逃亡人形の日常日記   作:シャオロウェをすこれ

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 今日の投稿なりー


IF(旧)ルート
十一日誌目-Ⅱ


{10:33:04}

 

 やはり鉄血要塞の守りは堅固の一言に尽きる。うちの部隊では損害は少ないが、先陣を切って突撃したキュクロープス部隊の損耗が極めて激しい。正規軍の無尽蔵とも言える人的資源がなければ、そう、例えるならばこれと同じことをグリフィン部隊でしたならば一司令部は立ち直れないほどのダメージを受けただろう。

 

だからといって無理に空挺降下なんてしようものなら、あちこちに作られている防空陣地やジュピターで乗ってるヘリごと落とされて地面にドボンの奈落へアボンだ。攻めようにも攻めづらく、かといって後退すれば作戦に支障が出る。それに正規軍との連携も難しくなってしまう。

 

とりあえず俺たちとしてはロケット砲や大砲による支援砲撃、そしてドッペルドルゾナーやグラディエーターを中心とした機械化歩兵師団で進行を試みようとしている。このユニットの損耗は今の所0だが、今後ジュピターの直撃やそれ以上のものを食らって無事かどうかはわからない。あっ、マンティコアは死ねぇい!

 

 なんて敵を捌きつつも、また新しくとにかく激しい砲火が飛び交っているが、グリフィンの指揮官率いる小隊はまだ到着しないのだろうか。可能な限り早く鉄血司令部を制圧して、要塞掌握してくれるとこちらとしても大変助かるのだが......それを成すためにはこちらで敵を陽動しないとだな。全然持ち堪えられるだけの戦力はある、いけるはずだ!

 

その証拠に、俺が手塩にかけて改良したウーランSWAPの成果は上々。所々被撃破を出している正規軍のテュポーンよりも敵撃破報告が多いし、生存率も高い。元がコピーでも、コピー元を上回ることもあるというこったな。グラディエーターもその強固な装甲を生かして歩兵の壁となって前進している。まさに俺の考えた作戦論に基づいて動けている。このままの調子ならば......

 

{11:45:14}

 

 よし!無事に鉄血要塞の奪取に成功した。別方向から作戦に当たっていたアリーナ・アデリンの部隊とも合流できて、これでひとまずは安泰といったところか。グリフィンの部隊の方も、今は補給や応急修理などを済ませていて今まさに鉄血中枢部の首に王手が掛けられようとしている。あともう一息で、この戦いは完全にとは言わぬまでも収束するんだ。

 

しかしながら最終進撃に向けては問題があり、この要塞から少し前に出ると鉄血の傘ウィルスが辺りにまき散らされているというか蔓延していて、ただの人間ならともかく、俺みたいに機械交じりの人間だったり人形がそのエリアに入るともうあっという間にアボンしてしまう。正確にはメンタルモデルをハッキングされて使い物にならなくされたり乗っ取られたりしたりするのが正しいか。

 

まぁそんなわけで、正規軍の皆様がその傘ウィルスに対してのアンチジャミング装置を設置して傘ウィルスを無効化するまで俺らはその設営隊の守備に当たることになった。個人的に頑張ってそういう対ハッキング用のファイアーウォールは作ったつもりだったが、流石に数が多すぎてどうにもならなかった。

 

このアンチジャミング装置防衛作戦、本来であれば数が少ないというのにグリフィン部隊のみに任せる予定だったらしい。正直その話を聞いた時、本当かそれ?と思ったのは......別に秘密にしなくてもいいだろう。一応、AR小隊のROさんが軍部に許可をとって廃棄された軍用人形の制御権を確保して、戦力の足しにしてるらしいが。それでもなお不安を抱える戦力だった。ま、俺らも加勢するから、大丈夫だとは思うが......

 

{12:25:39}

 

 よし、グリフィンの協力もあり無事にこちらのアンチジャミング装置を破壊せんとする鉄血を撃滅することが出来た。いや~、正規軍と違ってちゃんと連携がとりやすくてなんか感激ものだ。後は久々にアデリンアリーナアリアと三人の実働部隊とともに作戦行動を行えていて、互いに情報共有のスピードやら指揮やらが上手くいっていてむしろ攻勢もかけれそうなほどだった。

 

しかし残念ながらまたアデリン・アリーナの部隊とはここで別れて、俺は正規軍についていかなくてはならない。これから先、おそらく残党掃討を除けば最後の戦いであろう鉄血の中枢要塞攻略戦が待っている。ここの要塞が前哨要塞だとしたら、鉄血の司令塔エルダーブレインが置かれているのは今から向かう中枢要塞だからな。二人の部隊はここに駐留して警戒に努めることになっている。

 

二人とも俺の腕やら肩やらを掴んで引き留めようとしてきたが......申し訳ないけど任務だからな。大丈夫、このままいけば命の危機が訪れたり、部隊壊滅の危機に陥ることは多分ないはず、無論ここが戦場である以上、狙撃だったり砲撃だったりで万に一つの可能性がないわけではないが......そこはきっと大丈夫だと信じていこう。

 

 そうだ、無事に帰ってきたら今までお世話になって来ているみんなに感謝を伝えないと......今まで時間が無くて、ただ尽くしてもらっているだけになっている気がするからな。それからグリフィンで会った人形の人達とも仲良くなりたいな......なんだか、面と向かって友達って言える人物が少ないのは寂しいからな。そうだな、カノと仲良くなりたいな......彼女はとても優しいし話していて楽しい。ファッションなんか今までみじんも興味がなかったけど、彼女の話を聞いていると面白そうにも感じるし。

 

 ......ま、まだ出来るかも分からない未来のことを話していてもしょうがないか。あとちょっとだし、頑張ろう。

 

{12:58:55]

 

 う~ん、事態が思ったより芳しくないかもしれない。今軍と共に侵攻しているのはいいのだが、正直進行速度が速すぎる。本当だったらグリフィンの部隊が両側面をカバーしてくれる手筈だが、グリフィンは機甲部隊のあまりの速度についていくことが出来ていない。こんなにも側面や後方をおろそかにしていると、そこを刺されて一気に包囲殲滅されて一網打尽......なんて結末にもなりかねない。

 

こうなれば、こっちに来る戦力を多少削いででも......!?って不味い、思ってた矢先から緊急事態発生だ......!!いやいやいや、噂をすればなんとやらともよく言うが、だからといって戦場でこんな都合よく来ることはないだろ!冗談じゃないって、この不吉さは!

 

え~と、俺たちの後方に鉄血部隊が出現して、我々を刺そうとして来ている。対応できるのは遅れが出ているグリフィン部隊が一番現実的だが、流石にあれの対応をさせてしまうと進軍に遅れが出過ぎる。ただでさえ遅れ気味なのに、これ以上の遅れは致命的だ。しょうがない、ウチから支援部隊を出して対応させよう。そうすればグリフィンもまだギリギリ大丈夫なはずだ。

 

......でも、正規軍はこれに乗り気じゃないな......しょうがないだろ、合同作戦って言っているのに、その仲間を放っておいて前に出るのは流石に違うだろうし、なにより仲間を見捨てることはできない。多少の反感はあれど、こっちにだって独立権と指揮権はあるんだ。大多数の部隊は残す、その代わり俺がいけば解決だろ。行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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