転生したらぬらりひょん♀になっていた《凍結》   作:影使い

8 / 10
今回から現代になります。そして書きたいと思っていた黒歌、白音姉妹の救済回&申し訳程度のヤマト無双の回です。



ちなみに一部ナノマテリアルを応用し、アルペジオ本編並に現代兵器の皮を被ったオリジナル架空兵器&それらを使った戦法を使います。
そこんところはアニメ最終話のイオナとコンゴウ様によるメンタルモデルの戦いを見てこう言う戦い方もできるかな?って思っただけなのであり突っ込まないで下さい。



そして、今回は戦艦はオーバーキルし過ぎるので登場しません。


猫魈姉妹を助けました《改編済み》

暗闇の中を姉妹と思わしき年端もいかない二人の少女が何かから必死に逃げるように走っている。

そして、裏路地に隠れる様に姉が駆け込み消費してしまったスタミナを少しでも軽くするために大きく深呼吸をしてから既に疲労困憊な様子の妹を励ます。

 

 

 

 

「はぁはぁ………白音、頑張るにゃ………あと、あと少しで叔母さんが居る裏江戸がある東京に着くからね。

それまで辛抱して。彼処なら奴良組の影響で奴等は近付けないから………」

「は、はい……黒歌姉様……」

 

 

 

 

二人の名は黒歌と白音。

ある上級悪魔の認識では身内が居ない稀少な猫魈。そして、即戦力になりうる黒歌は転生悪魔になり自らの下僕にならないと白音を殺すとまで脅されていた。

しかし彼女達には母親の生家から勘当され、母親の一族で唯一存命している母の姉が居た。

そして現在二人は彼女が住んでいる、関東圏の妖怪にとって最後の砦であり、三大勢力のトップ達さえも一目置かれる存在である『奴良組』が統治する関東圏の妖怪にとっての安息の地《裏江戸》に向かっていた。

 

 

 

 

「おいおい、黒歌。何処に逃げるつもりだ?君の為に僧侶(ビショップ)の駒は残してあるんだ。いい加減、僕の眷属になれ」

「いい加減にするにゃ!!私はお前らの仲間になるつもりはにゃい!!」

 

 

 

 

路地の奥の方から声が響き、親の七光りと言った装いの物語に居そうな奴が、如何にも三下と言った雰囲気を持ったお供六人を引き連れながら、黒歌と白音の目の前に現れた。

 

 

 

 

「くっ……逃げるにゃ、白音!!」

「はい……姉様」

 

 

 

黒歌は妖術を地面に放ち、土煙を巻き上げ上級悪魔とその眷属に目眩ましをした。

そして、素早く仙術で身体強化して白音を抱えてその場から逃げ出す。

 

 

 

「はははは、鬼ごっこかい?何処まで逃げれるか見物だな。お前ら………少し痛め付けてやれ」

「「「はっ!!」」」

 

 

 

 

眷属達は煙で黒歌達の姿が見えないのでところ構わず一斉に魔法を放ち、黒歌達を攻撃する。

 

 

 

 

「うぐっ……」

「ね、黒歌姉様………」

 

 

 

そして、闇雲に放たれた魔法が黒歌に当たり、彼女に手痛い傷を負わせる。

 

 

 

 

「だ、大丈夫……それよりも白音は怪我してない?」

 

 

 

白音は不安そうな顔で頷き、黒歌の問いを肯定した。

そして、黒歌は着ていた服の袖を引きちぎり止血をした後、既に限界に近い体に鞭打ってその場を離れ、二人は闇夜の町に消えていった。

 

 

 

======

 

side 雅

 

私は今、ある都内の某所に存在する広大な公園のベンチに腰掛けていた。

休日の公園なのでたくさんの子供が遊んでいたり、ランニング前のストレッチをしているランナー等が思い思いの趣味を講じている平和な風景をボケーっと眺めいた。

今は飲み物を買いに行ったので居ないがヤマトも一緒だ。

鈴音とアリシアは買い物、白夜叉はパチンコに行ったのでここにはいない。

 

 

 

 

そもそも、私がここに居る理由なのだが…………

 

 

 

 

「おねーちゃん~」

 

 

 

 

と、私に向かって眩しいばかりの笑顔で手を振っている子供達に混ざって遊具で遊んでいる親父の面影を強く残す五歳位の男の子が理由だ。

 

 

 

 

あの子の名前は奴良影夜。言っておくが影夜は私の子ではなく"弟"だ。

私の子は優衣だけだし未来永劫徳重一筋だから、誰かの伴侶になることは二度とないと断言しよう。

 

 

 

 

 

影夜は親父に心底惚れ込んだ水商売の女がどれ程の代償を払い高位の悪魔と契約したのかは分からないが、あの親父の動きをほんの数分間だけ拘束する事に成功し、その際に一方的にされた行為で産まれてしまった私の腹違いで半妖の弟だ。

 

 

 

 

……………ちなみにその女は影夜を生み、その後で親父を呼びつけ影夜を託した後に親父の目の前で死に契約のより死体も残さず消えたらしい。

 

 

 

 

五年前のあの日の事を私はよく覚えている。

狼狽えた様子で影夜を抱き抱えて帰ってきてから母さん、私や優衣に「こいつは俺の子だ……」と言ったあの日の事を。

母さんは暫くして思考が正常に戻り親父の言葉の意味を理解し、その場で失神して一週間寝込んだ。

優衣は祖父である親父をまるでゴミを見る目で見てその場から去り、事態が解決するまで口も聞かなかったらしい。

 

 

 

 

私?私も呆れ果てて優衣に続いて出ていこうとした所で話を聞いて欲しいと親父が影夜を傍らに寝かせ、娘である私に恥も凌ぎ土下座をしながら懇願してきた。

そして真相を聞き母さんを裏切っていなかった事を知ったので影夜の世話をしてた。

 

 

 

 

 

まぁ、最初は正直親父をどういう方法で断罪するか奴良組に所属する女子の集まり、奴良組女子部で話し合って、その内容を実行し血祭りに上げてやるつもりだったがな。

 

 

 

話を聞いた後は親父は被害者な訳だし、半分だが同じ血を引く影夜を放っとく訳にはいかないと思ってしまった。

それに子育てを一通り経験したからか母性本能が見事に刺激されてしまい放っとく事が出来なかったと言う理由も有ったには有ったが。

あとは私が守らないと影夜の身が危なかったからな。

 

 

 

 

 

その後、母さんや優衣を私が事情を説明しなんとかその場を納めた。

私直属の諜報部隊に情報を集めさせたり、ヤマトが有する『霧』の超技術を応用した超高性能の嘘発見機で白と判明したことにより騒ぎは収まった。

母さんは影夜を正式に息子として迎える決心し、優衣も家族として影夜を受け入れた事で今に至る。

 

 

 

ま、当の本人である影夜は何も知らずにすくすくと成長しているから母親代わりをしていた姉として嬉しくもある。

 

 

 

 

「ただいまー。雅、取り合えずお茶で良かった?」

 

 

 

 

回想に浸っていたその時、ヤマトが飲み物片手に帰ってくる。

 

 

 

 

ちなみにヤマトの格好はノースリーブのシャツにGパンと言うボディラインが浮き出る服装だ。

そんな格好で美女なヤマトを子供達の父親達が鼻の下を伸ばして注目していて、それを見た母親達は面白くなさそうな顔をしている。

あの様子じゃあ今日の夜は修羅場は確実だな。(※雅もかなり注目されている事に全く気が付いていない)

 

 

 

「ん、ありがとうさん。で、ヤマト………ここら辺に潜んでいるコウモリは見つけたのか?」

「当たり前よ。私を誰だと思っているの?複数の監視衛星見で張っているから奴等の行動は逐一把握しているよ。まぁ……目的までは解らないけどね……」

 

 

 

ここ、東京は日本の中心にして日本に数ヵ所しかない妖怪の本拠地の一つだ。

当然だが東京23区は勿論の事、その他の地域さえも非常に手厳しい監視がされている。

主に霧の技術を駆使し、重要な監視対象はヤマトが直接監視している。それを元にうちの組の連中で直接監視もしている二重の監視体制だ。

入り込んでくる悪魔、堕天使、天使等は今回みたいに誰かしらが随時監視を受け、もし不審な動きをしているとうちの連中が即排除することになる。勿論、三大勢力の連中には非公開だ。

 

 

 

 

それから暫くして血相を変えた影夜がなにかを抱えて私達の元に走ってきた。

 

 

 

 

「お姉ちゃん………この子達を助けて!!」

「ど、どうした、影夜!?って……この猫は……まさか?」

 

 

 

 

影夜が血相を変えて走りながら抱えていたのは黒と白の子猫達だった。

二匹とも衰弱しているが黒猫の方は重傷を負っていて早く処置しないと死ぬかもしれない。

普通なら獣医に駆け込む所だが……今回ばかりはちょっと事情が事情だ。

その猫達はただの猫じゃなく妖怪だったのだ。

しかも猫魈でうちの鈴音に良く似た気配を持っていた。それこそ、かなり近い血の繋がりが有る者じゃないと説明がつかないレベルだ。

 

 

 

「雅、その子達の遺伝子情報は間違えなく鈴音の血縁者よ。

なんでここに居るのかは分からないけども一旦、本家に連れて帰りましょう。例の奴等の目的はその子達かもしれないわ」

 

 

 

 

と、ヤマトの解析結果も出て鈴音の関係者だと確定した。

私たちが公園を離れ、人目が無い居場所でスキマを使って帰ろうするがその時、私が大っっっっ嫌いな部類の親の七光りのコウモリ(以下七光り)が趣味の悪いチンピラを引き連れ現れる。

 

 

 

 

多分、七光りの容姿と言い髪型と言い一番似ているのはワ〇ピースの初期の方のヘ〇メッポだな、うん。

少なくともガー〇中将に徹底的にしごかれ、修正された最近のヘル〇ッポじゃ無い。

 

 

 

 

「困るんですよね……その猫達を連れていかれると」

 

 

 

 

その時、眷属の中の確か僧正(ビッショプ)女王(クイーン)だったかが空間を隔離する魔法が発動され私達は別空間に閉じ込められる。

ちなみに影夜は教育的に悪いのでこの時点で妖術を使い寝かせました。

 

 

 

 

「何者だ、お前ら?」

「ふん、貴様らみたいな人間に教える必要はない。殺せ」

 

 

 

 

そう七光りが言って一斉に魔法を放ち、接近戦をする兵士(ポーン)騎士(ナイト)も人を軽く超越した動きで私達を殺しに来る。

普通の人間ならここで目の前の光景に驚愕し、その気持ちを抱きながら死ぬはずだ。そう、私が普通の人間ならば。

 

 

 

「クラインフィールド、展開」

「奥義《明鏡止水゛桜゛》」

 

 

 

生憎、私達は普通とは対極に位置する存在だ。対処など容易い。

ヤマトが展開したクラインフィールドは簡単に魔法を防ぎ、私が放った《明鏡止水゛桜゛》が兵士(ポーン)騎士(ナイト)を焼き尽くす。

 

 

 

「な、なんだと………」

 

 

 

 

コウモリ達はかなり狼狽えていた。と、言うか現実を受け入れて無いように見える。

 

 

 

 

「雅、行きなさい。ここは私一人で十分よ。

いくらあなたでも子供を守りながらは……やれるでしょう。でも、影夜だけならまだしも瀕死の娘達が居るからリスクが大きいからね」

「すまないな………苦労かけて。帰ったら礼に私の秘蔵の酒を何本か譲ろう」

「それは楽しみ……ねっ!!」

 

 

 

ヤマトは再び此方に向かって連続して放たれる複数の魔法を必要最低限のクラインフィールドを使いそれぞれで防いでいく。

その隙に私はスキマを使って本家に帰る。

そして、庭で寛いでいた優衣に影夜を押し付け、本家で家事や掃除をやっている下っ端に私の自室に清潔な布団を用意するように指示した後に私の部屋に向かう。その途中で偶々母さんに会った。

 

 

 

 

「あら、おかえりな………その猫又ちゃん達はどうしたの、雅?」

「母さん、一刻を争うから今は答えている暇はないんだ」

「分かったわ。でも、何か手伝えないかしら?」

「………鈴音を連れ戻してきて。この子達と親類なんだ」

「任せなさい」

 

 

 

母さんと別れて、自室に入り既に用意されていた二組の清潔な布団に黒猫と白猫をそっと寝かせる。

そして二人の猫化を解くために妖術を使い、人の姿に戻す。

変化が解けると両方とも可愛らしい猫耳と尻尾がある黒髪の11歳位の少女と丁度陸斗と同い年位の白髪の少女に戻る。

 

 

 

 

「…………鈴音の面影が少しある。必ず助けてやるから安心しろ」

 

 

 

 

私は仙術で治療を始めた。

 

 

 

======

 

私は雅を見送った後、暫くは相手の攻撃を全て防いでいた。

 

 

 

「くそっ、逃したか……。まぁ、良い。お前を痛め付けて黒歌の居場所は吐かせて貰うぞ」

「はっ。寝言は寝て言うものよ。あんな小さい子達に欲情するロリコンが。

相手の実力も分からない様な七光りの分際でぎゃあぎゃあ喚くな、喧しい」

「き、貴様ああああああああ!!!!」

 

 

 

更に攻撃は激しくなるがクラインフィールドで防御している私には決して届かない。

私は涼しい顔で表示されているクラインフィールドの稼働率や今現在使えるナノマテリアルの残量をチェックしている。

 

 

 

(クラインフィールド稼働率約0.1%か。さて、そろそろ此方も攻撃させてもらうか)

 

 

 

 

ナノマテリアルである兵器を造り出す。

それはキリシマが最も扱う兵器で形は陸上自衛隊が正式に採用してる無反動砲のカールグスタフM2、ちなみに陸自の名称は84mm無反動砲、の形をしているが中にはタナトニウム弾頭搭載の高性能AI制御による侵食誘導弾が装填されている。

ちなみに有効範囲は半径約2.5mと正規サイズの侵食兵器の有効範囲には全く及ばないが地上での対人戦では非常に有効な兵器だ。

 

 

 

 

「喰らいなさい、慈悲はないわ」

 

 

 

 

それをまるで重さが無いようにひょいっと肩に担いでから引き金を躊躇なく引き侵食誘導弾を発射する。

発射した瞬間に弾をナノマテリアルで即精製、装填し某有名ステルスゲームの無限バン〇ナを装備したかの如くの連射する。

発射された複数の侵食誘導弾は瞬時にエンジン機構に点火し音速を越えて七光りの横に居た僧正(ビッショプ)やその他に向かって行く。

 

 

 

 

「「「ひっ……」」」

 

 

 

 

咄嗟に僧正(ビッショプ)や魔法が使える面々は障壁を展開するがそれは悪手だった。

障壁に弾頭が衝突し炸裂した瞬間、周囲の空間を重力波によって侵蝕した。

そして侵食する範囲に居る展開した障壁を意図も簡単に消失させ、僧正(ビッショプ)やその他眷属の計三人の構成因子の活動を停止させ崩壊する事によって消失させる。

その現象が起きた場所にはクレーターしか残って無かった。

 

 

 

 

侵食兵器の威力に驚愕した七光りと女王(クイーン)はそれを呆然と眺めていた。

そして、私はアニメ最終話のコンゴウの様にクラインフィールドを剣の形で形成。

某英雄王の王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の様に無数に展開する。

 

 

 

 

「一つだけ尋ねるわ……ここが奴良組のシマだって知っての行動?」

 

 

 

 

ヤマトはそう七光りに問い掛けるが七光りはやはりそこは糞みたいな悪魔の貴族。

自分の置かれている状況を十分に理解できずに今の私には火に油、むしろ火にガソリンを放り込む様な回答を返してくる。

 

 

 

「はっ!あんな、至高の存在である悪魔に比べたら下等で下賤な奴等の事なんか気にする必要無いだろうが!」

「そう……」

 

 

 

 

ヤマトはそれを聞いた瞬間、この七光りを超重力砲の的にしてやろうと思ったがその気持ちをグッと押さえ込む。

取り合えず見せしめに七光りの隣でガタガタ震えている女王(クイーン)の女に向かって展開した無数の剣を射出し刺殺する。

 

 

 

 

「なっ?!き、貴様あああ!!よくも僕の女王(クイーン)を」

「黙れ、害虫に喋る権利などない」

 

 

 

七光りの両手両足をクラインフィールドの剣で切断し、達磨状態にする。

 

 

 

 

「ぎゃ、ぎゃああああああ??!!!!あ、足と手が……僕の足と手がああああ!!!な、何て事をする!!ぼ、僕は貴族だぞ!!」

「そんなこと知らないわ……喧しい……」

 

 

 

そんな七光りに更に不快感を覚えた私は溝内に踵落しを落とす。

 

 

 

「ぐふっ………」

 

 

 

七光りは口から泡を吹き出しながら白目を剥いて気絶する。

 

 

 

 

「お前を始末するのは簡単よ………でも、それは私ではない。…………もっと相応しい奴が居るからね」

 

 

 

 

と、カッコつけたのは良いが暫くは経っても異空間が解除される気配は全くなかった。

 

 

 

 

「これ………帰れる……よね………?」

 

 

 

 

ちなみに回収されたのは黒歌達、姉妹が鈴音と対面し全てが終わった後の事だった…………。

 

 

 

====

 

 

一方その頃、奴良組本家では雅が適切な処置をして峠を越え、安らかな寝息を立てて寝ている黒歌と白音の姿と、そんな二人の横に座って二人の頭を優しく撫でている鈴音の姿が有った。

 

 

 

 

「ごめんね………。私が気付いてあげられなかったばっかりに辛い思いさせて………」

 

 

 

 

そこには普段の明るい鈴音ではなく、悔しそな顔で泣きそうな雰囲気を纏う鈴音が居た。

 

 

 

 

 

「それは違うぞ、鈴音」

「あ、幻影おじちゃん………」

 

 

 

 

 

鈴音は誰かが入った気配を感じて顔を上げる。

襖の前には鈴音を養子に迎え入れてくれた奴良組初代総大将こと幻影がいた。

そして、鈴音の隣に座り昔の様にガシガシと乱暴に頭を撫でた。

 

 

 

「そんな顔すんな…………少なくとも、お前が気に病む必要は無い。

責めるべきはこんな、か弱い嬢ちゃん達を付け狙い、こんなひでぇ事をしたコウモリとそんな屑を放っとくコウモリ共の魔王や上層部の連中だ」

 

 

 

幻影は鈴音にそう言って暗に大丈夫だ、心配するなと言い聞かせるが鈴音は首を横に振る。

 

 

 

「…………でも、私がもっと早く琴音の死を知っていたら………。

もし、この子達からの一ヶ月に数回来る手紙が来ない事をもっと重く捉えていたら…………こんな事にはならなかった。私、きっとこの子達に恨まれてる………」

「そうか?じゃあ、なんでここから大分離れているお前の故郷から子供の身で悪魔の追手を掻い潜ってまでここに来たんだ?

それこそ………お前がこの嬢ちゃん達に頼られてるからじゃないか?」

「……………」

「まっ、心配しなさんな。俺が保証してやるよ」

 

 

 

ポンポンと鈴音の頭を叩いて部屋から出ていく。

 

 

 

「………うん。ありがとう、お義父さん……」

 

 

 

 

鈴音が随分と言ってくれなかった呼び方をしてくれたので気分を良くしながら幻影が部屋の外に出る。部屋の出入口の反対側の壁に雅が寄り掛かっていた。

 

 

 

 

「全く、親父に私の役目を取られたよ」

 

 

 

雅はため息を吐いた。

 

 

 

「これでもお前や影夜の親父で優衣の祖父なんだぞ。それぐらいは任せろ。それに悩んでるお前ら子供が居るならそれを導くのが大人ってもんだ」

「ハイハイ、分かってますよ。それといい加減ガキ扱いは辞めて欲しいな」

「はっ。俺達からしてみればお前らはまだまだ背伸びしているガキだ」

 

 

 

その言葉に雅は眉をしかめて言い返す。

 

 

 

「そんな事言えないようにしてやるよ?色ボケのクソ親父」

「やってみろよ。お転婆でバカ娘」

「あぁ?次いでに隠居生活させてボケ老人にしてやる」

「「……………」」

 

 

 

その瞬間、両名からプツンっと何か切れてはならない物が切れた音がした。

 

 

 

 

 

その時の光景を目撃した構成員は後にこう語った。

あの時のお頭とお嬢の背後に凄まじい力を内包している一触即発の龍と虎が見えたと語った。

 

 

=====

鈴音side

 

 

 

「鈴音叔母さん……起きてください」

「起きるにゃ、鈴音叔母さん」

「うぅぅぅん………今何時?………はっ、黒歌、白音!?」

 

 

 

 

どうやら私は姪の黒歌と白音の隣で看病をしていたら転た寝をしていたらしい。

お陰で看病をしていたはずの黒歌と白音に起こされるはめになってしまった。

 

 

 

 

「と、取り合えず、久しぶり。黒歌も白音も最後に会った時よりも大きくなったね。それとごめんね……私が早く気付いていれば……」

「ううん……叔母さんは悪くないです……」

「そうにゃ……叔母さんが居てくれたから私達は頑張れたにゃ……」

「二人とも……」

「「鈴音叔母さん……」」

 

 

 

黒歌と白音の二人は私に抱き付き、無言で体を微かに震わせながら涙を流した。

 

 

 

黒歌は既に並みの妖怪以上の力を持っているし、白音は幼児とは思えないほど精神が成熟しているが二人はまだ子供。

そんな二人は今まで圧し殺してきた恐怖が二人の心の支えになっていた鈴音にようやく再開出来た事によって抑制された感情が解放されたのだった。

 

 

 

「大丈夫。ここは奴良組の本家だから、もう安全だよ」

 

 

 

私は黒歌と白音を安心させるように優しく抱き締め、二人を受け入れる。

 

 

 

 

暫くすると二人は泣き止み、照れたらしく赤い顔で私から離れた。

 

 

 

 

「これから二人はどうするの?良いようにしてあげれるよ。これでも奴良組の総大将直属の幹部なんだから」

「私は……黒歌姉様と一緒に叔母さんと暮らしたいです……」

「私もにゃ……。もう……二人だけで過ごす夜は嫌だにゃ……」

「……………」

 

 

 

その言葉で私は罪悪感で胸が張り裂けそうな気持ちになる。同時に「私はこの子達と暮らしていいのか?」と思ってしまい直ぐに返事が出来なかった。

 

 

 

「ダメ………ですか………?」

 

 

 

 

白音が不安そうな顔で私を見上げてくる。

 

 

 

「私達は鈴音叔母さんが大好きにゃ。だから、ずっと一緒に暮らしたいにゃ」

「………私は二人と暮らしていいのかな?」

「「勿論にゃ(です)」」

 

 

 

こうして、黒歌と白音の二人は鈴音の養子として奴良組に迎えられる事となった。

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