とある科学の反物質   作:妄熊

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前回結構かかるとかいったやつは何処のどいつだァ?
この私だ!
無職転生の22話を見てたらなんか降りてきたのでなぜかすぐに書きあがってしまった。
3500字辺りを越えてから失速し始めたので4000越えた辺りで切っての投稿となってます。
もしかしたら6話も早めに出来上がるかも?
まぁ、気長に待っていてください。


第5話:計画γ

集合意識、あるいは集合自我

これらはSF小説などでよくみる人工的なテレパスやハイブマインドだ。

複数の個体が直結して感応(リンク)し、巨大な一つの個体となる

これを自然界などでは超個体と称するようだが、それはどうでもいい。

 

いくら学園都市と言えど、集合意識を用いた強大な個を生み出すのは難しい...

精神系の能力を使えばできるだろうと思っているかもしれないが

それでは複数の個体意識の集合体ではなく、一個人の複製に過ぎない。

精神操作では本体の意識に同調するよう設定(プログラム)されただけになってしまうからな。

重要なのは個々人が自身の考えを持ちながらも他者と同調し、一つの個として存在を確立する事だ。

しかし、複数の意識を統合するにも人にはそれぞれの感性や感情があるためにそういった事象を起こすのは困難極まる。

 

ならばどうするか?

それは条件の設定だ。

一つの条件に該当する意識であれば複数同時に存在しても問題は起きない。

何より根幹が同じであるからより強固な個へと昇華する可能性だってある。

だが、問題はその条件である。条件を何にするか...

たとえばそうだな...『悪意』なんていいんじゃないか?

 


 

あ~...しんど

やっぱ無差別爆破はやるもんじゃないな。

周辺に及ぶ被害を抑えるためにも能力の展開はし続けなきゃいけないし

自身にも被害が出る可能性があるから防御もしないといけないし...

他にもいつも行ってる対消滅とは違い

多量に放出されるガンマ線を周囲に拡散しすぎないよう遮断(カット)しなきゃいけなかったし...

爆発によって一掃できるのはいいが、俺にとってはデメリットしかねぇ

 

「はぁ...風紀委員(ジャッジメント)とかに見つかったら懲罰もんだろうしなぁ」

 

俺は後々の心配を考えながらそこらで伸びてる警備員モドキの体を探る。

何かしらの情報でもあればいいなぁ

まぁ、こんな連中に重要な情報なんて持たせてるわけないだろうからありえないだろうけど。

 

しばらく探って出てきたのはスマホと変えの弾倉と投擲類だけだ

一応情報の有りそうなスマホを開いてみてみようとは思うが、そんな情報なんて出てこないだろ

 

って、思っていた時期が私にもありましたよ

 

「なんで敵地の座標が残ってる端末を持たせてるのかねぇ!?あれですか?バカなんですか?それとも単にこいつが削除し忘れただけなんですか?!!」

 

俺はあっさりと情報が手に入ったせいで思わず思った事を口に出して騒ぎ立ててしまった。

先ほどの爆発もあってか、周囲の俺を見る目が恐ろしいモノを見る目になっている。

周囲の人の中には俺と同じ学校の学生もいるからきっとボッチ生活に拍車がかかるだろうな。

なんだろう...すっごく悲しくなってきた...

 

一応ダミーだとは思うが情報も手に入った、とりあえずはここに向かってみるべきだろう。

しかし、木原の奴は一体何がしたいんだ?

大方能力者を使った実験なのは間違いないだろうが、実験の内容が全く思いつかない。

まぁ、ロクでもないのは目に見えてるけどな。

 

...

 

んで、座標地点にやってきたわけだが

 

「ずいぶん壊れてんなぁ、明らかにダミーって感じ満載だぜ」

 

何処を見ても崩れかけ、穴だらけの明らかに廃墟な研究施設だったであろうモノ。

確実にここは【ダミーですね。なんて思ってないですか?】

 

「は?」

 

何処からともなく聞こえる声に俺は困惑し、周囲を見渡す。

 

【聞こえてくる環境音から察するに周囲でも見渡しているんでしょうけど、そんなところに私はいませんよ?もっと近くです】

 

その言葉を聞いた俺はまさかと思い、ポケットにしまっていた奪ったスマホを取り出す。

 

「やっぱりか」

【おや、音が鮮明に聞こえますねぇ?て事は私がどこから話しかけているか気が付いたんですねぇ!】

 

画面の向こう側から抑揚のある声が聞こえてくる

大方このスマホを元に俺の現在座標を特定して

こいつの思惑通りの地点(ポイント)に到着したところでハッキング仕掛けて通話つなげやがったってとこだろ。

 

「木原ァ...やっぱここはダミーってわけだな?」

【いいえ違いますよ?私はそこの地下に居ます】

 

思っていた回答と違う回答が帰ってきて、思わずずっこける。

 

「情報管理雑か?!!なんでてめぇの居場所わかりやすく曝してんだよッ!!?」

【でも、そうしないと貴方私の事見つけられないでしょう?】

「ウッ」

 

それは...そうだ。

俺はこいつの行先を特定する手段を持っていない。

 

【私も、あの場所でぶつかるのは不本意ですが撤退しましたが、貴方と対面したくないわけじゃないんですよ】

「へぇ~、つまりてめぇの計画には俺が必要なのか?」

 

自分の都合の為にわざと自分の情報の一部をわかりやすく放置してたってのか

 

主体(メイン)は違いますけど、おおむねそれで合ってますよ】

目的(メイン)じゃないだと?」

 

てっきり俺を計画に組み込んだ実験でも行うつもりかと思っていたが...

もしや俺の利用は目的じゃなくて過程(プロセス)なのか?

それとも実験の結果できた産物を俺にぶつけるつもりか?

 

【ここで話すのもなんです、下まで来てください】

 

...こいつの計画に乗るのは癪だが、向かわないと杏沙を助けられない。

 

「スゥ...わかった、案内しろ」

【言われずとも】

 

そこからは木原の案内にしたがって地下へと進んでいく。

道中スマホから市街地での爆発はさすがにやりすぎだの

もう少し能力をうまく扱えだのうるさかったが全部無視して案内される場所まで赴く。

 

【あ、やっときましたねぇ」

 

手に持っていたスマホからブツッと通話が切れる音が響き、数秒の沈黙が訪れる。

先に沈黙を破ったのは俺だった。

 

「御託並べる前にさっさと聞くが、杏沙は何処だ?」

「彼女ならここに」

 

そういって奴が指を指した方向を見るとポッド型の機械の中に入った杏沙の姿があった。

 

「杏沙に何をしてんだ?」

学習装置(テスタメント)を応用した情報(データ)の方の入力(インストール)を行ってますよ」

 

俺は今までになく大きな舌打ちをし、すぐさまポットの方へと向かう。

が、俺の目の前を突如強化ガラスの壁が遮り、それは適わなくなってしまう。

 

「まぁまぁまだ時間もありますし、少しお茶でもしながら話でもどうです?」

「断る。てめぇの話になんざ興味はねぇ」

 

そういって俺は反物質を「今強制的に彼女を出すと、死んでしまいますよ?」...

 

「クソ野郎が」

「クソで結構、我々の一族が嫌われているのは重々承知してます」

 

今一度、奴と...木原 空孔(きはら くうこう)と向き合う。

初めて会った時からなんとなくわかってたが、要所要所で人間性がねぇんだよなぁこいつ

そう考えつつも、警戒を怠らずに木原の言葉に耳を傾ける。

 

「大人しく話を聞いてくれるようで安心しました。

では話すとしましょう、私の計画...計画(プロジェクト)γ。

といっても、これから話す事はほとんど私の憶測なんですけどね...」

 

そういって話し出した内容は集合意識がどうとか、超個体がどうとか、何が言いてぇのか俺にはさっぱりだった。

 

「つまりてぇめがやりたいのは杏沙に複数人の自我を入力して

一つの個に複数の意識が集まった存在を造り出したいってわけか?

科学者のやる様な実験じゃねぇな、それって結局は多重人格とかそういったモンになってしまいじゃねぇか?」

 

同一思想を持った複数の意識を持つ存在

そんなのどこかにいるであろう多重人格者でも連れてきちまえば完成だ。

わざわざ造り出す意味が理解できない。

 

「一つ、勘違いをしているみたいなので訂正しておきますが...別に複数の意識を植え付けてるわけじゃないですよ?」

「何?」

 

予想が外れた?だったらなんだ?一体何を入力して...

 

「第一位の精神情報を入力してるんですよ」

「は...」

 

なんだと?それは...

 

「暗闇のッ!!」

「あぁ、やっぱり知ってましたか」

 

今だ平然とした態度を取り続ける目の前の女を睨みつけ

俺はすぐさまポットの方へと走り出した。

 

「そうやすやすと行かせると思ってるんですか?」

 

その言葉が聞こえてきたと同時に部屋の中に複数の防壁(シャッター)が下りてくる。

 

「こんなのッ!!」

 

俺はすぐさま反物質を展開し防壁の破壊を試みる。

しかし、防壁は消滅せずところどころ虫食い状態になっただけで形を保っている。

その穴も一瞬でふさがってしまったが

 

「未だ完全には解明しきってはいませんが、未元物質(ダークマター)を参考に少し面白いモノを作ったんですよ」

 

抑揚の付いた声で木原が語り出す。

 

樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)の高度な演算を利用し、常に変形し続ける特殊な防壁です。

しかも、幾重にも層が重なったミルフィーユ状の壁ですからそう簡単には突破できませんよ?」

 

なるほど、なんとなく理解(わか)った。

だが、まだ何か違和感がある...なんだ?

先ほどの感触を元に熟考する

その結果導き出された答えは...

 

「この防壁、ハナっから穴だらけ(・・・・)だろ?」

「おや!()に気が付いたんですね!!」

 

クソッ!そういう事か

この防壁は層毎にランダムな穴ぼこだらけなんだ、だから消滅が途切れたり途中で終わったりするんだな

 

「あなたの能力はこの世界に存在するあらゆる物質に対して有利を取れます。

貴方が今からでも大きな反物質の塊を造り出せばこの壁もたちまち壊されるでしょうが

貴方はそれをしようとしませんね?」

 

依然表情の一切が変わらず、木原は俺に話しかける。

 

「なぜそうしないのか?理由は単純です」

 

頬に冷たい何かが流れる、どうやら俺はこいつを少々侮ってたらしい...

 

「それは、貴方は発生するエネルギーやガンマ線を即座に対処できないからです」

「やっぱバレてるか...」

「えぇ、それはもちろん」

 

こちらに下卑た笑みを浮かべながら、木原は話を続ける。

 

「ここでそれを起こしてしまえば、貴方は問題ないでしょうが...紫月 杏沙は無事では済まないでしょうからねぇ」

 

その通りだ

いつもならドカンとやってハイ終了!ってやるんだが、今回だけはそうはいかない。

杏沙、あいつがいる以上こんなところで多量のガンマ線なんて放てば

俺が消し去るよりも先に杏沙が死ぬ。

だからこそ、そうしないためにいつもやってる方法での破壊を行おうと思ったんだが...

 

「目測、誤りましたね?」

「チィッ!!!」

 

対象を変更だ、隔壁の制御権は木原にある!

なら、それを奪えばいいだけの事ッ!!

展開した反物質を使い、持ちうる手札の全て総動員して奴に攻撃を仕掛ける。

 

「入力終わるまでに、私を倒せるといいですねぇ!!!」

「木原ァ!!!」

 

狂気的な笑みを浮かべる木原に対して、俺は今出せる全力をもって相対した。

 

 

 

次回

とある科学の反物質

第6話:こんな力でも...




どうも、前回の投稿の次の日に次話を投稿した作者です。
期末で忙しくなるのはほんとよ?だけど、アニメ見てたらなんか降りてきて...こう書こう!あぁ書こう!って頭の中から案が溢れてきてですね...
そうしたら想定よりも早くできてしまった。
結構思いついたことそのままボンボンと書いてるんでもしかしたらおかしいところや、変な誤字があるかもしれません。
その時はコメントでこっそり教えてくれたり、誤字報告をしてくれると嬉しいです。

それではまた次回~
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