アイアント徹底解剖。楽しんでいただけると幸いです。
チームシーのアジトの一角にて。ホワイトボードと機材を用意し、格好も星形サングラスをおでこにかけて腕まくりするスター団スタイルで臨む。フルーとアキルド他数名にスタッフをやってもらって、初配信と相成った。いきなり配信とか緊張するが、蟲ポケモンのためなら例え火の中水の中、岩雪崩だろうが鳥ポケモンの群れだろうが突っ込むぞ。
#ラウラの蟲かごチャンネル
【初配信】初めまして、スター団広報担当です。それはそうと蟲ポケモンの良さを語りたい【ラウラ】
「アイアントは山を掘って巣穴を作る。単体ではなく群れでというのが最大の特徴だ。アイアントの生息する地域で見られる複雑に入り組んだトンネルはアイアントが作った迷路で、迷い込んだら死を覚悟した方がいい。アイアントは肉食だからな。この習性はイッシュ地方で特に明確な「四季」が特に影響している生態で、四季のある地域で春から夏、秋の暖かい頃に食料を集め、冬が近づき寒くなると巣で越冬する。イッシュのチャンピオンロードはアイアントの巣に他のポケモンが住みついた結果だとも言われているな。ちなみに人間に知られてないだけで、ミツハニーのビークインに相当する支配者の女王蟻ポケモンが進化系でいる可能性も学会では示唆されてる。存在するならぜひ見てみたいところだ」
〈四季が関係しているのか〉
〈他の地方でも一応あるけど顕著なのは確かにイッシュだけだな〉
〈アイアントは主にイッシュに生息しているのはそう言う理由なんだな〉
〈そんなことよりスター団についてだな〉
〈ビークイン相当のアイアントの話は初めて聞いたわ〉
ホワイトボードにアイアントの巣の図面を書いて、その下に「春→夏→秋→冬」とイラスト付きで分かりやすく解説する。うんうん、コメント欄の理解力が高くて感心だ。
「これを狙って襲いに来るのが天敵であるアリクイポケモンのクイタランで、イッシュのチャンピオンロードの外に生息しているのはアイアントを狙っているからだと言われている。チューブ状な尻尾の穴から空気を取り込んで燃やした炎を舌のように操り、アイアントの鋼の外骨格を溶かして中身をいただいてしまうんだ。鋼の外骨格を持つアイアントの天敵足りえるのはこういう要素があるためだ。ちなみに、カロス地方ではアイアントの群れに混じって現れて、トレーナーを無視して争いを始める光景が見られたりするが基本的に袋叩きに遭うぞ。また、アイアントは覚えている技次第で……特に、あなをほるを覚えている個体は逆にクイタランの天敵足りえるらしい」
〈草〉
〈クイタラン散々な目に遭ってて草〉
〈むしろクイタランがアイアントの天敵って初めて知ったわ〉
〈クイタランの生態にも詳しくて草〉
蟲を知るためには天敵も知り得ないとな。そうでなくても生態は興味深いが。記憶を失っていてもこんな知識だけは残ってるのは笑うしかない。
「まあそれとは関係なく、アイアントは役割分担を的確に行える程の結束力、そして岩石をも砕く大顎を武器にクイタランを追い払って見せるのだから、チームワークは並並ならぬものである事が窺えるな。ちなみにクイタランだけじゃなく、ガラルではサダイジャも巣の奥深くにある卵を狙う事が判明している。これだけ狙われていながら絶滅しないのは、繁殖力が高いためとも言われているな。そのうち人間が絶滅してもアイアントだけは生き残るかもしれないぞ」
〈こわっ〉
〈現実味帯びてるぐらいに有能だな〉
〈スター団みたいだなしぶといの〉
おっ。引っかかった。どんどんコメントが広がっていく。スター団の広報としての要素も入れて行かないとな。
「次は、蟲ポケモンの中でも公式試合で採用率の高いアイアントの裏側を説明するぞ。まず、弱点がほのおしかないむしとはがねの複合タイプだ。このタイプは他にはフォレトス、ハッサム、ゴミのミノのミノマダム、 シュバルゴなどが該当する。つまり数少ない貴重なタイプだ!この中でも進化が今のところ関与してないのはアイアントだけなんだぞ!」
〈確かに進化してはがねタイプを手に入れる蟲ポケモンばかりだ〉
〈異常な採用率を誇るのそもそも弱点が少ないからなのか〉
〈すごいぞつよいぞまけないぞ〉
〈さっきの話によれば炎タイプ対策もあるから実質弱点なしだな〉
「ついでに言うとはがねタイプとしては足が速く、はがねタイプのメガシンカしていないポケモンの中ではアローラダグトリオについで速いすばやさを誇る。攻撃力も高い上に体力は低いが防御力も高いので物理攻撃に対しては意外と堅いことが特徴だ。代わりにさっき言った体力と特殊面はすさまじく弱く、特にとくぼうは特殊技に関しては半減であっても耐えられない事もある、明確な強みと弱点がハッキリしていると言えるポケモンだな」
〈蟲ポケモンとは思えない強靭さ〉
〈そりゃ大会でよく見るわけだわ〉
〈数も多いからたくさん捕獲されてるんだろうな〉
うんうん、アイアントの強さがわかってきているようで嬉しいぞ。このコメントが見れる機能便利だ。
「蟲を舐めてると痛い目を見るぞ。とくせいは“はりきり”と“むしのしらせ”あと隠しとくせいで“なまけ”わかりやすく攻撃に特化しているな。覚える技は威力が高いものこそ少ないがバリエーションが豊かであり、「アイアンヘッド」「シザークロス」「いわなだれ」「かみくだく」「あなをほる」「ストーンエッジ」などがある。あと「なかまづくり」も覚えるので、さっき言った“なまけ”と組み合わせるととんでもないことができる。ただし先制技がないからそこは要注意だ」
〈なまけとなかまづくりはやばい〉
〈なんだその番外戦術〉
〈ガラルではダイマックスしてるのもよくみるけどなんかあるんかな〉
「おっ、いいところに気付いた人がいるな。そうなんだ、“はりきり”と技が必中になるダイマックスは相性がいいんだ。ガラルにはハッサムも生息してないから、弱点が少ないはがね・むしとして使用率がえげつないことになっている。特にダイスチルなんか連打された暁には要塞ができあがるぐらいだ。焼け石に水とはいえダイアースでとくぼうを上げれるのも魅力だな」
〈カブさん以外のジムリーダーに強気に出れるのも使われてる理由かな〉
〈アイアントとかいうバケモノ〉
〈蟲だと思って舐めてた……〉
〈侮れないな〉
同接3640人ぐらいか……そろそろだな。俺はホワイトボードをひっくりかえして、大きな星をペンで描いてその前に立つ。
「話は変わるが、俺達スター団も同じだ。天敵のクイタランに徒党を組んで返り討ちにするアイアントの様に、敵に対して団結しているだけに過ぎない。……末端の連中が迷惑をかけているのは本当に申し訳ないが、これだけはわかってくれ。……大人でもどうしようもなかった問題に立ち向かおうとした、煌めく星々のことを」
〈どういうことだ?〉
〈スター団も同じって?〉
〈まさかの壮大な前振り〉
初回はこんな感じでいいか?と傍で見守っていたシュウメイに目配せすると、満足げに頷いてくれた。よし、今回はここまでだな。
「諸君。私は蟲が好きだ。蟲ポケモンが好きだ。愛している。だからこの愛を以て証明する。蟲ポケモンはかっこよくてかわいくて美しくて最高で最強なのだと!スター団で証明する!蟲ポケモンこそ綺羅星の様に輝くポケモン界のスターだと!」
配信を利用して、全世界に宣言する。俺の目標、目指す星はそこにある。
「……っさすがに恥ずかしいな。それじゃ、今回はここまで!次回は蟲ポケモンの強さを実際に見せるための企画を計画中だ!チャンネル登録と高評価、それからスター団をどうぞよろしく!お疲れ様でスター!」
そして星を描く動きをして、手を振って配信を切る。………愛想笑いできてただろうか。
「ナイスな配信でござった!才能あるでござるよラウラ殿!」
シュウメイにお墨付きをもらい、一息つく。……さて、次はどうするかね。いやその前に……
ロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロト
この小声で鳴りやまぬスマホロトムの相手をどうにかしないとな。気が滅入るなあ。
#ラウラの蟲かごチャンネル
【初配信】初めまして、スター団広報担当です。それはそうと蟲ポケモンの良さを語りたい【ラウラ】
アイアントの進化系来ないかな……モチーフは原始蟻らしいんですけど期待はするよね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。