v月#日
大分記述するのが遅れてしまった。最後に書いたのが二週間前になってしまうとは、なんという不覚、いやどういう不覚かは知らないがし少し残念な気分だ。
あれから何があったかというのは正直あまり書きたくないが、まぁこれも記録の一種だということでちゃんと記入しておこう。まず俺はあの後朝起きたらネイト達が全員俺の周りを囲んでいた。何を言っているのか分からないと思うが俺自身何をされたのかよく分からなかった。ありのまま恐ろしい......なんてのはどうでもいいとして。
取り囲まれた後、俺は腕を掴まれて別室へと連れていかれた。正直あの時は死を覚悟した、全員目に光が灯っていなかったんだもの。日記にも『逃がさない』とか書かれていてしまっていたし、一体俺は何されるんだ?痛みで縛り付けられて一生拷問の玩具か?なんてのも思った。まぁ、実際は違ったんだけどな。
で、その連れていかれた部屋というのは拷問部屋ではなく、むしろそれとは対極的にかなり優雅で美しい部屋だった。どうやって調達したのかは分からないが、かなりいいとこのであろう調度品やセットまで用意されていて。多分俺も人生で二三回程度しか行ったことがないんじゃないか、そんなレベルだった。こんな豪華な部屋で何するんだ?とも思った。
そしてまぁそこに運ばれてから一時間後くらいから、入れ替わりでやってくるネイト達に自分の大切さ?素晴らしさのようなものを今日までずっと説かれる日々が始まった。曰く、『世界で一番救世主と呼ばれるにふさわしい人』だとか、『あなたがいなければ私たちは今ここにいない』とか。これ以上書くのは恥ずかしいから控えるが、とにかくそんな内容だ。
正直大分いいんだがな?何か欲しいものがあればすぐに用意してくれたし、ネイト達ってね、皆可愛いからね。そんな美少女たちと一緒に入れるのは嬉しいしなにより今までと比べて生活水準圧倒的に高いから嬉しいんだけどねぇ!いかんせんねぇ!恥ずかしいのよとにかく!俺はそんな人間じゃないのに!人によって違いはあるけど、例えばアリーナだったら色気のある大人びた声で語り掛けてくるしさぁ、そんな声で囁かれたら俺脳破壊されちゃうって。
でもそんないい光景とは裏腹に、外堀は着々と埋められていってる。今日久しぶりに外へ出て、今まで付いてなかったはずだった窓に検知システムが加えられて、強度自体もがっちり強くなっている。施設の廊下には必ず分隊規模の、大体はパトローラー1体、ドッペルドルゾナー2体、それからガンナーが5体くらいが警備するようになっているし、ゲートもウーランが周囲にいたりで圧倒的に堅固になって脱出の難易度が超上昇している。前は楽だったんだけどなぁ?
ちなみにだがここにいる兵器達は全員俺が一からというわけではないが設計を見直して改修してあるので、おそらく通常型よりは強化されている。具体的に言うとパトローラーだったら直下部に潜り込まれたときの対処策としてに対人用の捕獲ネット、ウーランは主砲を正規軍のテューポンを習って強力なレールガンに換装の上機関銃を搭載、接近されたように対人地雷発射機なんかも付けてしまった。う~ん、自分で自分の首を絞めるとはこれいかに。
正直脱走はもう大分無理、というか脱走する気も最近は起きなくなりつつある。だってさ、あんだけ言われたらさ、残った方がいいのかなって思っちゃうよそりゃ。アリアもまぁ、それなりに鉄血の軍勢を今率いているだろうし、あれだけの戦力があればそこらへんのPMC、それこそG&K辺りに行ければ実働部隊の指揮官みたいな感じでかなりいい感じの立場に立てるだろう。俺が心配する必要もないか。
v月!日
え~と、とても大変なことになっている。今現在、俺たちとアリアとグリフィンの部隊の間で激しい対立が起きようとしている。なんでこうなったんだ一体。アリアたちは俺の返還を求めているようだけど、ネイト達は断じてそれを拒否している。代表としてあちら側の指揮官とアリーナが対話しているが、まぁ交渉は難航しているそうだ。そりゃそうだ、両者ともに相反した目的だしな。
それに威嚇用に基地内のありとあらゆる兵器群が臨戦態勢を維持してるし、俺の部屋の前にはもう通路の穴という穴を見逃さないように警備が立っている。流石にこの状況じゃ俺もアリアも何かアクションを起こすにしろ出るに出れないだろう。ちなみに今この日記を書いている現在進行形でアデリンが肩に身体を寄せている。あったかくて可愛い、たまらないぜHAHAHA。
まぁそれは置いておいて、この場のすごい難儀なこととして、もし仮に交渉が最悪の形で決裂して戦闘を行うことになったら、俺に指揮官として指揮を執ってほしいと言われている。いや、正直アリアとは戦いたくない。一度寝食を共にした相手を撃てというのは中々、心に堪えるものがある。だからこそ、出来れば交渉が成功してい欲しいものだが、どうだろうか。難しいだろなぁ。
しかもこんな時に俺のユニットの改修が終了したそうだ。あのユニットをベースに、よりパワーを強力にし、多種多彩な武装を付けて、俺が勝手に逃げないように厳重な追跡装置を仕込んだらしい。つまり、俺は前に出てゴタゴタのうちに逃げるという手段も奪われたわけだな。真面目に笑えない。どうしたものだろうか、俺は何も思いつく手段がない。ただただ交渉の結果を待つことだけしか、俺は出来ることがない。
そしてなんだか自分でも気づかないうちに不安げな表情をしていたのか、アデリンが優しい声で俺に喋りかけてきた。こうして喋っていると、気分がかなり落ち着いてくる。俺は本当に、彼女たちに依存させられているのかもしれない。このまま、アリアも考えずにただ道を機械のように辿って行ったならば、俺はどうなってしまうんだろう?人形のようにここで一生を終えるのか?考えてても分かることは何もない。
ああ、クソッたれな神よ。願わくば、平穏な形で終わりますように。誰かの血を見ることがありませんように。
部屋にアリアがいる。どうやって入ってきたんだ一体。そして今隣にいるアデリンとバチバチだ、どうしたらいいだろう。
感想と高評価をくれると俺がちょっと特異点になります。つまり大喜びします。