v月+日
色々と最悪な夢を見た。この日記は改めて書き直そうと書いているものだが、まさかあんな夢を再び見ることになるなんて。アヴェルヌスから逃げ出した直後はよくあのような夢を見たものだが、また再びここで見るとは。やっぱりネガティブなことは考えるものじゃなかったな。
あの後起きた時は、過呼吸と汗が止まらなかった。一種のパニック状態のような、そんな感じだったか。それに見返してみれば、様付けをやめようと思った次の文からまた様って書いていたし、あの夢の自分の反応。やっぱり俺には貫かれた脆弱さというか、拭いきれない恐怖心というか。そんなものが、心に強く根付いているらしい。アリーナが来て落ち着かせてくれなかったなら、マジで気絶していたかもしれない。まぁ、アリーナにはそんな情けない姿も見せてしまったし、借りが出来てしまった。何で返すか考えておかないと。
そんなことがあったもんだから、今日は特段作業をすることなく一日を終えてしまった。兵器開発するには一日も惜しいんだけどなとも思うが、それで失敗したのは自分の責任だ。大人しく今日は言う通りに従って休息をとろう。あっ、アデリン部屋に入ってきた。......待って、その手に携えてるモノは?
v月e日
俺は!! 要介護者じゃ!! ないからぁ!!
昨日の終わり、アデリンが俺の部屋に来ては色々と俗にいう監禁グッズを取り出し始めたのは本当に腰を抜かされた。曰く、『あなたをあらゆる脅威から守る為』とのことらしいが、流石に俺はそこまで弱いような人間ではないと思う、思うってのが不安感を増させるがな。
説得に長い時間を要したが、ともかくまぁ監禁ルートは回避させてもらった。いや、アデリンみたいな可愛い子に監禁されるならある意味幸福なようなそうでもないような気はするが少なくともそんなことをしたらグリフィンで活動中のアリアが部屋にカチ込んできそうだし、後は純粋に俺はまだ自由に活動していたいからな。ま、片足片手失ったら考えてもいいかもだけど。
とりあえず今日からまた業務開始のエンジン始動だ。今日は前にも改装をしたが改めてウーランの改装にチャレンジしてみることにした。正直テューポンベースに改造しただけでもだいぶ強力だとは思うんだが、それで失われてしまった機関砲を砲塔上部に増設の上対戦車ミサイルを搭載なんてことをしてみた。しかも初期型のあのただのウーランと違って、こっちは機関砲塔の両脇に計4門搭載だ。名づけるなら、さしづめ『ウーランSWAP』といったところか。
こいつを中心として、歩兵部隊、つまりネイト達やロデレロ、ドッペルドルゾナーにガンナーなどといった部隊を整えていけばより作戦能力は向上する。これを含めた機甲戦力はあとグラディエーターの改良さえ済めば上々の戦力になるはず。それが終わったら次は歩兵、特にネイト達の装備、その中でもアリーナを筆頭とした近接戦闘を軸として戦う子の装備を改良しないと。あの鎌も悪くはないんだが、如何せんリーチがな?いや十分大型なんだが、それ以外の戦闘能力がないのは流石に不味いだろう。
既に俺のユニットのブレード開発をノウハウとして作成は進めている。完成した暁には、防御機構も兼ね備えた優秀なブレードになってくれるはずだ。多分。それにプラスして鉄血のエクスキューショナーのように拳銃、いや違うな、折角使える技術があるんだから小型レールガンでも持たせれば中距離にも対応できるようになるはず。うん、いいアイデアだ!
そう、それでいいの。私たちを、私だけを見て。あんな他所から来た正体もよく分からない女をあなたの眼中に入れる必要性なんてない。あなたにあってはならない心の傷を数多く残したネイトを思い出す必要もない。そのまま私たちに溺れて、私たちだけを見ていて。誰にも、奪わせはしないから。あなたの視線と、その温もりを。
v月q日
もはや日記を見られすぎて何も書かれていることに疑問をもたなくなってきた。まぁこんなガバガバセキュリティで日記を書いている以上、見られるのは当然というべきか妥当というべきかなんというか。
今日も色々と開発に勤しむことにした。明日はグリフィンへの出向日なので、これに携わることはできない。だから今のうちにという算段だ。ブレードの開発も進めないといけないし、それ以外の汎用歩兵であるガンナーの装備も更新しないと。あれはレリチィに比べたら高火力重装甲だがいかんせん重くていまいち機動性に欠ける。それに特殊弾はちょっと前の世代のもので貫徹力に欠けるし、そこらも改善が必要だな。
あとはグレネーダー、対戦車兵の改良。これが急ピッチで必要な作業だな。次の作戦はグリフィンと正規軍の連合作戦で、鉄血中枢部を撃滅するという戦いになるらしいが、中枢部ということはおそらく今までも出てきたマンティコアやイージスといった装甲を纏った兵器群が出てくるはず。奴らを速攻で破壊できる、なんだったらウーランSWAPや正規軍のテュポーンでさえも正面から撃破可能なようなものがいい。既に白リン弾グレネードや焼夷手榴弾といった対歩兵用のグレネードは開発を済ませたし、残りは対戦車弾頭だけなんだ。それさえあれば、必ずや!
ちょっと熱心に書き過ぎたが、まそれはそうとして。実は今日面白いものを開発関係に携わっている子からもらった。それが『信号式手記』というもので、脳内の信号を自動的に変換して勝手に思ったことを書いてくれるという、なんとも便利なアイテムを作ってくれた。開発動機としては、いつも前時代的に日記を書いている俺のことを案じてくれたそうだ。あ~、まぁ確かに非効率的に見えるかもな。
何はともあれ明日からはそれで書いていくことになるので、戦場とかにこれを持ち込むことはなくなるわけだ。それでも偶には、こっちで書くこともあるかもしれない。人間生きていれば非効率なことを時にしたくなることもあるのだ。もっとも、かといってそれを使わないのはせっかく作ってくれた子の気持ちを踏みにじることになるので無論積極的に使うけどな?
でも一つ思ったことを言わせてくれ。その信号式手記に俺の生命反応を信号のサインを元に逐一にチェックできる機能とか、位置を確実に追える追跡装置だとか、何かあったときとかのホログラム付き通信機能を仕込むのはやりすぎだと思うんだ。情報把握用にという名目で集音機までつけられているが、これじゃ俺のプライバシーというプライバシーは消え去っているも同然、あわれ、愚かなる俺よ!すべては逃げ出そうとした俺のせいなのだよ!
あなたのせいじゃないよ。離れようと思わせてしまった、私たちの落ち度だから。でも、次は私たちも頑張ってあなたをここに繋ぎとめて見せるから、今度こそは私たちの前からいなくならないでね。
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