逃亡人形の日常日記   作:シャオロウェをすこれ

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 今日も初投稿です、対戦よろしくお願いします。


三日誌目

 

 x月q日

 

 読まれたことには大分焦りを感じたが、冷静に考えてみればどうせなんの価値もないものを読んだとて大した問題でもないことに気がついた。まぁ、朝起きてそう書いてあったことには驚きを隠せなかったのはそれはそうとして、だ。

 

 とりあえず今日は要望通り彼女の名前を一緒に考えることにした。パラデウスにいた時も、ネイト達の名前を一緒に考えることがあったからスムーズに、とはいかずかなりの時間と思考を必要とした。少女と二人でさまざまな案を出して議論して、最終的に彼女の名前はある花からもじって、『アリア』になった。

 

このアリアの花言葉は、『精神の美』。一人孤独の中耐え続けたその精神を讃美する想いで、この名前を決めた。正直上手く名前を考えられたかとても不安であるが、当のアリアは喜んでくれていたのでいいだろう。そう信じよう、うん。

 

 そう言えばこれとは関係のない話ではあるが、パラデウスのネイトさん達は元気にやってっかね。一部の狂信者共はマジで狂っているけど、ネイトさんちだけは唯一まともに接してくれたし。まぁ、少しだけ距離感が近すぎて怖かったのは事実だが。それにだからと言って戻ろうという気もない。あの狂信者共に経典説かれてバッシングされるのはゴメンだ。

 

そんなことがあったんだね。私より先に、あなたに名前をつけられた人が、いたんだね。私、あなたが望むならなんでもするよ?そいつらよりも遥かに、私の方があなたを想ってるもん、あなたを見捨てたアイツらよりも。だからもし嫌になったなら相談してね?私が、ソイツらを全て消してくるから。

 

 x月n日

 

 この日記を開いた瞬間、アリアからのちょっと怖いメッセージが添えられてたのには肝を冷やした。昨日は気にしないと言ったが、ちょっと流石に怖いので今度からはやめてといったら、失望される、見捨てられるというアリアの琴線に触れてしまったみたいで、アリアが泣きながら謝るのを止めることにかなり苦労した。

 

本当にもう、自分の肉体なんかお構いなしに、『悪いのは私なんですよね、なら私が私を傷つけて戒めますから、二度と気に触れるようなことはしませんから』といってあちこちを引っ掻いて自損しようとするので、咄嗟に抱きしめて止めさせたが大丈夫だろうか。

 

どうやらアリアは本当に『見捨てられる』という事象に対して恐怖心を抱いている。あの泣きついている時の顔は

 

あれから彼女は精神に負荷がかかり過ぎたのか俺の隣で寝ている。次から発言には気をつけとかないとな、と自分に戒めた。俺はそんな見捨てるなんてようなことは絶対にしない、そう誓おう。

 

 x月m日

 

 命の危機を感じた。

 

 えーと、今日の朝、警備にあたらせていたイージスが何かの手紙を鈍重な足取りで運んできた。可愛らしいリボンとシール付きの手紙で、正直こんな廃墟まみれの殺伐とした工場にはまるで似合わないモノだった。というか普通に暮らしていても見る機会は少ないだろう。それくらい可愛いらしいものだった。

 

でまぁ、どうしてこんなものがここに?と思って開ける前にどこでどうやってこれを拾ったのかと聞いてみると、イージスは身振り手振りと信号で鳩が飛んできて手渡してきたと説明してくれた。正直今の時代に伝書鳩?と疑念を感じつつも、その手紙の封を開けて中身を見てみたところ。

 

俺への愛の手紙のようなものが綴られていました。しかも手紙用紙に綴れるだけ綴ってびっしりと、遠目で見たらそれこそ黒で塗りつぶしたんじゃないかと思うくらい、紙いっぱいにギチギチに。正直あんな可愛らしい手紙からは想像もできない内容だったので、思わず腰を抜かしてしまった。

 

やれ『帰ってきて』だの、『愛してます』とか『逃がさない』とか。多分俺がいたあのパラデウスの基地のネイトさん達が送り主だとは思うけど、なんで今更俺に?しかも連れ戻しに?それは連れ戻すというより地獄への道か何かなんじゃないのかと思う。よく善意で舗装されているだかどうたら聞くが、これはどうなんだか。

 

というかそういえばいつの間に伝書鳩を育ててかつ俺の居場所を知ったんだ?まぁ逃げ出してから俺がパラデウスに接触したのはあの部品調達以来一度もないから多分その時に知られたんだろうが、これじゃあいつここに来られてもおかしくないじゃないか。まだ大丈夫だと想っていたが、新たな拠点探しを考えるべきかもしれない。

 

とりあえず俺がこんなことを考える原因になったこの手紙は一度元に戻しておくことにした。流石に捨ててしまうのはあれだし、だからと言ってあまりにも目に入れるのもよろしくない。ただこの事を知ったアリアの目から光がなくなっていたのが怖いところか。なんか不穏な雰囲気も醸し出していたし、大丈夫かな。

 

 x月c日

 

 今日はアリアと一緒に久々ののほほんとした日々を過ごした。怪しい物体や動きがあれば生産していたニーマム達が向かってくれているし、警備面は問題なし。物資面もいい感じに足りてきているし、あと欲しいのは俺のプライベートな時間と平和だな!!!HAHAHAHAHA!!

 

......そんなものある訳ないのに書いててなんだか虚しくなってきた。もう四六時中あの子とくっついていない時間の方が少ないような気もする。しかも隙あらば可愛げのある言葉を囁いて俺の脳を破壊しようとしてくる。効果はバツグンだからやめてほしい。割とマジで脳が破壊されそうというか堕とされそうだ。

 

そういえば今日はここの工場の探索を少ししてみたんだが、なかなかに面白いものを見つけた。ここは生産工場だったことは知っているんだが、なんだか鉄血の人形が使うとは思えないようなものまで置いてあってびっくりした。どちらとかと言えばI.O.P.社とかが良く使いそうな銃と、それから大振りなハンマー。どっちもアリアが使うと手を上げてくれたので、そのまま使ってもらうことになった。

 

しっかし、アリアのように華奢な子が、ゴツめの銃とハンマーを持っている姿はなんだかその、ギャップ萌えというのか。いや、萌えとはちょっと違うかもだがこれもまた興があっていいな。記憶に焼き付けておこう。

 

 

x月u日

 

 やばい、さっきから砲撃音と銃声が鳴り止まない。不味いことになったどころかもう今というこの現状自体が大惨事だ。やっぱり居場所がバレた時点ですぐにでも行動を起こすべきだったんだ、失敗した。

外ではここで生産したイージスやらニーマム達がパラデウスのドッペルドルゾナーとかグラディエーターとかと交戦している。

 

幸いなことに戦術を利用したり相手の機械人形をハッキングして暴走させたりといった小技でどうにか今は膠着状態に持ち込めているが、これはあくまで仮初の戦況だ。実際こっからどうなっていくかという予測に関しては暗雲が立ち込めている。なぜかというと、こちらには相手の偏向障壁を破る兵器が碌にないからだ。強いて挙げれば、自爆機械ゴリアテ君を突っ込ませたりジャガーで大量に砲撃したり、あとはまぁ俺のレールガンなら破れる程度だろうか。でも手数が足りなさすぎる。

 

 正直持ち堪えるのは絶対に無理だ。戦力差が隔絶し過ぎている。ここを守ってくれたニーマム達には申し訳ないが、ここに釣られているうちに逃げるべきだと思う。というか逃げる、出ないと命が危ない。それでも大分博打に近くなってしまうが、しょうがない。どうにかなる事を祈りながら、ここから逃げるしかないだろう。その行動をとらなければ、まっているのはより終わってる結末だろうし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やばい、なんでネイトさんたちまでいるんだよ。ここにきたのはまだていさつぶたいだけだとおもってたのに。このままじゃつかまる、にげないと。

だめだこれにげられない。アリアだけでもにがして、おれがつかまろう。もくてきがなにかしらないけど、ありあにしきけんはじょうとしたし、ぶじをいのる。

 

幸運を、死にゆくものより敬礼を、アリア。

 

 




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