x月w日
アデリンやアリーナと決別したという意味でネイトさん達とまとめて呼称していたが、本人達に向かってそれを言ったところ悲しんでいるのか怒っているかわからないような形相で泣きながらやめてくれと言われたのでまた再び名前で呼んでいくことにする。
いやー、捕まった時にはどんな尋問拷問処刑をされるんだろうと思っていたが、実際になってみるとそれらしい気配は見せていないので驚いた。でもそれはそうとしてみんな俺の前に来ると不穏な気配を醸し出すのは胃が痛くなってくるのでやめてほしい。怖い。何でそんな目をしているの、いや、俺が逃げたせいだろうが。
そうだ、久しぶりに戻ったパラデウスの基地はいつの間にやらこれ本当に元々俺がいたところ?のように色々変わっていて驚いた。なんか異様にデカくなってるんだもの。しかも以前にも増して機械の数も増えた気がするし、多分普通に戦ったら二部隊三部隊程度なら轢き潰せるレベルに大きくなっている気がする。あとはそうだな、大型のロケット砲陣地のようなものまで作られていた。周りには厳重にレーダーや対空砲陣地が敷かれていた。そこまでするともはやオーバーキルどころじゃないのでは?俺はそう思った。
しかしこれからどうしたものか。アリアの様子も見たいし、いつまでもここにいる訳にはいかないからな。また機を見てここから逃げ出さないと。こんな超厳重な警備から易々と抜け出せるとは思わないが。
x月e日
そういえばなんで俺の居場所を特定できたんだろうと思い、アデリンに聞いてみることにした。正直パラデウスの部隊と戦闘したのは一回だけだったはず、しかもここの部隊じゃない。ならば一体なぜ?と思ったからだ。
すると返ってきた返答はあらびっくり、俺を探す為に周辺の部隊を全てハッキングして制御権と命令権を奪い捜索に当てたそうな。で、今はその部隊も全て傘下に置いていると。え、なにそれこわ。確かに俺はアデリンに指揮モジュール作ってあげたけど、あれはあくまで演算補助をするだけであって、そんな簡単に奪えるような代物じゃないと思うんだけどな。まぁ、いっか。
にしても昨日も思ったことだが、案外ここの居心地はいい。久々に手入れがされているベッドで寝れる幸せを味わった。食料もどこから持ってきたのかちゃんと調理されていて美味しいし、アリアさえいなければもしかしたらここに住んでいたかも知れない。かもしれないだけどな。
そうだ、あと一つ。超驚いた発見があったんだが、なんとこのユニットは取り外せた。正直外せないと思い込んでいて、今までずっと外そうとすることもなかったんだが、アリーナになんで外さないんだと言われて初めて外せることに気がついた。いやー、生身の体は最高ですわ。今快適さを味わってる。
俺の体はネイトボディな訳だが、ずーっとそれをロデレロだと思い込んでた馬鹿がいるらしい。いやー、一体誰のことなんだろうな知らないなー。まぁまぁまぁ、それのおかげでユニットの取り扱いにはそれなりに慣れられたから結果オーライだろう。面白い経験も出来たしな。洒落にならない経験の一つでもあるが。
あとはあのイかれた狂信者どもの姿を見なくなった。多分これは俺の予想だが、あんまりにも信仰に度が行き過ぎてるもんだから大量に兵器志願者が出て姿を消したんじゃないかと予想する。あいつらの狂信ぶりは尋常じゃなかったからなぁ、妥当と言えば妥当か。その代わりに傍にいるのが毎日のように説法を説いてくる狂信者から、隙あらば俺の隣にいようとするネイトの皆になったわけだが。
x月$日
う~ん、参ったものだ。早いところここから逃げ出したいところだが、あいにくと逃げ道が見つからない。なんてたってプライベートな時間、つまり一人でいれる時間がまったくないのだ。昨日も書いた通り、何か時間が出来そうだと思ったら誰かしらが隣に来るし、少しでも俺が逃げ出せる場所ないかと探っていると小走りでネイトもしくは機械が来る。
前みたいに逃げ出すことは叶わないだろうし、本当にどうしたものか。ジェットパック付きのユニットは今『そんな試験用で粗末なものを使わせるわけにはいかない』みたいな感じで回収されて改修中(寒い)
というか探していると書いた時点でお察しだが、警備が甘い箇所が一つもない。正面裏口不法経路全てに見張りが立っているし、対人レーダーやらなんやらまで完備だ。勘弁してほしい。もういっそド直球に『出ていきたいです』って直談判してみるか?手段も思い当たらないし、まぁ物は試しで、いややっぱなしだな。
とりあえず今日はアリーナと一緒に一日を過ごした。アリアと違って大人びた雰囲気を感じる彼女は、正直立ち振る舞いの全てに魅力が詰まって......あれ、俺もしかして無意識のうちに相当感化されてる?ネイト達に?こんなこと書いてるしな。やばいなやばい、最近は衣食住の全てを彼女たちがやってくれているし、本格的にこれ以上長引くと離れられなくなるぞ。
こういう時は自分の好きなことでも考えて気を紛らわすしかあるまい。今日はあのパラデウスの兵器達をどうやって改造したらより強力になるかを考えて寝よう。うん、俺のベッドの中に入ってこようと部屋の前で待ち構えているアリーナのことは考えないでおこう、そうしよう。その後ろから嫉妬をあらわにした表情でこちらを見てるアデリンも気にしないでおこう。何もなかった、いいね?でないとあのアリーナの落ち着いた声に脳を破壊される。
嘘、だよね?私、信じたくなかったのに。自分の目で見てしまったけど、それでも信じたくなかったのに。きっと本当は、私たちのことを想ってくれているって、信じてたのに。どんなに失敗作でもいいって、あなた自身が肯定してくれたのに。誰も認めてくれやしなかった私を、ただ一人だけ認めてくれたのに。もう、眼中にないってこと?私じゃあ、足りなかったってこと?やめて、私を置いて行かないで。どんなことでもする、それこそあなたが大切に想ってるアリアって子よりも働くし動くから、だから、だから私を選んで。そうでないと、壊れてしまうから。
私のことを褒めてくれるのは嬉しいけど、度々この日記にある『アリア』って何?私たちを置いて出ていったあと、しかもまた逃げ出そうって何?私達より、ぽっと出のそんなよく分からない人形風情の方がそんなに大事なの?私たちは、私はあなたがここからいなくなった後沢山苦しんで、それでもやっと取り戻してまた元に戻れると思ったのに、また私たちのことを見てくれると思ったのに、あなたの視線はどことも知らないものにとっくのとうに取られているってこと?許せない、絶対にあなたを逃がさない、私からあなたの視線を奪った相手を物言わぬ骸にして、貴女の視線を私に釘付けにして、永遠に私のものにしてみせる。知っているならそいつの居場所と特徴を全て教えて、そしたら破壊しに向かうから。あなたの視線を奪った忌々しい人形を。
感想・高評価をくれるとどうなるか?作者がロデレロみたいにハイジャンプする。