転生したらぬらりひょん♀になっていた《凍結》   作:影使い

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京で八坂殿と会談です《改編済み》

アリシアと出会ってから既に100年が経った。

私は人間で言うところの成人になった頃に奴良組の総大将の座を親父から譲り受け、二代目総大将になった。

 

 

 

 

そして現在、上級悪魔の連中と殺り合っていた。

 

 

 

「いい加減崇高なるこの僕の下僕になれ!!」

「お前は馬鹿か?」

「なっ………」

 

 

 

私はそんなことをほざいている上級悪魔のボンボンをすれ違い様に天生牙(封印ver)で切り刻み斬殺する。

これで合計で五匹目のコウモリを斬った事になる。

 

 

 

何でも悪魔、堕天使、天使の三つ巴の争いで三勢力の全てがかなり疲弊し種の存続さえも危うくなったらしい。で、悪魔の連中が苦肉の策として打ち出したのは他種族を悪魔に転生させる悪魔の駒(イーヴィル・ピース)とやらで転生悪魔を増やして種の存続を試みているらしい。

全て転生した際におっさんから聞いた話と合致する。純血主義で貴族社会な悪魔にとって苦渋の選択なのだろう。

が……はっきり言って私達、他種族にとってかなり傍迷惑だ。自分の不始末ぐらい自分で処理しろって話だ。

しかも、他種族に寄生している癖に態度は横暴で見下してくる。いい加減お前ら滅びろって思うよ。

更に最近は若手の上級悪魔の連中は妖怪を下僕にする事がブームになっているらしく消息を絶った下級妖怪が後を絶たないし、まれに中級妖怪も忽然と姿を消す事がある。

これは妖怪の元締めとして無関心な訳にはいかない。この問題に関しては明日には京の八坂との会談が開かれる原因なのだから。

 

 

 

で、こいつらは妖怪を探してさ迷っていたところで日々の日課である夜の江戸を見て回っていた私に遭遇し、実力差も分からず攻撃してきた訳だ。

 

 

 

「く、くそ………化け物め!!これでも喰らえ!!」

 

 

 

悪魔のボンボン2、3、4、5が私に向かって一斉に魔法らしき物を放ってくるがそれは点で的はずれな場所に被弾した。

これは《認識をずらす程度の能力》で私に対する認識を意図的にずらしてる。先ず、実力者なら絶対に引っ掛からない。

 

 

 

はっきり言ってこいつらは中級妖怪の上位程度の実力しか無い。

どうやら、悪魔勢力が疲弊しているのは事実らしい。私を含める最上級の妖怪、大妖怪と呼ばれる連中にとってどれだけ雑魚が徒党を組んでこようが意味を為さないのだ。

ましてや、私は大妖怪と呼ばれる連中の中でもはっきり言って最弱と言っても過言ではない。

こいつらが徒党を組んで通用するのは精々上級の下位までだ。

妖怪は長く生きることによって力が増大していく。しかし、100年とそこいらしか生きてないのに大妖怪と呼ばれる手前親父を超える天才と呼ばれているのも確かだ。

 

 

 

「バカだね、お前らは喧嘩を売る相手を間違えたのさ」

「な、何だと!!俺達を侮辱するのか!!」

「侮辱も何も私はお前らなんて初っぱなから眼中に無かったけど?何か?」

 

 

 

こう言った煽り方をすればプライドの高い連中は逆上すること間違いない。だからこそ、そのプライドをへし折る為に言うのだ。

 

 

 

「き、貴様ああぁぁぁぁぁ!!!!」

「《奥義・明鏡止水"桜"》」

「「「ぎゃあああああああ」」」

 

 

 

私は何処からともなく酒の入った杯を取り出し、中に入っている酒に息を吹き掛ける。

すると、悪魔達が一気に破魔の炎に包まれる。これは私の父親である奴良幻影から伝授された一子相伝の技《奥義・明鏡止水“桜“》。

杯の中の酒が揺らぐ間、破魔の炎で敵を焼き尽くす。

要するにぬら孫の奴と全く同じ技だ。ちなみにこれを伝授された時はテンションがうなぎ登りで周りにドン引きされたのはいい思い出だ。

ちなみにネタ技の一子相伝フライング妖怪ヤクザキックもしっかりと伝授された。

 

 

 

「…………ぁ………」

 

 

 

一匹のコウモリを生かしておく。これは冥界のコウモリ共に対する牽制の為に死ぬギリギリのラインで生かしておく。

多分、死んだ方がマシなレベルだと思う。

 

 

 

くくく、良いね。その絶望した顔は。いやいや、過去の栄光を引きずったコウモリを心身ともにずたぼろにするのは何時やっても気分が良いね。

さて、最後に心を完全にへし折りますか。

 

 

 

「お前、相手を選ぶべきだった。これで私達妖怪は貴様ら悪魔に攻め入る口実が出来たわけだ。何たってお前らが襲ったのはこの日の本の妖を束ねる大妖怪ぬらりひょんの奴良雅、その人なんだから」

「………………」

「ははははは!!貴様の愚かな行為で今度こそお前らは終わるかもな」

 

 

 

さて、こいつを連れて本家に戻るとしますか。

 

 

 

私は母さんから受け継いだ《境界を操る程度の能力》を使い本家に繋がっているスキマを展開する。まずは焼きコウモリをスキマに蹴り入れ次に私がスキマをくぐり抜け本家に移動した。すると、私の信頼する幹部達が血相を変えて飛んできた。

 

 

 

 

「雅!!あれほど一人で出歩くなって言ったでしょうが!!」

「ごめんごめん、次からは気を付ける」

 

 

 

真っ先に叱ってきたのは既に無二の存在となった半人半霊のアリシア・E・ペンドラゴン。

此方での偽名は衛宮綾。可能性の一つとして正史通り性別が男、そして受肉したアーサー王と衛宮士郎の可能性の一つであり、性別が反転した存在の衛宮志穂の娘だ。

この100年ですっかり成長し、容姿は聖槍ロンゴミリアド持ってる方のアルトリアになっていた。

アーサー王の剣技と英霊エミヤの守りの剣技と弓術を受け継いだ私の親友であり懐刀だ。

まぁ、要するにカリバー使う乳上をイメージしてくれ。

 

 

 

「姉ちゃん!!」

「おっと、危ないじゃないか鈴音」

「大丈夫。姉ちゃんが受け止めてくれることを信じていたから」

 

 

 

私に抱きついてきたのは猫又の上位種、猫魈の鈴音。

まだまだ、子供だけどポテンシャが非常に高く才能溢れる将来有望な子だ。

特に仙術に関してはたった5年で極めた凄い子だ。私でさえマスターするのに10年掛かったのに。そして私とアリシアの妹ポジだ。

 

 

 

「おー、帰ったか。全く綾は過保護だし、ガキんちょは世話しないし出来る限りの大人しくしてくれよ」

「ごめんって、白夜叉」

「宇治金時丼で勘弁してやらぁ」

 

 

 

と、屋敷の奥から出てきた天パの銀髪、魚の腐った様に染んだ緋眼。

そして、極度の甘党。何処の銀の時ですか?と聞きたい位、銀◯の坂◯時に雰囲気、色合いと言いそっくりなこの男。

生きるために常に戦場で人を斬って斬って斬り続け、何時しか鬼と呼ばれた名も無き孤児だった男だ。

そして、何時しか畏怖や怨念が彼に溜まっていき妖怪となり髪と瞳からは色素が抜け落ち、白夜叉と呼ばれる様になる。

そして、私の噂を聞き付け私の元に来て殺り合った。勝負は当時の私がギリギリで勝ち、白夜叉は私の幹部になることを誓ったのだ。

のだが……抜き身の刀身の様な彼は何処かに消え、ここに居るのは『まるで駄目なお兄さん、略してマダオ』が居るだけだ……。どうしてこうなった……。

 

 

 

 

以上3名が私の現在の幹部である。元々、鈴音と白夜叉は力が強すぎたり、居場所が無かったり私がスカウトして来たからか、癖の強い奴等ばかりだが私はこいつらと一緒にバカやれることが何よりも楽しい。

 

 

 

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side アリシア

 

 

雅が悪魔に襲われてから一夜が過ぎた。

私達、奴良組二代目総大将以下3名の幹部は京の裏の統領を玉藻の前様から引き継いだ九尾の狐である八坂との会談がある京の地へ雅のスキマを使い直接向かう。

スキマを潜るとそこは本家よりも立派な屋敷の門の前だった。

門番らしき烏天狗が私達の顔を見ると直ぐに近付いてきた。

 

 

「お待ちしていました、奴良雅様に幹部の皆様。既に準備は済んでいますのでお上がりください」

「分かった、ご苦労。………さあ、行こう」

 

 

 

私達は無言で頷き、屋敷に入る。

厳粛な雰囲気の中、私達は綺麗に整えられた壮大な日本庭園を横切っていき会談の場に設けらた離れの一室に通された。

そこには京の統領、ぬらりひょんの親父さんと並ぶ大妖怪である九尾の狐の八坂殿がいた。私達は八坂殿の真正面に座る。

 

 

 

 

「お招きいただき感謝する、八坂殿」

「お久しぶりです、八坂殿。その節は大変お世話になりました」

「よう来たの、雅と綾それに新たな雅の幹部たちよ。妾の呼び掛けに応じたのはお主たちだけじゃ」

「では、四国のタヌキ共や九州の崇徳上皇は応じなかったのですね?」

「ああ、その通りじゃ。あやつらは実質的には被害がないからの」

「そうですね。被害があるのは本土の我々のシマでしか有りませんから」

「あぁ……」

 

 

 

流石に、互いが組織の長なので互いに腹の探り合いをしているのか中々本題に入ろうとしない。

そして長い沈黙の後、本題を切り出したのは八坂殿だった。

 

 

 

「この一連の失踪、妾はあの冥界に巣食うコウモリ共の仕業だと思っておる」

「…同感ですね。と言うよりは、それで確定でしょう」

「何故、そう言いきれるのじゃ?妾の方では悪魔の仕業だと推測しているだけなのじゃぞ」

「今からお見せしましょう」

 

 

 

そう言って雅はスキマから手と足を私が投影したなんの変鉄もない聖剣で串刺しにして磔にしておいた悪魔を落とす。それを見て八坂殿は険しい表情をする。

 

 

 

 

「のう、雅。『これ』はなんじゃ?」

 

 

 

 

八坂殿は変わり果てた悪魔を見て、『こいつ』ではなく『これ』と言った。八坂殿は気付いたのだろう。この悪魔が既に心が死んでいて生きる屍にしか過ぎないことを。

雅は苦笑しながら話し出す。

 

 

「…………昨日、シマを回ってたら襲われました。こいつの他にもあと十匹程度居ましたがそれを残して消し、こいつだけは色々と絞り出すために生かしといたのです。そして、全てを聞き終えた頃には心が死んだと言った具合です」

「なるほどの………これで悪魔が一連の失踪の犯人だと言うことがはっきりしたが………さて、どうしたものか」

「それは私達に任して貰えませんか?八坂殿は京の要。迂闊には離れなれないでしょう。その分、私達の本家には旦那様と奥様に両名の幹部がいます」

 

 

 

 

私がこうなった時の為に用意していた考えを言うと八坂殿はゆっくりと頷いた。

 

 

 

「ふむ、初代の幻影殿と妖怪の賢者の一人でかの幻想郷を作り上げた八雲紫殿と同種族の縁殿か…………。

隠居の身とはいえ幻影殿と縁殿、そして二人の幹部と言えば全員が大妖怪と呼ばれる存在。

分かった、お主達に任せよう。ただ、うちの者も幾らか連れていってくれ。幾らか思う所があってな」

「分かりました。では直ぐに準備をしてください。こちらの準備が出来次第、迎えを遣わせます」

「あぁ……では……頼んだぞ」

 

 

 

そして私達は屋敷を出て、雅のスキマから本家に戻る。そして、雅の声が本家に響き渡った。

 

 

 

 

「お前ら!!!!!!久々の百鬼夜行だ!!!!」

 

 

 

 

その一言でこの本家に居る妖怪達が慌ただしく動き始めた。

そして、数分後には周辺の門下の組や京からの選りすぐりの妖怪達が参戦して、500を越える百戦錬磨の大百鬼夜行が本家の庭にいた。

それを見渡した私の横に居る雅が再び百鬼夜行の連中に

 

 

 

 

「目標は連中のトップ、魔王と呼ばれる奴等だ。いいな、決して油断するんじゃねぞ。

死んだらそこでお仕舞いだ。それにお前らには帰らなきゃならない場所が在るんだ。

いいか?二代目総大将の名に置いて一人でも欠けることは私が許さない。

…………私の言いたいことはそれだけだ。行くぞ!!!!野郎共!!!!百鬼夜行だ!!!!」

 

 

 

 

「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」

 

 

 

 

弾けんばかりの雄叫び声が本家の庭に響き渡った。それは雅の声に魂を奮い起こされた百鬼夜行の妖怪達が雅を百鬼夜行の長と言うことを再認識させたに儘ならない。

そして、私達は予め聞き出した魔王が居ると言う地域に繋がるスキマを通って冥界に進行したのであった。

 

 

 




白夜叉は容姿は銀さんに全く似ていません。名も無き孤児が意地汚くも生き残り、人からの恐れや怨念が積もりに積もりに、それの成れの果てがこの小説の白夜叉です。
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