サオリ「転生したら先生だった」   作:バニタスパスタのダム

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水着アリウスより先に水着ヴァルキューレが来ましたね。
イベ曲めっちゃ好みです


それでも結局Agnus Dieに戻るんですけど……なんやねんあの曲、ズルすぎるんだってぇ……
緊迫したシーン書くの捗るんよ……

それはそうとて、運営さん。



水着アリウスのメモロビ……期 待 し て も ? (全裸待機)


戒野ミサキ/少女の決意

 

どこかで、目が覚める。

 

椅子だ。長い椅子。

 

夜明けとも、現実とも取れない、不可思議な空の色。

 

 

「どこ……ここ、また、失敗したの……!?」

 

 

窓から移っていく景色は、知っているようで知らない町並み。サンクトゥムタワーがあるのを見る限り、ここがキヴォトスということに、間違いは無いのだろうけど。いつものお節介で、意識が叩き起こされて、それで、本来なら、嫌というほど白い天井が、いつも私を迎えるはずなのに……

 

 

「【“あの”錠前サオリに会う】、その一点だけで言えば、あなたの目的は完遂されました。限りなく、マシな形で」

 

 

後ろを振り向けば、さっきまでいなかったはずの女が、ぐったりして、背もたれに寄りかかっている。胸部を数箇所撃ち抜かれていて、「ああ、助からないな」なんて思った。

 

 

「……連邦生徒会長」

「戒野、ミサキさん、ですね。はい。ここに辿り着いたのは、むしろ幸運だったと思いますよ?」

「何が?私はちっとも……」

 

 

「これから行うのは、あくまで通過儀礼……“正解”を外れ、逸脱したこの世界においては、もはや気休めにしかならないと思いますが」

 

「??????」

 

 

話の流れなど、この女は気にしていないのだろうか。もしくは、この状態を維持できる時間が、もう、そう長くないか。脱出を考えるのは、この女から情報を聞き出してからでも遅くない。そう判断して、ミサキは浅く椅子に腰掛けた。

 

 

 

「“責任を負うもの”について、貴方はどう考えますか、戒野さん」

「え……」

 

突拍子もない質問に、脳がフリーズする。正気か、とも思った。自身に余裕がない状況で、こんな謎かけをする暇があったら、とっとと情報を吐いたら良いのに、と思いながら、一応は返答する。返答に想像がついていたのか、彼女はほのかに笑っていた。

 

 

 

「弱者のみが負う重荷、呪いそのもの。自分がすることで、責任を問われ、罰されるのは弱い人の宿命であり、搾取するのに最も良い口実だから」

 

 

「……やっぱり。今の貴方は、それを自覚できている。確かに、責任という言葉は、安易に人を追い詰めることができ、最も簡単に、自由を奪うことができる。肉体的にも、精神的にも」

 

 

「先生のおかげ。あの状態が、異常だって、仕方のないことじゃないって、気づかせてくれた……」

 

 

 

そこまで言うと、女は目を伏せた。もう気力が無いのだろう。

 

 

「では、その責任を、自ら喜んで引き受けようとするものがいたら?」

「とんだ変態……なんで、わざわざ苦しいこと……。…….?ま、まさか……っ!」

 

 

点と点がつながった心地だった。最初の発言、そして……

 

 

「まさか……リーダーは、サオリ姉さんは、生きてる……!?」

「形を変えても、先生と、あなたたちの、リーダー……ね、似てると思いませんか?」

 

 

 

ぐったりしながら、無駄に私に何かを諭そうとする姿に、無性にイライラして、気づけば、その血で濡れた胸ぐらを掴んでいた。

 

 

 

「ねえ、何をしたの、答えて。」

 

 

「リーダーに……あの人に、何をしたのかって聞いてんの、ねえ!!!」

 

 

「ですから、戒野さん。大事なのは、貴方がたの経験ではなく、選択。歪み、拗れ、薄汚れてしまい、本質が見通せないこの世界において、道標となるのは、選択であり、他者との縁……」

 

「貴方にしか、貴方たちにしかできない選択で、この先の未来、青い記憶を書き留めていってください。さあ、戒野さん。見てください____________」

 

 

 

日が上る。紫色だった雲が、白に、沈黙していた空に、水色がついていく。

 

 

「始まりますよ……貴方たちの、貴方たちだけの、【ブルーアーカイブ】が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っていうのが、ざっくりの経緯。私もまだ飲み込めてないんだけど」

 

 

なんとか液晶が割られるのを阻止したミサキ。おおよそ、ワカモとの遭遇から一時間程度たった後のことだ。

 

 

 

「......その後、“彼女”は?」

 

「多分死んだ。それを確認したら、いつの間にかここにいて、多分体感一ヶ月は経ったかな」

 

 

せいせいした、とでも言いたげに、ミサキはやけにあっさり吐き捨てた。その言葉が、丸っきり正しいとするならば、細かいところは分からずとも、今は連邦生徒会が死亡し、それ以外は概ね自分たちの知っているキヴォトスの歴史を辿ってきたらしい。

 

 

「その代わりに、なんか厄介なアバターを残していっちゃって……今はいないんだけど。正直、保育士も疲れた……」

 

「はは……お疲れ様だな」

 

 

画面のミサキに手を伸ばし、やめた。

 

いくら頭のあたりをタップしても、そこには液晶ガラスがこつりと、硬い音を立てるだけ。少し傷んでいても、ふわりとしていた、あの感覚はもう、帰ってこない。

 

 

 

「……もう、お前を撫でてやれないんだな」

 

「良い加減子供扱いしないで欲しいんだけど」

 

 

 

「守られるだけじゃないし、不本意ながら力も手に入った……これからは、ずっと一緒。」

 

「……ああ」

 

 

 

 

嬉しそうに目を細めるミサキ。

 

一人でも知り合いがいると、妙に心のすわりが落ち着く感覚だ。何でもどうにかなりそう……というと、少し言い過ぎではあるが、こんな私でも、少なくとも当面の生きる意味は見出せる。

 

 

 

「______先生、先生!よろしいでしょうか」

 

 

凛とした声が扉の向こうから聞こえてくる。

おそらく、ミサキが起きたことで、サンクトゥムタワーが復旧したからだろう。

 

 

 

 

「ああ、入ってきてくれ______ミサキ、改めてになるが、よろしくな」

 

「そんなに畏まらなくても……ま、でも……今回は、世界の果てくらいまでは、お供するよ、リーダー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー ー ー ー ー 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……先生を疑うのは、気が進まないんです。」

 

「でも、それを払拭できないからこそ、今の貴方の表情……ってわけね。ええ、いいわ。一応今日のシャーレ業務は終わりだろうし、場所を移しましょ。良いわね?」

 

「ええ、ユウカさん。でしたら近くに、おすすめのスイーツパーラーがあるんです。よければ……」

 

「へえ、意外。結構詳しかったりするの?」

 

「!?え、えぇ。トリニティはお菓子屋さんも多いですし……さ、さあ行きましょう!ここもじきに、ドタバタするでしょうし!!」

 

 

 

 

 

 


 

 

カラン、とウィンドチャイムが客を迎える、D.U.内の小洒落たスイーツパーラー。

 

ハスミはストロベリーソースと生クリームのムースを、ユウカは少し悩んで、無難な季節のフルーツショートを注文する。店員が飲み物を運んできたところで、二人は改めて向き直った。

 

 

 

「……それで?聞かせてもらおうかしら。トリニティきっての狙撃手の意見っていうのを。」

 

 

挑発するように、ユウカは軽くコーヒーを啜る。一応これでもミレニアムの会計だ。暇ではない……が、融通くらいなら効く。その、作り出した時間に合う見解を、貰えるのだろうか、と。

 

ハスミは、少し怯んだが……決意を決めて声を振り絞る。

 

 

 

「推測でしかない、のですが……いえ、ここまで付き合って頂いて、曖昧な返答はできませんね。事実、私の中で確信に変わりつつあるのですが。」

 

 

 

「……間違いなく、先生は、なんらかの戦闘組織に所属していたと思われます。それも、SRTなど生ぬるいほどの……」

 

「……!な……、ううん、続けてちょうだい。」

 

 

ユウカはスマホのメモ帳を開く。一瞬自我を喪失しかけたけど、すぐにやるべきことは頭を巡っている。

 

 

 

「拳銃を用いた制圧術……いえ、ゲヘナの風紀委員の……チナツさん、彼女の拳銃を奪うあたりから、でしょうか。恐ろしいほど、乱戦に慣れている……というか……」

 

「えっと、ちょっと待って。SRTって連邦生徒会が立ち上げた、あの……?」

 

 

 

ハスミは肯定する。しかも、今日交戦した、脱獄囚ワカモは、そのSRT最高練度の部隊が制圧したのだ。

ユウカは思わず頭を抱えた。

 

 

「しかも、まだ底が見えない……まるで、寝起きに無理やり、目も体も冴えていない状態で動いているような……」

 

「……それで、あの……?バケモノじゃない……一応、聞いておくわね、私は戦闘部隊じゃないから、どこが、どうとか……分からないけど。具体的に、どこが、それほどの評価に至るまでにさせたの?正直、先頭についていけなかった身としては、そっちの委員長の方がヤバいんじゃないか、って思うんだけど」

 

 

ユウカは、絶えず、ハスミの意見を書き留める。

会計に、自警団、救護班……今回招集されたメンバーの中で、戦闘を生業とした、戦闘組織に所属していたのは、ハスミだけだ。

 

 

「……バケモノ……です、か」

 

「ああ、いや。別に先生のことを、悪くいうつもりじゃ……」

 

「いえ、言い得て妙ですね。腑に落ちた心地です。そうですね……」

 

 

 

ウェイターが、ケーキを運んでくる。一度会話を区切って、ハスミは飲み物に手をつけた。ユウカも、フルーツショートの形が崩れぬよう、慎重に切り分ける。

 

 

 

 

ハスミは、スプーンでムースを掬い取る。

 

 

 

「時にユウカさん、私たち、相手を撃つ時、()()()()()()()()?」

 

「え?」

 

 

 

いきなりの話題の転換に、果物を刺すフォークが止まる。マスカットを口に放りながら、ユウカは考えた。

 

 

「そうね……普通に考えたら、武器を持っている手。

気絶、制圧を狙うなら首、頭部あたり。

厚く防弾ベストなどを着込んでいるなら、そのスキマ、かしら。

格上相手なら、なお早く手数を落とさせたいから、足を削ぐ……とか。このくらいしか思いつかないわ」

 

「……いえ、正直驚きました。なるほど、参考にさせてもらいますね……ではなくて。」

 

 

 

赤と白のムースが、ハスミの口の中に消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「______目を、狙っていたのでは無いかと、思うんです」

 

 

 

本日何回目かの衝撃が、ガツンとユウカの頭を揺さぶる。

ハスミのスプーンを握る手も止まっていた。声も、段々と、肺からかろうじて搾り出すようなものになる。

 

 

「多分、先生も無意識だったのでしょう……ですが、だからこそ……」

 

 

 

 

染みついた方法を…………

 

キヴォトスでは禁忌とも言える、後遺症の残る方法を、躊躇いなく取った。

 

 

多少の傷は大した問題にならないキヴォトスでは、勝敗判定は主に、2種。

 

 

 

 

相手の降参、もしくは武装解除、及び拘束。

 

相手の気絶、もしくは続行不可能なほどの疲労困憊。

 

 

 

 

「……視覚さえ奪って仕舞えば、自分が圧倒的に優位に立てる……でも、そこまでする必要って……!」

 

「あるとすれば、それは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー ー ー ー ー

 

 

 

それぞれ会計を済ませて、店を出る。

 

 

 

「……美味しかったわ、良い息抜きになったし。今度は、こういう重い話抜きにして、また来ない?」

 

「……ええ、いずれまた。シャーレに所属している以上、会うこともあるでしょうし。」

 

 

 

二人はそのまま別れ、あるべき役目へと戻る。

 

 

 

 

「……あ、もしもしノア。私、ユウカ。今少し良い?」

 

「うん……あー、そうそう、それとは別に、興味深いことも耳にしちゃってね。それでなんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、シャーレに移籍しようと思うの」

 

 

 

 










ノアゲッソーのヘイローは割れる(確信)
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