転生したらぬらりひょん♀になっていた《凍結》   作:影使い

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あと、四話ぐらいで原作突入する予定です


赤龍帝と出会いました《改編済み》

時が流れるのは早く、あの冥界にカチコミしてから100年が経った。

この頃には私にも女としての自覚が芽生え、一番幼かった鈴音も一人の女の大人として私の隣で一緒に賑やかな江戸の町を歩いている。

と言っても、鈴音の見た目が十六歳位だから見た目が二十歳程度の私と並んで歩いていると仲の良い姉妹と見られているだろうが。

 

 

 

「姉ちゃん、今日は何処行くの?」

「そうだな………取り合えずおでんでも食べに行くか」

「わーい♪じゃあ何時もの場所でいい?」

「ああ、良いぞ」

 

 

 

出会ってから変わることのない鈴音の純粋無垢な笑顔に癒される。

だけど、鈴音って戦闘になると幹部一、冷酷非情な性格に激変する。

まぁ、普段がこれだからどちらが本当の鈴音か解らないけどね。

もしかしたら解離性同一性障害、俗に言う多重人格ってやつなのかもしれないな。

 

 

 

 

私達はここ何十年で頻繁に行っている隠れた名店として一部で大人気のおでんやに行くことにした。

そして、しばらく町中を歩き少し寂れた一軒の店に辿り着く。

その店からはおでんの出汁のいい匂いが店の軒先まで匂っている。私達はその美味しそうな匂いに引寄せられる形で店に入る。店の中は年季が入った雰囲気があり、下町の人々が好んでいそうな店構えだった。また、今日は珍しく客が一人いた。

 

 

 

まぁ、堅気の人間じゃないのは確かだろう。普通の人達のそれとは雰囲気が全く違った。

 

 

 

 

「……幻さんとこの嬢ちゃん達か」

「おっちゃん、おひさー」

「おっちゃん、久し振り。それにしても少し見ない内に老けたね」

「ふん。わし達人間は嬢ちゃん達、妖と違って一生が短いんじゃ。そろそろ、この店もたたむつもりだったんじゃよ。雅ちゃん、幻さんに伝えてくれ、あんたを最後の客にしたいとな」

「そっか………。で、おっちゃん今日のおすすめは?」

「全部だ」

「相変わらずだね………それが嘘じゃないのが凄いんだけど」

 

 

 

 

私と鈴音はおっちゃんの自信に裏付けられた味を誇る、極上のおでんを食べていく。

実はおっちゃんのこの味を盗む事には成功している。おっちゃんには内緒だ。

 

 

 

 

「あー、美味しかった」

「おっちゃん、ご馳走さま」

「あいよ」

 

 

 

 

私と鈴音は店を出て再び夜の江戸を散策を始めた。もう一人の客も私たちに続いて店を出る。そして、思った通り尾行をしてくる。下手くそすぎて一瞬で分かってしまったよ。

 

 

 

 

「姉ちゃん………」

「分かってる。それに何人か増えたようだね。どちらにしろ、町中で事を起こすわけにはいかないからな。場所を変えようか、鈴音」

「はーい」

 

 

 

私は鈴音と自信に認識阻害の《妖術》を施す。そして、私達は建物の屋根の上にジャンプして上がり屋根を伝って移動しいく。

 

 

 

「にゃ………しつこいな………」

 

 

 

後ろを振り向くと、十人の人影が屋根を伝って私達を追ってくる。

 

 

 

 

「鈴音、しばらく行けばかなり広い場所がある。そこに行って相手をするぞ」

「了解だよー」

 

 

 

目的の広場に着き雅は懐に隠してあった妖刀の類に入る小刀、鈴音は特殊な包帯を拳に巻き付け即座に戦闘体制に入る。

今まで追ってきた奴等が一人また一人と姿を現す。特徴的なのはその大半が神父だと言うことだ。

そいつらは最近噂になっている、隠れキリシタンの狂信者(エクソシスト)とやらかもしれない。

 

 

 

「さて?狂信者どもが魑魅魍魎の主、ぬらりひょんの奴良雅に何か用でもあるのかな?」

「神に背く、穢れが!!」

「我らが滅してくれるわ!!」

「異国から持ち込んだ、これで殺してやる!!」

「貴様の首を持って将軍に直訴し、我らの信仰を認めさせる!!」

 

 

 

狂信者(エクソシスト)どもが光剣を取り出している時、雅の脳裏には確かな志を持っていても政治家の傀儡にしかなれない事を嘆く友の姿が映る。

 

 

 

「はぁぁぁ…………。お前らバカか?今の将ちゃんにそんな権限有るわけ無いじゃん。

それに何でキリシタンの布教を禁じてるか知ってる?それを許すと西の国々がこの国を支配されるからなんだけどな」

「黙れ!!我らが主を敬う者にそんな者は居ない!!」

「あー………だめだこりゃ………こいつらどれだけ宗教が政治に利用されやす いか分かってないな。で、そこのお侍さんはどうなんだ?」

 

 

 

私は狂信者どもを冷ややかな目で見ている侍に聞いてみる。

 

 

 

 

「別に………俺には関係の無いことだ」

「へぇ………面白いね。悪いけど狂信者は任せたよ鈴音」

「分かったよ、でも気を付けて………あいつかなりのやり手だ」

 

 

 

 

私は狂信者共を鈴音に任し、お侍さんと向き合う。そして、小刀を構える。お侍さんは赤い籠手を着けて刀を構える。

 

 

 

「流石だな、魑魅魍魎の主ぬらりひょん。入り込める隙が全くない。これはドライグ殿の力を借りないとな」

『そうだな、徳重。最初から全開で行くぞ!!』

《Welsh dragon Balance Braker !!》

『これが俺とドライグ殿の奥の手、《赤龍帝の鎧》だ!!』

 

 

 

籠手から某使徒と戦うアニメの司令にして主人公の父親で妻の為なら世界さえ敵にできる『まるでダメな親父』略してマダオ、前世の私が大好きだった銀髪天パの万物屋でうちの白夜叉に似ている主人公のマンガに居る『まるでダメなオジサン』略してマダオを連想させる声がした後に、お侍さんが赤い光りに包まれる。そして光が消え、そこに居たのは赤い全身鎧を纏ったお侍さんがいた。

 

 

 

「赤龍帝か………確か、無限に力を倍加する神器(セイクリット・ギア)だったかな?サーゼクスやアザゼルに特徴聞いておいて良かった」

《Boost!!Boost!!Boost!!Explosion!!》

『行くぞ!!ぬらりひょん!!』

 

 

 

そして、私と赤龍帝が衝突する。

 

 

 

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side 鈴音

 

 

変化を解き、人間から猫魈に戻り姉ちゃんにエクソシストの相手を任せられた私は、エクソシストと向かい合って攻めるタイミングを探っていた。

 

 

 

「行け!!」

 

 

 

エクソシストのリーダー格の男の号令でエクソシスト達が武器を構えて私に向かって突貫してくる。

 

 

 

 

「甘い………」

 

 

 

オーラ状に気を手刀に纏わせ、形を先が尖った形にしエクソシストの一人の心臓を貫く。

そして、勢いよく引き抜くと胸に空いた穴から血が勢い良く吹き出し私を濡らす。

至るところに付いた鮮血が私を赤く染め、月明かりによってそれを強調する。私はまるで私は狂っていますよっとアピールするように演技とはいえ手に付着した血を舐め、できる限り妖艶に微笑む。

これは相手の恐怖心を煽るために覚えた演技だ。

 

 

 

 

「「ひっ…………。わあああああああ!!」」

 

 

 

 

そんな私を見て、恐怖し錯乱したエクソシスト二人が光剣を振りかぶり突っ込んでくる。しかし、大振り過ぎて少し体をずらすだけで簡単に避けれてしまう。

そして、手刀に薄く気を纏わせ切断力を最大限にして頸動脈を切り裂く。

 

 

 

「「がっ………」」

「さてと………今度はこっちからだよ」

 

 

 

私はエクソシストに一瞬で近付き思いっきり殴り付ける。

骨が砕ける感触がしたから死ぬのは時間の問題だろう。次に殴り付けたエクソシストの隣に居るエクソシストに八極拳の発勁をブチ込むと同時に体内に流れる気の流れを塞き止める。

そして、発勁で吹き飛んだエクソシストは自らの気の暴走によってぼんっと血液や臓物、骨片を撒き散らし爆発した。

 

 

 

「確か姉ちゃんが教えてくれたこの技を使ったときに言わないといけないのは………『汚い花火だ』だったね」

 

 

 

残りは浪人二人にエクソシストが二人。さて、終わらせようかな。

 

 

 

「「うおおおおおお!!」」

 

 

 

浪人が刀を構えて突っ込んでくる。全く芸がないね。私は倒したエクソシストが持っていた光剣を拾い私の師匠が扱う投擲術で浪人の喉元に投げつけ、一撃で沈める。残りはエクソシスト二人。

 

 

 

 

「くそ!!逃げるぞ!!」

「わ、分かった!!」

 

 

 

二人のエクソシストは私に背を向けて逃げ出す。

 

 

 

 

「不様だね……ま、死になよ」

 

 

 

私はそんなエクソシストに向かい気を炎に変換し、それを集束させて球体にして放つ。

姉ちゃんの《明鏡止水》を見て思い付いた技だ。かっこ良かったからやり方聞いてみたけど教えてくれなかった。なので仙術で再現しようとしてあれこれしていたら出来た。

名付けて《仙術・劫火滅却》。幻影おじちゃんの幹部の八咫烏さんに火傷負わせれたから多分太陽と同じくらいの温度だと思う。

そしてエクソシストに当たると二人とも灰も残らず焼滅してしまった。

 

 

 

「にゃあ………疲れた……。早く帰りたい。姉ちゃん早く終わらないかな……」

 

 

 

だが、年々戦闘狂になっていく姉ちゃんなので無理かと悟る。そして姉ちゃんの戦いを見に行くために移動する。

 

 

====

 

 

 

《境界を操る程度の能力》と仙術、妖術で隔絶された空間で赤龍帝とぬらりひょんの雅の戦いは雅の圧倒的な優勢の形でまさに佳境へ突入していた。

赤龍帝は雅の能力に翻弄され体力を奪われた挙げ句、一方的に斬り付けられ《赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)》は所々に中の体にまで届いている傷が有り体から絶え間なく血が流れ出ていた。

 

 

 

『はぁはぁ……、まさかここまで強いとは………』

『もういい!!徳重!!今のお前じゃ死んでしまうぞ!!』

『ドライグ殿……。目の前に居る方に俺が始めて心の底から勝ちたいと思った。ここは俺の我が儘に付き合ってくれぬか?』

『………好きにしろ』

『ありがとう………ドライグ殿』

《Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!》

 

 

 

 

赤龍帝の倍加がどんどんと進んでいき、雅でも無視ができないレベルの魔力量になっていく。

赤龍帝はその膨大な魔力量で恐らく最後になろう一撃を雅に叩き込もうと雅に向けられた手の前に魔力を集束させていく。

そして、その魔力は現在進行形で倍加を続けている。現在の倍加の回数は優に歴代最強の赤龍帝でさえ自爆するレベルに到達している。

これは現赤龍帝の徳重にしか出来ない行為だ。何故なら体が人の数十倍頑丈で圧倒的な魔力制御の才しか持たなかった徳重は今から放つであろう《覇龍(ジャガーノート・ドライブ)》の最強の一撃《ロンギヌス・スマッシャー》を禁手状態で放つそれだけに特化した赤龍帝なのだ。

それを見た雅は予想通りといった表情でニヤリとしていた。

 

 

 

 

『これから俺は最強の技を放つ………だから、貴女の本当の力を見せてほしい』

 

 

 

 

その言葉を雅は聞きますます狂気的な笑みを浮かべる。

 

 

 

 

「良いねっ!!あんたは最高だよっ!!これまで誰も私の取って置きの力を見破った奴は居なかった!!それを見破ったお前は私の本気を出す相手にふさわしい!!

ふぅ………一つ教えてやるよ………。お前達、神器(セイクリット・ギア)使いや人外達は常識に対して脅威になるが………私はお前達………非常識にとっての死神なんだとねえっ!!」

 

 

 

そう言うと雅の雰囲気が今までとは全く違う異質な雰囲気に変質していた。

そして、閉じられた目が再び開くと瞳が青白く輝いていた。尋常じゃない殺気が雅の体から発せられ、その殺気が赤龍帝に自分が切り刻まれてしまうのを幻視させる。

 

 

 

 

『これは………』

『徳重……気を付けろ……。あの雰囲気は普通じゃない……』

《Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Explosion!!》

 

 

 

そして、赤龍帝の倍加の限界に到達したらしく倍加していた全てを解放する。

大地を揺るがすレベルの魔力が徳重から発せられる。そして、某亀仙流の奥義に非常に酷似した構えをして魔力を集束させていく。

 

 

 

『いくぞ……ロンギヌス…………スマッシャーァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!』

 

 

 

 

雅に向かってつき出された手から隔絶された空間の大地を揺るがし膨大な魔力を内包した一撃が解き放たれる。

だが、雅はその魔力の奔流を見ても何も動じず 、そこら辺の石ころを見るような感じで避けようとしない。そして、当たるか当たらないかと言った所である一点を小刀で突くとその膨大な魔力が一切の痕跡を残さず跡形もなく霧散した。

 

 

 

『なっ………ばかな………』

 

 

 

そして、赤龍帝は地面に倒れた。

 

====

 

 

 

今代の赤龍帝、早稲田徳重は禁手化(バランス・ブレイク)しているにも関わらず地面い伏していた。

十秒に一回の倍加の枷がなくなったのにも関わらず、魑魅魍魎の主のぬらりひょんには攻撃が届かなかった。

己の限界まで高めた魔力を全て注ぎ込んだ魔力弾をも軽々と切り裂かれ無効化されたのだからもう為す術がなくなっている。

 

 

 

始めは妖怪の総大将と言うぐらいだからどれだけ恐ろしい姿をしているのかと思った。

だが、いざ相対してみるとぬらりひょんは美しく何処か幻想的な女性だった。

初めてだったのかもしれない。自分が女性に見惚れていたなんてな。

 

 

 

 

そんな地に伏している徳重に魑魅魍魎の主は徳重をまじまじと見てこう言った。

 

 

 

 

「………あんたは凄いよ。その死にかけてる体でここまで戦えるなんて」

 

 

 

その言葉は彼女からの心からの称賛だった。

辛く厳しい修行を終えて破格の実力を手に入れた徳重は龍に魂を売った化け物と呼ばれていた。

そして、赤龍帝ではなく徳重本人として誰かに認められるのは初めてだった。

徳重はこの言葉で死闘を繰り広げその末にもぎ取った白龍皇との戦いでの勝利でも満たされなかった何かが満たされていくのを感じる。

それがなんにせよ同時にこう思った、『彼女になら殺されても良い』と。

 

 

 

「殺せ………。元々、白龍皇との戦いで覇龍を使い俺は元々もう長くない」

「やだね。敗者は勝者の言いなりだ。だから………今日からお前は私の所有物だ。私はお前が殺せと言っても殺さないし、自殺しようとしてもそれを止めてやる。だから、その残り少ない命を私だけの為に使え」

 

 

 

 

無茶苦茶な暴論だった。しかし、その暴論が今までドライグ殿以外誰も居ない孤独な生き方をして来た俺にじわりと染み込んでいく。

そして、彼女を見上げるとその時の彼女の顔はほんのりと赤みを帯びているのを満月の月明かりで知ることが出来た。

 

 

 

 

ははっ………なんつうお姫様だ………。俺は最後の最後にとんでもない女に惚れられたな………。

なぁ……、ドライグ殿。これが龍を宿した赤龍帝の性って奴なのかもな。

 

『(あぁ、そうだな。徳重は才が無かったから人里を離れ修行に明け暮れていた。一人で居た時間が長かったお前には解らなかったと思うがこれが龍の性だ)』

 

まぁ、良いか。こんなにも美人に惚れられるなんて赤龍帝冥利に尽きるって奴さ。すまん………ドライグ殿、少し寝かして貰う………。

 

 

 

 

俺は徐々に薄れ行く意識の中でドライグ殿がそう言ったのを認識し、完全に意識を失った。

 

 

 

 

 

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