転生したらぬらりひょん♀になっていた《凍結》   作:影使い

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転生はいきなりでした《改編済み》

「あー………疲れた……」

「本当だね……まさか、全校集会がここまで長引くとわね………」

「さて、塾に向かうか…」

 

 

 

現在の時刻は丁度午後五時半。ある県の県庁所在地にある進学校の昇降口からは沢山の下校する生徒で溢れていた。その中には少しサブカルチャーに詳しい少年、俺こと矢島雅もそこにいた。

 

 

 

「今日は本屋に行って帰るか」

 

 

 

俺はゆっくりと移動していく。途中で友人達と会いカラオケに誘われるが早く帰りたいのでそれをやんわりと断る。

 

 

 

「何故だ!!なぁ~頼むよ。人数会わせの為に」

「断る」

「頼むよ!!そうだ!!飯代全部奢る!!それに食ったら帰って良いからさ!!」

「………分かった」

 

 

 

俺は飯の誘惑に負けてノコノコと合コンに参加することになった。言っとくが独り暮らしで今日は料理する気分では無かったから行くだけだ。

そして、友人達に連れられて大通りに出る。

駅の前に在ると言うカラオケボックスに向かう最中の交差点を渡っているときに右方からけたたましいクラクションの音が響き渡る。

慌ててその方向を見ると既に手遅れな距離に猛スピードど迫り来るトラックが目に入った。

 

 

 

 

「嘘だろ……」

 

 

 

 

その瞬間、俺は尋常じゃない衝撃を感じ深い底無し沼に沈んで行く様に意識を手放した。

 

 

 

======

 

 

「ここは……?」

 

 

 

何故か俺は二度と目覚めることの無い眠りから目が覚める。辺りを見回すとそこはローマの遺跡とかにありそうな立派な神殿の中だった。

ただし、何故か土下座しているおっさんを除いてだが。

 

 

 

「おっさん……頭を上げてくれ。俺はそんな事されてもちっとも嬉しくないからさ。

どうせ、おっさんかおっさんの部下のミスで俺が死んだって奴だろう?それでお詫びに転生って所か」

「本当に許してくれるのか?」

 

 

 

おっさんは戸惑いながら尋ねてくる。俺は肯定し土下座をしているおっさんに手を差し出し立たせた。

 

 

 

「あぁ。あんたが全知全能の神様のゼウスだったら話は別だがな」

「ふぅ……、助かった。私はそれなりの地位には居るが言うなれば中間管理職程度の地位でしかないんだ」

「それは置いといて何処に転生するか、それに特典は有るのかを教えてください。まさか、丸腰で行けって訳でもないですよね?」

 

 

 

俺は目の前のおっさんに対して暗にあんたらの不始末なんだから少しぐらい優遇しろやと言う。

その言葉に対しておっさんは少し考え込む。そして、こう言った。

 

 

「おっと、手厳しいな……。君が転生する世界はハイスクールD×Dと言う小説を元にした世界だ。特典はそうだな……5つまで叶えよう」

「5つも?少し大判振舞いじゃないか?普通は一つってのがセオリーだろに」

 

 

 

俺の疑問に察したのかおっさんは笑いながら答えた。

 

 

 

「そりゃあ、ハイスクールD×Dの世界は色々とぶっ飛んでいるからな。人間でさえ下手したらサ◯ヤ人編の孫◯空レベルの奴が存在している」

「ハイスクールD×Dは読んだこと無いからな……って、そんな魔境なのか……」

「あぁ……」

 

 

 

そっかー……。なら下手に死んでも仕方がないわなー。

 

 

 

 

俺は遠い目をしていたと思う。だけどもおっさんの提案は非常に有難い。そんなに物騒な世界ならば恩恵が有れば有るだけ生き残る確率は上がる。

 

 

 

 

「一つ良いか?その物語は妖怪は出てくるか?」

 

 

 

そして、俺のなかで重要なポイントはここだ。人として生きるよりも人外として生きる方が絶対に生き残れる。

 

 

 

「あぁ、もちろん妖怪も含め悪魔、天使、堕天使等の様々な神話形態の存在がいる世界だ。それに原作が始まるよりも過去の段階でチェスの駒を模した悪魔の駒(イーヴィル・ピース)と言う別種族を悪魔に変質させる技術も有る。自ら悪魔になる者も居るが基本的には自らの意思など関係なしに悪魔にさせられる者が多いのが事実だ」

 

 

 

ナニそれ怖い。と言うか身内に被害が及ぶ可能性も有るしどうにかしないとな。

 

 

 

「なぁ……その悪魔に無理矢理変質させる原理は解るか?」

 

 

 

原理さえ解れば特典で何とかなるかもしれないしな。

 

 

 

 

「私も詳しいことは理解していないが……悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を埋め込み悪魔にするらしい。そして、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を抜かれたら死ぬらしい。だが、遺体はもとに戻る筈だとも聞いている」

「ふむ……」

 

 

 

それが事実なら……その悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を破壊したあと蘇生させれば……あ、良いこと思い付いた。

 

 

 

「俺は……ぬら孫の大妖怪のぬらりひょんに転生すること。空の境界のの両儀式の《直死の魔眼》。D-Gray manの快楽のノアのティキが持つ《万物の選択》。犬夜叉の《天生牙》。そして、戦闘に関する技術の才能を希望する」

「了解した。では、要望道理の特典で転生さるぞ。ただし、特典を叶えるために少々世界を弄る事になる。原作通りには進まない可能性が存在することを理解して欲しい」

「了解。でも、元々知らないラノベだから原作どうのこうのとは関係ないがな」

「そうか………なら問題ないな」

「あぁ、じゃあ転生させてくれ」

 

 

 

 

こうして、俺は徐々に意識を失っていった。

 

 

 

=====

 

 

 

雅を送り出したおっさん神は広大な部屋一面を占拠しているシステムを煽りながら笑っていた。

 

 

 

「ふっ………奴は無事に転生の準備に入ったか。それにしても面白い奴だったな。幾つか余り前例の無い特典を要求してきたから、思わず思考を読んで見たがまさか転生悪魔をノーリスクで元の種族に戻す的確な方法を即座に構築するなんてな……」

 

 

 

 

あれが俗に言う悪知恵って奴だ。

 

 

 

「さて、彼の特典を叶えるには少し世界を改編しないといけないようだ。……なっ!?転生システムに異常が!?くそがっ……整備部の奴等は何してんだよ!!」

 

 

 

おっさん神は凄まじい速さでエラーを修正していく。だが、無情にも転生が終了した事を知らせるブザーが鳴り響く。

 

 

 

「くっ………不味い……修正が追い付かなかった………」

 

 

 

 

=====

 

 

 

同時刻、とある厳粛な雰囲気を持つ立派な日本家屋で一つの命が生まれ落ちた。

 

 

 

「奥様!!産まれましたよ!!元気な女の子です!!」

「えぇ……えぇ……」

 

 

 

その赤ん坊を見て母親となった女性、陰陽師でありながら妖怪と添い遂げる為に自らが妖怪となった奴良縁(ぬらゆかり)旧姓安倍縁(あべゆかり)は涙を流しながら我が子を抱き締める。

 

 

 

「おぎゃあ!!おぎゃあ!!」

 

 

 

その声が部屋に響く。その瞬間、勢いよく襖が開け放たれ一人の着物を着流した端整な顔付きをした男が入ってくる。

縁の夫であり、京の妖怪たちの統領である白面金毛九尾の玉藻の前と双璧を成す任侠妖怪総元締め奴羅組総大将、ぬらりひょんの奴良幻影(ぬらげんえい)が入ってくる。そして、神妙な面持ちで女性の元に近付き優しく抱き締める。

 

 

 

「…………あなた?」

「俺達の子か………ありがとう………縁………俺と添い遂げてくれて………ありがとう………俺達の娘

に会わせてくれて………」

「いいえ………感謝するのは私です………妖様………。縁は妖様に助け出されて………こうして幸せを掴めたのですから……」

「ハハッ……今は縁もその妖だろ?これからは娘も産まれたんだ。ちゃんと、名で呼んでほしい」

 

 

 

その言葉を聞き、縁は微笑みゆっくりとうなずく。

 

 

 

「そうですね……。いえ幻影様………縁は何処までも貴方と着いていきます。不束者ですが改めてよろしくお願いします」

「ああ、縁。俺もお前を離しはしないぞ。ずっと、俺の側に居てくれ」

「はい」

「さて……俺達の娘の名だが縁は何か考えているか?」

「はい、この子には雅と名付けるつもりです。

どんなときも心を大きく持って優雅で居られる。そんな子に育って欲しいからです」

「良い名だな。よし、これからお前は雅、奴良雅(ぬらみやび)だ。それと、縁は休んでいてくれ。俺は雅を野郎共に披露してくる」

 

 

 

幻影は雅を抱き抱え屋敷の庭に出る。そこには様々な魑魅魍魎が今か今かと言う表情で居た。そして、それぞれに共通しているのは妖怪だと言うこと。それを差し引いてもなお世間離れしたアウトローな雰囲気を持っている。

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおお!!!!頭ぁ!!!!!!遂にお生まれになったのですね!?二代目が!?」

「あぁ、そうだ。だが、少し喧しいぞ青」

「す、スミマセン………つい嬉しくて」

「それなら良いか。だが、雅が泣いてしまうだろうが」

「きゃきゃ♪」

「お、流石俺の娘だ。生まれて直ぐなのに肝が据わってるな」

 

 

 

だが、その心配は無く雅は嬉しそうにしていた。真っ先に雄叫びを上げた妖怪、破戒僧の青田坊もそれを見て思わず頬が緩む。そして、幻影は妖怪達に向かって高らかに宣言する。

 

 

 

 

「野郎共!!たった今俺と縁の娘で奴良組二代目を世襲するであろう雅が誕生した!!お前らはこれからも将来の総大将、雅に泥を塗る様なことはくれぐれもするな!!さぁ!!雅が産まれたことを奴良組で祝おうじゃないか!!宴の時間だ!!」

 

 

 

 

「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」」」

 

 

 

 

こうして、三日三晩続く盛大な宴の幕が上がった。

 

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