなかったわけではないよ。役に立つ情報なのかはさておき、ね」

 

 

 近くの椅子に座り込んだ白石さんは「飲むかい」とコーヒーメーカーを指差すが首を振る。別に珈琲が苦手なわけでも無いし、コーヒーメーカーの質が悪いわけでは無いが僕の趣味に合わないのだ。……尤も、僕の好む珈琲を作るコーヒーメーカーなんか作ったら売れないから仕方ない。顔が映らないほどの濃い珈琲など自分以外の誰が好んで飲むというのだろう。

 白石さんもそれを分かっているのか苦笑しながら頷くと、カップを傾け、唇を湿らせてから言葉を紡ぎ始めた。

 

 

「まず、その本に取り付けられている鍵だが……私の知る限り、どんな金属とも異なる材質だ。兎に角、硬い。硬すぎる。それこそレールガンを真っ向からブチ込んでも破壊は難しいくらいの硬度だ。おまけに凡ゆるスキャンを表紙も含めて一切通さないから中身も分からない……鍵を分解するにもネジ穴も何もないから分解のしようがない。解錠は無理だった、お手上げだよ」

 

 

 息を小さく吐きながら、白石さんは徐に手を上に挙げて文字通り「お手上げ」の姿勢を取ってみせる。こっちはこっちで驚きしかない、あんなごく普通の、見た目だけは何処にでもある日記のような本とそれについている鍵がそんな高度なものだなんて誰が思うか。

 しかし、白石さんが開けられないというのなら本当に開けられないのだろう。本の謎が分かるかと思ったが、残念だ。

 

 

「鍵が音声認識で、それも特定の言葉にだけ反応して開くことは分かったんだ。でもそれが何文字なのか、そもそも何語なのかも分からないワードの中から当てずっぽうで解錠するというのは天文学的確率だね……」

 

「それは確かにどうしようもないですね……」

 

 

 普段、僕らが使っている言語だけでも尋常ではない単語があるというのに、それ以外も視野に入ってくるのなら尚更無理だ。なんなら、これだけ厳重に閉ざされた鍵なのだからキーワードが造語の可能性すら存在する。

 僕の持つ本に向かって白石さんが手を突き出したかと思うと、何やら叫び始めた。怖いが。

 

 

「開けゴマ!オープンセサミ!アブラカタブラ!」

 

 

 突然呪文を唱え出した白石さん。というか最後の一つは鍵開けの呪文では無いだろう。

 大袈裟なポーズまで取って唱えた白石さんの呪文(?)だけが虚しく響き、当の本はしんと静まり返ったまま。多分「開かない」ことを実演してくれたのだろうが、それは本当に必要だったのだろうか。意外とこの人は茶目っ気を出してくれるが、それが本気のものなのか冗談なのか偶に解り難い。

 

 

「…………と、この通りうんともすんともならない。どうする、もう少し頑張ってみようかい?他ならぬ会長からの紹介なんだ、無碍にしたくはない」

 

「いえ、白石さん達は充分やってくれました。信用していないというわけではありませんが……なんというか、この本が手元にないと少し落ち着かなくて」

 

 

「そうか」と腕を組みながらどこか残念そうに目を伏せる白石さん。それは中身を知りたかったと言う好奇心からのものなのか、それともまだこの難問(かぎ)に挑戦していたかったと言うチャレンジ精神からくるもなのか。彼女達エンジニア部の気質を考えるに、恐らく両方なのだろうな。

 

 

「もし、また気が変わったらいつでも連絡してくれたまえ。その鍵は久しぶりに骨のある強敵だった、またチャレンジしてみたいからね」

 

「…………僕としては有難い話ですが、なんだか面白がってませんか?」

 

「ふふ、未知の素材が相手なんだ。楽しまなければ損だろう?」

 

 

 ウィンクをばっちりと決められた。顔がいいだけに似合っているのがなんだか悔しい。こう言ってはなんだが、白石さんは偶に男の僕ですら「格好いい」と思ってしまうことがある。勿論、彼女が素晴らしい女性であることは理解した上での話だが。

 それに本が手元にないと落ち着かないというのも本当だ。特段何かあるわけでもないのだが、何と言えば良いものか――()()()()()()()()()()()()()と、誰かに訴えかけられているかのような感覚に陥るのだ。

 

 

「調月さんは……」

 

「いや、残念ながら私は居場所を知らないな。彼女も多忙だからね……何か用が?」

 

「いえ。もし調月さんと会うことがあれば、御礼を言っておいてください。また後日、会える日に直接出向きますので」

 

「…………なんというか君は律儀だな……。兎に角、用件はわかった。会長には私からそう伝えておくよ」

 

 

 白石さんにもそうだが、これだけ手間をかけさせておいて直接の礼もなしというのはあまりに礼儀に欠けるだろう。白石さんには律儀とは言ってもらえたが、今日だって本当は菓子折りくらい持ってくるつもりだったのだ。連絡が来たのがバイト中で急だったから用意できなかったが、今度ミレニアムで調月さんに会う時には必ずエンジニア部の分も含め菓子折りは持ってこようと決めている。

 

 白石さんとお互い手を振って別れると、モノレールステーションに向かう。アビドスと比べてはいけないが、なんで学内にモノレールがあるんだよ。この学園もこの学園で、どこかぶっ飛んでいると思うのは僕だけか。

 

 次の発車時刻まではまだ少しある。その間に売店で何か買ってみようかと思ったところ、携帯が鳴り出した。画面に表示されている発信者の名前は――「小鳥遊ホシノ」。

 

 

「…………はい、もしもし」

 

『あ、繋がった。もしも〜し、おじさんだよお。今、何処にいる〜?』

 

「今、ちょうどミレニアムを出たところですが…………」

 

『じゃあまだミレニアムなんだ?こっちはねえ、さっきヘルメット団がまーたやってきて大変だったよ〜』

 

「ヘルメット団が……?大丈夫だったんですか、そろそろ弾薬も厳しくなっていましたが」

 

 

 ヘルメット団――正式名称をカタカタヘルメット団。馬鹿みたいなネーミングだが、こいつらにかなりの長い期間悩まされているのが悔しいところだ。

 

 その名前の通りに、様々な形のヘルメットを身に着けた武装不良グループを指す。何が目的なのかは分からないが、ことあるごとにアビドス校に襲撃を繰り返している傍迷惑な相手。まあ、アビドスの面々は小鳥遊さんを筆頭に(僕以外は)強いので撃退できているが、問題は弾薬だ。

 知っての通りアビドスの財政は常にカツカツ、火の車。満足に補給のない中で戦っているので、前回の戦いで殆どの弾薬を使い切ってしまったのだが何処に戦うためのものがあったのか。

 

 

『それがねえ、ついさっき先生が来てくれてね。補給品を持ってきてくれたから何とかなったんだよね〜、ありがたいねえ』

 

「先生…………先生というと、シャーレの?」

 

 

 そう言えば、ついこの間シャーレの先生が着任したとかなんとかSNSに上がっていたような気がする。アビドス校の一室を借りて生活している僕は新聞も読まなけりゃ滅多にニュースも見ない……というか読めないし見れないから、着任が今日だということに気が付かなかった。なんで見れないのかって?察して欲しい。

 まあ、何はともあれ撃退できたなら何よりだ。それにシャーレの先生が来てくれたということは支援要請が受理されたということ。今までより少しはマシになるはずだ。

 

 

「良かったですね、小鳥遊さん」

 

『うんうん。それでさー、今のうちにヘルメット団の前哨基地襲っちゃおうかな〜って』

 

「……………………、………………は?」

 

 

 なんて言った?

 ついさっきまでヘルメット団の十数人か、二十数人に切羽詰まっていた人間達が急に基地を襲うなどと、聞き間違いであって欲しかった。いや、確かにそれは弾薬不足が理由ではあるものの、だからといって弾薬を手にした途端に「襲う」?

 砂狼さんの言葉なら「ああ、はいはい、いつものアウトロー発言か」で済ませていたがよりにもよって普段止める側である小鳥遊さんの言葉だ。どうすりゃいいんだ。

 

 

『うへ、どんな顔してるのか分かるなあ。でも真面目な話だよ。ヘルメット団を撃退した今、こっちから追撃が出来るなら消耗してるところを叩き潰せる。何回も数日ごとに襲撃されることを考えたら、良い案だと思うけどな〜』

 

「そりゃあそうかもしれませんが……というか、それなら僕が帰るまで待ってくれたって良かったじゃないですか」

 

『銃弾一発が致命傷のチワワがなーに言ってるのさ。兎に角、おじさん達に任せときなさいって。んじゃ、もし君が先に帰ってたらお留守番宜しくね〜』

 

「あ、ちょっと小鳥遊さっ」

 

 

 呼び止めようとするものの、耳に当てた携帯から鳴るのはツーツーという無機質な音。切られた。

 掛け直してやろうかとも思ったが多分出ないだろうし、そもそもバッテリーがかなり拙い。バイト先から直行してきたので、充電し直す余裕がなかったのだ。向こうから連絡が来ることを考えると、少しくらいは残しておきたい。

 

 

「嘘だろ………………」

 

 

 僕の独り言は、赤く点滅するバッテリーの光に飲まれて消えていった。

 

 ――――――――――――――――――

 

「お待たせ〜、んじゃ行こっか。チワワ君は帰ってくるまでまだ時間かかるみたいだから、さくっと基地を潰してさくっと帰ろうねぇ〜」

 

 

 携帯を仕舞い直したホシノが最後、アヤネが扱うトラックに乗り込むのが確認されると車両が前に進み出す。キヴォトスの外から来た私からすると、中高生達が車やヘリ、あろうことか戦車を操っている姿は何度見ても信じ難い。

 今運転してくれているアヤネに関してもまだ一年生というのだから、如何にキヴォトスという土地が特殊なのかがよく分かる。しかし、いったいホシノは誰と連絡していたのだろう?

 

 

「"私の記憶違いでなければアビドスの在校生って五人だけだったはずなんだけども……"」

 

 

 今此処にいるのは私を除けば運転手を担うアヤネに先程乗り込んだホシノ、そしてシロコ、ノノミ、セリカ。これでちょうど5人だ。帰ってくる、というホシノの言葉から察するにアビドス関係者ではあるのだろうが……ま、まさか私が生徒の名前を確認し忘れていた……!?

 

 

「"わ、……私は先生失格だ…………"」

 

「なに急に落ち込んでんの!?怖いんだけど!?」

 

『せ、先生!大丈夫です、アビドス高等学校の在校生は、名簿上五人で間違いありません!』

 

 

 私の持つシッテムの箱(タブレット)に常駐している超高性能AIであるA.R.O.N.A――通称アロナからもフォローの文言が飛んでくる。良かった、私は先生失格じゃあなかったみたいだ。キヴォトスに於ける殆どのデータを扱うことのできるアロナが大丈夫と言ってくれているというのなら、本当に事前に確認した書類には記載されていない生徒のことなのだろう。

 これはどういうことか、私の困惑を察してくれたのはホシノだった。

 

 

「あー……あの子かぁ。あの子はちょっと経緯が特殊だし、アビドスの在籍に関しては仮登録だから公の名簿には載ってないのかもね〜……」

 

 

 ホシノから聞けば、その経緯はちょっと特殊どころの騒ぎではなかった。砂嵐に巻き込まれて記憶喪失になって生徒会の名簿にも名前がなくて、行き場がないのでそこからずっとアビドスで色々と手伝っているのだと。

 その手伝いの内容というのも、それぞれが語ってくれたがまあ凄い。どれもこれも一筋縄ではいかないだろうと素人に思わせてくれるようなものばかり。

 

 

「先輩、私達が入学した時には砂地に畑作ってたんだから。砂嵐でめちゃくちゃになっちゃったから、今はもうないけどね……」

 

「砂嵐の規模に法則性がないかとか、被害の大きさについて調べてたこともありましたねえ。新しく積もった砂を測量するための計りをずーっと向こうまで並べたり……計りそのものが壊れたので失敗しちゃいましたけど」

 

「砂嵐のメカニズムを解明して根本的なところを断とうとしたりもしてた。流石に無理だったみたいだけど」

 

 

 どれもこれも無茶と言えば無茶な話だ。しかし、失敗しているとはいえ何れも「アビドス」という砂に埋もれた地域を復興させたくての行為だと言うのなら現実的ではある。――が、間違ってもたった数人で学校どころか街を復興しようと普通は思うだろうか?

 その行為自体がまず非現実的だ。だが、その生徒は大真面目だったのだろう。現実的に非現実的なことを成そうとしているし、しかも実現に近寄っていたというのだから驚きだ。しかも、私と同じでヘイローが無い生徒が。

 

 

「"…………本当に凄いね。とても一生懸命な子だって言うのが皆の話だけでも分かるよ"」

 

 

 思わず口に出てしまったが、口に出て悪いものでもない。それに、計画を語るアビドスの皆の表情は明るいものだった。確かに失敗こそしてはいる、しかしそのどれもが確実に最初から無駄だったわけでは無いからか、それともいつか本当にアビドスを救えるのだと信じているからかは私にはわからないけれども。

 アビドスの子達がこれだけ信用している生徒なのだ、私も早く会ってみたいと、心の底からそう思う。それに、何よりも――――。

 

 

「"私が一番凄いと思ったのはね。その子が、何度失敗しても諦めてないところだよ"」

 

 

 普通の人間なら、何度もそんな計画が失敗したら打ち砕かれておかしくない。頑張ったのだから報われたいと、そう思うのは人として至極当然だ。頑張ったことに対する見返りを求めるのは決して悪いことではないし、それが無いと仕事というものは成り立たなくなってしまう。

 なのにその生徒は失敗しても一切折れることなく前に進もうと踠いて努力し続けている。これを凄いと言わずしてなんというのだろう。

 

 ……私?私はほら、生徒の悩みを聞いて何とかしてあげることそのものが報酬を兼ねてるから……。待って、そんな目で見ないでくれアロナ。ちゃんと連邦生徒会からお給料は出してもらってるから……!説得力が無いって眼で訴えかけないでくれ……!

 

 

「…………なによ、ちょっとは先輩のこと、わかってるじゃない」

 

 

 ふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向くセリカ。しかし横顔からでも分かるくらいに、嬉しそうに頬を緩めているのが見えている。セリカは余程その先輩を尊敬し、慕っているのだろう。私も思わず頰が緩んでしまう。

 

 

「戦闘にはヘイローが無いから出してあげられないけどね。ま、そこは仕方ないかな〜って」

 

「先輩、銃の扱いは決して上手くありませんからね……そもそも使うことが滅多に無いですし……」

 

「ん……というか、食べなさすぎるし細すぎる。私の銃を貸した時、反動で腕を痛めてた」

 

「私のミニガンは持ち上げすら出来てませんでしたねえ」

 

「"そ、それは私も持てないかなあ…………?"」

 

 

 ミニガンをひょいと掲げて見せるノノミに思わず頰が引き攣った表情になる。……トラックに積み込む時、明らかに他とは異なる重さの音が鳴っていた。それ何キロあるの、ノノミ……?

 少なくとも私が持てるような代物では無いことだけは確かだ。聞けばその生徒は私よりも非力みたいだし、何よりその子には私のように「シッテムの箱」による防御(アロナバリア)がないのだから、いざという時に自分の身を守れない。置いてくるホシノの判断は正しいと私も思う。

 

 

「…………皆さん、お喋りはそこまでに!ヘルメット団の前哨基地に接近しています。全員、戦闘準備をお願いします!」

 

 

 車内に鋭く響くアヤネの声。全員がその声を合図に銃を手に取り、ぐっと空気が張り詰める。

 私も、「シッテムの箱」を手に取り、いつでも指示を出せるように構え続けている。

 

 トラックが停止した瞬間、真っ先に扉をシロコが蹴飛ばし車外に飛び出して十秒、開戦を示すように銃声がけたたましくなり始めた。

 

 

「"これは、私も先生として良いところを見せなきゃね"」

 

 

「シッテムの箱」から流れ続ける生徒達の戦闘情報を眼に入れながら、私も気合いを入れ直す。

 箱を操作して敵陣に向かうシロコとホシノ、ミッドレンジを位置取るセリカ、後方でミニガンを乱射するノノミ、そしてアヤネのドローンの位置を確認して――。

 

 

「ホシノ!盾を構えながら右側に四秒前進、相手の前衛の動きを止めて!シロコはホシノが相手を拘束している間にドローンを発進、爆撃で真ん中に固まってる子達を蹴散らして!セリカはホシノのカバー、ノノミはそのまま待機していつでも撃てるように!アヤネ、十二秒後ドローンをセリカの元に飛ばしてリロード準備っ。……そこ、ホシノ、左側の遮蔽物に一人隠れてるから注意。ノノミ、相手の中衛に向けてミニガン発射!セリカ、そのままシロコと一緒に――」




先生の指揮はあれです、我々がやってるブルアカの画面見てる感じですね。相手の体力も味方の体力も、遮蔽物に誰がいるかどこにいるか筒抜けです。なんならスキルのタイミングも完璧に図ることができる。
先生の指揮能力が高い+スーパーアロナちゃんパワーの賜物です。不良集団が勝てるかこんなの。
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